始める気もなかったゲームのガチャの引きが良すぎた

らふれられ

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穴蔵の底へ

これが俺の新マシーンだッ!

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やれ模型コンテスト用のパーツだ、マイナのお気にのソシャゲグッズだと大量に買い漁り、ついでに何キロクラスのカレーを食べて、マイナ宅へと戻ってきた。
マイナは久々にカラオケも堪能し、アルコールこそ入らなかったが満腹・満足で上機嫌である。
買ってきた荷物を片付けながら、ダンジョン探索用のドローンの箱を取り出す。
そこそこ値が張ったが、カメラなんかもいい感じだったのでこれに決めた。
うまく操縦さえ出来れば、高さを気にせず探索に打ち込める…なおかつ命の心配を全くしなくても良いのだから偵察機としての意味合いはかなり大きい。
動画撮影してしまえばマッピング作業はリアルタイムでしなくて済む…なんだったら探索としての作業はよほど広大だとでも言わない限りは丸一日ドローン飛ばせば済むのかも知れない…
ダンジョン探索もVRで済ませてしまう時代が来ちゃったかあ…
試しに飛ばしてみようと、セッティングを終えてマイナ宅の外…陵墓内に出る。
通路、というか屋内だが高さがあるので、三メートル程度上まで上げればガーディアン辺りの攻撃は避けられるだろう。コントローラを操り、ドローンを上へ上げる…下向きの照明を点け、カメラをオンにする。
映像は思ったより鮮明だった。いいじゃん!イケるじゃん!
…この新鮮な感動は電波が届かなくなってドローンが落ち、回収に行かざるを得ない事実を知るまでの三十分程度は続いたのであった…。
「このドローンはお前のか!てめー、いきなりこんなとこで使ってんじゃねー!電波法舐めてんのか!…俺は大アルカナ二十二衆が一人、タワーのシヴァ!貴様の安寧な旅はここで終わry…」
黄金籠手ちゃん抜剣速度はやすぎんよ~わたしのキングオブソーズは既に塔の男の眉間を割り、鋭い突きが一瞬で勝負を決めていた。
良かった、ドローンは無事だ。
タワー男が膝から崩れ落ち、ドローンを取り落す瞬間、黄金籠手はその胸元からドローンを引ったくり、無事にわたしの手元に戻る。
まったく心配かけやがってコイツ…
出費額的に寿命が縮むわ…
やはり電波が届く距離がネックになるか…なんだシケてんなこいつ自分で言ってたタワーのカードしか持って無いのか…?
思索を巡らせながらの追い剥ぎ行為を終え、わたしは悄然とマイナ宅への帰路に就いた。
自室へ戻り、ドローン映像を見直しながら策を練る。
この階層のようにだだっ広いフロアならそこそこ飛ばせるが、当然限界はあるし、ましてや柱や壁が多いフロアでは即探索断念となるだろう。
危険なところへ仮偵察機として飛ばして様子だけ見るなら、そもそも高級機は必要無かった…
「要は高いオモチャか…」
「あら、計画失敗しちゃったんですか?」
マイナがお茶を淹れてくれたようだ。
「こんな遅い時間に突発的に追い剥ぎしたくなっただけじゃ無かったんですね」
「もう完全に思考が犯罪者のソレだよね」
「でも剥いだんでしょう?」
「まあ…抵抗されたし…」
なんだろう、わたしが強盗か何かかみたいな気になってきたがハハハそんな筈はない…
「もう大分遅いし今日は寝たらどうですか…今日は色々ありましたし」
「確かに。寝てリセットしたいとこだわね」
疲れていたのか、わたしはベッドに入るとすぐに寝入った。
ぼんやりと、薄らぐ意識に寄り添う気配。
「はーいログボ。今日は週に一度のガチャチケ配布日だよー誰だー☆3製造機とかガタガタ抜かしてんのはー。自分の運の無さをどいつもこいつも棚に上げやがってー」
ひらり、とわたしの前に紙片が舞い降りる。金ピカだ。いわゆる「○○以上確定!」とかじゃない系のガチャチケだなコレ。
「いや、わたしはそんなこと言わないよ。ありがと神さま」
わたしはサンラプンラに礼を述べた。
目の前に急にはっきりと姿を現したサンラプンラは、笑顔だった。
「流石、良い心掛けだねー。きっと良い引きするよー保証は付けないけどー」
「ん。」
わたしも笑う。まあガチャなんてものは引くまで、演出見るまでが楽しいものなのかも知れない。結果は結果でしかない。
そもそも手持ちの装備は既にそれなり以上、戦えば必ず勝つ状態なのだからあと何を引かなきゃならないとかは特にないのだ。
…まあその割には今置かれている状況はなんとも言い難い感じだが。
この微妙に便利だったり楽しかったりもしながらも、死後の世界感をどこか漂わせる不気味な世界。
地上のファンタジー世界の方が、まだしも真っ当な世界なのだろう。
そこへ戻る…のが目的のはずなのだが。
マイナの姿が頭をよぎる。
あの子をひとりここに置き去りにしていいものなのか…
「思ってたよりずっとお人好しだわあなた。敵は迷わず殺すのにね」
サンラプンラの言葉に、
「そりゃそーでしょ。黙ってたらこっちが殺されるんなら先にやるわ。そういう基本的な事だけは間違いなく、この世界に来た時点で刷り込まれてた…気がするよ?神さま?」
わたしは口の端を吊り上げ、笑う。
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