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Sortie-02:騎士たちは西欧より来たりて
第七章:背中合わせのエレメント/02
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南に言われた通りに機体を地下基地の格納庫に移動させ、駐機しておき。その後でパイロット・スーツから着替えた四人は再度、地下区画の片隅にあるブリーフィング・ルームに集まっていた。
四人揃って部屋の中に入って行くと、既に要とレーアが壇上で待ち構えている。「おっ、来たか」「……お疲れ様です」とそれぞれ出迎えてくれる二人を一瞥しながら、翔一たち四人は彼らの前にある適当な椅子に腰掛けた。
「さてと、まずはご苦労だったと言っておこう」
四人が席に着いたのを見ると、要は一度こほんと咳払いをしてからそう言って、デブリーフィングの口火を切った。
「模擬戦、ACM訓練の結果は皆も知っての通りだ。はっはっは、俺としても正直予想外の決着だったよ。それにしても、宗悟くんのエアロキネシス能力……資料には目を通していたんだが、ああいう使い方もあるとは思わなかった」
「へへへ、どもっす」
「詳しい話は……俺よりも、レーアくんから話して貰った方が早そうだな。ということでレーアくん、後は頼んだ」
「……了解しました、要司令」
引き下がる要と入れ替わるようにして、レーアが一歩前に出てきて。感情の機微が読み取れないアイスブルーの双眸で翔一たちを一瞥してから、やはり抑揚のない、淡々とした調子の声で模擬戦に関することを話し始めた。
「本日のACM訓練ですが、交戦回数一回、両機ともに撃墜一、被撃墜一という結果になりました。一時間の制限いっぱいまで交戦が続いたことは……要司令と同じく、私としても予想外の結果です。メイヤード大尉と桐山少尉、風見少尉とフランクール中尉。両機ともにパイロット、ナビゲーター双方の実力が拮抗した結果と言えましょうか」
「正直、アリサたちに僕らがこれだけ苦戦するとは思っていなかったよ。お互い墜として墜とされて、割と良いテンポで回っていくと思っていたのだけれど……まさかまさか、一戦こっきりで終わりとはね。尾翼の真っ赤な薔薇のエンブレム、流石に伊達じゃあなかったようだ」
「ホントになあ。俺的にはアレ、風使ってケツ取った時あったろ? アレをアリサちゃんが軽く対応しちまったのがスゲえなあと思ったよ。ぶっちゃけた話、俺の風のアレって初見殺しもいいトコだろ?」
「たまたまよ、たまたま。事前にアンタの能力のことを知ってたから、どうにかこうにか対応出来ただけ」
「またまたぁん、アリサちゃんってば謙遜しちゃってぇん」
「……正直、ミレーヌの読みが的確すぎて僕は怖かったよ。僕が上手く頭使って追い詰めていると思っていても、実は僕らの方が一歩ずつ追い詰められていた……みたいな。相手にしていて、底知れぬ恐怖感みたいなのを僕は感じた。……凄いな、ミレーヌは」
「おだてすぎだよ、翔一くん。君の状況判断も素晴らしかった、それは相手をしていた僕が一番分かってる」
「……こほん」
段々とイーグレット隊の内輪話というか、お互いを相手にしてみての感想というか……そんな会話の流れに歯止めが利かなくなりそうなタイミングで、レーアは小さく咳払いをし。一同の意識をまた自分の方に向けさせてから、デブリーフィングの続きを話していく。
「…………どうやら、皆さんも把握していらっしゃるようですので、細かい部分に関しては敢えて省かせて頂きます。ですので、此処からは私の所見を。
…………まず結論から。現状、皆さんが部隊として出撃する上では問題ないと思います。今日現在でイーグレット隊は≪グレイ・ゴースト≫が二機のみの編成ですが、それでも問題はないかと。
とはいえ、メイヤード大尉はドッグファイトに集中すると、周りが見えにくくなる癖が。桐山少尉は状況判断能力こそ悪くありませんが、やはり経験不足から来る稚拙さが見受けられます。大尉の癖は少尉が上手く抑えていらっしゃったようですから、今後は改善していけると思いますが……少尉の経験不足に関しましては、こればかりはどうしても、少尉ご自身に実戦経験を多く積んで頂くしかありません。要司令も仰っていましたが、今後の成長に期待といったところですね。
加えて、風見少尉は……何と申し上げたら良いのでしょうか。どうにも、フェアな戦いを求めすぎているきらいがあります。自分の優位な状況を捨ててまで、というのは……私は些かどうかと思います。
かといって、少尉ご本人が仰っていた通り、これはあくまで訓練です。少尉に限って実戦でそのような振る舞いをなさることはあり得ないと思いますし、仮にそうであったとしても、その辺りはフランクール中尉が抑えてくださるでしょうから。ですから、別に心配は要らなさそうですが……一応、その部分は気になりましたということだけ、お伝えしておきます」
「まあ、そんなところだ。試験的といえ、仮にも正式に飛行隊を組んだ以上は、今後こうした機会も増えると思う。今はゴーストが二機こっきりだが、更なる増員の予定もあるしな。実戦以外でも、こうした訓練の場で存分にウデを磨いて貰いたい。
さてと……後話すべきは細々としたあれこれぐらいだな。それが終わったら、解散としよう」
レーアの所見の後で、彼女の後方から要はそう言い。また引き下がっていくレーアと入れ違いになるように皆の前に立つと、宣言通りに細々としたあれこれの話をして――――それから暫くもしない内に、このデブリーフィングを終了とした。
四人揃って部屋の中に入って行くと、既に要とレーアが壇上で待ち構えている。「おっ、来たか」「……お疲れ様です」とそれぞれ出迎えてくれる二人を一瞥しながら、翔一たち四人は彼らの前にある適当な椅子に腰掛けた。
「さてと、まずはご苦労だったと言っておこう」
四人が席に着いたのを見ると、要は一度こほんと咳払いをしてからそう言って、デブリーフィングの口火を切った。
「模擬戦、ACM訓練の結果は皆も知っての通りだ。はっはっは、俺としても正直予想外の決着だったよ。それにしても、宗悟くんのエアロキネシス能力……資料には目を通していたんだが、ああいう使い方もあるとは思わなかった」
「へへへ、どもっす」
「詳しい話は……俺よりも、レーアくんから話して貰った方が早そうだな。ということでレーアくん、後は頼んだ」
「……了解しました、要司令」
引き下がる要と入れ替わるようにして、レーアが一歩前に出てきて。感情の機微が読み取れないアイスブルーの双眸で翔一たちを一瞥してから、やはり抑揚のない、淡々とした調子の声で模擬戦に関することを話し始めた。
「本日のACM訓練ですが、交戦回数一回、両機ともに撃墜一、被撃墜一という結果になりました。一時間の制限いっぱいまで交戦が続いたことは……要司令と同じく、私としても予想外の結果です。メイヤード大尉と桐山少尉、風見少尉とフランクール中尉。両機ともにパイロット、ナビゲーター双方の実力が拮抗した結果と言えましょうか」
「正直、アリサたちに僕らがこれだけ苦戦するとは思っていなかったよ。お互い墜として墜とされて、割と良いテンポで回っていくと思っていたのだけれど……まさかまさか、一戦こっきりで終わりとはね。尾翼の真っ赤な薔薇のエンブレム、流石に伊達じゃあなかったようだ」
「ホントになあ。俺的にはアレ、風使ってケツ取った時あったろ? アレをアリサちゃんが軽く対応しちまったのがスゲえなあと思ったよ。ぶっちゃけた話、俺の風のアレって初見殺しもいいトコだろ?」
「たまたまよ、たまたま。事前にアンタの能力のことを知ってたから、どうにかこうにか対応出来ただけ」
「またまたぁん、アリサちゃんってば謙遜しちゃってぇん」
「……正直、ミレーヌの読みが的確すぎて僕は怖かったよ。僕が上手く頭使って追い詰めていると思っていても、実は僕らの方が一歩ずつ追い詰められていた……みたいな。相手にしていて、底知れぬ恐怖感みたいなのを僕は感じた。……凄いな、ミレーヌは」
「おだてすぎだよ、翔一くん。君の状況判断も素晴らしかった、それは相手をしていた僕が一番分かってる」
「……こほん」
段々とイーグレット隊の内輪話というか、お互いを相手にしてみての感想というか……そんな会話の流れに歯止めが利かなくなりそうなタイミングで、レーアは小さく咳払いをし。一同の意識をまた自分の方に向けさせてから、デブリーフィングの続きを話していく。
「…………どうやら、皆さんも把握していらっしゃるようですので、細かい部分に関しては敢えて省かせて頂きます。ですので、此処からは私の所見を。
…………まず結論から。現状、皆さんが部隊として出撃する上では問題ないと思います。今日現在でイーグレット隊は≪グレイ・ゴースト≫が二機のみの編成ですが、それでも問題はないかと。
とはいえ、メイヤード大尉はドッグファイトに集中すると、周りが見えにくくなる癖が。桐山少尉は状況判断能力こそ悪くありませんが、やはり経験不足から来る稚拙さが見受けられます。大尉の癖は少尉が上手く抑えていらっしゃったようですから、今後は改善していけると思いますが……少尉の経験不足に関しましては、こればかりはどうしても、少尉ご自身に実戦経験を多く積んで頂くしかありません。要司令も仰っていましたが、今後の成長に期待といったところですね。
加えて、風見少尉は……何と申し上げたら良いのでしょうか。どうにも、フェアな戦いを求めすぎているきらいがあります。自分の優位な状況を捨ててまで、というのは……私は些かどうかと思います。
かといって、少尉ご本人が仰っていた通り、これはあくまで訓練です。少尉に限って実戦でそのような振る舞いをなさることはあり得ないと思いますし、仮にそうであったとしても、その辺りはフランクール中尉が抑えてくださるでしょうから。ですから、別に心配は要らなさそうですが……一応、その部分は気になりましたということだけ、お伝えしておきます」
「まあ、そんなところだ。試験的といえ、仮にも正式に飛行隊を組んだ以上は、今後こうした機会も増えると思う。今はゴーストが二機こっきりだが、更なる増員の予定もあるしな。実戦以外でも、こうした訓練の場で存分にウデを磨いて貰いたい。
さてと……後話すべきは細々としたあれこれぐらいだな。それが終わったら、解散としよう」
レーアの所見の後で、彼女の後方から要はそう言い。また引き下がっていくレーアと入れ違いになるように皆の前に立つと、宣言通りに細々としたあれこれの話をして――――それから暫くもしない内に、このデブリーフィングを終了とした。
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