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3話 美波が異世界召喚されて28日目
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美波が異世界召喚されて28日目
冷蔵庫を開けて違和感に気づく。
「あら?作り置きのひじきの煮物が無い…」
私が冷蔵庫の中をガサガサ探すけれどない。
くわえて、冷凍していたおかず類が軒並み減っている…
あら、パパが食べたのなら…大変ね。
血圧が高いのに…晩御飯以外に食べてたら病気になってしまうわ…
若くないのだから…
今日からダイエット食にしないといけないかしら…
そんな事を考えていると、頭にいつもの声が響いた。
『ママァァァ―――!美波に好きって言えぇぇぇ!!』
「あら、元気な美波大好きよ。
今日はいつもより元気ね。どうしたの?」
『ウフフフフ。元気も元気。
ママのご飯久々堪能した。
ごちそうさまでした――――』
「ん?」
『あれ?気づいてない?
冷蔵庫の中身、減ってるの?』
「………犯人は、美波?」
『修業したんだよ!メッチャ修行して!!
空間なんとか魔法身に付けて!じゃっじゃ~ん!
ついに升田家の冷蔵庫につなげることが出来ました!』
「は?」
『ホント頑張ったんだから!
褒めて褒めて!』
「……偉い…頑張ったね。
今隣に居たらいっぱい頭よしよししてあげるのに…
って、無いないない!!
何言ってるの?それってここと異世界繋いだって事じゃないの?
危なくないの?ってかそれだったら美波、帰ってきなさいよ」
『私今冒険者してて超楽しいの。
だから帰るの嫌だし!ママの料理食べられるようになったから満足だし!!』
「美波あんたいつの間に冒険者になってんの…いや…あのステータスだから問題ないのか…」
『でーママにお願いがあるんだ』
「何?」
『ソースと醤油とポテチとジンジャエールを冷蔵庫に入れてください』
「煩悩まみれか…良いけど。業務用の大きいのが良いの?」
『流石ママわかってるぅ!醤油はもちろん地元の丸八印の一升瓶の濃い口で』
「ソースは甘めのひょっとこ印のお好みソースでしょ。」
『ママ最高』
「ポテチは…ノリ塩?」
『ビッグのり塩で』
「料理そっちでもきちんとするのよ。
ドレッシングは?なぞドレ好きだったでしょ?」
『………』
「サラダにして入れておくから野菜も食べなさいよ」
『はーい。ママ大好き!美波のママ女神様』
「子供か!」
『そうそう!スキルね、鍛えてスピーカー通話可能になったから。
パパとも話せるよ!
頑張ったんだ!褒めて褒めて!』
美波の言葉に私は笑ってしまった。……これはパパ絶対嬉しくて泣くわね
「偉いけど…反応が子供か…美波あなた何歳よ」
『永遠のママの子供ですが何か?』
「そうね。間違いないわ。ママの子供よ」
『えへへへへ~~~』
「ママ晩御飯作り始めるけど、リクエストある?」
『?』
「冷蔵庫つながったんでしょ」
『え!!』
「じゃあ場所は違うけど家族で一緒にご飯食べれるでしょ?」
『えへへ~ママ、ありがとう。大好き』
「はいはい。ママもよ。
それで、リクエストは?」
『ママ唐揚げで⁉』
「三杯酢にはつける?」
『今日は付けない!カリカリが良い!!』
リクエストした美波は、その後電話を切ることなく、ずっと通話しながらご飯の支度が終わるのを待つのだった。
揚げたてを冷蔵庫に入れろ入れろと言われ、入れたら向こうで速攻食べ始め
ウマウマと叫んでいたのはデフォである。
玄関から「ただいま~」という声がする。
すると私の頭で響いていた声が、テレビの音の様に辺りに響いた。
『パパーーーお帰りなさーい!
今日はママの唐揚げだよ!早くご飯食べようよ』
「み…美波か?帰って来たのか?」
パパは顔を上げキョロキョロと辺りを見回して泣きそうな顔をする。
そんな顔に苦笑しながら
「パパ、美波がスピーカー通話を覚えたのよ。手を洗ってご飯にしましょう」
「あ…あぁ…そうか。帰って来たんではないのか…」
寂しそうに肩を落としたパパがしょぼんと落ち込み中に入っていく。私はそんなパパの背中に手を添えて、一緒に食べようと促した。
「ん、そうだな唐揚げの匂いがする」
寂しそうにそう言ったパパだが、その後冷蔵庫に入れた物を向こうで取り出せると言ったら、冷蔵庫に自分が入ると言い始め熱々だった唐揚げが冷めてしまい
美波に叱られ、またしてもしょぼんとしてしまう。
今日はそんな1日だった。
バタバタしてしまったせいで、
「唐揚げがだいぶ余ったので、明日はそれを使って親子丼にしよう」
今から寝ようと布団に入った私のその呟きに、美波が大きな声で
『賛成!!明日も楽しみ―――!』
と返事を返してきたことにどっと疲れが出て、私は即寝落ちした。
冷蔵庫を開けて違和感に気づく。
「あら?作り置きのひじきの煮物が無い…」
私が冷蔵庫の中をガサガサ探すけれどない。
くわえて、冷凍していたおかず類が軒並み減っている…
あら、パパが食べたのなら…大変ね。
血圧が高いのに…晩御飯以外に食べてたら病気になってしまうわ…
若くないのだから…
今日からダイエット食にしないといけないかしら…
そんな事を考えていると、頭にいつもの声が響いた。
『ママァァァ―――!美波に好きって言えぇぇぇ!!』
「あら、元気な美波大好きよ。
今日はいつもより元気ね。どうしたの?」
『ウフフフフ。元気も元気。
ママのご飯久々堪能した。
ごちそうさまでした――――』
「ん?」
『あれ?気づいてない?
冷蔵庫の中身、減ってるの?』
「………犯人は、美波?」
『修業したんだよ!メッチャ修行して!!
空間なんとか魔法身に付けて!じゃっじゃ~ん!
ついに升田家の冷蔵庫につなげることが出来ました!』
「は?」
『ホント頑張ったんだから!
褒めて褒めて!』
「……偉い…頑張ったね。
今隣に居たらいっぱい頭よしよししてあげるのに…
って、無いないない!!
何言ってるの?それってここと異世界繋いだって事じゃないの?
危なくないの?ってかそれだったら美波、帰ってきなさいよ」
『私今冒険者してて超楽しいの。
だから帰るの嫌だし!ママの料理食べられるようになったから満足だし!!』
「美波あんたいつの間に冒険者になってんの…いや…あのステータスだから問題ないのか…」
『でーママにお願いがあるんだ』
「何?」
『ソースと醤油とポテチとジンジャエールを冷蔵庫に入れてください』
「煩悩まみれか…良いけど。業務用の大きいのが良いの?」
『流石ママわかってるぅ!醤油はもちろん地元の丸八印の一升瓶の濃い口で』
「ソースは甘めのひょっとこ印のお好みソースでしょ。」
『ママ最高』
「ポテチは…ノリ塩?」
『ビッグのり塩で』
「料理そっちでもきちんとするのよ。
ドレッシングは?なぞドレ好きだったでしょ?」
『………』
「サラダにして入れておくから野菜も食べなさいよ」
『はーい。ママ大好き!美波のママ女神様』
「子供か!」
『そうそう!スキルね、鍛えてスピーカー通話可能になったから。
パパとも話せるよ!
頑張ったんだ!褒めて褒めて!』
美波の言葉に私は笑ってしまった。……これはパパ絶対嬉しくて泣くわね
「偉いけど…反応が子供か…美波あなた何歳よ」
『永遠のママの子供ですが何か?』
「そうね。間違いないわ。ママの子供よ」
『えへへへへ~~~』
「ママ晩御飯作り始めるけど、リクエストある?」
『?』
「冷蔵庫つながったんでしょ」
『え!!』
「じゃあ場所は違うけど家族で一緒にご飯食べれるでしょ?」
『えへへ~ママ、ありがとう。大好き』
「はいはい。ママもよ。
それで、リクエストは?」
『ママ唐揚げで⁉』
「三杯酢にはつける?」
『今日は付けない!カリカリが良い!!』
リクエストした美波は、その後電話を切ることなく、ずっと通話しながらご飯の支度が終わるのを待つのだった。
揚げたてを冷蔵庫に入れろ入れろと言われ、入れたら向こうで速攻食べ始め
ウマウマと叫んでいたのはデフォである。
玄関から「ただいま~」という声がする。
すると私の頭で響いていた声が、テレビの音の様に辺りに響いた。
『パパーーーお帰りなさーい!
今日はママの唐揚げだよ!早くご飯食べようよ』
「み…美波か?帰って来たのか?」
パパは顔を上げキョロキョロと辺りを見回して泣きそうな顔をする。
そんな顔に苦笑しながら
「パパ、美波がスピーカー通話を覚えたのよ。手を洗ってご飯にしましょう」
「あ…あぁ…そうか。帰って来たんではないのか…」
寂しそうに肩を落としたパパがしょぼんと落ち込み中に入っていく。私はそんなパパの背中に手を添えて、一緒に食べようと促した。
「ん、そうだな唐揚げの匂いがする」
寂しそうにそう言ったパパだが、その後冷蔵庫に入れた物を向こうで取り出せると言ったら、冷蔵庫に自分が入ると言い始め熱々だった唐揚げが冷めてしまい
美波に叱られ、またしてもしょぼんとしてしまう。
今日はそんな1日だった。
バタバタしてしまったせいで、
「唐揚げがだいぶ余ったので、明日はそれを使って親子丼にしよう」
今から寝ようと布団に入った私のその呟きに、美波が大きな声で
『賛成!!明日も楽しみ―――!』
と返事を返してきたことにどっと疲れが出て、私は即寝落ちした。
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