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穴蔵の底へ
決戦前々々夜?くらい
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青いアイツを素組みする。
小股が切れ上がり過ぎた、若干イビツ感があるプロポーションなのがまた、敵方の量産機ぽくて堪らない。
素組みで満足してしまいそうになったが、流石にそれでコンテスト出品というわけにも行かない。パワーアップ案、またはディオラマ案を出さにゃぁならん。
「ニヤニヤしてますね」
またマイナに突っ込まれた。
マイナは構わず続けて、
「カラーリング変更、武装追加…がすぐに考えつく改造案ですけど、あとは最近だとミキシングビルド、ってやつ?」
「なにそれ声優さん?」
わたしのアホ丸出しの回答にふっ…と可哀想なものを見る目で応えながら、
「このメーカーの同スケールのキットは関節部パーツが共用のものが多いので、腕だけ別、足だけ別…というように別キットと組み替えが出来るんですよ。ミックスして新しいものをビルド、ってことらしいです」
「マイナもしかして出身静岡だったりするの?」
「ちょっとなに言ってるかわかりませんね…」
まあ。このエルフぽい娘の出自はさておき。
なるほど今どきゃ組み替えが簡単なのか…ブロックみたいだな。
そーいやブロックよろしく組み上げて、君も作りたいロボットを作ろうぜ!みたいなパーツ別キットも売り場に置いてたな。
趣味モノで版権物に頼らずに商品開発ってのは大変だな…
いや、今はそんな事を考えている場合じゃないわ。ミキシン…はちょっと興味出た。が、問題は何のパーツをチョイスするか…むぅ、流石に現物が無いとイメージ湧かんな。
「でも、そうは言っても現物のパーツを見ながらじゃなきゃ組み替えのプランなんか湧かないよォ!…そうお考えですね?」
「カッコ(↑)イイ(↑)ボデー(↑)!」
語尾が全部上に上がるような不思議な単語を、私は唐突に口にしていた。
我ながら何言ってるんだ…
「…い、いや何でもない。ところでマイナは九州出身だったりは…」
「なに言ってるかほんとにわかんないです」
「せやろな」
「ま、まあ…とりあえずこちらへ」
マイナは今までわたしを通したことのない部屋へと導く。…つか何部屋あるんだろうココ…
室内には何列か、棚が並んでいた。
そしてそれぞれの棚には…
フィギュアやらプラモやらが並んでいた。
「…あのシリーズの、そのスケールのやつだと、ああ、あった。この棚の上から…ここ、三段目くらいまでですかね。あ、旧キット混ざっちゃってますけど、我慢してくださいね。イメージ見るだけなら、って事で」
ぎっちり並んでいた。
「…まあそもそも旧キットの時点でミキシングビルドは出来ませんけどね。関節とか違うし」
作りが多少粗かったり、彩色もムラがあったりはするが、居並ぶと壮観だ…
…そして多分、作り続けて徐々に繋ぎ目処理とか彩色ムラがなくなってきていたりとか、技術の向上が見られる。
シリーズ終盤のキットなどはツヤ消しも綺麗に吹かれ、雑誌の作例のような丁寧さだった。
「ね、マイナ…ここ以外も見ても良い?」
まずはプラモ群に目を奪われてはいるが、中々に眼福な保管庫のようだ。そこはかとないシンナー臭が体に悪そうではあるが。
「良いですよ勿論。その後で原作BDも観ましょうねぇ…そして語り明かしましょうね…」
あー、話し相手に飢えてた感!マイナの敏感な部分に触れてしまったか…
まあそれはそれとして、保管庫内をあちこち見て回る事にした。
たまに換気のために自分が外に出たりしながら、三時間程度色々眺めてプランを練った。兵器としての発展性の模索か…情景模型としての情感で訴えるか…○○少女として半裸の女の子フィギュアに外装として被せ…いかん!それは違う!
マイナの趣味は基本的に硬質なSF質感なのだが、急速に日常系の女の子しか出ない系に振り切られる部分がある…引っ張られ過ぎると「コイツやっちゃったよ…」感に成り果てる可能性が割と高い。
危な過ぎる…一応は自分の身柄が懸かっているコンテストだけに、そういうおふざけはよろしくない。
やはりパイロットは渋い中年のおっさんだ。超長距離射程のカスタマイズライフルで「意外とセコい手を(ry」と言われるような攻撃で最新鋭の主人公側勢力の機体をスナイプ!
これだな!
最早そのライフルが主役では?という勢いでどんなロングロングライフルにするかを考え…逆に弓矢型とか斬新じゃね?とか一瞬だけ考えて、待ってくれ!それは筋が通らねぇ!、と慌てて考え直し…
「超長距離攻撃を実現するにあたり、どういう武装構成にするのがリアルか?」
の考察を始める。
彩色も宇宙迷彩で黒か青系中心に統一…
そこで足元黒!籠手金色!という自分の装備に想いが及んで嫌な気持ちになりながらも、とりあえずライフルをどう仕上げるかの構想を練りながら青いアイツ自体のブラッシュアップに取り掛かる。
マイナはそんな楽しそうなわたしを眺めながら、おやつを準備しながらBDの山から何枚か抜き、これから観るものを吟味し始めていた…。
小股が切れ上がり過ぎた、若干イビツ感があるプロポーションなのがまた、敵方の量産機ぽくて堪らない。
素組みで満足してしまいそうになったが、流石にそれでコンテスト出品というわけにも行かない。パワーアップ案、またはディオラマ案を出さにゃぁならん。
「ニヤニヤしてますね」
またマイナに突っ込まれた。
マイナは構わず続けて、
「カラーリング変更、武装追加…がすぐに考えつく改造案ですけど、あとは最近だとミキシングビルド、ってやつ?」
「なにそれ声優さん?」
わたしのアホ丸出しの回答にふっ…と可哀想なものを見る目で応えながら、
「このメーカーの同スケールのキットは関節部パーツが共用のものが多いので、腕だけ別、足だけ別…というように別キットと組み替えが出来るんですよ。ミックスして新しいものをビルド、ってことらしいです」
「マイナもしかして出身静岡だったりするの?」
「ちょっとなに言ってるかわかりませんね…」
まあ。このエルフぽい娘の出自はさておき。
なるほど今どきゃ組み替えが簡単なのか…ブロックみたいだな。
そーいやブロックよろしく組み上げて、君も作りたいロボットを作ろうぜ!みたいなパーツ別キットも売り場に置いてたな。
趣味モノで版権物に頼らずに商品開発ってのは大変だな…
いや、今はそんな事を考えている場合じゃないわ。ミキシン…はちょっと興味出た。が、問題は何のパーツをチョイスするか…むぅ、流石に現物が無いとイメージ湧かんな。
「でも、そうは言っても現物のパーツを見ながらじゃなきゃ組み替えのプランなんか湧かないよォ!…そうお考えですね?」
「カッコ(↑)イイ(↑)ボデー(↑)!」
語尾が全部上に上がるような不思議な単語を、私は唐突に口にしていた。
我ながら何言ってるんだ…
「…い、いや何でもない。ところでマイナは九州出身だったりは…」
「なに言ってるかほんとにわかんないです」
「せやろな」
「ま、まあ…とりあえずこちらへ」
マイナは今までわたしを通したことのない部屋へと導く。…つか何部屋あるんだろうココ…
室内には何列か、棚が並んでいた。
そしてそれぞれの棚には…
フィギュアやらプラモやらが並んでいた。
「…あのシリーズの、そのスケールのやつだと、ああ、あった。この棚の上から…ここ、三段目くらいまでですかね。あ、旧キット混ざっちゃってますけど、我慢してくださいね。イメージ見るだけなら、って事で」
ぎっちり並んでいた。
「…まあそもそも旧キットの時点でミキシングビルドは出来ませんけどね。関節とか違うし」
作りが多少粗かったり、彩色もムラがあったりはするが、居並ぶと壮観だ…
…そして多分、作り続けて徐々に繋ぎ目処理とか彩色ムラがなくなってきていたりとか、技術の向上が見られる。
シリーズ終盤のキットなどはツヤ消しも綺麗に吹かれ、雑誌の作例のような丁寧さだった。
「ね、マイナ…ここ以外も見ても良い?」
まずはプラモ群に目を奪われてはいるが、中々に眼福な保管庫のようだ。そこはかとないシンナー臭が体に悪そうではあるが。
「良いですよ勿論。その後で原作BDも観ましょうねぇ…そして語り明かしましょうね…」
あー、話し相手に飢えてた感!マイナの敏感な部分に触れてしまったか…
まあそれはそれとして、保管庫内をあちこち見て回る事にした。
たまに換気のために自分が外に出たりしながら、三時間程度色々眺めてプランを練った。兵器としての発展性の模索か…情景模型としての情感で訴えるか…○○少女として半裸の女の子フィギュアに外装として被せ…いかん!それは違う!
マイナの趣味は基本的に硬質なSF質感なのだが、急速に日常系の女の子しか出ない系に振り切られる部分がある…引っ張られ過ぎると「コイツやっちゃったよ…」感に成り果てる可能性が割と高い。
危な過ぎる…一応は自分の身柄が懸かっているコンテストだけに、そういうおふざけはよろしくない。
やはりパイロットは渋い中年のおっさんだ。超長距離射程のカスタマイズライフルで「意外とセコい手を(ry」と言われるような攻撃で最新鋭の主人公側勢力の機体をスナイプ!
これだな!
最早そのライフルが主役では?という勢いでどんなロングロングライフルにするかを考え…逆に弓矢型とか斬新じゃね?とか一瞬だけ考えて、待ってくれ!それは筋が通らねぇ!、と慌てて考え直し…
「超長距離攻撃を実現するにあたり、どういう武装構成にするのがリアルか?」
の考察を始める。
彩色も宇宙迷彩で黒か青系中心に統一…
そこで足元黒!籠手金色!という自分の装備に想いが及んで嫌な気持ちになりながらも、とりあえずライフルをどう仕上げるかの構想を練りながら青いアイツ自体のブラッシュアップに取り掛かる。
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