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とりまインストール
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スマホいじり中にたまたま、広告に触ってしまったのだろう。
何か、ファンタジーものっぽいゲームのインストール画面が起動した。
まあチュートリアルの長さ次第では即切りだが、最初に十連ガチャ引くくらいまでは、と軽く考え、インストールしてみた。
何か適当に画面を撫ですぎたか…画面はいかにも、な魔法陣が表示されたガチャ画面に切り替わっていた。
どのみちチュートリアルも読み飛ばす気満々だったし丁度いいやくらいの気持ちでガチャ画面を突く。
画面がフラッシュする。
初めてのガチャだとこの演出が良いのかどうかも分からない…
と、思ったら。
虹がかかる。
花火が連発で轟く。
オーロラが棚引く。
画面上から下から金貨が噴き出す。
「よくわからんが…すげぇわな」
何が出るのか…この演出なら期待は出来そうだ。そう思った瞬間。
画面に表示されたガチャの中身は。
「…トランプ、かな?」
大げさな演出の果てに現れたのは、薄汚れたトランプのカードいちまいだった。
気付くと。
さっきまで自室のベッドの上に
横たわっていたはずの自分は、
一面の草原。
抜けるような青空。
どことも知れぬ世界に立ち尽くしていた。
「ありゃ」
これは流行りの異世界というやつか…
死んでもないのに来ちゃったか?
それとも実は死んでたのか?
とりあえず、自分の状態を確かめてみる。
自分のものではない白っぽい服とズボン。履物は白いサンダル。
右手には革製のカバンを持っている。
中に何か入ってるようだ。
開けてみる。
「トランプじゃんか、さっきの」
ガチャ結果画面で見た、古ぼけたトランプがいちまい。
他にも何か入っているようだ、そんなに多く物が入るようなカバンでもなさそうだが。
そう思った時に、彼方の空に黒い影が見えた。
紐のように長くうねる黒い影。
距離感的にも相当巨大な何かが、
空を飛んで…
「…こっちに来る…かなアレ」
漠然とそう考えていると。
黒い影は一目散にこちらへ空を滑り、猛然と接近してきた。
初めて見るが、名前の見当は付く。
細かな何属何目とかはあるのかもだが、
「ドラゴン、って奴だよなぁ…」
思わず顔がひきつる。
いきなりあんなものが出てきて、
なにをどうしろと言うのか…と、
思っている側からドラゴンは
こちら目掛けて飛来する。
四肢があり、一対の翼が生えた
全身緑の鱗に覆われたそれは、まだ
大分距離があるにも関わらず大きく
見えた。
その時、頭の中にイメージが迸る。
右手に握った、例の古いトランプ。
描かれた絵柄は「スペードのキング」だと思った。
剣を持つ老いた王。その姿が自分自身の姿に重なる…
気付くと。
手には剣を。
体には青赤鮮やかな色遣いの長衣を。
頭には冠を。
自分自身が、まるでそのトランプカードの柄のような出で立ちに変わっていた。
「まあ多分異世界らしいし、あんだけ演出過多だったんだ…いけるか!」
気を取り直し、迫り来るドラゴンを
挑発するかの如くに剣先を向ける。
ドラゴンの速度!
真っ直ぐに自分へと向かい空を滑る。
時速六、七十キロはありそうに思えた。
「バカでけぇんだから鈍重でもいいだろうによう!」
ドラゴンの鼻先が目の前に迫る!
瞬間。
体が動いた。
何に反応したのか、反応出来たのか。
信じられない程大きく弧を描いて跳躍、
そのまま右手の長剣をドラゴンの
額の真ん中に刺す形で、ドラゴンの
頭の上に着地した。いや、出来てしまった。
雷鳴か地響きか、聞くものの魂を千々に削り去りかねない大音響。額に剣を
打たれたドラゴンが啼いた。
「出来ちゃうじゃん!これやっぱ当たりなんじゃんか!」
勢い付いて、右手の剣を気の向くままに
走らせる。
刃先に感じるドラゴンの皮膚感が、
見た目にそぐわずあまりにも軽い。
いや。足元に踏み締めるその皮膚感は
あたかも岩肌のようで、見た目通りの
印象が強い。ぶっちゃけサンダルごしでもちょっとゴツゴツして痛いくらいだ。
だが剣で当たれば、まるでケーキでも
切り分けているかのような軽快さが
あった。
居並ぶ角を撫で斬りに斬り飛ばすと、
堪らずドラゴンは頭を猛然と上下させ、
剣持つ異物を振り払った。
とはいえ無様に落下するでもなく、
乗った時同様の身軽な宙返りを見せ、
難なく着地されてしまうのだが。
だが目的は「振り落とす事」。その
最低限だけは達成した事を知ると
ドラゴンは再び空の彼方へと帰り、
すぐに見えなくなった。
「…チュートリアルにしてはきついねぇ…」
まあ大きな負傷も無く、かなりヤバイ局面を乗り越えたらしい事を改めて噛み締め…腹が減った事に気付いた。
何か、ファンタジーものっぽいゲームのインストール画面が起動した。
まあチュートリアルの長さ次第では即切りだが、最初に十連ガチャ引くくらいまでは、と軽く考え、インストールしてみた。
何か適当に画面を撫ですぎたか…画面はいかにも、な魔法陣が表示されたガチャ画面に切り替わっていた。
どのみちチュートリアルも読み飛ばす気満々だったし丁度いいやくらいの気持ちでガチャ画面を突く。
画面がフラッシュする。
初めてのガチャだとこの演出が良いのかどうかも分からない…
と、思ったら。
虹がかかる。
花火が連発で轟く。
オーロラが棚引く。
画面上から下から金貨が噴き出す。
「よくわからんが…すげぇわな」
何が出るのか…この演出なら期待は出来そうだ。そう思った瞬間。
画面に表示されたガチャの中身は。
「…トランプ、かな?」
大げさな演出の果てに現れたのは、薄汚れたトランプのカードいちまいだった。
気付くと。
さっきまで自室のベッドの上に
横たわっていたはずの自分は、
一面の草原。
抜けるような青空。
どことも知れぬ世界に立ち尽くしていた。
「ありゃ」
これは流行りの異世界というやつか…
死んでもないのに来ちゃったか?
それとも実は死んでたのか?
とりあえず、自分の状態を確かめてみる。
自分のものではない白っぽい服とズボン。履物は白いサンダル。
右手には革製のカバンを持っている。
中に何か入ってるようだ。
開けてみる。
「トランプじゃんか、さっきの」
ガチャ結果画面で見た、古ぼけたトランプがいちまい。
他にも何か入っているようだ、そんなに多く物が入るようなカバンでもなさそうだが。
そう思った時に、彼方の空に黒い影が見えた。
紐のように長くうねる黒い影。
距離感的にも相当巨大な何かが、
空を飛んで…
「…こっちに来る…かなアレ」
漠然とそう考えていると。
黒い影は一目散にこちらへ空を滑り、猛然と接近してきた。
初めて見るが、名前の見当は付く。
細かな何属何目とかはあるのかもだが、
「ドラゴン、って奴だよなぁ…」
思わず顔がひきつる。
いきなりあんなものが出てきて、
なにをどうしろと言うのか…と、
思っている側からドラゴンは
こちら目掛けて飛来する。
四肢があり、一対の翼が生えた
全身緑の鱗に覆われたそれは、まだ
大分距離があるにも関わらず大きく
見えた。
その時、頭の中にイメージが迸る。
右手に握った、例の古いトランプ。
描かれた絵柄は「スペードのキング」だと思った。
剣を持つ老いた王。その姿が自分自身の姿に重なる…
気付くと。
手には剣を。
体には青赤鮮やかな色遣いの長衣を。
頭には冠を。
自分自身が、まるでそのトランプカードの柄のような出で立ちに変わっていた。
「まあ多分異世界らしいし、あんだけ演出過多だったんだ…いけるか!」
気を取り直し、迫り来るドラゴンを
挑発するかの如くに剣先を向ける。
ドラゴンの速度!
真っ直ぐに自分へと向かい空を滑る。
時速六、七十キロはありそうに思えた。
「バカでけぇんだから鈍重でもいいだろうによう!」
ドラゴンの鼻先が目の前に迫る!
瞬間。
体が動いた。
何に反応したのか、反応出来たのか。
信じられない程大きく弧を描いて跳躍、
そのまま右手の長剣をドラゴンの
額の真ん中に刺す形で、ドラゴンの
頭の上に着地した。いや、出来てしまった。
雷鳴か地響きか、聞くものの魂を千々に削り去りかねない大音響。額に剣を
打たれたドラゴンが啼いた。
「出来ちゃうじゃん!これやっぱ当たりなんじゃんか!」
勢い付いて、右手の剣を気の向くままに
走らせる。
刃先に感じるドラゴンの皮膚感が、
見た目にそぐわずあまりにも軽い。
いや。足元に踏み締めるその皮膚感は
あたかも岩肌のようで、見た目通りの
印象が強い。ぶっちゃけサンダルごしでもちょっとゴツゴツして痛いくらいだ。
だが剣で当たれば、まるでケーキでも
切り分けているかのような軽快さが
あった。
居並ぶ角を撫で斬りに斬り飛ばすと、
堪らずドラゴンは頭を猛然と上下させ、
剣持つ異物を振り払った。
とはいえ無様に落下するでもなく、
乗った時同様の身軽な宙返りを見せ、
難なく着地されてしまうのだが。
だが目的は「振り落とす事」。その
最低限だけは達成した事を知ると
ドラゴンは再び空の彼方へと帰り、
すぐに見えなくなった。
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