ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第573話 最終日!

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 ミリーは俺たちが家についてから、三十分後位に帰ってきた。

「ミリーお帰り。話の結果はどうだった?」

「シュウ君はいきなり聞くんだね。ターニャちゃんの引き抜きには成功したけど、同行者が五人増えて六人になったけど大丈夫?」

「身寄りがいないとか言ってたのに同行者?」

「身寄りがいなくても、親しくしている人たちはいるものでしょ? その人たちもつれていけるか聞かれたから、多分問題ないと思うって、伝えたんだけど大丈夫かな?」

「人柄的には、ディストピアに入れても大丈夫そう? どれだけいい人たちを集めても、ずっと善人だけの街なんてできるわけないんだけどね。可能な限り要因は排除できればなって、思ってるからさ」

「おそらく問題ないと思ってるけど、ターニャちゃんには一緒に来る人たちは、一定期間様子見る事を話しているわ。

 もし適性的にまずい人がいたら、ディストピア程の快適はないかもしれないけど、ゴーストタウンで過ごせるようにしようと思ってる。ターニャちゃんの能力は、それだけする価値も、ゴーストタウンで働いてでも来てもらう価値もあるからね」

「そっか、そこら辺はミリーに任せるから、何かあったらみんなに協力求めるようにね」

 ミリーは、ありがとうと抱き着いてきた。

 休暇はニ・三日の予定だったが、ターニャの準備に四日はかかるとの事だった。ミリーは引っ越しを手伝うために、収納のカバンを貸してほしいとの事だ。

 使っていないカバンを探してみたが、何かしらに使っていたため、新しくDPで召喚することにした。四日はすることがないので、街探索の時間にあてることになった。

 といっても単独行動は許されず、子守りのような状態で、街探索になってしまった。子守りとは違うか? 三幼女が俺の護衛で、一緒に街散策をすることになった感じだ。

 この三人なのは大きな理由は無く、他の妻たちは俺の護衛に付きたがっていたが、女の子には色々な事情があるのと言われて、結局何をするか教えてもらえなかった。

 教えたくないものを無理に聞くのは良くないし、悪さをするわけじゃなさそうだから、そのままでも問題ないだろう。

 俺が行ってみたかったのは、屋台! ディストピアは、基本的に中央広場に面している場所が、貸店舗みたいになってて、広場には自由に食事をしていいように、いすや机が用意してあるんだよね。

 だからか屋台っていう雰囲気じゃないんだよな。ゴーストタウンも屋台は、開くスペースがほとんどないからあまり見ないし、ディストピアみたいに道に面した建物で売っている感じなんだよな。その内区画整理でもするか?

 そういえば、フレデリクを出てから、思っている以上に自由時間って少なくて、屋台とかって行けてなかったんだよね。

 それが嫌ってわけじゃないけど、外で食べるとシルキーやブラウニーが悲しそうな顔をするからさ。お前たちの料理は本当に美味しいよ、でもさたまにはチープな食べ物も食べたくなるわけなんだよ!

 うまいうまくないは別にしてさ! インスタントラーメンとかさ、牛丼とかさ、マク〇ナルドのハンバーガーやポテトとかさ、モ〇バーガーとかのハンバーガーとかさ、食べたくなるのよ! さすがにそれすると、この世界の食事する機会が減るから、やらないけどね。

 三幼女を連れて昼の屋台を冷やかしに来ている。やっぱり初めに目についたのは、焼けたいい匂いのする、あれは肉串だろうか? 焼いているおっちゃんに、ニ本注文する。一本を俺が食べて、三人で一本食べる形になった。

 予想よりあたりの屋台だった。焼き加減も抜群で、味付けもダンジョン産の調味料を使っているためか、バランスのいい味わいになっている。

 ただ一つ言うと、ちょっとしょっぱかったな。肉体労働の人たちには、この位がいいかもしれないけどな。それにしても何ていう肉何だろうか?

 おっちゃんに聞いてみたら、ドーンボーンで一般的に食べられている肉、イノシシみたいな四足魔獣のワイルドボア、そのまんまイノシシって意味なんだけど、魔物なので俺の知っているイノシシとは違い魔物だ。

 これだけ美味しい肉が、一般的に出回っているってことは、食事に関しては進んでいるんだろうな。さすが飽食の国の日本から来たと思われる、日本人が作ったダンジョン+街だな。調味料の件もさすがとしか言いようがない。ディストピアには勝てないだろうけどな!

 知らない人が聞いていたら何の自慢だよ! とか突っ込まれそうだが、声を出していないので、そんな事突っ込む人もいない。

 ただ、不満があるとすれば、一番初めの屋台が当たりだっただけに他の屋台も……と思った俺が馬鹿だった。いや、この世界の基準で言えば、美味しい方だとは思うんだけど……

 シルキーたちの食事を食べ続けたせいか、不満が残る味の屋台しかなかった事が、なんとも釈然としない。調味料が良くても、料理技術が足りてないために、起こってしまった事だろう。

 世界基準で見れば、美味いだろうからあまり新しい技術が、生まれてこないのだろう。身に過ぎた調味料は、調理技術を衰退……じゃなくて、進歩させるのに時間がかかってしまうんだろうな。頑張ってほしいとこだ!

 三幼女たちは、文句を言わずにむしゃむしゃ食べていたのだが、後で話を聞いてみたら、俺と同じような意見だ。でも、奴隷商にいた時の事を考えれば、お腹いっぱいご飯食べられるだけマシだとの事だ。

 俺と生活しだして大分長い時間たっているが、あの時の事を忘れていないっぽいな。俺がいる限りつらい思いをさせないからな。三人の頭を順々に優しくなでる。くすぐったそうにしているが、目を細めて喜んでいるようだ。何か三人とも猫みたいだな。

 あっという間に四日間が過ぎたが、俺の収穫は一番初めに食べた肉串だけだった。

 俺は、屋台を冷やかしに行っていた昼の時間以外は、商会の様子を見ていたので、のんびりとした時間だった。

 どうも、この街ではディストピア産の野菜や果物が、とても人気が高かった。武具やポーション類も売り上げは良かったが、やっぱり大量に売れるものではないので、全体の売り上げで見ると野菜・果物が多くを占めていた。

 ここのダンジョンを制圧したので、ちょちょいと細工をして人は通れないが、収納のカバンを使った輸送が開始されているので問題ない。

 どこから仕入れているのか、偽装工作もしているので問題ない。商会専属のキャラバン風の隊を作っている。もちろん、中の人間は奴隷を使っているけどね。

 出発の朝を迎えた!
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