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いつのまにかログボ二日目とかよくある
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好き勝手動くのが我ながら好みではあるが、やれ騎士団だ砦だ敵は目の前だ、となれば今自分が好きな世話になっている組織の長であるディーライに意見を求めないわけにもいかない。
「何かわたしにできる事はある?」
大勢の騎士が同席する晩の食事の席上で、単刀直入に聞いてみた。
「正直、現状はただ堅く守っているだけでな。こちらは総崩れするでもなく、敵は微妙に減らせている。」
「時間をかければ最終的には勝てる?」
わたしの言葉にディーライは笑いながらも首を左右に振り、
「流石にそれは言い過ぎだ。今の散発的な攻撃ならそうかも知れんが、あれが本気でひと塊りで来られたら…ひとたまりもない。少し話したが、先日亡くなられた勇者殿も膠着状態を打破しようと敵の勢力圏深くに入り込んだ…入り込んでしまった、とも言える」
舐めプされてる感じだろうか。
確かにドラゴンなんてのは他の生物舐めてる感満載ではあるが。
「そういう事なら迂闊に深入りは出来ないね…ディーライ卿の心配事を増やすのも良くないし」
そもそもわたし自身このイリアス砦に来てしまったこと自体割とマジで軽挙ではあった。キングオブソーズ、ペガ公いずれが欠けていても多分死んでいたろう。
気楽に動いていたのはやはり流行りの異世界だからまあフワッとしてんだろうくらいに思っていたが、自分の事になるとやはり感想は変わってくる。
「だが座してただ決戦のタイミングを敵任せに出来ぬのも事実ゆえな。貴殿の来訪自体は紛れも無くありがたいよ。少し参謀とも話し合って今後は考えたい。ま、今はともあれ大いに食って飲んでくれ!」
ディーライは快活に笑い、食事の席の騎士一同も大きな声で笑った。
まあ確かに、撃退も勝利のうちではあるか。
わたしも今日は大いに笑って飲んで食べてを楽しむ事にした…
陽が落ち月が昇る。
陽も月も一つずつだ。そういう意味では風景に異世界感は無く、むしろただの田舎の景色でしかない。
割り当てられた寝室から抜け出し、砦内をあちこち見て回ってみる。
総石造りの建物を、史跡としてでなく訪れる機会があろうとは夢にも…
と、考えている最中。やはり自分自身の事が思い出しきれない事実に突き当たる。
ふんわりと、ここではない世界にいた事だけは分かるのだが。
そーいや名前もだ。いっそこの世界用のを付け直した方が早いくらいかも知れない。現状は便宜上勇者だのSSSRだので通ってはいるが…
そういや今日はまだこの世界に来た当日だった。なのに随分アグレッシブに動き回ってしまった。
そうだ。プレボ…というかこのカバンの中身も確認しておく必要があるだろう。
今のところキングオブソーズはもちろんの事、あのペガ公も十分役に立っている。ちなみに今は相当嫌がったが騎士団の馬と同じ馬房に繋いである。
「日付が変わったよ」
ふと気づくと。あの最初の村の女の子ことガチャ神サンラプンラがわたしの横に立っていた。
「ぅお!びっくりぃ…て、まあ好都合だわ色々教えてよ!」
「今日はこれをあげるよ!二百五十個貯めるとガチャが一回回せるよ!」
言いながら、彼女は何か綺麗な石を手渡して来た。…毎日もらっても八ヶ月以上かかるんじゃないかな、ガチャ一回。
「じゃあ明日も生きて会おうね!約束だよ!」
「あ、これ話す気ないやつや」
「…なーんてね。まあ石一個じゃあんまりだから情報くらいサービスしてあげるよ」
悪戯っぽく笑い、彼女はこちらを正面から見据えて来た。
「大活躍だね。初日からここまで飛ばした子は今までいなかったかも!」
「加減も程度もわかんないからね。しょーがない。まあわたし自身のガチャ引きも良かったんだろうし」
わたしはカバンを掲げて見せた。
「たった二つしか使ってないけど割と無双出来てるよね」
「ペガサスに乗る発想は無いわけでは無いだろうけど、今の局面にはちょうど良かったみたいね。まあ、ガチャの中身全部が全部使える物でも無いだろうし、確かにペガサスは当たりの部類かもね」
幼きサンラプンラはにこにこと笑う。
「ね、この世界はとりあえず龍どもを倒して平和を取り戻せ!みたいな感じなの?」
「今のあなたの旗色だとそうだよね」
今の…旗色?なんか引っ掛かるものの言い方だな。
「それが終わればわたしは元の世界に帰れるの?」
「あれ?帰りたかったの?」
サンラプンラは目を丸くして、
「最近そちらは異世界逃避行ブームで、異世界に行けたら死んでも良いみたいに聞いてたけど帰りたいの?」
「うーん、なんか向こうにやり残しがある気がするんだよね…積みプラモ崩さないととか、怒涛の最終回ウイークだった深夜アニメ録画見きってなかったとか」
「ね、記憶ないとか嘘だよね?」
サンラプンラは真顔で聞いて来た。
「いや、今のはなんとなく口をついて出ただけで…これ以上は刑事訴追の可能性もあるので黙秘します」
「…ま、いいわ。いずれその辺りも分かるでしょう。今のあなたは、望むままに進めば良い…それと、大事なことをひとつだけ」
急に眠くなる。まぶたが重くなり、意識が遠のく…
「あなたのキングオブソーズ、それ一番の当たりじゃないから。あなた演出すっ飛ばしたせいで見れてないけど、最上級レアリティアイテムは別…」
「何かわたしにできる事はある?」
大勢の騎士が同席する晩の食事の席上で、単刀直入に聞いてみた。
「正直、現状はただ堅く守っているだけでな。こちらは総崩れするでもなく、敵は微妙に減らせている。」
「時間をかければ最終的には勝てる?」
わたしの言葉にディーライは笑いながらも首を左右に振り、
「流石にそれは言い過ぎだ。今の散発的な攻撃ならそうかも知れんが、あれが本気でひと塊りで来られたら…ひとたまりもない。少し話したが、先日亡くなられた勇者殿も膠着状態を打破しようと敵の勢力圏深くに入り込んだ…入り込んでしまった、とも言える」
舐めプされてる感じだろうか。
確かにドラゴンなんてのは他の生物舐めてる感満載ではあるが。
「そういう事なら迂闊に深入りは出来ないね…ディーライ卿の心配事を増やすのも良くないし」
そもそもわたし自身このイリアス砦に来てしまったこと自体割とマジで軽挙ではあった。キングオブソーズ、ペガ公いずれが欠けていても多分死んでいたろう。
気楽に動いていたのはやはり流行りの異世界だからまあフワッとしてんだろうくらいに思っていたが、自分の事になるとやはり感想は変わってくる。
「だが座してただ決戦のタイミングを敵任せに出来ぬのも事実ゆえな。貴殿の来訪自体は紛れも無くありがたいよ。少し参謀とも話し合って今後は考えたい。ま、今はともあれ大いに食って飲んでくれ!」
ディーライは快活に笑い、食事の席の騎士一同も大きな声で笑った。
まあ確かに、撃退も勝利のうちではあるか。
わたしも今日は大いに笑って飲んで食べてを楽しむ事にした…
陽が落ち月が昇る。
陽も月も一つずつだ。そういう意味では風景に異世界感は無く、むしろただの田舎の景色でしかない。
割り当てられた寝室から抜け出し、砦内をあちこち見て回ってみる。
総石造りの建物を、史跡としてでなく訪れる機会があろうとは夢にも…
と、考えている最中。やはり自分自身の事が思い出しきれない事実に突き当たる。
ふんわりと、ここではない世界にいた事だけは分かるのだが。
そーいや名前もだ。いっそこの世界用のを付け直した方が早いくらいかも知れない。現状は便宜上勇者だのSSSRだので通ってはいるが…
そういや今日はまだこの世界に来た当日だった。なのに随分アグレッシブに動き回ってしまった。
そうだ。プレボ…というかこのカバンの中身も確認しておく必要があるだろう。
今のところキングオブソーズはもちろんの事、あのペガ公も十分役に立っている。ちなみに今は相当嫌がったが騎士団の馬と同じ馬房に繋いである。
「日付が変わったよ」
ふと気づくと。あの最初の村の女の子ことガチャ神サンラプンラがわたしの横に立っていた。
「ぅお!びっくりぃ…て、まあ好都合だわ色々教えてよ!」
「今日はこれをあげるよ!二百五十個貯めるとガチャが一回回せるよ!」
言いながら、彼女は何か綺麗な石を手渡して来た。…毎日もらっても八ヶ月以上かかるんじゃないかな、ガチャ一回。
「じゃあ明日も生きて会おうね!約束だよ!」
「あ、これ話す気ないやつや」
「…なーんてね。まあ石一個じゃあんまりだから情報くらいサービスしてあげるよ」
悪戯っぽく笑い、彼女はこちらを正面から見据えて来た。
「大活躍だね。初日からここまで飛ばした子は今までいなかったかも!」
「加減も程度もわかんないからね。しょーがない。まあわたし自身のガチャ引きも良かったんだろうし」
わたしはカバンを掲げて見せた。
「たった二つしか使ってないけど割と無双出来てるよね」
「ペガサスに乗る発想は無いわけでは無いだろうけど、今の局面にはちょうど良かったみたいね。まあ、ガチャの中身全部が全部使える物でも無いだろうし、確かにペガサスは当たりの部類かもね」
幼きサンラプンラはにこにこと笑う。
「ね、この世界はとりあえず龍どもを倒して平和を取り戻せ!みたいな感じなの?」
「今のあなたの旗色だとそうだよね」
今の…旗色?なんか引っ掛かるものの言い方だな。
「それが終わればわたしは元の世界に帰れるの?」
「あれ?帰りたかったの?」
サンラプンラは目を丸くして、
「最近そちらは異世界逃避行ブームで、異世界に行けたら死んでも良いみたいに聞いてたけど帰りたいの?」
「うーん、なんか向こうにやり残しがある気がするんだよね…積みプラモ崩さないととか、怒涛の最終回ウイークだった深夜アニメ録画見きってなかったとか」
「ね、記憶ないとか嘘だよね?」
サンラプンラは真顔で聞いて来た。
「いや、今のはなんとなく口をついて出ただけで…これ以上は刑事訴追の可能性もあるので黙秘します」
「…ま、いいわ。いずれその辺りも分かるでしょう。今のあなたは、望むままに進めば良い…それと、大事なことをひとつだけ」
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