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プロローグ
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すごい雨だな。。
バケツをひっくり返したように、大粒の雨が館の窓を打ち付けている。
その窓辺に立つ、一人の男。この館の主、名を塵(じん)という。
山奥にひっそりと佇むこの洋館は、里の者も気味悪がって近づく者はない。
人とあったことなど、しばらくなかった。
ピカッ!!! ゴゴゴゴゴゴォォォォォ!!
時折光る雷光、低く轟く雷鳴。
(ん?)
その雷光に照らされ、庭の木の上に何かの影を見つけた。
気のせいかとも思った。
目をこらしても、雨でよく見えない。
お前…見えたか?
話掛けるのは、私の後ろで鎌首を上げるようににょろっと立つ
…………一匹の触手。
先端を左右に振り、(え?何もみえなかったよ)と言いたげに、私の方を向く。
ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
眉間にシワを寄せ、首をかしげ、深く考え込む。
弾けたように、「傘!!!」と叫び、小走りに階段を降り玄関に向かう。
その後ろを一生懸命に走る触手君。玄関で傘を取ると、器用に傘を開き、私と相合傘状態で庭へ。
…………お前は濡れてもいいんじゃないか?(どうせ、粘液で濡れてるんだし)
(冷たいな、ご主人様は)
というような雰囲気をかもしつつ、一歩後ろへ下がる。
影を見た木の下へたどり着くと、上の方を見上げる。
そこには、まだ年端もいかない少女が、ずぶ濡れで木の枝に腰かけていた。
おーーーい
そんなところで何やってんのー?よかったら、降りてきてくれないかなぁ
声をかけると、少女がすっと下を向き、唇が小さく動く。
(・・・・・・)
その瞬間、少女の身体がふらつき…………
気が付けば手を伸ばしていた。
少女を受け止めようと、走り出していた。
(でも…………間に合わない………!!!)
ぷにゅんっ
いつの間にか一歩前へ出ていた触手君が、少女の下敷きとなっていた。
(う゛っ というような顔の)触手君には触れず、少女をやさしく抱きかかえると、
大丈夫かい?
抱きかかえる手が温かい。
少女のぬくもり…?違う……血だ…
全身びしょびしょに濡れていて、さらに背は血で真っ赤に染まっていた。
おでこに手を当てれば、熱い。こんな大けがをすれば、それは熱も出るだろう。
少女を抱え、急いで館に戻る。
いくつかある来客用の寝室の1つに彼女を寝かせ、びしょぬれの服を脱がせてタオルでやさしく拭いてあげる。
白く華奢な身体…
膨らみかけの小さな胸…
あどけなさが残る顔…
(はっきり言って、美少女だ…)
と、心を見透かしてやったようなドヤ顔っぽい表情で、私の顔を見上げる触手君。
コツンと先端を一発殴ってやると、そそくさと部屋から出ていく。
そんなことより……
真剣な表情をし、少女の身体に毛布を掛けながら、少女の身体を横向きにして、血が出ていた背中を見る。
左右の肩甲骨あたりから、腰の上のあたりまで、縦に二本の大きな傷跡。血が滲んでいる。
丁寧に消毒と止血をして、そっと仰向けに戻すと、額や顔の汗を拭きとってあげる。
苦悶の表情を浮かべる少女を見つめながら…
(彼女はいったい…。それにさっき…「やっとあえた」って…)
バケツをひっくり返したように、大粒の雨が館の窓を打ち付けている。
その窓辺に立つ、一人の男。この館の主、名を塵(じん)という。
山奥にひっそりと佇むこの洋館は、里の者も気味悪がって近づく者はない。
人とあったことなど、しばらくなかった。
ピカッ!!! ゴゴゴゴゴゴォォォォォ!!
時折光る雷光、低く轟く雷鳴。
(ん?)
その雷光に照らされ、庭の木の上に何かの影を見つけた。
気のせいかとも思った。
目をこらしても、雨でよく見えない。
お前…見えたか?
話掛けるのは、私の後ろで鎌首を上げるようににょろっと立つ
…………一匹の触手。
先端を左右に振り、(え?何もみえなかったよ)と言いたげに、私の方を向く。
ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
眉間にシワを寄せ、首をかしげ、深く考え込む。
弾けたように、「傘!!!」と叫び、小走りに階段を降り玄関に向かう。
その後ろを一生懸命に走る触手君。玄関で傘を取ると、器用に傘を開き、私と相合傘状態で庭へ。
…………お前は濡れてもいいんじゃないか?(どうせ、粘液で濡れてるんだし)
(冷たいな、ご主人様は)
というような雰囲気をかもしつつ、一歩後ろへ下がる。
影を見た木の下へたどり着くと、上の方を見上げる。
そこには、まだ年端もいかない少女が、ずぶ濡れで木の枝に腰かけていた。
おーーーい
そんなところで何やってんのー?よかったら、降りてきてくれないかなぁ
声をかけると、少女がすっと下を向き、唇が小さく動く。
(・・・・・・)
その瞬間、少女の身体がふらつき…………
気が付けば手を伸ばしていた。
少女を受け止めようと、走り出していた。
(でも…………間に合わない………!!!)
ぷにゅんっ
いつの間にか一歩前へ出ていた触手君が、少女の下敷きとなっていた。
(う゛っ というような顔の)触手君には触れず、少女をやさしく抱きかかえると、
大丈夫かい?
抱きかかえる手が温かい。
少女のぬくもり…?違う……血だ…
全身びしょびしょに濡れていて、さらに背は血で真っ赤に染まっていた。
おでこに手を当てれば、熱い。こんな大けがをすれば、それは熱も出るだろう。
少女を抱え、急いで館に戻る。
いくつかある来客用の寝室の1つに彼女を寝かせ、びしょぬれの服を脱がせてタオルでやさしく拭いてあげる。
白く華奢な身体…
膨らみかけの小さな胸…
あどけなさが残る顔…
(はっきり言って、美少女だ…)
と、心を見透かしてやったようなドヤ顔っぽい表情で、私の顔を見上げる触手君。
コツンと先端を一発殴ってやると、そそくさと部屋から出ていく。
そんなことより……
真剣な表情をし、少女の身体に毛布を掛けながら、少女の身体を横向きにして、血が出ていた背中を見る。
左右の肩甲骨あたりから、腰の上のあたりまで、縦に二本の大きな傷跡。血が滲んでいる。
丁寧に消毒と止血をして、そっと仰向けに戻すと、額や顔の汗を拭きとってあげる。
苦悶の表情を浮かべる少女を見つめながら…
(彼女はいったい…。それにさっき…「やっとあえた」って…)
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