愛老連環の計

青伽

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快楽と絶望(呂布攻めR18)

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 互いに正面を向き、座っている呂布の上へと王允は跨った。
「……ッ!」
 外に漏れぬよう声を殺す。初めて呂布と繋がった時と違い、男に慣れた身体は容易に呂布の肉棒を咥え込んでいった。
 このような姿を董卓殿に見られでもすれば、嫌われる。
 そうはっきりと王允は不安に駆られた。
「アッ……っ」
 呂布の腰の動きに合わせ、王允はいつも通り肉棒を喜ばせるため身体を動かした。だが呂布は動きを止めさせるように、王允を抱きしめる。
「王允殿、無理はなさるな。私が動くから貴方はそのままで」
 なんだこの男は。何故悦ばぬ?
 疑問に思うが、しっかりと抱きついて貰えた方が、誰かに見つかった際言い訳がしやすいので王允は従う。
「……っ」
 口元を手で覆い、声を押さえる。腸内を上下に擦られる。
「ッ……将軍、激しい」
 普段なら問題ないが、只でさえ董卓より肉棒が大きく身体を圧迫しているというのに、声を出さないというのは難しい。
 呂布も多少理解できるようで声をくぐもらせる。
「すまない、んっ」
 ゆっくりねっとりとした動きに変わる。
「はッぁ……」
 普段弄られぬ奥を突かれ、ヒクヒクと腸内が脈打ち始めた。
「ァッ……ンッ」
 なんだ? この感じは、いつもと違う。
 呂布に寄りかかると、董卓と違い鍛え上げられた身体が着物越しに感じられた。呂布が本気になれば、どんなに抵抗しようと王允は逃れられないのは明白だ。そんな身体に包まれ、守られ、犯されている。妙な安心感に王允は身体を熱くした。
「――アッ……ァッ……?」 
 自然と王允は腰を小刻みに動かしている。呂布なら、自分の期待に答えてくれる。
「ぁ、うッ」
 これは……気持ち、イイ?
「もっと……ッ」
 ……仲良くなる為、媚を売っているだけ、だ?
「呂しょぐッンぁ」
 決して、求めている訳では、ない……?
「ァっンそこ、イ、イッ」
 さらに身体の奥を突かれ、まるで呂布が胴全体を犯しているような刺激を纏い、熱く熟れた肉棒を確かに欲した。
「あっあっ将軍もっと、強くッ」
 激しいと、注意したというのに、それが恋しい。
「ぅッぐ……アッ」
 求めに応じ強く奥を突いて来る呂布の肉棒に、王允の身体が悦びを感じる。
「アッア、んッー―!?」
 脳に痺れる衝撃が走る。何が起きたのか王允は理解が追い付かず、呂布に体重を預け蕩けるような、今まで感じた事のない快楽にまどろむ。呂布は王允をあやすように髪を撫でている。
「はぁ……はぁッ……あッ」
 身体が何かによって満たされている。
 このような感覚は知らぬ、なんと心地の良い……。
 臭いと濡れたような感触に、ようやく気づく。
 ああ、私は達したのか……達する事は、このように満たされるものであったか? 
 昔の記憶を探るが記憶にない。蕩ける様に王允は、口元にある呂布の肩を舐め続けた。
 もっと、欲しい、もっと……。
「これ以上は、王允殿」
 呂布は名残惜しみながら王允から物を抜き取り身体を離す。呂布は手拭いを取り出し自身の肉棒をしごき始めた。
 今回は中に出さぬのか。
 王允はさも当然の如く、呂布の肉棒の先端を咥えた。
「そのような事を、貴方がするべきでは……ッ」
 口では否定するが、我慢できなかったようで呂布は容易に王允の口の中へ体液を放出した。不味い物だと構えていたが、苦みもなくほんのりと甘みを感じる。王允は喉を鳴らしながら一滴残さず飲みほした。
「王允殿、何故このような……」
 何故? 何故だ……? 
 中に出してくれぬと思うと何故か身体が動いていた。
 呂布はおかしな事に悔しそうにしている。随分と気持ちよさげにしていたが、どう見ても嬉しそうに見えない。
「これなら将軍が帰られた後も、暫くは将軍と共に居れます」
 自分の腹に触れながら、王允は辻褄を合わせた。呂布は目に涙を滲ませた。
「私の事を、ああ! そこまで思い詰めてッ……必ず貴方をここから救い出す。必ず」
 呂布は下を向きその涙を隠していた。

 着物を正し、ばれぬように急いで呂布と別れた。王允は自室へ戻り、椅子に座り疲れを取る。
 ……何だったのだ一体。
 何故あんなものを抵抗なく咥えたのか王允自身が分からなかった。董卓は勃ちもよく、いつも王允の中で出すので董卓にはそんな下品な真似をした事がない。
 一人になった今も、気持ち悪さを感じない。
 慣れたのか、この環境に……だから、善がって、イけたのか?
 突然足元に沼が広がり沈んでいく虚構に飲まれる。
 呂布が悔しがったのは何故だ。以前の儂ではなかったからか?
 真実に気付き王允は息をするのも忘れ、音を出さぬように目の前の机をゆっくりと叩くような動作を無意味に繰り返し、呆然とする。呂布と董卓に抱かれた時点で、恥と絶望も感じ切っていたと考えていた。それが違っていた。
 行為の最中に快楽を感じたのか……この儂が、男相手に?
 何故呂布は、いつも儂の尊厳を打ち砕いてゆくのだ……!?
 頭がねじられていくような感覚に陥る。痛みはなかったが、視点が合わず今どこにいるのかさえ疑いを持つようになる。
 貂蝉……呼べば来てくれるのか?
 ここが自宅なら、来るはずだな。
 貂蝉、貂蝉……起こしに来てくれないか? 
 全部悪い夢であったと、儂はまだ男でお前の父親であったと。
「あっ……イ、ヤだ」
 ここは郿塢城で、自宅ではない。
 もう会えぬ。会えぬのだ! このような卑しい身体で貂蝉には、何が起ころうとも。
「アッ……アアッ……」
 戻りたい、時が戻ればまたお前に会える。
 いつものように、ただ董卓の暴挙に嘆く日々が、どれだけ平穏であったか。隣に貂蝉がおったというのに。
 何故手放した、何故儂はこのような淫行に耽っておるのだ!?
 罰、罰かっ貂蝉、お前をこのような地獄へ落とそうとした。これはお前から儂への罰なのか!?
 ああ、貂蝉……! 貂蝉……っ。
 侍女に気付かぬように声を潜め、涙を流さぬよう目を見開く。
 首を横に振り息を整え、王允は自宅ではない部屋を見渡す。 
 気を狂わすわけにはいかぬ。どんなにこの身体が狂おうと、頭だけは正常でなければならぬ……!
 落ち着きを取り戻した後、王允は侍女を呼んだ。
「桃を用意できるか?」
 侍女は軽く驚きながら用意をしに出て行った。王允に付き添って数カ月、初めての我が儘だ。
 食べたいわけではない。昔、貂蝉が食べていたなと思い出しただけだ。その記憶の中の桃がおいしかったのか酸っぱかったのかも王允は覚えていなかった。
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