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第204話 ダンジョンアタック直前
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日も明けて荷物の準備を終えた俺たちは、朝食を食べた後馬車に乗り込みヴローツマインへと向かう。俺は馬車の中でのんびり本を読むことにした。飲み物を準備してもらいながらのんびりとくつろいでいると、
「ご主人様! ダンジョンってどんなところなの?」
俺の事を見上げながら、三幼女がキラキラした目でこちらを見ていた。
「ダンジョンってお前たちだって毎日入ってるだろ? 農園のある場所もダンジョンだよ?」
「違うの! そういう事を聞いてるんじゃないの! ご主人様が作ったダンジョンは、ダンジョンじゃないって聞いたの! えっと、お姉ちゃんたちがダンジョンっていうのは、簡単な造りではないって話してたの! 前に練習ではいったダンジョンINダンジョンの様な危ない場所だって聞いたの!」
「あ~そういう事か、でもな俺も自分の作ったダンジョン以外に入った事ないからな~きちんとはよくわかんないんだよな。森みたいに不意打ちができるような場所じゃないから、フェンリルがいた森みたいに気を張り詰める必要は無いと考えている。敵が全方向から襲ってくるフィールドとは違って洞窟だから警戒もしやすいとは考えているよ」
「ふ~~ん、そうなんだ。どんな敵がいるんだろね、イリアちゃんネルちゃん! 楽しみだね!」
三幼女はダンジョンに何やら過度な期待をしているような気がするが、俺も本当のダンジョンを知っているわけではないので水を差すようなことは言えないな。
って俺達のメンバーの中でダンジョンに入ったことあるのって、リンドだけじゃないか? ヴローツマインについたら今日は冒険者ギルドでダンジョンの情報を買うか。そうしないと俺たちには情報が少なすぎるよな。
「リンド、ヴローツマインの冒険者ギルドでダンジョンの情報って購入できるか?」
「もちろんよ、確か六十階までの地図があったはずよ。下層への道順やある程度の各階の敵が集まりにくい部屋とかもマークが入っているのが売ってるはずだよ。ただまだ未探索エリアも多いから穴だらけだけどね」
「六十階までは売ってるんだな。残りは四十階分か……分かってるだけありがたいってところだな。出てくる敵の種類や特徴なんかの情報も売ってるかな?」
「もちろんだよ。といっても基本的には無機物の魔物が多いですね。ゴーレムやドール系が中心だね。他には亀なんかも出てきたね。とにかく固い敵が多いのでドワーフ系や重戦士とでも呼べばいいのかな? 大型武器を持った人たちが中心に狩ってるわね」
やっぱり重量のある武器が多いようだな。切ったり刺したりできないからおそらく重量武器で押しつぶす感じなんだろうな。俺らの装備した武器ならある程度までは使用できるだろう。重量武器もあるからそこまで気にすることもないだろう。
三幼女のBGMを聞きながら、ダンジョン系の小説を読んでニマニマすることにしよう。周りから見れば俺も怪しい人間に見えるんだろうな。これ系の小説は結構ネタが盛り込まれていることが多いから面白いんだよね。
しばらくすると静かになったので周りを見てみると、スライムたちを抱き込んで寝ていた。まぁ自由時間だから気にする必要はないか、それにしてもスライムたちは有能だな。
俺も本を読みながら空いてる手でフニフニしている。ハクは最近食い意地がはってきたせいか一緒に走っているキッチン馬車の中に顔を突っ込んでギャーギャー鳴いている姿が見える。成長期か?
昼を食べ終わった頃にヴローツマインに到着した。その足で冒険者ギルドに足を運んで地図と魔物の情報を購入して、家の大広間で作戦会議を行う。昼は本当に軽くしか食べなかったので、軽食を準備してもらって会議をすることにした。
ダンジョンの事を知っているリンドを中心に講義形式の会議になっていた。地図や情報をダンジョンでは紙媒体で持ち歩くのは大変なので、タブレットに取り込んで見やすくしてある。
そして今回は出会った魔物の全部の種類をカメラに収める予定だ。そこから絵を描き起こしてもらって、ヴローツマインの冒険者ギルドに買い取ってもらう予定だ。まぁ買うのはダリアなんだけどね。
一応写真を撮るのでカメラも準備しておかないとな。着々とダンジョンアタックの準備が進んでいく。実際には二日ほどしか準備に時間はかかってないけどな。まぁ基本的には物資は収納の腕輪に収めるだけでいいからな何の問題もないんだよな。
今日いっぱいは準備に費やして、明日の朝から一気に攻めるとしようか。地図があったところで何階まで降りれるんだろうな~一応手を保護するタイプの手袋とか作ってるけど、さすがに殴るのは無理があるか。拳が平気でも骨に異常が出そうだ。
「みんな、今日はゆっくりしてから明日からダンジョンアタックをするぞ。最近大規模な戦闘もしてないし武器のメンテもカエデとリンドがしてくれているから問題ないはずだ。防具は一番性能のいい戦闘メイド服で行く予定だ。そろそろ新しい防具を作りたいところなんだけど、みんなどうかな?」
「私たちは、あの装備以外をまとってご主人様の周りを守るつもりはありません!」
これのせいで新しい装備の開発もままならなかったり。
「じゃぁ、後継機としてのメイド服ができたらきてくれるか?」
「ご主人様の周りを守るのにふさわしい物であれば、もちろん着させていただきます」
俺が初めて与えた防具のせいか思い入れが強い気がするんだよな。だからカスタマイズして強化してたけどさすがにこれ以上は手が付けにくいんだよな。今でも大分重くなってきてしまっているからな。
今度魔力が余っている時はアダマン繊維でもコツコツ作っておくか。そうしないと大幅な防御力アップが見込めないんだよね。
メインは上質な魔物の革で作って、表面にアダマン繊維で裏地には肌触りのいい素材で作ってあげたいな。要所要所にしっかりと補強をしてやれば大丈夫だろう。アダマン繊維を布状にできるようになれば問題ないんだけどな。
「じゃぁみんな今日はゆっくり休んで明日に備えてくれ。お風呂入って体をほぐしておくといいよ。でも長湯はやめてくれな。じゃぁまた明日、かいさーん」
次の朝、二十八人と従魔十七匹は、もはやパーティーとは呼べない、レイドと呼んでもいいだろう。俺と従魔六匹、娘たちのパーティー三組、ミリーと従魔四匹、ニコから生まれたスライムたち、カエデ・レイリー・リンドの六パーティーと三人ってとこかな?
ここまでの人数で基本行動することはないのがこの世界のダンジョンでの常識、経験値の効率も悪くなるし、行動がしにくくなるため多くても二パーティーの十二人程らしい。
俺たちは経験値の効率ではなく、ダンジョン踏破の効率を上げるためにこの人数で交替しながら殲滅しダンジョンを降りていく予定だ。
みんなの前に出て宣言する。
「さて、ダンジョンアタックを開始しよう」
「ご主人様! ダンジョンってどんなところなの?」
俺の事を見上げながら、三幼女がキラキラした目でこちらを見ていた。
「ダンジョンってお前たちだって毎日入ってるだろ? 農園のある場所もダンジョンだよ?」
「違うの! そういう事を聞いてるんじゃないの! ご主人様が作ったダンジョンは、ダンジョンじゃないって聞いたの! えっと、お姉ちゃんたちがダンジョンっていうのは、簡単な造りではないって話してたの! 前に練習ではいったダンジョンINダンジョンの様な危ない場所だって聞いたの!」
「あ~そういう事か、でもな俺も自分の作ったダンジョン以外に入った事ないからな~きちんとはよくわかんないんだよな。森みたいに不意打ちができるような場所じゃないから、フェンリルがいた森みたいに気を張り詰める必要は無いと考えている。敵が全方向から襲ってくるフィールドとは違って洞窟だから警戒もしやすいとは考えているよ」
「ふ~~ん、そうなんだ。どんな敵がいるんだろね、イリアちゃんネルちゃん! 楽しみだね!」
三幼女はダンジョンに何やら過度な期待をしているような気がするが、俺も本当のダンジョンを知っているわけではないので水を差すようなことは言えないな。
って俺達のメンバーの中でダンジョンに入ったことあるのって、リンドだけじゃないか? ヴローツマインについたら今日は冒険者ギルドでダンジョンの情報を買うか。そうしないと俺たちには情報が少なすぎるよな。
「リンド、ヴローツマインの冒険者ギルドでダンジョンの情報って購入できるか?」
「もちろんよ、確か六十階までの地図があったはずよ。下層への道順やある程度の各階の敵が集まりにくい部屋とかもマークが入っているのが売ってるはずだよ。ただまだ未探索エリアも多いから穴だらけだけどね」
「六十階までは売ってるんだな。残りは四十階分か……分かってるだけありがたいってところだな。出てくる敵の種類や特徴なんかの情報も売ってるかな?」
「もちろんだよ。といっても基本的には無機物の魔物が多いですね。ゴーレムやドール系が中心だね。他には亀なんかも出てきたね。とにかく固い敵が多いのでドワーフ系や重戦士とでも呼べばいいのかな? 大型武器を持った人たちが中心に狩ってるわね」
やっぱり重量のある武器が多いようだな。切ったり刺したりできないからおそらく重量武器で押しつぶす感じなんだろうな。俺らの装備した武器ならある程度までは使用できるだろう。重量武器もあるからそこまで気にすることもないだろう。
三幼女のBGMを聞きながら、ダンジョン系の小説を読んでニマニマすることにしよう。周りから見れば俺も怪しい人間に見えるんだろうな。これ系の小説は結構ネタが盛り込まれていることが多いから面白いんだよね。
しばらくすると静かになったので周りを見てみると、スライムたちを抱き込んで寝ていた。まぁ自由時間だから気にする必要はないか、それにしてもスライムたちは有能だな。
俺も本を読みながら空いてる手でフニフニしている。ハクは最近食い意地がはってきたせいか一緒に走っているキッチン馬車の中に顔を突っ込んでギャーギャー鳴いている姿が見える。成長期か?
昼を食べ終わった頃にヴローツマインに到着した。その足で冒険者ギルドに足を運んで地図と魔物の情報を購入して、家の大広間で作戦会議を行う。昼は本当に軽くしか食べなかったので、軽食を準備してもらって会議をすることにした。
ダンジョンの事を知っているリンドを中心に講義形式の会議になっていた。地図や情報をダンジョンでは紙媒体で持ち歩くのは大変なので、タブレットに取り込んで見やすくしてある。
そして今回は出会った魔物の全部の種類をカメラに収める予定だ。そこから絵を描き起こしてもらって、ヴローツマインの冒険者ギルドに買い取ってもらう予定だ。まぁ買うのはダリアなんだけどね。
一応写真を撮るのでカメラも準備しておかないとな。着々とダンジョンアタックの準備が進んでいく。実際には二日ほどしか準備に時間はかかってないけどな。まぁ基本的には物資は収納の腕輪に収めるだけでいいからな何の問題もないんだよな。
今日いっぱいは準備に費やして、明日の朝から一気に攻めるとしようか。地図があったところで何階まで降りれるんだろうな~一応手を保護するタイプの手袋とか作ってるけど、さすがに殴るのは無理があるか。拳が平気でも骨に異常が出そうだ。
「みんな、今日はゆっくりしてから明日からダンジョンアタックをするぞ。最近大規模な戦闘もしてないし武器のメンテもカエデとリンドがしてくれているから問題ないはずだ。防具は一番性能のいい戦闘メイド服で行く予定だ。そろそろ新しい防具を作りたいところなんだけど、みんなどうかな?」
「私たちは、あの装備以外をまとってご主人様の周りを守るつもりはありません!」
これのせいで新しい装備の開発もままならなかったり。
「じゃぁ、後継機としてのメイド服ができたらきてくれるか?」
「ご主人様の周りを守るのにふさわしい物であれば、もちろん着させていただきます」
俺が初めて与えた防具のせいか思い入れが強い気がするんだよな。だからカスタマイズして強化してたけどさすがにこれ以上は手が付けにくいんだよな。今でも大分重くなってきてしまっているからな。
今度魔力が余っている時はアダマン繊維でもコツコツ作っておくか。そうしないと大幅な防御力アップが見込めないんだよね。
メインは上質な魔物の革で作って、表面にアダマン繊維で裏地には肌触りのいい素材で作ってあげたいな。要所要所にしっかりと補強をしてやれば大丈夫だろう。アダマン繊維を布状にできるようになれば問題ないんだけどな。
「じゃぁみんな今日はゆっくり休んで明日に備えてくれ。お風呂入って体をほぐしておくといいよ。でも長湯はやめてくれな。じゃぁまた明日、かいさーん」
次の朝、二十八人と従魔十七匹は、もはやパーティーとは呼べない、レイドと呼んでもいいだろう。俺と従魔六匹、娘たちのパーティー三組、ミリーと従魔四匹、ニコから生まれたスライムたち、カエデ・レイリー・リンドの六パーティーと三人ってとこかな?
ここまでの人数で基本行動することはないのがこの世界のダンジョンでの常識、経験値の効率も悪くなるし、行動がしにくくなるため多くても二パーティーの十二人程らしい。
俺たちは経験値の効率ではなく、ダンジョン踏破の効率を上げるためにこの人数で交替しながら殲滅しダンジョンを降りていく予定だ。
みんなの前に出て宣言する。
「さて、ダンジョンアタックを開始しよう」
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