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第360話 死刑執行
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ゴーストタウン一般開放からニ日目の昼過ぎの時刻、十三時三十分くらいだ。拡声器の魔道具のスピーカーを使って、朝から処刑の告知をしていたので結構な数の住人や、解放されてゴーストタウンに来ていた人たちも見に来ている状況だ。
これなら口コミでも情報が広がって、馬鹿なことする人間が減るかな? 俺だけは特別とか、それでもバレなければ問題ない、と考える奴らもいるだろうけど、そういうやつらはどこでもトラブル起こすだろうから、考えるだけ無駄だよな。
今日の処刑は、貴族の三人は俺が首を落とす予定だ。十ニ人の冒険者は襲われていた女性冒険者たちが、是非自分達に執行役をやらせてほしいと申し出てきたので、ゴーストタウンを任せている老ドワーフに確認をとったら、問題ないのでやらせてしまえとの事だった。
時間が来た。
「お集りの皆さん、お待たせしました。え~っと、昨日がゴーストタウンの一般公開初日だったのですが、その初日に街に入る前にした禁止行為を行った者が、十五人もいました。
その際に処刑する事もあると、伝えていたにも関わらずです。中には本気ではないのでは? と思われている人や、貴族の俺には関係ないと思っていた人もいると思いますが、ゴーストタウンは本気です。
ですので、これから斬首をしようと思います。一切の例外がないことを理解してもらうためです」
広場には、斬首を待つ十五人が叫んでいる声以外が全くない状況だ。おそらく住人もさすがに貴族は殺さないのでは? と思っていたのに今の様子を考えると、間違いなく斬首するだろうと感じていて、声が出せない状況になっているのだろう。
他にも、今回貴族たちを斬首するのに準備したのは、ギロチン台だ。この世界にはなかったもので、住人は威圧的な刃物が上についた台を無言で見つめるしかできなかったのだ。
「ゴーストタウンは、善良な住人を守るためなら三大国とでさえ戦争をします。実際にここにいる貴族の三人は口をそろえて、『私に何かあれば本国が黙ってない』というので、その言葉が事実ならおそらくその国と戦争になります。
ですが、今の所ゴーストタウンの住人に戦争に参加してもらうつもりはありません。私たちが保有している戦力があれば問題ありません。長々と話していてもしょうがないので、公開処刑を始めたいと思います。初めは、冒険者十ニ人の斬首になります」
俺がそう宣言すると全身黒マントで覆った六人の執行官が出てきた。襲われていた女冒険者の六人だ。
装備は俺たちが準備した黒マント。これは光を吸い込むほどの錯覚を起こす、漆黒のマントだ。顔にはスカルフェイスマスクで、アダマンコーティングの上に、聖銀をコーティングした銀色のドクロマスクだ。
体の装備は、男か女か分からないようにスカルフェイスにあった、フルプレート装備を渡している。
武器は、無駄に威圧感のある刃渡り一メートル半程ある、肉切り包丁をモデルにした大剣を準備した。
武器に関しては、死神をモデルに大鎌にしようかとも考えたのだが、この世界の死神がそのイメージがあるか分からないし、何よりあの武器は扱いが難しいので使えないのではないのかという事で、まだ扱いやすく恐怖感がありそうな、肉切り包丁をモデルとした大剣にしたのだ。
もちろん使い込んだ風に、血によって黒く染まった感じや錆びて切れ味が鈍っているのでは? と思うような加工もしている。ただ切れ味は折り紙付きだ。
斬首台に連れていかれ首を載せられた十ニ人の冒険者たちはまだ何かをわめいているが、どんなに抵抗してもアダマンタイトで強化された、その斬首台はびくともしなかった。
住人によく見えるようにしているが、血がかからないように透明なアクリル板を用意している。
俺の合図に合わせて初めの六人の首が切り落とされた。頭は下に転がり落ちて、まだ意識があるのか口をパクパクさせている。首が落ちて切り口から血が噴き出している姿を、自分で見る経験などまずないだろう。死ぬ前に貴重な体験ができてよかったな。
落ちた首は俺の従魔のニコたちスライムが回収してきてくれている。首から血が漏れないようにしてもらい、腐らないように頭の芯から氷漬けにしてしばらくどこかに飾っておこう。これ以上馬鹿な物たちが無駄に出てこないように戒めとして。
さらに合図をすると六人の首が落ちる。
そして貴族たちの順番が来た。ここに来ても貴族たちは馬鹿なのだろう……『私に手を出せば本国が黙っていないぞ!』『今なら許してやるから早く縄を解け』『わかっているよ、冒険者の手前一緒に斬首するって言っただけだろう?』等と的外れな事を言っている。
俺は無言のまま指示を出して、スカル部隊……襲われていた女冒険者たち六人が、貴族を連れてギロチンへセットしていた。
「これはギロチンと言って、私の国に伝わっている伝統的な処刑道具です。自分の行いが間違っていなければ、首が落ちず無罪を証明できるというものです」
嘘を並べ立てていると、三人の貴族がよくわかっているじゃないか? といった笑みをこぼしている。馬鹿どもが! 誰がお前達なんて助けるかボケ!
ただ実際に刃に抵抗できるだけの防御力があれば、問題なく刃が止まるんだけどね!
無言で刃の止められているロープを切り落とした。
もちろん貴族三人の首は落ちた。住人たちも唖然としてその状況を見ていた。
首の落ちた貴族たちは自分の首のついていない体を見ても、自分の体とは認識できていなかったようだ。状況が分かっておらず、顔が地面に落ちて痛い、顔が動かせない位しかわかっていないのではないか?
貴族三人の首もニコたちに回収されて、氷漬けにしておいた。
「見ていただいた様に、ディストピアは人の立場に関係なく裁きを下します。禁止行為で捕まえたら一切の例外なしです。それで戦争になるなら受けて立ちます。
ゴーストタウンの住人以外の人には、是非自分の国や街に帰った際には話のネタにでもいいので、この事を伝えてもらいたいです。これから先、今死刑執行されたような馬鹿どもが減る様に協力していただきたいです。
後、貴族の方々、再度忠告しておきます。この街では身分の差など一切ありません。領主として言うのであれば、他国の貴族よりゴーストタウンの奴隷の方を優先しますので、その辺の理解をよろしくお願いします。
あ、優先すると言ってもゴーストタウンの奴隷なのに、相応しくない態度を取っていればもちろん処罰しますので、奴隷の方たちも住人の方たちもご注意ください」
静寂に包まれた広場から足早に出ていく。
ダンジョンで襲われていた女冒険者は、妻たちが勧誘したのか、同じような目に合う可能性のある女冒険者たちのために、働くという事になったようだ。後は装備の試作品の実験台になってもらう予定だ。
しばらくは、新人組についてもらい修行をしてもらう予定だ。戦闘経験は圧倒的に新人組の方が下だが、なんでもありの状況では、おそらく新人組の方が強いだろう。それだけ妻たちにハードに鍛えられているからな。
それに能力向上の恩恵も受けているのだ。女冒険者たちも能力向上を覚えれば、新人組に勝てるようになるだろう。しばらくは新人組の仕事としておこう、これでお互いの能力が伸びれば万々歳だな。
さてと俺は、以前から計画していて実験できなかったパワードスーツ(マッスルメタル内蔵ボディアーマー型ゴーレム)を試作しよう! 構成から考えていかないとな、これは楽しくなる予感!
これなら口コミでも情報が広がって、馬鹿なことする人間が減るかな? 俺だけは特別とか、それでもバレなければ問題ない、と考える奴らもいるだろうけど、そういうやつらはどこでもトラブル起こすだろうから、考えるだけ無駄だよな。
今日の処刑は、貴族の三人は俺が首を落とす予定だ。十ニ人の冒険者は襲われていた女性冒険者たちが、是非自分達に執行役をやらせてほしいと申し出てきたので、ゴーストタウンを任せている老ドワーフに確認をとったら、問題ないのでやらせてしまえとの事だった。
時間が来た。
「お集りの皆さん、お待たせしました。え~っと、昨日がゴーストタウンの一般公開初日だったのですが、その初日に街に入る前にした禁止行為を行った者が、十五人もいました。
その際に処刑する事もあると、伝えていたにも関わらずです。中には本気ではないのでは? と思われている人や、貴族の俺には関係ないと思っていた人もいると思いますが、ゴーストタウンは本気です。
ですので、これから斬首をしようと思います。一切の例外がないことを理解してもらうためです」
広場には、斬首を待つ十五人が叫んでいる声以外が全くない状況だ。おそらく住人もさすがに貴族は殺さないのでは? と思っていたのに今の様子を考えると、間違いなく斬首するだろうと感じていて、声が出せない状況になっているのだろう。
他にも、今回貴族たちを斬首するのに準備したのは、ギロチン台だ。この世界にはなかったもので、住人は威圧的な刃物が上についた台を無言で見つめるしかできなかったのだ。
「ゴーストタウンは、善良な住人を守るためなら三大国とでさえ戦争をします。実際にここにいる貴族の三人は口をそろえて、『私に何かあれば本国が黙ってない』というので、その言葉が事実ならおそらくその国と戦争になります。
ですが、今の所ゴーストタウンの住人に戦争に参加してもらうつもりはありません。私たちが保有している戦力があれば問題ありません。長々と話していてもしょうがないので、公開処刑を始めたいと思います。初めは、冒険者十ニ人の斬首になります」
俺がそう宣言すると全身黒マントで覆った六人の執行官が出てきた。襲われていた女冒険者の六人だ。
装備は俺たちが準備した黒マント。これは光を吸い込むほどの錯覚を起こす、漆黒のマントだ。顔にはスカルフェイスマスクで、アダマンコーティングの上に、聖銀をコーティングした銀色のドクロマスクだ。
体の装備は、男か女か分からないようにスカルフェイスにあった、フルプレート装備を渡している。
武器は、無駄に威圧感のある刃渡り一メートル半程ある、肉切り包丁をモデルにした大剣を準備した。
武器に関しては、死神をモデルに大鎌にしようかとも考えたのだが、この世界の死神がそのイメージがあるか分からないし、何よりあの武器は扱いが難しいので使えないのではないのかという事で、まだ扱いやすく恐怖感がありそうな、肉切り包丁をモデルとした大剣にしたのだ。
もちろん使い込んだ風に、血によって黒く染まった感じや錆びて切れ味が鈍っているのでは? と思うような加工もしている。ただ切れ味は折り紙付きだ。
斬首台に連れていかれ首を載せられた十ニ人の冒険者たちはまだ何かをわめいているが、どんなに抵抗してもアダマンタイトで強化された、その斬首台はびくともしなかった。
住人によく見えるようにしているが、血がかからないように透明なアクリル板を用意している。
俺の合図に合わせて初めの六人の首が切り落とされた。頭は下に転がり落ちて、まだ意識があるのか口をパクパクさせている。首が落ちて切り口から血が噴き出している姿を、自分で見る経験などまずないだろう。死ぬ前に貴重な体験ができてよかったな。
落ちた首は俺の従魔のニコたちスライムが回収してきてくれている。首から血が漏れないようにしてもらい、腐らないように頭の芯から氷漬けにしてしばらくどこかに飾っておこう。これ以上馬鹿な物たちが無駄に出てこないように戒めとして。
さらに合図をすると六人の首が落ちる。
そして貴族たちの順番が来た。ここに来ても貴族たちは馬鹿なのだろう……『私に手を出せば本国が黙っていないぞ!』『今なら許してやるから早く縄を解け』『わかっているよ、冒険者の手前一緒に斬首するって言っただけだろう?』等と的外れな事を言っている。
俺は無言のまま指示を出して、スカル部隊……襲われていた女冒険者たち六人が、貴族を連れてギロチンへセットしていた。
「これはギロチンと言って、私の国に伝わっている伝統的な処刑道具です。自分の行いが間違っていなければ、首が落ちず無罪を証明できるというものです」
嘘を並べ立てていると、三人の貴族がよくわかっているじゃないか? といった笑みをこぼしている。馬鹿どもが! 誰がお前達なんて助けるかボケ!
ただ実際に刃に抵抗できるだけの防御力があれば、問題なく刃が止まるんだけどね!
無言で刃の止められているロープを切り落とした。
もちろん貴族三人の首は落ちた。住人たちも唖然としてその状況を見ていた。
首の落ちた貴族たちは自分の首のついていない体を見ても、自分の体とは認識できていなかったようだ。状況が分かっておらず、顔が地面に落ちて痛い、顔が動かせない位しかわかっていないのではないか?
貴族三人の首もニコたちに回収されて、氷漬けにしておいた。
「見ていただいた様に、ディストピアは人の立場に関係なく裁きを下します。禁止行為で捕まえたら一切の例外なしです。それで戦争になるなら受けて立ちます。
ゴーストタウンの住人以外の人には、是非自分の国や街に帰った際には話のネタにでもいいので、この事を伝えてもらいたいです。これから先、今死刑執行されたような馬鹿どもが減る様に協力していただきたいです。
後、貴族の方々、再度忠告しておきます。この街では身分の差など一切ありません。領主として言うのであれば、他国の貴族よりゴーストタウンの奴隷の方を優先しますので、その辺の理解をよろしくお願いします。
あ、優先すると言ってもゴーストタウンの奴隷なのに、相応しくない態度を取っていればもちろん処罰しますので、奴隷の方たちも住人の方たちもご注意ください」
静寂に包まれた広場から足早に出ていく。
ダンジョンで襲われていた女冒険者は、妻たちが勧誘したのか、同じような目に合う可能性のある女冒険者たちのために、働くという事になったようだ。後は装備の試作品の実験台になってもらう予定だ。
しばらくは、新人組についてもらい修行をしてもらう予定だ。戦闘経験は圧倒的に新人組の方が下だが、なんでもありの状況では、おそらく新人組の方が強いだろう。それだけ妻たちにハードに鍛えられているからな。
それに能力向上の恩恵も受けているのだ。女冒険者たちも能力向上を覚えれば、新人組に勝てるようになるだろう。しばらくは新人組の仕事としておこう、これでお互いの能力が伸びれば万々歳だな。
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