いつか死ぬのだから

ひゅん

文字の大きさ
上 下
15 / 51
六月・雨の日の洗濯

女の禊

しおりを挟む
 陽子と初めて出会ったのが大学の入学式の日である四月一日。それから一ヶ月ほど経って付き合い始めたのだが、遡ること、今から数えておよそ半年前の一月二十五日まで私には別の彼女がいた。陽子は人生で二人目の彼女である。
 高校生の時から二年弱付き合っていた美由紀という子であった。
「わたし裕二君のこと、すごく理解しているし愛してもいるよ。だけどね、最近思うの。裕二君はわたしの唯一人の存在なのかなって」彼女がこう切り出すまでに時間が掛かった。
 その日は会った時から何か様子が変だと感じてはいた。美由紀は普段、髪を縛っていることが多い。しかし、その日は、髪の毛をおろしていた。後から考えると、彼女は禊をしにきたようなのではないかと思えた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

虹色の泡になりたくて

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

テイルタイム

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

私も、大好きだよ。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:6

精霊流し

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

Rule〜最強殺し屋のハーレム婚約サバイバル〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

無能と呼ばれ、婚約破棄されたのでこの国を出ていこうと思います

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1,498

Fly High

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:12

麗しき温泉姫

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...