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穴蔵の底へ
ボスの間の前って色々渋滞加減だよね
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数日後には模型コンテスト出品締切日だというのに、陵墓探索が思いの外捗ってしまってついつい奥へ奥へと入り込んでしまっていた。
行けば行くほど無機質ルームガーダー以外にも我こそは大アルカナ何枚目の何某!いざ勝負…完全勝利!、の流れを繰り返しながら、徐々に敵のレベルも上がっている事を肌で感じる。
と言うことは最深部にこいつらの親玉がいると言うことなのだろうか。
よくよく考えたらこの墳墓最奥の玄室とやらの宝を巡るわたしと敵のレース!だとばかり思っていたが、実は違っていたのだろうか。
敵は既に最奥に至り、何故か…わたしの到着を待っている?
そんなわたしの内に湧き上がっていた疑念は、すぐに解消された。
やはり、待っていた。
回廊の果て、それまで以上に荘厳な作りの大きな石扉の前に。
見覚えのある美しき聖職者。
ガチャ教教主ペイルガン。久々に見るその美影は、ゆったりとした法衣に包まれてこそいたが、無粋な武装の固さがその下に見て取れた。
やはり、こいつが…いやほんとは巨赤龍の絡みでしょうたいをあらわした!、ってなるかと期待(?)もしてたのだが…
「流石は勇者…当たりも当たり、本当に大当たりのレアリティだったみたいね」
そしてその傍らには何人かの手下。
あ、あいついるじゃんキミねぇ!のやつ。
なんとなくつまんなさそうなのが気になるが。
「そりゃまあわたしってば大正義☆五くらいで排出一パーセント以下くらいの確率だしねぇ。あんたの周りの☆ニ、三程度じゃ勝ち目ゼロだよ?」
わたしの軽い煽りにペイルガンの取り巻きがいきり立つ。敗北者どもが…
お。しかしそんな中でもペイルガンと、あのキミねぇ!の奴は冷静だ…なるほど、その辺も十把一絡げの奴らとは異なるか…
「…そのようね。でも、そんなあなたでも彼らが一斉に襲い掛かればどうかしら?流石の最高レアリティでも無傷で潜り抜けるのは無理ではなくて?」
「そういうのはそいつらが完璧な連携攻撃が出来る前提で、だと思うけど大丈夫?そいつら同士の得物の振り上げ合いでフレンドリーファイアみたいにならなきゃいいけど?」
いくら広大、っつってもここは所詮屋内に過ぎない。集団相手だと言っても目の前に並ぶ敵の数はそう多くはならない。
目の前に現れるせいぜい四人程度だけを相手にすれば…とかいう奴だ。セオリーみたいなもんだろう。
せめて周りに何もない屋外とかならともかく、この状況は向こうにも有利にはなるまい。
「いやまあなんだかんだ言って最終的には倒すけどさ」
わたしはキングオブソーズを剣化して構える。他にも日々たゆまぬ追い剥ぎの成果で武装は強化されているが、この場でどこまで披露させてもらえるのか…
「…快楽殺人者め…」
「おい今喋った奴前出ろや!!」
取り消せよ!と言わんばかりにわたしは飛び出した。言った本人は「え?」という顔をしたままわたしの刺突を額に受け、崩れ落ちる。
その後は、
斬る、叩く、掴む、投げる。
切る、斬る、蹴る、斬る。
四、五人ほどオネンネしたところで、
ペイルガンの長刀に間合いを制され後退を余儀なくされたわたしは後方へ退き、
再び状況が膠着する。
…にしてもあのねーちゃんやっぱやる奴だったか…あとキミねぇ!の奴が前に出て来なかったのはびびってなのか、それとも様子見してたか…
「四、五人倒して自分は無傷とか…凄まじいわね」
「ふふふ☆五な上にデイリー報酬目当てで一見無駄に見えるクエストもクリアし続けてるわたしを舐めない方がええで」
わたしはペロリと舌舐めずりをする。
「いや舐めてはないけど…思った以上にキレキレだったわ…」
ペイルガンのこめかみから汗が垂れる。
「…話が途切れたわ。ごめんなさい、部下の非礼は詫びるので話を続けてもいいかしら?」
「ええんやで」
わたしはキングオブソーズの切っ先を下に向ける。カードの形に納めるまではしない。
「ありがとう。で、今更かもだけどあなたと今ここで雌雄を決するような真似はしたくないの。まあ、見ての通りこちらの戦力が不足しているのもあるけど…ただ誤解なきように伝えてはおくけど、」
長刀を右手でぶらりと下ろしたままのペイルガンは艶然と微笑み、
「サシなら、別に負けはしないわ…ただ、今のあなたを見て改めて、負けはしないけど無傷でいられるとも思えないとは感じた。そこは素直に認める」
冷静に分析しやがったな。わたしは顔をしかめる。なんだよ、従える雑魚どもと格が違うじゃねぇか…
「はっきり言ってわたしが相手をしないとあなたを倒す事は出来ない…部下連れて待ち構えてたけどそこは無駄だったわね。…あなたたちは戻りなさい。次に何かあったら、相手にあんな物言いは許さないくらいには強くなって戻ってきて欲しいわね」
ペイルガンの指示に、雑魚どもは従い粛々と通路の後方へ下がっていった。
キミねぇ!だけを残して。
「あなたも…」
「いえ、わたしは決着を」
いやプラモコンテストのだよね?真面目な顔してるけどさ!
行けば行くほど無機質ルームガーダー以外にも我こそは大アルカナ何枚目の何某!いざ勝負…完全勝利!、の流れを繰り返しながら、徐々に敵のレベルも上がっている事を肌で感じる。
と言うことは最深部にこいつらの親玉がいると言うことなのだろうか。
よくよく考えたらこの墳墓最奥の玄室とやらの宝を巡るわたしと敵のレース!だとばかり思っていたが、実は違っていたのだろうか。
敵は既に最奥に至り、何故か…わたしの到着を待っている?
そんなわたしの内に湧き上がっていた疑念は、すぐに解消された。
やはり、待っていた。
回廊の果て、それまで以上に荘厳な作りの大きな石扉の前に。
見覚えのある美しき聖職者。
ガチャ教教主ペイルガン。久々に見るその美影は、ゆったりとした法衣に包まれてこそいたが、無粋な武装の固さがその下に見て取れた。
やはり、こいつが…いやほんとは巨赤龍の絡みでしょうたいをあらわした!、ってなるかと期待(?)もしてたのだが…
「流石は勇者…当たりも当たり、本当に大当たりのレアリティだったみたいね」
そしてその傍らには何人かの手下。
あ、あいついるじゃんキミねぇ!のやつ。
なんとなくつまんなさそうなのが気になるが。
「そりゃまあわたしってば大正義☆五くらいで排出一パーセント以下くらいの確率だしねぇ。あんたの周りの☆ニ、三程度じゃ勝ち目ゼロだよ?」
わたしの軽い煽りにペイルガンの取り巻きがいきり立つ。敗北者どもが…
お。しかしそんな中でもペイルガンと、あのキミねぇ!の奴は冷静だ…なるほど、その辺も十把一絡げの奴らとは異なるか…
「…そのようね。でも、そんなあなたでも彼らが一斉に襲い掛かればどうかしら?流石の最高レアリティでも無傷で潜り抜けるのは無理ではなくて?」
「そういうのはそいつらが完璧な連携攻撃が出来る前提で、だと思うけど大丈夫?そいつら同士の得物の振り上げ合いでフレンドリーファイアみたいにならなきゃいいけど?」
いくら広大、っつってもここは所詮屋内に過ぎない。集団相手だと言っても目の前に並ぶ敵の数はそう多くはならない。
目の前に現れるせいぜい四人程度だけを相手にすれば…とかいう奴だ。セオリーみたいなもんだろう。
せめて周りに何もない屋外とかならともかく、この状況は向こうにも有利にはなるまい。
「いやまあなんだかんだ言って最終的には倒すけどさ」
わたしはキングオブソーズを剣化して構える。他にも日々たゆまぬ追い剥ぎの成果で武装は強化されているが、この場でどこまで披露させてもらえるのか…
「…快楽殺人者め…」
「おい今喋った奴前出ろや!!」
取り消せよ!と言わんばかりにわたしは飛び出した。言った本人は「え?」という顔をしたままわたしの刺突を額に受け、崩れ落ちる。
その後は、
斬る、叩く、掴む、投げる。
切る、斬る、蹴る、斬る。
四、五人ほどオネンネしたところで、
ペイルガンの長刀に間合いを制され後退を余儀なくされたわたしは後方へ退き、
再び状況が膠着する。
…にしてもあのねーちゃんやっぱやる奴だったか…あとキミねぇ!の奴が前に出て来なかったのはびびってなのか、それとも様子見してたか…
「四、五人倒して自分は無傷とか…凄まじいわね」
「ふふふ☆五な上にデイリー報酬目当てで一見無駄に見えるクエストもクリアし続けてるわたしを舐めない方がええで」
わたしはペロリと舌舐めずりをする。
「いや舐めてはないけど…思った以上にキレキレだったわ…」
ペイルガンのこめかみから汗が垂れる。
「…話が途切れたわ。ごめんなさい、部下の非礼は詫びるので話を続けてもいいかしら?」
「ええんやで」
わたしはキングオブソーズの切っ先を下に向ける。カードの形に納めるまではしない。
「ありがとう。で、今更かもだけどあなたと今ここで雌雄を決するような真似はしたくないの。まあ、見ての通りこちらの戦力が不足しているのもあるけど…ただ誤解なきように伝えてはおくけど、」
長刀を右手でぶらりと下ろしたままのペイルガンは艶然と微笑み、
「サシなら、別に負けはしないわ…ただ、今のあなたを見て改めて、負けはしないけど無傷でいられるとも思えないとは感じた。そこは素直に認める」
冷静に分析しやがったな。わたしは顔をしかめる。なんだよ、従える雑魚どもと格が違うじゃねぇか…
「はっきり言ってわたしが相手をしないとあなたを倒す事は出来ない…部下連れて待ち構えてたけどそこは無駄だったわね。…あなたたちは戻りなさい。次に何かあったら、相手にあんな物言いは許さないくらいには強くなって戻ってきて欲しいわね」
ペイルガンの指示に、雑魚どもは従い粛々と通路の後方へ下がっていった。
キミねぇ!だけを残して。
「あなたも…」
「いえ、わたしは決着を」
いやプラモコンテストのだよね?真面目な顔してるけどさ!
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