ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第331話 チビ神登場!

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「ちょっと、あなた! 何してくれちゃってるのYO!」

 お? チビ神か、相変わらずぺったんこだな。声はちょくちょく聞いてたけど、姿は久しぶりに見たな。っさて、なぜ俺がチビ神とあってるんだ? まさか頭痛で死んだとかないよな? って初めて来た時も死んでここに来たわけじゃなかったな。

「人の話聞きなさいYO! それにチビじゃないしぺったんこでもないよ! ちょっとだけ膨らみがあるんだからね!」

 涙ぐましい努力でもしてるんだろうな、男に分からない悩みだけど強く生きろ!

「余計なお世話YO! そしてなんで私は励まされてるの? そこまで悲観してないし!」

 そうかそうか頑張れ! でだ、ここがどこで俺はなんでここにいるんだ?

「まったく、あなたと話していると調子が狂うわよ! なんであなたがここにいるのかっていうと、神のダンジョンのコアを壊したからよ。今まで神のダンジョンを攻略したり、壊したダンマスがいないからどうなるか様子を見ていたら、何かうめきだしたからあわてて精神を隔離して、肉体と分離させて私がここに呼んだのよ。感謝しなさい!」

 ほう、じゃぁ今の俺は精神体とでもいう状態なのだろうか? といっても普通の体みたいに動くんだけどな。

「それはそうよ、だって精神体が具現化したものが、実際の体なんだから当たり前じゃない、そんなことも知らないの?」

 知るわけねえだろ、つるペタ!

「だから、少しはふくらみがあるからペタではないわよ! フスンッ!」

 お~怒ってる怒ってる。まぁいいけど、ここがどこなのか何となくわかったけどなんでここにいるんだ?

「フシャーッ!」

 お前はネコか! 人? でフシャーとか言っているやつ初めて見たよ。でだ、なんでここにいるんだ?

「フーッフーッ、あなたと話してると本当に調子が狂うわ、何でここにいるかだっけ? そんなの決まってるじゃない、精神と肉体を分けたんだからその場にとどめて置いたら、見たくないものを見なきゃいけなくなるかもしれないからこっちに呼んだのよ。まぁ今回死ぬ事はないから安心しなさい」

 ない胸をはってポンッと叩いている。

「無いわけじゃないわよ!」

 怒られたと同時にチョークが飛んできた。昔はチョーク投げる教師がいたって、父親や母親が言ってたけど今時ないわ、そもそもチョークどこから出したんだ?

「ムキーッ!! 『バナナ食うか』サルじゃないんだからいらないわよ!」

 相変わらずからかいがいのある面白いチビ神だな。とりあえず、肉体は今どうなってるんだ?

「ぐぬぬぬ……口で勝負しても勝てないから、置いておきましょう。肉体は精神と切り離されたから、問題なく気絶しているだけよ。で頭痛がしたのは、ダンジョンコアを壊したから、経験値としてあなたの中に流れ込んだんだけど、オーバーフローして頭痛としてあらわれてしまったから、慌てて隔離したのよ。

 まぁ隔離しなくても死ぬことはなかったけど、凄まじい頭痛にしばらく耐えなきゃいけなかったけど余計だったかしら?」

 かなり助かったわ、チビ神が役に立ったのは初めてじゃないか? 無い乳とは違って気が利くのは助かるわ。本当に感謝だな、あの頭痛は本当にやばかったからな。

「あなた一言余計なのよ! プリプリッ!」

 起こる表現でプリプリってないない。いちいち古い感じがするのは気のせいか?

「ふ~。それにしても全部の世界見てもこの移動式神のダンジョンを攻略したのはあなたたちが初めてね。そもそもあれを壊そうという発想自体が、今までの人間にはなかったからね。壊す準備をしてる時の盛り上がり方は、あり得ないくらいすごかったわ。その上壊した瞬間の歓声は耳がいたくなるくらい大きかったわ。呼んだ私も鼻が高いわ」

 結局自慢かい! 呼び出されたこっちは、いい迷惑してるっていうのにな!、にしてもだ、何年こんなことやってるかは知らないけど、時間軸が明らかにおかしい部分があるから、俺みたいにDPで銃を呼び出した奴や、勇者でめっちゃレベルを上げたやつが投擲とかで壊そうとしなかったのかな?

「実際やろうとしたダンマスや勇者はいたわ。でもね上空のあの距離でしょ? 魔法を使っても命中力が足りなくてあきらめてたわ」

 アンチマテリアルライフルに風付与すれば、命中力はカバーできるだろうに、それができなかったのかな? まぁ初めての攻略っていうのはなんかゲーマーの心が疼くな!

 まぁそれはいいとして、チビ神! オーバーフローしたとか言ってたけどその経験値ってどうなったんだ?

「そこ気になるわよね。経験値は精神を進化させるものであって、肉体が得るものではないのよ。だから今この瞬間もダンジョンコアを壊した経験値が、精神を進化させているはずよ。で、精神が進化、レベルアップするとそれに引っ張られて肉体が強化される形ね。それで、スキルは肉体に影響を与える精神の能力って感じかしら?」

 ここで思いっきり初耳な情報が出てきたな。精神が肉体に影響をおよぼすんだな。スキルは精神にしみついて肉体が強化されるのか、精神系のドレインができたら相手のレベル下げれるのかね?

 ってかさ、精神が肉体に影響を及ぼすって事は精神が生きてれば肉体の復活が可能ってことか?

「それは無理ね。精神の強さが肉体に影響を及ぼすけど、死に関しては双方どちらかが死んだ時点で一緒に死に引っ張られるのよ。私も原理はわからないけどそういうものだからって理解して頂戴! あら? そろそろ進化が終わるみたいね。

 肉体に戻すからこれからも頑張りなさい! 神のダンジョンは後三つよ! 最後に言っておくけど、ここでの時間の流れとあちらの世界の時間の流れは、全然違うから気を付けてね! じゃぁ戻りなさいな!」

 最後に爆弾放り込みやがった! どう時間の流れが違うんだ? こっちの方が早いのか? 向こうの方が早いのか? どっちだ? ってどう考えても気を付けてとかいうくらいだから、向こうの方が時間が早く進んでるってことだよな。どのくらい時間がたってるんだろうな。

 目が覚めた! 全然覚めた気がしないけど周りから見れば、これが正しい表記だろう。何か体のあちこちを揉まれている気がするけど何だろ? 目を開けて原因を探るとすぐ分かった。妻たちが数人がかりで俺の体をマッサージしていたのだ。ふとピーチと目が合った。ニコッ! 精一杯の笑顔をしてみたら、

「ごじゅじんざば!!!!」

 急に泣き出してびっくりした。隣にいたエレノアは懐からスマートフォンのようなものを取り出して何かしている。しばらく泣き付かれていると走る音が近付いてきて、勢いよく部屋のドアを開けて妻の一団が流れ込んできた。そう、今俺はディストピアの巨大ベッドの上に寝ているのだ。

 妻たち全員が声にならない声で起きた事を喜んでくれていた。色々話したい事はあるけど今はみんなが落ち着くのを待とうか。順番にみんなの頭をなでてお礼を言った。
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