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第216話 戻ってきた日常
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ヴローツマインのダンジョン攻略をしてから一週間が過ぎていた。今俺たちがいるのはディストピアだ。攻略してからヴローツマインで一泊してディストピアへ帰ってきている。ここまで長丁場の遠征は初めてだったのでだいぶ疲れた感じがして、三日ほど休息にあてていた。
休息が終わり自分たちがいなかった間に起こった変化を確認することにした。まずは魚人たちの様子を見に島へ向かった。
ダンジョンに潜っている間に少しずつ、紙の品質があがっていると聞いていたので少し楽しみだったのだ。特に削りカスから作る予定の量産和紙は、できる限り品質が高くなっているとこちらとしては助かるのだ。
商品として売りに出す予定なので品質がいいにこしたことはないのだ。作り方も広めるつもりはないので、量産といえど手作りなので数に限界が出てくるな。他の地方にいる魚人も引き込めないかな? いるのか?
島について魚人の奥さん方に誘導されながら和紙製造ダンジョンへ入っていく。ひんやりするが寒さに強いというより暑さに弱い魚人の方たちは、休憩時間や休みの日によく利用しているようだ。地下から各家庭に冷気とか送り出せたらいいな。ダンジョンクーラー! みたいな? 感じで魚人たちが喜びそうだ。
和紙が干されているところに向かうと、厚さに均一があまり見られなかった和紙が見た範囲では厚さに差があるように見えなかった。触ればなんとなくわかるがそれもこの世界の紙に比べれば誤差の範囲だ!
ダンジョン産の繊維やコウゾから作った和紙はどうしたのか聞くと、技術もないのに高級品を使って練習する必要はないってことで、品質が劣化しない部屋をノーマンに頼んで作ってもらったそうだ。いつでも漉ける様に準備しているらしい。
「そういえば、他の魚人の集落とかと付き合いってどうなんですか?」
「私たちは海の中でなら行動範囲が広いので、それなりに付き合いはありましたけど、今はここに来ているので付き合いはないですね。あんなことが無ければここへ来ようと考える人も少なかったでしょうし……」
「あ~あのオーク神官か、助けてやったのに剣を向けたんだもんな。魚人ももっと増えればと思いましたがそういうわけにはいかなそうですね」
「それなのですが、もし来たいという人がいれば連れてきてもいいですか? 嫁いで行ったり嫁がれてきた人たちの家族もいますので、ここの生活を知ったら来てもらいたいと思うようになった人が多くて、どうでしょうか?」
「きちんと報告してくれれば問題ないですよ。ただこの街のルールに従わなかった場合はそれなりの処罰があることはしっかりと言い含めてくださいね。俺たちは他の種族との懸け橋として存在しているので、公平にものを判断しますのでどこかを贔屓することは、無いとだけご理解いただければと思います」
「わかりました。今日の夜にでも長を含めて相談させてもらいます。しばらくすれば結論が出ますのでその時にまたお伝えしますね」
「了解です。和紙の量産の目途が立ったら試験的に、グレッグとヴローツマインで売りに出しますので、その時はよろしくお願いします」
うむうむ、和紙の量産は問題なさそうだな。レベルが上がってきて装備も充実してきているみたいだから、いい感じになってるね~レベルが上がったからって、反乱みたいなの起こされたらたまったもんじゃないけど、正直魚人達では俺達の相手にならないからいっか。
一応監視はしておこうか。新しい人が増えたらどうなるかわからないし。
次はっと、鬼人の方たちの様子を見にダンジョンへ向かう。これは街に開放している三つのダンジョンではなく、ダンジョンINダンジョンの方だ。あそこに訓練用のダンジョンを作成して、隠密のスキルを強化しているようだ。
もちろんダンジョンに潜ってレベルをあげたり装備を充実したりしている。装備作成はドワーフのジジイ共に協力してもらっているようだ。
そういえばドワーフのジジイが確か十人程だったはずなのに、いつの間にか四十人に増えていた。特に昔懐かしいドワーフは、分裂したのではと思うようなそっくりさんだったので、分身でも覚えたのかと思ったくらいだ。
まぁドワーフは基本仕事さえできれば他の事に執着しないというより、没頭するみたいで身の回りの事は気にしなくなるみたいだしな。特に来られて困る種族ではないのでむしろ歓迎なのだが、酒の消費量が増えた。
「お! リュウじゃないか。探したぞ。最近の様子はどうだい?」
「シュウ殿、お久しぶりです。この訓練施設を作ってもらったおかげで、スキルのLvが効率的にあげれるようになりましたね。そもそもスキルの概念がなかった自分たちには眉唾物でしたが、とても充実しています。
他には、何人か身ごもりました。安心して生活できる場所っていうのはそれだけで宝ですね。何年ぶりの子供でしょうか? 嬉しい限りです。以前お話を受けていたグレッグの件ですが、問題なさそうです。
拠点になる商会も領主館もあって、動きやすいようにいくつか家まで用意してもらえるみたいなので、私たちは情報収集ではなく、どちらかといえば暗部的な扱いだと理解していますので、今のところ人の街で情報を集めるのでなければ何の問題もなさそうです」
本当に人間が怖いんだな。おそらく自分たちの方が強くてもトラウマ的な精神に刻まれた傷には関係ないんだろうな。だからと言って、暗殺を任せるのもな……要人とかでなく、街の闇に巣くう悪を倒すって意味だけどね。
という話は何度もしたのだけど、自分たちの意思でそうすると決めたので、汚れ仕事は任せてほしいと言われている。それに善良な人を殺そうとは思わないが、悪人なら俺たちの捌け口になってもらう……という黒い感情も併せ持っていた。
人間に対する復讐に近い何かなのだろうか? 表の戦争は俺たちが引き受ければいいわけだしな。
というか、自分たちでダンジョンに潜ればそれなりに稼げるんだから、暗部なんてやる必要ないのにな。
「子供ができたんだ、この街で新たな命が生まれるのはいいことだな。グレッグの件は今すぐ何かをすることはないから、必要なときに声をかける形でいいかな?」
「了解です」
問題は何もなさそうだな。すこぶる順調。
次に、リンドが連れてきたダンジョン地下道の砦を守る人材の確認だな。
「お? 主殿。こいつらリンドが連れてきただけあってやはり有能だな。娘たちにはまだ及ばないが、中央に近い騎士団でも持ってこなければ、おそらく倒せんだろうくらいには強いぞ。
それに魔法もある程度使えるようになったし弓も問題ない。砦の形次第だが、破棄するにしても守るにしても死ぬ可能性は少なくなったと思うぞ」
あって早々にガルドから報告を受けた。守る事を中心としているようで、大盾と槍、弓、魔法と拠点防衛で有用な手札を中心にそろえているようだった。一応リビングアーマーも設置するし、魔法を使える魔物か広範囲殲滅兵器を考えるか?
「近いうちに砦を作る予定だからそしたら配備お願いね。シフトを組んで、ディストピアでの休息日は自由にしていいように伝えておいて。念願の鍛冶場も作るように爺様方に言っておくから。中の調整は自分たちでするようにって伝えておいて」
「了解した。そろそろ眷属の召喚でもしておきます」
うんうん、順調にいろいろ進んでいてうれしい限りだな。ジャルジャンの方もその内話をつけに言っておかないとな。あっちには貸しもあるしヴローツマインの竜騎士の件もあるから大丈夫だろう。
問題となるのは中立都市じゃなくて隣接している三大国だろうな~聖国の方はあの宗教をどうにかしなきゃいけないし、王国は国王をボコりたいしな。帝国は、攻めてこなければ特に何もないからいいか?
実力主義ってくらいだしな。ただグレックに攻め込まれないように隣町までの広域を掌握してるから発見してからの行動でも問題ないだろう。
うーむ、いつになったら俺が考えなくてもいい日が来るのだろうか? 各種族の繋ぎや名産の事等を自分でやっている限りはのんびりできる日が来ないと理解できていないシュウであった。
休息が終わり自分たちがいなかった間に起こった変化を確認することにした。まずは魚人たちの様子を見に島へ向かった。
ダンジョンに潜っている間に少しずつ、紙の品質があがっていると聞いていたので少し楽しみだったのだ。特に削りカスから作る予定の量産和紙は、できる限り品質が高くなっているとこちらとしては助かるのだ。
商品として売りに出す予定なので品質がいいにこしたことはないのだ。作り方も広めるつもりはないので、量産といえど手作りなので数に限界が出てくるな。他の地方にいる魚人も引き込めないかな? いるのか?
島について魚人の奥さん方に誘導されながら和紙製造ダンジョンへ入っていく。ひんやりするが寒さに強いというより暑さに弱い魚人の方たちは、休憩時間や休みの日によく利用しているようだ。地下から各家庭に冷気とか送り出せたらいいな。ダンジョンクーラー! みたいな? 感じで魚人たちが喜びそうだ。
和紙が干されているところに向かうと、厚さに均一があまり見られなかった和紙が見た範囲では厚さに差があるように見えなかった。触ればなんとなくわかるがそれもこの世界の紙に比べれば誤差の範囲だ!
ダンジョン産の繊維やコウゾから作った和紙はどうしたのか聞くと、技術もないのに高級品を使って練習する必要はないってことで、品質が劣化しない部屋をノーマンに頼んで作ってもらったそうだ。いつでも漉ける様に準備しているらしい。
「そういえば、他の魚人の集落とかと付き合いってどうなんですか?」
「私たちは海の中でなら行動範囲が広いので、それなりに付き合いはありましたけど、今はここに来ているので付き合いはないですね。あんなことが無ければここへ来ようと考える人も少なかったでしょうし……」
「あ~あのオーク神官か、助けてやったのに剣を向けたんだもんな。魚人ももっと増えればと思いましたがそういうわけにはいかなそうですね」
「それなのですが、もし来たいという人がいれば連れてきてもいいですか? 嫁いで行ったり嫁がれてきた人たちの家族もいますので、ここの生活を知ったら来てもらいたいと思うようになった人が多くて、どうでしょうか?」
「きちんと報告してくれれば問題ないですよ。ただこの街のルールに従わなかった場合はそれなりの処罰があることはしっかりと言い含めてくださいね。俺たちは他の種族との懸け橋として存在しているので、公平にものを判断しますのでどこかを贔屓することは、無いとだけご理解いただければと思います」
「わかりました。今日の夜にでも長を含めて相談させてもらいます。しばらくすれば結論が出ますのでその時にまたお伝えしますね」
「了解です。和紙の量産の目途が立ったら試験的に、グレッグとヴローツマインで売りに出しますので、その時はよろしくお願いします」
うむうむ、和紙の量産は問題なさそうだな。レベルが上がってきて装備も充実してきているみたいだから、いい感じになってるね~レベルが上がったからって、反乱みたいなの起こされたらたまったもんじゃないけど、正直魚人達では俺達の相手にならないからいっか。
一応監視はしておこうか。新しい人が増えたらどうなるかわからないし。
次はっと、鬼人の方たちの様子を見にダンジョンへ向かう。これは街に開放している三つのダンジョンではなく、ダンジョンINダンジョンの方だ。あそこに訓練用のダンジョンを作成して、隠密のスキルを強化しているようだ。
もちろんダンジョンに潜ってレベルをあげたり装備を充実したりしている。装備作成はドワーフのジジイ共に協力してもらっているようだ。
そういえばドワーフのジジイが確か十人程だったはずなのに、いつの間にか四十人に増えていた。特に昔懐かしいドワーフは、分裂したのではと思うようなそっくりさんだったので、分身でも覚えたのかと思ったくらいだ。
まぁドワーフは基本仕事さえできれば他の事に執着しないというより、没頭するみたいで身の回りの事は気にしなくなるみたいだしな。特に来られて困る種族ではないのでむしろ歓迎なのだが、酒の消費量が増えた。
「お! リュウじゃないか。探したぞ。最近の様子はどうだい?」
「シュウ殿、お久しぶりです。この訓練施設を作ってもらったおかげで、スキルのLvが効率的にあげれるようになりましたね。そもそもスキルの概念がなかった自分たちには眉唾物でしたが、とても充実しています。
他には、何人か身ごもりました。安心して生活できる場所っていうのはそれだけで宝ですね。何年ぶりの子供でしょうか? 嬉しい限りです。以前お話を受けていたグレッグの件ですが、問題なさそうです。
拠点になる商会も領主館もあって、動きやすいようにいくつか家まで用意してもらえるみたいなので、私たちは情報収集ではなく、どちらかといえば暗部的な扱いだと理解していますので、今のところ人の街で情報を集めるのでなければ何の問題もなさそうです」
本当に人間が怖いんだな。おそらく自分たちの方が強くてもトラウマ的な精神に刻まれた傷には関係ないんだろうな。だからと言って、暗殺を任せるのもな……要人とかでなく、街の闇に巣くう悪を倒すって意味だけどね。
という話は何度もしたのだけど、自分たちの意思でそうすると決めたので、汚れ仕事は任せてほしいと言われている。それに善良な人を殺そうとは思わないが、悪人なら俺たちの捌け口になってもらう……という黒い感情も併せ持っていた。
人間に対する復讐に近い何かなのだろうか? 表の戦争は俺たちが引き受ければいいわけだしな。
というか、自分たちでダンジョンに潜ればそれなりに稼げるんだから、暗部なんてやる必要ないのにな。
「子供ができたんだ、この街で新たな命が生まれるのはいいことだな。グレッグの件は今すぐ何かをすることはないから、必要なときに声をかける形でいいかな?」
「了解です」
問題は何もなさそうだな。すこぶる順調。
次に、リンドが連れてきたダンジョン地下道の砦を守る人材の確認だな。
「お? 主殿。こいつらリンドが連れてきただけあってやはり有能だな。娘たちにはまだ及ばないが、中央に近い騎士団でも持ってこなければ、おそらく倒せんだろうくらいには強いぞ。
それに魔法もある程度使えるようになったし弓も問題ない。砦の形次第だが、破棄するにしても守るにしても死ぬ可能性は少なくなったと思うぞ」
あって早々にガルドから報告を受けた。守る事を中心としているようで、大盾と槍、弓、魔法と拠点防衛で有用な手札を中心にそろえているようだった。一応リビングアーマーも設置するし、魔法を使える魔物か広範囲殲滅兵器を考えるか?
「近いうちに砦を作る予定だからそしたら配備お願いね。シフトを組んで、ディストピアでの休息日は自由にしていいように伝えておいて。念願の鍛冶場も作るように爺様方に言っておくから。中の調整は自分たちでするようにって伝えておいて」
「了解した。そろそろ眷属の召喚でもしておきます」
うんうん、順調にいろいろ進んでいてうれしい限りだな。ジャルジャンの方もその内話をつけに言っておかないとな。あっちには貸しもあるしヴローツマインの竜騎士の件もあるから大丈夫だろう。
問題となるのは中立都市じゃなくて隣接している三大国だろうな~聖国の方はあの宗教をどうにかしなきゃいけないし、王国は国王をボコりたいしな。帝国は、攻めてこなければ特に何もないからいいか?
実力主義ってくらいだしな。ただグレックに攻め込まれないように隣町までの広域を掌握してるから発見してからの行動でも問題ないだろう。
うーむ、いつになったら俺が考えなくてもいい日が来るのだろうか? 各種族の繋ぎや名産の事等を自分でやっている限りはのんびりできる日が来ないと理解できていないシュウであった。
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