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ゴクドウさんの苦労
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「若、着きやした!!」
袴田は学園の門の前に車を止めた。
「ありがとう。それじゃちょっと行ってくる」
「待ってますぜ!!」
袴田の言葉を受け俺は校舎内へと入っていった。
…あ、そういえば制服も脱いで髪も下ろしたまま来てしまった。
俺完全に不審者じゃん。
とか思いつつも校舎内を進む。
生徒も先生もほとんど居らず、快適。
それでもやはり生徒は数人残っていたみたいで、視線が突き刺さる。
チラッと視線をそいつらに移せば顔を赤くしてすぐ反らすだけなので悪意の視線ではないだろう。
気にせず歩く。
───
しばらく歩くと、やっと学園長室前まで来れた。
「失礼します」
「中御門様…!何かありましたか…?」
部屋に入ると、すぐ目の前まで学園長が来ていた。
「その様付けやめてください…」
「えっ、でも…」
「いらないですから」
「無礼ではありませんか…?」
「どうして無礼だと?」
一輝の頭の上にはたくさんのはてなマークが浮かぶ。
「私たち一ノ瀬グループは御門グループ様の下の立場…」
「そういうのいいです、気にしないんで」
「では…一輝くんと呼んでも…?」
「好きに呼んでください」
そう答えると学園長の顔がパァッと明るくなった。
「で、本題なんですけど、俺学園バッチ落としたみたいで」
「え!?!?それは大変なことですよ一輝くん!!」
「そうみたいですね。けど俺のバッチは安全なとこにあるので大丈夫です」
「誰が持っているのか知っているんですか?」
その学園長の言葉に少し表情を歪める。
「生徒会長の手に渡ったみたいです」
「え!?鷹司くんの!?」
「たまたま会長が狙われてるとこ助けて、犯人と話をしてる時、後ろから足音が聞こえたからサッと木の上に隠れたらその拍子にバッチ落としちゃって。その足音の正体が会長だったんです。それからなんか会長がニヤッて笑って持って行っちゃったんですよね」
「あらら…一輝くんのバッチには念の為三ケ島一輝っていう名前と学年クラス、あとはちょっとしたプロフィールみたいなのしか載せていないので家柄とか一輝くんのホントの事は載せていないので大丈夫だとは思うのですが…それだと寮の鍵が開けられないですよね」
そう、俺はそれを言いたかった。
「あ、そうだそうだ!!一輝くんこれを使ってください!わざわざ私に報告しに来ると言う事は生徒会に赴くつもりは無いんですよね?」
まさにその通り。
学園長は鋭いな。
そう言って渡されたものは普通の鍵だった。
「この学園の寮の鍵は学年バッチが無くても、普通の鍵穴があるのでこれが使えますよ。ただ、全てのお部屋を開けることが出来ちゃうので悪用はしちゃだめですよ。この鍵を持っているのは、私と、生徒会長。そして風紀委員長のみなので安心してください」
…今生徒会長って言ったよな。
不安しかない。
「分かりました。ありがとうございます。あ、それと…また新しくバッチ作ってもらう事って出来ますか?ずっとこの鍵持っているの良くない気がするんで…次のバッチは俺のホントのデータいれてくれて構わないので」
「…いいのですか?もし無くしてしまったら混乱を避けることができません…」
「大丈夫です。今度は絶対無くさないんで。」
「分かりました…!では手配しておきますね。それと、新しく作るならGPS機能をつけさせて頂いても…?大事な御門グループのご子息様を預かるのですから念入りに仕込んでおきたいのですが…」
そうなると絶対に無くせない。
あとなんか自由に過ごすの悪い気がするし縛られたくない。
「んー…GPS機能は無しで」
「分かりました…。それと、その鍵はやはり一輝くんに持っていてもらいたいのですがよろしいですか…?学年バッチも作成が終わったらお渡し致しますので!」
いいのだろうか…。
と思いながらも俺は了承した。
「明日から寮生活、よろしくお願いいたします…!」
深々と頭を下げてくる学園長にオロオロしながら「ほんとそういうのいいですから、普通にしてください」と何度も言ったのであった。
そして学園長室を後にした。
袴田は学園の門の前に車を止めた。
「ありがとう。それじゃちょっと行ってくる」
「待ってますぜ!!」
袴田の言葉を受け俺は校舎内へと入っていった。
…あ、そういえば制服も脱いで髪も下ろしたまま来てしまった。
俺完全に不審者じゃん。
とか思いつつも校舎内を進む。
生徒も先生もほとんど居らず、快適。
それでもやはり生徒は数人残っていたみたいで、視線が突き刺さる。
チラッと視線をそいつらに移せば顔を赤くしてすぐ反らすだけなので悪意の視線ではないだろう。
気にせず歩く。
───
しばらく歩くと、やっと学園長室前まで来れた。
「失礼します」
「中御門様…!何かありましたか…?」
部屋に入ると、すぐ目の前まで学園長が来ていた。
「その様付けやめてください…」
「えっ、でも…」
「いらないですから」
「無礼ではありませんか…?」
「どうして無礼だと?」
一輝の頭の上にはたくさんのはてなマークが浮かぶ。
「私たち一ノ瀬グループは御門グループ様の下の立場…」
「そういうのいいです、気にしないんで」
「では…一輝くんと呼んでも…?」
「好きに呼んでください」
そう答えると学園長の顔がパァッと明るくなった。
「で、本題なんですけど、俺学園バッチ落としたみたいで」
「え!?!?それは大変なことですよ一輝くん!!」
「そうみたいですね。けど俺のバッチは安全なとこにあるので大丈夫です」
「誰が持っているのか知っているんですか?」
その学園長の言葉に少し表情を歪める。
「生徒会長の手に渡ったみたいです」
「え!?鷹司くんの!?」
「たまたま会長が狙われてるとこ助けて、犯人と話をしてる時、後ろから足音が聞こえたからサッと木の上に隠れたらその拍子にバッチ落としちゃって。その足音の正体が会長だったんです。それからなんか会長がニヤッて笑って持って行っちゃったんですよね」
「あらら…一輝くんのバッチには念の為三ケ島一輝っていう名前と学年クラス、あとはちょっとしたプロフィールみたいなのしか載せていないので家柄とか一輝くんのホントの事は載せていないので大丈夫だとは思うのですが…それだと寮の鍵が開けられないですよね」
そう、俺はそれを言いたかった。
「あ、そうだそうだ!!一輝くんこれを使ってください!わざわざ私に報告しに来ると言う事は生徒会に赴くつもりは無いんですよね?」
まさにその通り。
学園長は鋭いな。
そう言って渡されたものは普通の鍵だった。
「この学園の寮の鍵は学年バッチが無くても、普通の鍵穴があるのでこれが使えますよ。ただ、全てのお部屋を開けることが出来ちゃうので悪用はしちゃだめですよ。この鍵を持っているのは、私と、生徒会長。そして風紀委員長のみなので安心してください」
…今生徒会長って言ったよな。
不安しかない。
「分かりました。ありがとうございます。あ、それと…また新しくバッチ作ってもらう事って出来ますか?ずっとこの鍵持っているの良くない気がするんで…次のバッチは俺のホントのデータいれてくれて構わないので」
「…いいのですか?もし無くしてしまったら混乱を避けることができません…」
「大丈夫です。今度は絶対無くさないんで。」
「分かりました…!では手配しておきますね。それと、新しく作るならGPS機能をつけさせて頂いても…?大事な御門グループのご子息様を預かるのですから念入りに仕込んでおきたいのですが…」
そうなると絶対に無くせない。
あとなんか自由に過ごすの悪い気がするし縛られたくない。
「んー…GPS機能は無しで」
「分かりました…。それと、その鍵はやはり一輝くんに持っていてもらいたいのですがよろしいですか…?学年バッチも作成が終わったらお渡し致しますので!」
いいのだろうか…。
と思いながらも俺は了承した。
「明日から寮生活、よろしくお願いいたします…!」
深々と頭を下げてくる学園長にオロオロしながら「ほんとそういうのいいですから、普通にしてください」と何度も言ったのであった。
そして学園長室を後にした。
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