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Sortie-02:騎士たちは西欧より来たりて
第八章:This moment, we own it./07
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その後、翔一たちは四人揃って水族館の中を見て回った。
ド定番のイルカショー……は、残念ながら時間がズレていて見られなかったが。しかしウミガメの飼育風景やら、イワシなんかの小魚の大群やマンボウの泳ぐ水槽に、ある種不気味な見た目の深海魚がゆらゆらと泳ぐ薄暗い展示区画。南極のイメージからか他より少し肌寒い、ペンギンの大群が歩き回り泳ぎ回る水槽などなど…………。日本最大級の触れ込みに嘘偽りはなく、一回りし終えるだけでも二時間近くは掛かったかもしれない。どれもこれも珍しくて、可愛かったり綺麗だったり。四人は一秒たりとて飽きることなく、この水族館を楽しめていた。
そして――――最後に訪れるのは、やはりミュージアムショップだ。
まあ分かりやすい言い方をしてしまえば、土産物屋。水族館の出口にありがちな感じの売店だ。水族館らしく、水棲生物にちなんだグッズが数多く並ぶ売店に立ち入った四人は……アリサと翔一、宗悟とミレーヌといった風に、自然と二手に別れて店内を見て回っていた。
「あっ…………」
そんな具合に、二組に別れて店の中を物色していると。アリサがふとした折にある棚の前で立ち止まるから、先に行きかけていた翔一がそれに気付き、彼女の方に振り返る。
すると、どうやらアリサはぬいぐるみの棚に釘付けになっているようだった。
彼女の心を捕らえて放さないのは、ペンギンやらシャチやらがデフォルメされたデザインのぬいぐるみで、何というか……物凄く可愛らしい。それが押し込められるように並べられた棚の前に立ち尽くし、並ぶぬいぐるみたちに釘付けになっているアリサの横顔も、また愛らしい。
あのキラキラとした眼の色に、ゴクリと生唾を飲み込む仕草。それらを見る限り……というか見るまでもなく分かることだが。どうやらアリサは意外と……ああ、これも意外でも何でもないか。とにかく、ああいった可愛いぬいぐるみの類が好きなようだ。普段から割と大人びていたり、気が強い部分のある彼女ではあるが。しかし、ぬいぐるみたちをじっと凝視する今のアリサは、もう完全に大きな子供といった感じの雰囲気だった。
「……好きなのか?」
そんな風にぬいぐるみに釘付けになっている彼女の横に立ち、翔一がボソリと呟いて問う。
すると、アリサは今の今まで翔一が近づいてきていたことにも気付いていなかったのか、「ひゃぁっ!?」と驚いてその場から軽く飛び退いた。そんな彼女の顔は当然のように真っ赤で、瞳も動揺に揺れまくっている。
その後でアリサは翔一に対し「そ、そんなわけ……!」と必死に取り繕おうとしたのだが。しかし、何というかもう……しどろもどろな言葉も何もかもがボロボロで、バレバレだ。
「どれがいい?」
そんな彼女に翔一はフッと小さく笑いかけると、チラリと横にあるぬいぐるみの棚を見ながら問いかけた。
「ちょっ、だから違う! 違うって! アタシはその、別に……!」
「バレバレだよ、もう諦めて。僕に意地張ったってしょうがないだろ?」
「だ、だからその、違うから……!」
「はいはい、分かったから。それで、アリサはどれがいいんだ?」
問われたアリサは尚も意地を張ろうとしていたのだが、しかし食い下がる翔一の勢いというか、有無を言わさぬ調子に折れたらしく。真っ赤な顔のままで翔一から目を逸らすと、一度目の前の棚を見渡して――――。
「………………この子」
と、棚に並べられていた内のある一匹を、少し恥ずかしそうに指差した。
「分かった」
すると翔一は頷き、彼女の指差したぬいぐるみ――――デフォルメされた可愛いイルカのぬいぐるみだ。それを引っ掴んで棚から取ると……ついでに、傍にあったペンギンとアザラシのぬいぐるみも一緒に手に取る。
ちなみに、後者二匹に関しては……身も蓋もない言い方をすると、彼自身が気に入っただけのことだ。何だかこの二匹から「自分も一緒に連れて行け」という視線を感じた気がして……と言うと、少しメルヘンが過ぎるかもしれないが。でも、何となく一緒に連れて行ってやろうと思ってしまった。ただ、それだけのことだ。
「ちょ、ちょっと!」
とにもかくにも、そうして三匹を棚から引っ張り出した翔一は戸惑うアリサの制止も聞かぬままレジの方に歩き、さっさと会計を済ましてしまう。
「待たせたね、アリサ。……はい、これを君に」
そうして会計を終え、帰ってきた翔一がアリサに大きめの袋を……ぬいぐるみ三匹がそこそこ雑な入れ方をされている、その袋をサッと差し出す。
「何だか……今日はアンタに奢らせてばっかで、悪いわよ」
すると、アリサは遠慮がちにそんなことを呟くから。翔一はまた彼女に薄く微笑みかけると、赤くした顔を申し訳なさそうに軽く逸らす彼女に対し、こんなことを告げた。
「いつも君の世話になっている僕からの、ほんのささやかなお礼のつもりだ。出来たら受け取ってくれると、僕も嬉しい」
翔一が何の混じり気もない、純粋な気持ちから来る一言を告げると。すると、アリサは――――。
「そ、そう……? なら、その……そういうことなら、受け取ってあげるわよっ」
チラチラと彼の顔を見ながら、翔一から差し出されたそれを受け取り。そうすればアリサは至極嬉しそうな顔でその袋をぎゅっと、両手で大事そうに抱き締めた。
そんな彼女の表情は――――とても薔薇のエンブレムのエース・パイロットとは思えないほどに、年相応の少女らしくて。そして、見ているこちらがキュッと胸を締め付けられてしまうぐらいの…………そんな、可愛らしい満面の笑顔だった。
「喜んで貰えたなら、何よりだ」
そんなアリサのとても嬉しそうな反応を目の当たりにして、翔一も満足し。ぬいぐるみ入りの袋をぎゅっと抱き締める彼女にまた、小さく微笑みかけていた。
ド定番のイルカショー……は、残念ながら時間がズレていて見られなかったが。しかしウミガメの飼育風景やら、イワシなんかの小魚の大群やマンボウの泳ぐ水槽に、ある種不気味な見た目の深海魚がゆらゆらと泳ぐ薄暗い展示区画。南極のイメージからか他より少し肌寒い、ペンギンの大群が歩き回り泳ぎ回る水槽などなど…………。日本最大級の触れ込みに嘘偽りはなく、一回りし終えるだけでも二時間近くは掛かったかもしれない。どれもこれも珍しくて、可愛かったり綺麗だったり。四人は一秒たりとて飽きることなく、この水族館を楽しめていた。
そして――――最後に訪れるのは、やはりミュージアムショップだ。
まあ分かりやすい言い方をしてしまえば、土産物屋。水族館の出口にありがちな感じの売店だ。水族館らしく、水棲生物にちなんだグッズが数多く並ぶ売店に立ち入った四人は……アリサと翔一、宗悟とミレーヌといった風に、自然と二手に別れて店内を見て回っていた。
「あっ…………」
そんな具合に、二組に別れて店の中を物色していると。アリサがふとした折にある棚の前で立ち止まるから、先に行きかけていた翔一がそれに気付き、彼女の方に振り返る。
すると、どうやらアリサはぬいぐるみの棚に釘付けになっているようだった。
彼女の心を捕らえて放さないのは、ペンギンやらシャチやらがデフォルメされたデザインのぬいぐるみで、何というか……物凄く可愛らしい。それが押し込められるように並べられた棚の前に立ち尽くし、並ぶぬいぐるみたちに釘付けになっているアリサの横顔も、また愛らしい。
あのキラキラとした眼の色に、ゴクリと生唾を飲み込む仕草。それらを見る限り……というか見るまでもなく分かることだが。どうやらアリサは意外と……ああ、これも意外でも何でもないか。とにかく、ああいった可愛いぬいぐるみの類が好きなようだ。普段から割と大人びていたり、気が強い部分のある彼女ではあるが。しかし、ぬいぐるみたちをじっと凝視する今のアリサは、もう完全に大きな子供といった感じの雰囲気だった。
「……好きなのか?」
そんな風にぬいぐるみに釘付けになっている彼女の横に立ち、翔一がボソリと呟いて問う。
すると、アリサは今の今まで翔一が近づいてきていたことにも気付いていなかったのか、「ひゃぁっ!?」と驚いてその場から軽く飛び退いた。そんな彼女の顔は当然のように真っ赤で、瞳も動揺に揺れまくっている。
その後でアリサは翔一に対し「そ、そんなわけ……!」と必死に取り繕おうとしたのだが。しかし、何というかもう……しどろもどろな言葉も何もかもがボロボロで、バレバレだ。
「どれがいい?」
そんな彼女に翔一はフッと小さく笑いかけると、チラリと横にあるぬいぐるみの棚を見ながら問いかけた。
「ちょっ、だから違う! 違うって! アタシはその、別に……!」
「バレバレだよ、もう諦めて。僕に意地張ったってしょうがないだろ?」
「だ、だからその、違うから……!」
「はいはい、分かったから。それで、アリサはどれがいいんだ?」
問われたアリサは尚も意地を張ろうとしていたのだが、しかし食い下がる翔一の勢いというか、有無を言わさぬ調子に折れたらしく。真っ赤な顔のままで翔一から目を逸らすと、一度目の前の棚を見渡して――――。
「………………この子」
と、棚に並べられていた内のある一匹を、少し恥ずかしそうに指差した。
「分かった」
すると翔一は頷き、彼女の指差したぬいぐるみ――――デフォルメされた可愛いイルカのぬいぐるみだ。それを引っ掴んで棚から取ると……ついでに、傍にあったペンギンとアザラシのぬいぐるみも一緒に手に取る。
ちなみに、後者二匹に関しては……身も蓋もない言い方をすると、彼自身が気に入っただけのことだ。何だかこの二匹から「自分も一緒に連れて行け」という視線を感じた気がして……と言うと、少しメルヘンが過ぎるかもしれないが。でも、何となく一緒に連れて行ってやろうと思ってしまった。ただ、それだけのことだ。
「ちょ、ちょっと!」
とにもかくにも、そうして三匹を棚から引っ張り出した翔一は戸惑うアリサの制止も聞かぬままレジの方に歩き、さっさと会計を済ましてしまう。
「待たせたね、アリサ。……はい、これを君に」
そうして会計を終え、帰ってきた翔一がアリサに大きめの袋を……ぬいぐるみ三匹がそこそこ雑な入れ方をされている、その袋をサッと差し出す。
「何だか……今日はアンタに奢らせてばっかで、悪いわよ」
すると、アリサは遠慮がちにそんなことを呟くから。翔一はまた彼女に薄く微笑みかけると、赤くした顔を申し訳なさそうに軽く逸らす彼女に対し、こんなことを告げた。
「いつも君の世話になっている僕からの、ほんのささやかなお礼のつもりだ。出来たら受け取ってくれると、僕も嬉しい」
翔一が何の混じり気もない、純粋な気持ちから来る一言を告げると。すると、アリサは――――。
「そ、そう……? なら、その……そういうことなら、受け取ってあげるわよっ」
チラチラと彼の顔を見ながら、翔一から差し出されたそれを受け取り。そうすればアリサは至極嬉しそうな顔でその袋をぎゅっと、両手で大事そうに抱き締めた。
そんな彼女の表情は――――とても薔薇のエンブレムのエース・パイロットとは思えないほどに、年相応の少女らしくて。そして、見ているこちらがキュッと胸を締め付けられてしまうぐらいの…………そんな、可愛らしい満面の笑顔だった。
「喜んで貰えたなら、何よりだ」
そんなアリサのとても嬉しそうな反応を目の当たりにして、翔一も満足し。ぬいぐるみ入りの袋をぎゅっと抱き締める彼女にまた、小さく微笑みかけていた。
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そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
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