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第1話(A)
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するとスピカが何か思い出したかの様に顔を向けて青い瞳で見ると、隣に居るポラリスに話し掛ける。
「そう言えば、自己紹介をまだしていません
でしたわね」
「そうでしたね」
ポラリスも確かにそうだったと気が付いて
答えると、スピカが話しを続けながら改めて二人は面と向かって自己紹介をする。
「わたくしはスピカ・ヴァルゴ、
王国の旅をして回っている行商人ですわ。
あなたのお名前を教えて頂けるかしら」
スピカはファミリーネームをアストレイアではなくヴァルゴと偽って答えた。
「あっ、私はポラリス・ウルサミノルです、
スピカさんよろしくお願いします」
(もしかして、スピカさんて……)
ポラリスはスピカを見て疑問に思った。
言葉使いや雰囲気がどことなく貴族のお嬢様な気がするが、行商人をしていることにも何か理由があるのだろうと察していた。
ポラリスの視界に映るスピカが自己紹介の返事をする。
「よろしくお願い致しますわ、ポラリス。
あなたは何かされていらっしゃいますの?」
スピカの問い掛けにポラリスが答える。
「個人でアイドル活動をしています」
「アイドルをされていらっしゃるのね」
「はい、でも上手くいかなくて……」
お互いに名前を伝えたからか、その親近感
でつい悩みを口に出してしまったポラリスに
優しい声で訊ねるスピカ。
「わたくしで良ければお話しを訊きますわ」
「ありがとうございます……」
そう言うとポラリスは眉を下げ表情を曇らせて顔を下に向けてしまい、パステルピンク色のフレアスカートにピンク色の瞳の目線を落とすと、ゆっくりと話し始める。
「実は……何をやっても上手くいかなくて
悩んでて、ライブをしていても来てくれる
のは今まで3人くらいで……。
見ても途中で帰ってしまったり、1人に
見てもらえるのって、こんなに難しいこと
なんだって個人で活動していて思いました」
ポラリスはアイスティーの入ってる透明なカップを、両手で持ちながら話しを続ける。
「私ってアイドルの魅力が無いのかなとか、
興味を持ってライブを楽しく見てもらうには
どうしたらいいんだろうって、悩んで両親に
相談したら、お母さんはありのままでいいよ
って、お父さんからは私だけの石を見付けて
みたらどうだって、言われて……。
あ、お父さんは石マニアなんですけどね」
ポラリスの悩みを隣で見つめながら訊いていたスピカが話す。
「そうでしたのね、それであなただけの石を探していると言う訳ですわね」
「はい……」
ポラリスはスピカを向いて答えると、元気が無い様子で再び顔を下に向けてしまう。
「そう言えば、自己紹介をまだしていません
でしたわね」
「そうでしたね」
ポラリスも確かにそうだったと気が付いて
答えると、スピカが話しを続けながら改めて二人は面と向かって自己紹介をする。
「わたくしはスピカ・ヴァルゴ、
王国の旅をして回っている行商人ですわ。
あなたのお名前を教えて頂けるかしら」
スピカはファミリーネームをアストレイアではなくヴァルゴと偽って答えた。
「あっ、私はポラリス・ウルサミノルです、
スピカさんよろしくお願いします」
(もしかして、スピカさんて……)
ポラリスはスピカを見て疑問に思った。
言葉使いや雰囲気がどことなく貴族のお嬢様な気がするが、行商人をしていることにも何か理由があるのだろうと察していた。
ポラリスの視界に映るスピカが自己紹介の返事をする。
「よろしくお願い致しますわ、ポラリス。
あなたは何かされていらっしゃいますの?」
スピカの問い掛けにポラリスが答える。
「個人でアイドル活動をしています」
「アイドルをされていらっしゃるのね」
「はい、でも上手くいかなくて……」
お互いに名前を伝えたからか、その親近感
でつい悩みを口に出してしまったポラリスに
優しい声で訊ねるスピカ。
「わたくしで良ければお話しを訊きますわ」
「ありがとうございます……」
そう言うとポラリスは眉を下げ表情を曇らせて顔を下に向けてしまい、パステルピンク色のフレアスカートにピンク色の瞳の目線を落とすと、ゆっくりと話し始める。
「実は……何をやっても上手くいかなくて
悩んでて、ライブをしていても来てくれる
のは今まで3人くらいで……。
見ても途中で帰ってしまったり、1人に
見てもらえるのって、こんなに難しいこと
なんだって個人で活動していて思いました」
ポラリスはアイスティーの入ってる透明なカップを、両手で持ちながら話しを続ける。
「私ってアイドルの魅力が無いのかなとか、
興味を持ってライブを楽しく見てもらうには
どうしたらいいんだろうって、悩んで両親に
相談したら、お母さんはありのままでいいよ
って、お父さんからは私だけの石を見付けて
みたらどうだって、言われて……。
あ、お父さんは石マニアなんですけどね」
ポラリスの悩みを隣で見つめながら訊いていたスピカが話す。
「そうでしたのね、それであなただけの石を探していると言う訳ですわね」
「はい……」
ポラリスはスピカを向いて答えると、元気が無い様子で再び顔を下に向けてしまう。
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