蒼空のイーグレット

黒陽 光

文字の大きさ
113 / 142
Sortie-02:騎士たちは西欧より来たりて

第八章:This moment, we own it./01

しおりを挟む
 第八章:This moment, we own it.


 そんなこんなで迎えた翌日、午前十時を回った頃のことだ。
「さて……と。アリサ、忘れ物は?」
「あるとでも思って?」
「ははは、違いない」
「んで、アンタの方は戸締まり大丈夫だったの?」
「二度チェックした、問題なしだ」
「ガスの元栓は?」
「そっちも大丈夫。……君の方は、肝心の鍵は持ったのか?」
「持ってるわよ、当たり前でしょうに。というか、キーが無けりゃエンジン掛けられないんだから、その時点で気付くわよ」
「言われてみれば、その通りか。……さてと、じゃあ行こうか」
「そうね。翔一、戸締まりはアンタに任せるわ」
「任された」
 靴を履いて、玄関の扉を開けて。翔一とアリサ、二人が陽の当たる場所へと踏み出していく。
 ジリジリと肌を焦がす陽気は、まだ夏と呼ぶには早すぎる時期だというのに、やたらめったらにキツく刺してくる。どうにも暑くて暑くて仕方ない。これで蝉の声でも聞こえてくれば本当に夏そのものだ。それこそ、季節を勘違いした間抜けな蝉が数匹ぐらい土の中から出てきてもおかしくないような、今日はそんな暑い晴れ模様の空だった。
 そんな陽光の下、翔一はいつも通りに袖を折った深蒼のパーカージャケットを羽織った格好だ。割といつでも過ごしやすく、動きやすくて。何だかんだと年中こんな格好ばかりな気がする。
 対してアリサの方はといえば、流石に暑すぎるのか今日はいつものCWU‐45/Pのフライトジャケットは羽織っていなかった。今日の彼女は黒いタンクトップに、その上から翔一と同じように袖を折った格好の黒い薄手のジャケット、後はいつも通り細身のジーンズといった出で立ちだ。割とシンプルな格好だというのに、それでもやたらと様になっている辺り……高身長と整った顔立ちというルックス補正の暴力は凄まじいものだと、ここに来て改めて実感できる。
 実際、今日のアリサはとても様になっていた。それこそ、このままハリウッドか何処かのカーアクション映画にでも出られてしまいそうなぐらいだ。今日の彼女は、いつにも増してあの大排気量の相棒がよく似合うことだろう。
 そんな彼女を視界の端に収めつつ、翔一は手早く玄関扉を施錠し。それからアリサとともに隣接されたガレージに向かい、閉じられていたシャッターをガラリと開き。そこに安置されていた黒く大柄な古いアメ車――――アリサが合衆国から持ち込んだ相棒、一九六九年式ダッジ・チャージャーR/Tと相対する。
「さーてと、今日の調子はどうかしら……」
 ひとりごちつつ、アリサはチャージャーの左側へと周り。運転席側の大きなドアを開けて、コラム部分の鍵穴にキーを差し込みクッと前に捻る。これだけの熱気だ、チョークを引っ張ってやる必要も無いだろう。
 そうしてアリサがキーを前に捻ると、多少グズりはしたが……しかし程なくボンネットの真下、だだっ広いスペースに格納された排気量七・二リッターのV8エンジン、クライスラー製の440マグナム・エンジンが眼を覚まし、バリバリと時代錯誤にも程がある雄叫びを上げ始める。
 バリバリバリ、ドロドロドロといった感じのアメ車特有というか、これぞアメリカン・マッスルの醍醐味と言わんばかりの重低音モリモリなサウンドを聴きつつ、アリサが車のフロント・フェンダーに寄りかかりながら、暖機運転が終わるのを翔一と二人でぼうっと待っていると。すると、開け放ったシャッターの向こう側……翔一の家の前に見慣れない車が一台、滑り込んでくる。
「やあ、二人とも」
「ごっめーん、待ったぁー?」
「別に待ってないわよ。っていうか宗悟、やめなさいそれ。普通に気持ち悪いから」
「ははは……」
 ガレージから地続きになっている敷地内に停まった車に乗っていたのは、やはりミレーヌと宗悟だ。ハザード・ランプを炊いた車から降りてくる二人を、翔一たちがガレージの中から声を掛けて出迎える。
「ほら宗悟、言わんこっちゃない。君がやっても何も可愛くないんだよ、それ」
「うわーん! ミレーヌってば相変わらず辛辣ゥー!!」
「君らは本当に、何処でも変わらないな。……それにしても、エリーゼか」
「ふーん? ミレーヌ、アンタも中々良い趣味してるじゃない?」
 降りてきた二人を出迎えつつ、翔一とアリサが彼女らの肩越しに、ミレーヌが運転してきた車を見て……それに対し素直な感想をそれぞれ述べると。ニヤリと少しだけ、ほんの少しだけ嬉しそうに笑んだミレーヌが「お褒めにあずかり、光栄だよ」と言葉を返す。
 ――――二〇一四年式、ロータス・エリーゼS。
 眩いオレンジ色のボディが煌めく、割に小柄な図体のそれは、紛うことなき英国製ライトウェイト・スポーツの名機だった。
 年式からも分かりそうなものだが、ミレーヌのそれはヘッドライトの数がそれまでの虫みたいな四眼ではなく、もっとシャープでスポーティな二眼に改められたモデルだ。いわゆるフェイズⅢモデルか。
 そのエリーゼだが、搭載しているエンジンこそ、トヨタから供給されている排気量一・八リッターの2ZR‐FEという、割に非力なものだが……しかしスーパーチャージャー過給器の存在と、何よりミッドシップ形式にエンジンを配置しているから、低排気量といえど決してその戦闘力は低くない。
 余談だが、ミッドシップ形式というのは、普通の車のようにエンジンを前方ボンネット下ではなく、丁度車体の中央付近……例えるなら、シートの真後ろ辺りに置いたような配置だ。こうすることで旋回性能がすこぶる良くなり、癖は強いが理想的な動きが出来るようになるのだ。フェラーリなんかのスーパースポーツに多く採用されている方式と言えば、ミッドシップがどれだけ理想的な配置か分かるだろう。シュッと鋭角に切り込むような、ミッドシップ特有の鋭敏な操作感覚は……一度味わえば絶対に病みつきになる。
 そんな彼女のエリーゼ、日本と同じく左側通行の英国産だからか、当然のように右ハンドル仕様……かと思いきや、意外にも左ハンドル仕様だ。まあ大方、ビスケー湾基地に在籍していた際にフランス国内で購入して乗っていた物だろうから、左ハンドルなのも納得といえば納得だ。
 加えて、ギアボックスも六速のマニュアル式のようだ。というか、翔一の記憶が正しければ、エリーゼには根本的にマニュアルしか設定がなかった気がする。
 とにかく、何もかもがスパルタンな味付けの……まさに小さなレーシングカーといった一台だ。玄人好みというか、エリーゼは結構渋いチョイスといえよう。決してミーハー好みではない、理解わかっている人間が好む珠玉のライトウェイト・スポーツだ。故に翔一もアリサも、素直に手放しでミレーヌのチョイスが良い趣味をしていると褒めていたのだった。
 ちなみに、オマケ程度に屋根が開くオープン機能もある。といっても普通のオープンカーのようにではなく、天井部分のパネルだけが取り外せるタルガトップ方式だ。まあこの暑さだから、当たり前のようにミレーヌのエリーゼは屋根を閉じていたのだが。
 ――――閑話休題。
「そういうアリサ、君のは……ああ、予想通りだ」
「む、それってどういう意味よ」
「君らしいってことさ、絶対にアメリカン・マッスルだと思ってたよ」
「……? んあ、俺にはよう分からんけどよ。確かにデッカい車ってのはアリサちゃんのイメージ通りだわ」
「あっそう……そんなに分かりやすいのかしら、アタシって」
「割とね」
「結構顔に出るタイプじゃん?」
「…………もういいわ、それで」
 ニヤニヤとするミレーヌと、一人話題について行けずに首を傾げつつも、横から話に入ってくる宗悟。そんな二人とアリサが言葉を交わしているのを苦笑い気味に眺めつつ、翔一はミレーヌたちを改めてじっくりと眺めてみる。
 当然だが、二人とも私服だ。宗悟の方は取り立てて言うことも無いというか……黒のポロシャツにジーンズという、何ともラフな感じの格好だった。とはいえこの陽気だと、これぐらいの方が涼しくて過ごしやすそうな感じでもある。
 対して彼の傍らに立つミレーヌの方といえば、雑といえば雑な格好の宗悟とは打って変わって、色んな意味でかなり気合いが入っているように思える出で立ちだった。
 上は少し襟元を開けた、袖の無い白のノースリーブ・ブラウス一枚のみと涼しげで。その下には赤いチェックのスカートと、華奢なおみ足を際立たせる黒のオーヴァー・ニーソックスを履いている。履き物はそれなりの丈のブーツだ。左手首には細身なカルティエ製の腕時計を巻いていて、開いたブラウスの襟からチラリと垣間見える首元には、ほっそりとした銀のネックレスのようなものが見え隠れしている。
 とまあ、こんな具合にミレーヌの格好はかなり可愛げがあるような感じだった。まさにあの眩いオレンジ色のエリーゼがよく似合う感じの出で立ちで、今のミレーヌは真っ白い肌に真っ赤な瞳、日差しが透き通るプラチナ・ブロンドの髪が普段より三割増しで際立って綺麗に見える。
 そんな風だから、目の前に立つミレーヌ・フランクールはまさに可憐な乙女といった感じで。とてもじゃあないが、空の上で宗悟を補佐するエースの片割れとは思えないほどに、今のミレーヌは年相応の青春真っ盛りな乙女といった、そんな印象を見る者に抱かせるような身なりだった。
「さてと、そいじゃあ早速ガレージに入れちゃいなさいな。こっちの暖気もそろそろ終わる頃だから」
「そうだね。じゃあ翔一くん、悪いけど置かせて貰うよ」
「ああ、好きに使ってくれ」
 アリサに言われて、翔一にチラリと目配せをしたミレーヌは一度エリーゼに戻っていくと、バック・ギアに入れて車を後退させ始める。
 そうして、彼女は言われた通りにガレージの中へ……丁度、アリサのチャージャーの真隣に収める形でエリーゼを停めた。こうして二台を停めてもまだスペースにはそれなりに余裕があるというのだから、やはり桐山家のガレージは意味も無く広大だった。
 とにもかくにも、そうしてガレージの中に停めたエリーゼからミレーヌが降りてくると、アリサは彼女と宗悟を自分のチャージャーの後部座席に乗るよう促す。その後で自分も左側の運転席に乗り込み、暖気の終わった車をひとまずガレージの外へと出してやる。
「よし、閉めるよ」
「ん、頼むわ翔一」
 彼女のチャージャーがガレージの外に出たところで、翔一はシャッターを閉じようと腕を伸ばし、シャッターの端に指を掛ける。
 そうしながら、彼は一瞬だけガレージの中に収まっている自分のバイク…………一九九九年式の、蒼いスズキ・イナズマ400に視線を向けた。
 何だかんだと、アリサが来てからは暫く乗ってやれていないような気がする。思えば、何処へ行くにも今日のようにアリサのチャージャーに横乗りさせて貰っていた。二人で食材の買い出しだとか、細々とした用事を済ませに出掛けるには……やはり二輪より四輪の方が何かと便利なのだ。
 だから、最近はめっきり乗ってやれていなかった。そろそろエンジンにも火を入れてやらなきゃな……と思いつつ、しかし今日も相棒には休んでいて貰うしかない。少しだけ心苦しいような感じもしてしまうが、この分はまた今度返してやるとしよう。
 そう思いながら、翔一はガレージのシャッターをガラリと下ろす。完全に閉鎖されたのを確認してから、翔一もアリサのチャージャーの助手席に乗り込んだ。
「それで? 行き先は――――」
「当然、変更なしだぜ。港湾地区の方、水族館とかある辺りだ。大体一時間ぐらいか?」
「一時間と、ざっくり一五分ぐらいね。とにかく、一応確認したまでよ。道は大体頭に入れてる、問題無いわ」
「そいじゃあ、頼むわアリサちゃん」
「悪いね、よろしく頼むよアリサ」
「はいはい、アンタたちゲストは後ろでゆっくりくつろいでなさいな。……さてと翔一、ナビは任せたわよ?」
「分かった。……思えば、僕は空の上でも地上でも、いつでも君のナビゲーターなんだな」
「下手なカーナビより、アンタの方がよっぽど信頼出来るわ。……よし、それじゃあ出発するわよ」
 クラッチを切り、ギアを一速に入れ。アリサがゆっくりとチャージャーの黒く大柄な車体を動かし始める。
 膝の上に置いた地図帳と、スマートフォンのGPS利用の地図アプリとを併用する助手席の翔一の道案内に従いながら、アリサは車を走らせていく。バリバリバリとやかましくて古くさいOHVサウンドを掻き鳴らしながら、四人を乗せた漆黒のチャージャーが向かう先は――――天ヶ崎市からそこそこ離れた場所にある、海沿いの港湾地帯だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

 神典日月神示 真実の物語

蔵屋
歴史・時代
 私は二人の方々の神憑りについて、今から25年前にその真実を知りました。 この方たちのお名前は 大本開祖•出口なお(でぐちなお)、 神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)です。  この日月神示(ひつきしんじ)または日尽神示(ひつくしんじ)は、神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)に「国常立尊(国之常立神)という高級神霊からの神示を自動書記によって記述したとされる書物のことです。  昭和19年から27年(昭和23・26年も無し)に一連の神示が降り、6年後の昭和33、34年に補巻とする1巻、さらに2年後に8巻の神示が降りたとされています。 その神示を纏めた書類です。  私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。  日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。 殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。 本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。 日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。 そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。 なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。 縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。 日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。 この小説は真実の物語です。 「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」 どうぞ、お楽しみ下さい。 『神知りて 人の幸せ 願うのみ 神のつたへし 愛善の道』  歌人 蔵屋日唱

処理中です...