秘密のルームシェア-君の素顔を教えて-

藍沢ルイ

文字の大きさ
6 / 7

第六話 好きと言えるまで

しおりを挟む
「おかえり~」

あの後、仕事をして気分転換に買い物ついでに散歩に行って帰ってくると、晃さんも家に帰ってきていた。

「ただいま~。晃さん帰ってたんですね~。ちょうど良かった。俺、鍋の具材買ってきたんですけど、一緒に食べません?」
「お、いいね!それなら充くんも誘わない?」
「そうですね、みんなで食べましょ」

そう言って、俺達はお皿を準備して手分けして野菜をそれぞれ切っていく。

「なんか、俺これまでこうやって誰かと一緒に料理して食べるみたいなのほとんどなかったんですよね」
「そうなんだ~。僕もそんなにないけど、こういうの好きだな。料理して食べるって、一人でも十分楽しめるんだけど、その瞬間を誰かと共有するってまた別の楽しみっていうか、そんな感じがするんだよね~」
「はい、なんか俺もここに住んでからそう思えるようになりました。ありがとうございます」
「それは良かった~」
晃さんは嬉しそうな笑顔をしていた。
2人で分担したからか、あっという間に鍋が出来上がった。その匂いに誘われてか、充さんも部屋から出てきた。
「なんか、いい匂いする」
「充くん、仕事お疲れ様~。叶太くんと鍋作ったんだよ~」
「充さん、一緒に鍋食べよ」
「うん」
「じゃぁ、せっかくだしお酒飲みません?」
俺はそう言って、3人分の缶酎ハイを机に並べた。

「「「乾杯」」」

俺と晃さん、向かいの席に充さんが座って3人で鍋を食べた。誰かと食べる食事はこんなにおいしくて暖かいのかとそんなことを思っていた。

「晃さんは最近忙しいんですか?」
晃さんが最近、仕事で外出が多く不在のこともあって、俺は聞いてみた。
「そうだね~、仕事関係で知り合う人が増えて、物件の管理依頼されることが増えたから、ちょっと忙しくなってきたかな~」
「そうなんですね~、じゃぁこれから忙しくなりそうなかんじですか?」
「もしかしたらそうかもね~」
「そっか~、でもできるときだけでも良いんで、また3人でご飯食べましょうね」
「叶太くんからそんなこと言ってくれるなんて嬉しいな~」
「そう言われるとなんか恥ずかしいんですけど」
「照れてるの、かわいいな~?」
「え~、そんなこと初めて言われたんですけど笑」
晃さんは酔ってきたのか、俺の頭を撫でて両手をあげて抱きつくような仕草をする。
「晃さん、酔ってますか?」
それを見た充さんが身を乗り出して仲裁に入ってくる。
もう鍋もいつの間にかほとんどなくなっていた。
「え~、酔ってないよ~~」
「酔ってないって言うのが一番酔ってるんですよ?」
晃さんは、唇を尖らせて駄々をこねる子どものようにしていたけれど、充さんが抱えて部屋に連れて行ってくれた。
俺はその間、食べ終えた食器などを洗って片付けることにした。
少しすると、充さんが晃さんの部屋から戻ってきた。

「充さん、晃さんのことありがとう。大丈夫だった?あの状態は結構酔ってたよな笑」
「ああ、うん。あの人案外お酒弱いんだよね。てか、片付けありがとう。俺も手伝うよ」
「ありがとう。そうだったんだ。知らなかったわ、お酒飲ませてなんか悪いことしたかな」
「楽しそうだったからいいんじゃない?なんか、あの後すぐに寝てよくわからない寝言言ってたのおもしろかった笑」
「なにそれ、めっちゃおもしろい笑」
2人で片付けをしながら笑い合った。2人で片付けると、あっという間に片付けが終わった。片付けも終わり、俺達はリビングのソファに座り、一緒にテレビを見ることにした。

「このバラエティ久しぶりに見たかも。充さん見たことある?」
「俺もあまりテレビ見ないから久しぶりに見た」
「そっか~。じゃぁ好きな芸能人とかいないの?」
「いや、別にいないかな。君は?」
「君じゃなくて叶太なんだけど。今から名前で呼んでくれないと返事しないから」
「ねぇ、君まで酔ってる?」
「……」
「返事してくれないんだ。じゃぁこれならどう?」
充さんは、返事しない俺を見て俺の脇腹をくすぐってきた。
「待って、それ無理だって笑」
「叶太ってくすぐられるの弱いんだ。なんか意外」
(え、今俺の名前呼んでくれた……?)
「何、ぼーっとしてるの?もっとくすぐってもいいってこと?笑」
「も、本当に無理……」
俺は、くすぐられることが耐えられず、それを止めるために充さんのシャツの襟を掴んだ。ぐいっと自分の胸の方へ引き寄せると、充さんは戸惑った顔をして、俺の体に触れていた手は離れていく……。
「……っ」
「充さんが俺のことくすぐった罰だよ?」
「え……?」
ポカンと戸惑って口が開いたままの充さんをよそに、唇に舌を滑り込ませていく。
「んぁっ……」
充さんの甘い吐息が漏れると、俺は抑えられず舌を絡め取り、味わうように深いキスに変わっていく。これはお酒のせいなのか……。
「はぁ……はぁ……充さん、気持ちいい?」
「んやぁっ……そんなこと、聞くなって……」
「充さん、好き……。嫌なら、後で俺のこと殴っていいから……」
「そんなんずるいっ……」
何度も何度も繰り返しキスをするたびにたまらなく目の前にいる充さんを愛しく感じてしまう。キスをするたび、俺は充さんに覆い被さる形になり、硬いものが触れる気がした。
(充さん、勃ってる……?)
「下、触ってもいい?」
「え、わかんなぃ……」
そう言って、充さんは両腕で顔を隠すようにした。
「怖い?」
「叶太と一緒だったら、いい……」
「じゃぁ一緒にしよ?」
「うん……」
俺達は、おぼつかない手つきでお互いのズボンに手をかけるが、酔っているのもあるせいか手間取ってしまう。
「やばい、時間かかるわ、これ……」
「焦りすぎ笑」
必死になっている姿にお互い顔を見て笑ってしまう。やっとズボンを下ろして、お互いの顔を見ると少し照れくさくなってしまう。
「なんか、充さんとこういうことしてるの照れる……」
「何を今更、やめてよ。こっちまで照れるじゃん」
「充さんはもっと照れていいよ」
「なんっ……」
充さんが何か言おうと口を開くと同時に、深いキスをした。何度か繰り返していくうちに、お互いの硬くなった部分に触れて、お互いの反応を見ながら上下に擦り合わせていく。
「はぁ……やば、これ。気持ち良すぎ」
「んんっ……はぁ……はぁ……」
「充さんの声、晃さんに聞こえそう笑」
俺の顔を見て、声を出さないように充さんは自分の指を咥えて声を抑えようとした。
「待って、だめ。それ痛いでしょ?これ、掴んどいて」
ソファに置いていたクッションを充さんに渡すと抱えて顔を隠すようにした。
「充さんの手、止まってるけどいじめていいってこと?」
「んっ……だめっ……」
充さんの硬くなったものをさっきよりも徐々に早くするように上下に手を動かしていく。
「何、聞こえない。好きって?俺も好き。好きって言うまで続けるけど?」
クッションから少し顔を出して、涙目になりながら充さんは俺のことを見つめる。
「それ、だめだって……。好きっ……好きだからぁ……」
(イクってこと、好きって言ってるでしょ。かわいいからまあいいか)
「うん、良い子。俺も好き」
俺は、充さんの頭を片腕で頭を抱えながら、目の前で果てる姿を見て綺麗だと思った。誰にも渡したくない。
その後、力が抜けたのか気持ちよさそうに充さんはすぐに眠ってしまった。体を拭いた後、後片付けをして、服を着替えさせて充さんを俺の部屋で寝かせた後、自分も寝ることにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

これは恋でないので

鈴川真白
BL
そばにいたい ――この気持ちは、恋であったらダメだ アイドルオタクな後輩 × マスクで素顔を隠す先輩

闇に咲く花~王を愛した少年~

めぐみ
BL
―暗闇に咲き誇る花となり、その美しき毒で若き王を  虜にするのだ-   国を揺るがす恐ろしき陰謀の幕が今、あがろうとしている。 都漢陽の色町には大見世、小見世、様々な遊廓がひしめいている。 その中で中規模どころの見世翠月楼は客筋もよく美女揃いで知られて いるが、実は彼女たちは、どこまでも女にしか見えない男である。  しかし、翠月楼が男娼を置いているというのはあくまでも噂にすぎず、男色趣味のある貴族や豪商が衆道を隠すためには良い隠れ蓑であり恰好の遊び場所となっている。  翠月楼の女将秘蔵っ子翠玉もまた美少女にしか見えない美少年だ。  ある夜、翠月楼の二階の奥まった室で、翠玉は初めて客を迎えた。  翠月を水揚げするために訪れたとばかり思いきや、彼は翠玉に恐ろしい企みを持ちかける-。  はるかな朝鮮王朝時代の韓国を舞台にくりひげられる少年の純愛物語。

愛を知らずに愛を乞う

藤沢ひろみ
BL
「いつものように、小鳥みたいに囀ってみよ―――」  男遊郭で、攻トップとして人気を誇ってきた那岐。 ついに身請けされ連れて行かれた先で待っていたのは――― 少し意地の悪い王子様の愛人として、抱かれる日々でした。  現代用語も気にせず使う、和洋ごちゃ混ぜファンタジー。女性の愛人も登場します(絡みなし) (この作品は、個人サイト【 zerycook 】に掲載済の作品です)

拾った犬は、魔神様でした。

墨尽(ぼくじん)
BL
※ あらすじの後の注意書きを、ご一読いただけると幸いです。 □あらすじ□ 魔獣を狩り素材を売って生活をしているエリトは、森で傷ついた黒い犬を拾う 愛情たっぷりに看護するが、何となくその犬は人間味に溢れている 実はその犬は、魔神が擬態した姿だった 溺愛系甘々魔神様と、天然不憫なエリトとの恋のお話 =========== 注意書き ※このお話は「冷酷非道な魔神様は、捌き屋に全てを捧げる」(完結済み)の前日譚です。   「冷酷非道な~」の時代より、数百年前のお話です。 〇 このお話単体で読んでも、楽しめる仕様となっております(悲恋ですが…) 〇 「冷酷非道~」を読んでいる途中の方が当作品を読んでも、本編のネタバレにはなりません 〇  先にこの作品を読んで、後から本編を読んでも、支障はありません   (この場合、「冷酷非道」が続編といった形になります) 本編に入れる筈だった前日譚ですが、少し長くなりそうなので別のお話として分けました 単体でも読めるように改稿しましたので、本編を読んでいない方も楽しめると思います ※昔クラーリオが愛したエリトとのお話です  本編のエリトとの関係性や違いを考えながら読むのも、楽しいかもしれません ※本編(冷酷非道~)はハッピーエンドですが、当作品は悲恋です ※一応長編に設定していますが、そんなに長くはならない予定です 本編も並行して更新します→完結しました!

野良は拾っちゃいけません~溺愛王子とヤンキー子羊~

トモモト ヨシユキ
BL
拾ったヤングホームレスに餌付けしたら溺愛されてます。 エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。

治癒術師エルネスト・ユルフェの800の嘘

ばつ森⚡️8/22新刊
BL
【登場人物全員嘘つき⁉︎】 王都の片隅で小さな治療院を営むエルネストには――秘密がある。 とある男への復讐のため、平民の身分を隠し貴族のふりをして夜会へと出かけているのだ。 しかし、ルキシア大公国からの賓客である騎士ソアンに正体がバレて、なぜか興味を持たれてしまって……? 【執着攻め×強気受け】 ♡スカッと爽快ハピエン保証♡

塔の上のカミーユ~幽囚の王子は亜人の国で愛される~【本編完結】

蕾白
BL
国境近くにあるその白い石の塔には一人の美しい姫君が幽閉されている。 けれど、幽閉されていたのはある事情から王女として育てられたカミーユ王子だった。彼は父王の罪によって十三年間を塔の中で過ごしてきた。 そんな彼の前に一人の男、冒険者のアレクが現れる。 自分の世界を変えてくれるアレクにカミーユは心惹かれていくけれど、彼の不安定な立場を危うくする事態が近づいてきていた……というお話になります。 2024/4/22 完結しました。ありがとうございました。 

この愛を選びたい

すずかけあおい
BL
ブラック企業から逃げたい大夢は、問題を起こせば強制的に退職になるのでは、と考えてSNSで見つけた怪盗アシスタントの募集に応募する。怪盗シマエナガこと長登に世話になる中で常和と出会い、話を聞くうちに懐かれる。 〔攻め〕日賀野 常和(ひがの ときわ)25歳 〔受け〕渡利 大夢(わたり ひろむ)27歳

処理中です...