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六月・雨の日の洗濯
ブレーキ
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美由紀とは昨年の十一月に始めて交わった。最近、セックスがとてもいいものになってきていた。一回二回、うまくいったことで私は彼女のことを愛し始めていた。それは彼女もわかっている筈だ。
……急ブレーキ。まさに急ブレーキだ。
「どうして、俺と付き合ったの?」私は憎しみを込めて繰り返した。
「裕二君のこと、好きは好きよ。最近、特に良くなってきたし……」
ほら、みゆきだってわかってるじゃないか?
「俺たちって途中だよな」
「わかって欲しい」
「何が嫌なの?」
「嫌とかじゃなくて、時期がきたって考えて欲しい」
彼女は、それ以上無駄なことは言わなかった。
つまりはこういうことだ。私は美由紀にとって、期間限定のお試し品だったわけだ。彼女は期間を定めて私と付き合っていた。卒業まで付き合って別れようって心に決めていたのだ。
正直、陽子と付き合い始めてからも、まだ私は美由紀とのことを引きずっていた。途中なのだ。走り出したところで急ブレーキがかかったのだ。
私は掃除機をとめて我に返った。部屋はすっかり綺麗になっていた。ドラム缶式洗濯機は、いつのまにか止まっていた。衣類を乾燥中の音は鳴り止んで、雨音だけが取り残されたようにサーッと耳に響いていた。
私はこの静かな音に耐えられなくなって、テレビを点けた。今度はテレビタレントの声に耳を傾けて、また別の回想をし始めた。
……急ブレーキ。まさに急ブレーキだ。
「どうして、俺と付き合ったの?」私は憎しみを込めて繰り返した。
「裕二君のこと、好きは好きよ。最近、特に良くなってきたし……」
ほら、みゆきだってわかってるじゃないか?
「俺たちって途中だよな」
「わかって欲しい」
「何が嫌なの?」
「嫌とかじゃなくて、時期がきたって考えて欲しい」
彼女は、それ以上無駄なことは言わなかった。
つまりはこういうことだ。私は美由紀にとって、期間限定のお試し品だったわけだ。彼女は期間を定めて私と付き合っていた。卒業まで付き合って別れようって心に決めていたのだ。
正直、陽子と付き合い始めてからも、まだ私は美由紀とのことを引きずっていた。途中なのだ。走り出したところで急ブレーキがかかったのだ。
私は掃除機をとめて我に返った。部屋はすっかり綺麗になっていた。ドラム缶式洗濯機は、いつのまにか止まっていた。衣類を乾燥中の音は鳴り止んで、雨音だけが取り残されたようにサーッと耳に響いていた。
私はこの静かな音に耐えられなくなって、テレビを点けた。今度はテレビタレントの声に耳を傾けて、また別の回想をし始めた。
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