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13. おセクシー人参を一緒に楽しむ僕たち
しおりを挟むお城のそばの、川に架かる石橋の上で、陽ちゃんが、欄干に腰掛け、本を読んでいるのが見えた。
手足が長いから、モデルさんみたい。
西日に当たった髪と、目とまつ毛が、少し茶色に光っている。
大好きな、僕の好きになった人はとても綺麗だなぁ~。光を纏って天使みたいだ。
陽ちゃんは、外で僕を待ってて、くれたんだね。その優しさに、ほっこりする。
「むーちゃん?それどうするの?」
僕の手の中の、おセクシー人参さんを見つけた陽ちゃんの顔は、ひきつったような、困った様な顔にも見えた。
「SNSに上げたいんだ。仲良しのお友達限定のね」
「ふふっ、良いね~。じゃあ、俺も友達に写真送ろうかなぁ」
「家族のトークルームにも、送ろうか?」
二人で話し合って、キッチンで撮る事にした。キレイに洗ったあと、テーブルの上に、お皿を置いて、その上におセクシー人参に、座ってもらう。
「んむふふふぅ。良いですね~。バッチリですよ。クラスの皆んなにも見せたいなぁ。」
「あははっ」
陽ちゃんも一緒に、笑いながら写真を撮っていた。良かったぁ。一緒に、同じ事が楽しく思えて。幸せだなぁ。
お互いに、写真を見た友人の反応を見せ合って、しばらく楽しんだんだ。
その後、クラスメイトにたくさんの良いねをもらい、僕はあっという間に気分が良くなった。
あのイガグリ君も気に入ったようで、「すげ~な、お前ん家」と、メッセージが来ていた。
発見したのは、ずっと後だったけどね。
家族のトークルームで、ママンがやたらとおセクシー人参で盛り上がっていた事実に、血のつながりを濃く感じてしまった。
この血なのです。僕の血は。
さてさて、アイスも心を落ち着ける作用がバッチリある様です。
嫌な事なんて、すっかり忘れちゃう。
「パチパチして美味しい。最高ぉぉぉ。」
「あのね、さっきのクラスメイトの事だけどさぁ」
はい、思い出しました。
「むーちゃんは何も気にしなくて良いと思うよ?」
「ーそう思う?」
「うん。アレは、一見、他人をおとしめて自分の立場を上にしようとする、『マウントマン』にも、見えるけど」
陽ちゃんは、ニヤリと悪い顔で笑って、
「実は、大好きなむーちゃんに構ってほしくて、ちょっかいを出しているだけな『小学生男子マン』なんだよ。」
「ぷふっ。何だそりゃ。ーーーそうかなぁ?あのイガグリ君、僕の事好きなの?嬉しく無い情報だなぁ。」
「むーちゃんは、僕の奥さんなのにね。あー可哀想なイガグリ君。」
わざとらしく、両手を胸の横辺りで開いて、首を振る、やれやれのポーズをする。
名前、覚えて無くてごめんよ、イガグリ君。
「もしも、むーちゃんが、部屋のインテリアを替えたいなら、模様替えを手伝うよ」
「えっ?模様替え?うーん。この前引っ越して来たばかりだし……」
「この部屋だけじゃなくて、お城も街並みも、すぐに違うスタイルに、替えられるよ」
世界の街並みの地図を見せながら、どんな家がいい?なんて聞くんだ。
僕、びっくり。
この家は、スタイルをすぐに、変えられるんだって。
「むーちゃんは、あの部屋で残したい物、いらない物は有るかな?」
うーん難しい。
全部お気に入りなのです。
良い匂いの部屋と、お気に入りの雑貨、とっても落ち着く空間なんだよね。
「あのままで良い。陽ちゃんありがと。先生に挨拶してくれて。話の流れが変わって助かっちゃったよ」
照れ笑いで感謝を伝える。
カラフルなクッションの上でキイちゃんを抱いていた、陽ちゃんの膝の上に乗り、抱きついた。
あー良い匂い。大好きだなぁ。と、陽ちゃんの匂いを堪能していたら、チュッと、音を立てて、こめかみの辺りにキスをされた。
「うふ、くすぐったい」
チュッ、チュッ頬と唇にも、軽く触れるだけのキスが降る。
「大好きだよ。麦穂」
「僕もです」
多分僕のお顔は、真っ赤っかだ。
大好きな人に、「大好き」と、伝えて、相手も、それに応えてくれる。
なんて幸せな時間を過ごしているんだろう。
「僕も大好き」
チュッと陽ちゃんのほっぺに唇をあててみた。
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