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第205話 ダンジョンアタック開始
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「さて、ダンジョンアタックを開始しよう」
俺の宣言とともにダンジョンへ入っていく。
「まず始めは年長組を中心に戦闘にしていく。一階毎降りたら中心にするグループを変えて、このダンジョンに慣れていくぞ。慣れたところでスピードを上げて踏破していく。おそらく前情報で得たダンジョンの魔物なら五十階までは何の問題もなく倒せるはずだ。
目標地点は五十一階への階段だ。一日で踏破できるわけじゃないので、自分たちの調整をしながら進んでいくように。指示は基本的にピーチが出すように、俺は従魔たちと残りのメンバーと一緒に別口で警戒するから、みんなの指示は任せる」
下手に俺が指示してグダグダになるよりは、ピーチを中心にまとまっているからそれを崩す必要はないだろう。俺は、残りのメンバーと連携をとって戦闘をしていこう。
このダンジョンは十階毎に出てくる魔物が変わるようだ。一桁目が大きくなる程敵の密度が増えていくそうだ。そして〇のつく階層は最も敵の密度が多くなり、BOSSがいるそうだ。
一階毎に中心になる娘たちのパーティーを変えながら、十階まで降りてきた。ここまで来るのに、食事を挟んで六時間ほどかかっている。一日で行動できる時間を十二時間とすると、一週間でどれほど進めるだろうか?
順々に敵が強くなって行くのに対して疲労がたまっていく……六十一階以降の地図のない状況による階段を探しながらの移動、こちらに不利になる点が増えすぎるな。
日々の疲れが取れるように食事と風呂に関しては手を抜くことはないので、ゆっくり休めるような環境を整えたつもりだ。出来れば一日の移動時間ももう少し短くしたいところだ。そこらへんは夕食の時にでも相談してみよう。
初めの三階分は自分たちの武器を持って敵の感触を確かめていた。出てくるものはゴーレムといっても強度のないウッドゴーレムやウッドパペットといった雑魚中の雑魚なのだ、何の問題もなく戦闘をこなすことが出来た。
次の三階分は素手による格闘戦主体の戦闘だった。格闘戦でもこの程度の敵では何の問題もあるはずもなく撃破していたが一つだけ誤算があった。それはシェリルが覚えたスキルの一つで浸透勁は、無機物のゴーレムやパペットには全くの無意味な攻撃だったことだろう。
自分の得意技がきかないとわかって大分へこんでから、うっぷんを晴らすように暴れて敵を撲殺していた。シェリル、スキルで倒さなくても大丈夫なんだ、そんなに落ち込むなよ。
次の三階分は、魔法を含めた戦闘で連携を確認していた。無機質の敵には全く効かない魔法が存在したりするので注意が必要なのだ。特にゴーレムは素材によらず、一定以上の威力が無いと魔法そのものの効果が全くでないものが多い。
特に素材が金属になると素材に合わせた特長が顕著になるのだ。簡単なところで言えば、雷系の魔法はほとんど効果が無いといってもいいだろう。
単純に出力を上げたカミナリの様な力の魔法があれば、空気を引き裂く力でダメージを与えることができるが、カミナリ自体の魔法でダメージを与えることはできない。それなら土魔法である程度の質量のある石礫で攻撃した方が、よっぽどコストパフォーマンスがいいのだ。
十階はBOSSのいる階だが、大体は別の冒険者や戦闘鉱員が倒しているので戦闘することはなかった。
四十階までのBOSSは、比較的倒せるパーティーが多いためおそらく戦闘はないだろうとの事。BOSSが再度現れるのがおよそ二十四時間であるため、実入りのいいBOSS部屋の近くで休みながら狩っている集団もあるそうだ。
これは他のダンジョンでもあることで、そこではノーマナー行為として処罰の対象になる事もあるので注意した方がいいとミリーに教えてもらった。ただヴローツマインのダンジョンにもぐる人間は、その大半が鉱石を目当てに入るので、手間のかかるBOSSを処理してくれる集団は重宝されているようだ。
という事で敵の密度が多いはずの十階は、その人たちが暇つぶしに殲滅して、よさそうなところで採掘しているので、あまり敵に遭遇せずに抜けることができた。なんか拍子抜けだな。
まぁ手がかからないだけありがたいな、ちょっとした差し入れをしていこう。一日あれば往復できる場所とはいえ、新鮮な食材は食べにくいためどうしても保存食になりがちだ。特にお肉は塩分がきつめになりがちだ。
という事で燻製のソーセージやお肉をあげてみよう、これはヴローツマインでフードコートで店を出しているブラウニー達特製の品だ。いっぱい作って倉庫に保管していた物の中で最上品が献上されたのだ。
「ここのリーダーはどなたでしょうか?」
「俺だが何か用か?」
「あ~用というか十階の手間がかからなかったので、差し入れしていこうかと思ってね。このソーセージと燻製肉をプレゼントしようかと思って。受け取ってくれますか?」
「ソーセージと肉?毒とか入ってな……いよ……ん? この匂いは! フードコートの神の雫の看板商品の匂いではないか!」
「神の雫? ブラウニーたちの店の名前か? 酒も出さんのに雫ってどうなんだろうな?」
「そうだ、ブラウニーたちのやっている店の商品を、なんで持ち帰ることができるんだ! あそこの商品はその場で食べること以外できないはずだぞ!」
俺より小さい背で肩をがっちりつかみ、顔が触れるほど近くでまくしたてる。娘たちが暴走しないように、手で押さえるようにジェスチャーをする。
「何でと言われても、一応あそこのオーナーになるからっていえば、納得してくれるか? まぁいらないなら先行くよ、邪魔したな」
「いやまて! いらないとはいっていない、むしろ譲ってくれ!」
「じゃぁ手を放してくれ。敵を減らしておいてくれたんだ、感謝してるってことで、これを食ってくれよ」
一人に一本ずつ分くらいしか分けていないが、ドワーフのあんちゃんや仲間のドワーフたちが泣いてお礼を言ってくれた。ドワーフというのは酒だけじゃなく、酒に合うつまみでも泣いて喜ぶのか? 二十階や三十階にいる人たちにもあげるなら、注意して渡さないとな。
一日目の到着階数は十七階。もう少し先へ進める時間はあったが、地図に描かれたセーフポイントに使える広い空間があるようだ。リンドの進言もありあまり使われない、広い空間のそのポイントを使う事にしたのだ。
娘たちは到着すると同時に食事の準備を始めた。それに合わせて収納のカバンに収めていた、キッチンコンテナとコンテナ風呂を取り出して設置した。
カバンに余裕があったので、寝るためのコンテナも二つ追加して入れている。一つは女性専用、もう一つは男と従魔たちのコンテナだ。密閉されているコンテナだと、さすがに問題が多すぎるので、窓をつけたり換気をできるようにしたりしている。もう野営じゃなくて持ち運びの家で休むようなものだな。
夜番は全員参加で行う予定だ。最後まで娘たちは反論したが全員が、同じ時間休憩できるように三交代で三時間ずつだ。交代時間を三十分ずつ見れば合計で十時間だろうか、六時間は睡眠時間をとれるだろう。娘たちは娘たちで順番を決めて、俺たちは俺たちで順番を決めたメンバーで夜番をすることになった。
俺たちは基本的に敵の警戒で、娘たちの半分は食事の準備をすることになった様だ。持ってきている調理済みの料理も無限でないので、可能な限り作っていく方向で話がまとまった様だ。俺としてもおいしい食事ができるのは助かるしね!
俺の宣言とともにダンジョンへ入っていく。
「まず始めは年長組を中心に戦闘にしていく。一階毎降りたら中心にするグループを変えて、このダンジョンに慣れていくぞ。慣れたところでスピードを上げて踏破していく。おそらく前情報で得たダンジョンの魔物なら五十階までは何の問題もなく倒せるはずだ。
目標地点は五十一階への階段だ。一日で踏破できるわけじゃないので、自分たちの調整をしながら進んでいくように。指示は基本的にピーチが出すように、俺は従魔たちと残りのメンバーと一緒に別口で警戒するから、みんなの指示は任せる」
下手に俺が指示してグダグダになるよりは、ピーチを中心にまとまっているからそれを崩す必要はないだろう。俺は、残りのメンバーと連携をとって戦闘をしていこう。
このダンジョンは十階毎に出てくる魔物が変わるようだ。一桁目が大きくなる程敵の密度が増えていくそうだ。そして〇のつく階層は最も敵の密度が多くなり、BOSSがいるそうだ。
一階毎に中心になる娘たちのパーティーを変えながら、十階まで降りてきた。ここまで来るのに、食事を挟んで六時間ほどかかっている。一日で行動できる時間を十二時間とすると、一週間でどれほど進めるだろうか?
順々に敵が強くなって行くのに対して疲労がたまっていく……六十一階以降の地図のない状況による階段を探しながらの移動、こちらに不利になる点が増えすぎるな。
日々の疲れが取れるように食事と風呂に関しては手を抜くことはないので、ゆっくり休めるような環境を整えたつもりだ。出来れば一日の移動時間ももう少し短くしたいところだ。そこらへんは夕食の時にでも相談してみよう。
初めの三階分は自分たちの武器を持って敵の感触を確かめていた。出てくるものはゴーレムといっても強度のないウッドゴーレムやウッドパペットといった雑魚中の雑魚なのだ、何の問題もなく戦闘をこなすことが出来た。
次の三階分は素手による格闘戦主体の戦闘だった。格闘戦でもこの程度の敵では何の問題もあるはずもなく撃破していたが一つだけ誤算があった。それはシェリルが覚えたスキルの一つで浸透勁は、無機物のゴーレムやパペットには全くの無意味な攻撃だったことだろう。
自分の得意技がきかないとわかって大分へこんでから、うっぷんを晴らすように暴れて敵を撲殺していた。シェリル、スキルで倒さなくても大丈夫なんだ、そんなに落ち込むなよ。
次の三階分は、魔法を含めた戦闘で連携を確認していた。無機質の敵には全く効かない魔法が存在したりするので注意が必要なのだ。特にゴーレムは素材によらず、一定以上の威力が無いと魔法そのものの効果が全くでないものが多い。
特に素材が金属になると素材に合わせた特長が顕著になるのだ。簡単なところで言えば、雷系の魔法はほとんど効果が無いといってもいいだろう。
単純に出力を上げたカミナリの様な力の魔法があれば、空気を引き裂く力でダメージを与えることができるが、カミナリ自体の魔法でダメージを与えることはできない。それなら土魔法である程度の質量のある石礫で攻撃した方が、よっぽどコストパフォーマンスがいいのだ。
十階はBOSSのいる階だが、大体は別の冒険者や戦闘鉱員が倒しているので戦闘することはなかった。
四十階までのBOSSは、比較的倒せるパーティーが多いためおそらく戦闘はないだろうとの事。BOSSが再度現れるのがおよそ二十四時間であるため、実入りのいいBOSS部屋の近くで休みながら狩っている集団もあるそうだ。
これは他のダンジョンでもあることで、そこではノーマナー行為として処罰の対象になる事もあるので注意した方がいいとミリーに教えてもらった。ただヴローツマインのダンジョンにもぐる人間は、その大半が鉱石を目当てに入るので、手間のかかるBOSSを処理してくれる集団は重宝されているようだ。
という事で敵の密度が多いはずの十階は、その人たちが暇つぶしに殲滅して、よさそうなところで採掘しているので、あまり敵に遭遇せずに抜けることができた。なんか拍子抜けだな。
まぁ手がかからないだけありがたいな、ちょっとした差し入れをしていこう。一日あれば往復できる場所とはいえ、新鮮な食材は食べにくいためどうしても保存食になりがちだ。特にお肉は塩分がきつめになりがちだ。
という事で燻製のソーセージやお肉をあげてみよう、これはヴローツマインでフードコートで店を出しているブラウニー達特製の品だ。いっぱい作って倉庫に保管していた物の中で最上品が献上されたのだ。
「ここのリーダーはどなたでしょうか?」
「俺だが何か用か?」
「あ~用というか十階の手間がかからなかったので、差し入れしていこうかと思ってね。このソーセージと燻製肉をプレゼントしようかと思って。受け取ってくれますか?」
「ソーセージと肉?毒とか入ってな……いよ……ん? この匂いは! フードコートの神の雫の看板商品の匂いではないか!」
「神の雫? ブラウニーたちの店の名前か? 酒も出さんのに雫ってどうなんだろうな?」
「そうだ、ブラウニーたちのやっている店の商品を、なんで持ち帰ることができるんだ! あそこの商品はその場で食べること以外できないはずだぞ!」
俺より小さい背で肩をがっちりつかみ、顔が触れるほど近くでまくしたてる。娘たちが暴走しないように、手で押さえるようにジェスチャーをする。
「何でと言われても、一応あそこのオーナーになるからっていえば、納得してくれるか? まぁいらないなら先行くよ、邪魔したな」
「いやまて! いらないとはいっていない、むしろ譲ってくれ!」
「じゃぁ手を放してくれ。敵を減らしておいてくれたんだ、感謝してるってことで、これを食ってくれよ」
一人に一本ずつ分くらいしか分けていないが、ドワーフのあんちゃんや仲間のドワーフたちが泣いてお礼を言ってくれた。ドワーフというのは酒だけじゃなく、酒に合うつまみでも泣いて喜ぶのか? 二十階や三十階にいる人たちにもあげるなら、注意して渡さないとな。
一日目の到着階数は十七階。もう少し先へ進める時間はあったが、地図に描かれたセーフポイントに使える広い空間があるようだ。リンドの進言もありあまり使われない、広い空間のそのポイントを使う事にしたのだ。
娘たちは到着すると同時に食事の準備を始めた。それに合わせて収納のカバンに収めていた、キッチンコンテナとコンテナ風呂を取り出して設置した。
カバンに余裕があったので、寝るためのコンテナも二つ追加して入れている。一つは女性専用、もう一つは男と従魔たちのコンテナだ。密閉されているコンテナだと、さすがに問題が多すぎるので、窓をつけたり換気をできるようにしたりしている。もう野営じゃなくて持ち運びの家で休むようなものだな。
夜番は全員参加で行う予定だ。最後まで娘たちは反論したが全員が、同じ時間休憩できるように三交代で三時間ずつだ。交代時間を三十分ずつ見れば合計で十時間だろうか、六時間は睡眠時間をとれるだろう。娘たちは娘たちで順番を決めて、俺たちは俺たちで順番を決めたメンバーで夜番をすることになった。
俺たちは基本的に敵の警戒で、娘たちの半分は食事の準備をすることになった様だ。持ってきている調理済みの料理も無限でないので、可能な限り作っていく方向で話がまとまった様だ。俺としてもおいしい食事ができるのは助かるしね!
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