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第612話 また厄介事がきた
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土木組の子たちに遊び終わった後に、勉強も大切だけど、みんなで体を動かす事も大切だと言ったが、どこまでみんなに響いたのだろうか? 自立しなきゃいけないのはわかるけど、君たちの年代でしかできない事を、楽しんでもらいたいと思う。
俺の妻たちも俺に染まって、休む時はしっかり休むし、遊ぶ時は遊ぶ、仕事する時は仕事をすると、メリハリをつけてくれているので、これがディストピアに広まってくれるといいなと思う。
日が明けてメギドから、採取された地竜モドキの血が届いたので、さっそく魔法薬に加工する。その情報をどこから聞きつけたのか、バザールと綾乃が見学に来た。
「ニ人も気になるのか?」
「そうでござるよ! 今までドロップ品以外の加工を、しようとした文献は無いでござるから、気になるでござるよ!」
「私の能力でも、ドロップ品基準の物しか生み出せないから、まだ生きている魔物の素材加工は気になる所だよ」
「よし、とりあえず魔法薬を作ってみるか!」
何度も作った回復ポーションを、同じように作っていく。
一時間後……
「本当にできないな……」
「本当にできないね……」
「できないでござるな……」
俺が作っても綾乃が作っても成功しないのだ。不純物の所為かとも考えてこしてみたりしたが、それでもできないのだ。
「簡単に考えられる事として、純粋にドロップ品の血と直接抜き出した血は、何かしらの成分が違うとか、ドロップ品じゃないとレシピに適合しないとか、そもそも作る事も出来ないって感じか?
DPがあったり魔物の領域があれば、いくらでも増え続ける魔物から、直接取った素材で薬とかが作れたら、もう誰かが実験してるよな……今回の実験は失敗だな」
『あんた、変な事してるわね。魔物から直接とった血を、加工しようとしてるの? 馬鹿なことするわね。魔物って基本的に毒があるのよ。いえ違うわね、魔素とでも呼べばいいのかな?
魔物でないモノたちにとっては毒なのよ。ランクが高くなればなるほど、魔素が多くなるから危ないわよ。でもドロップ品には魔素は無いわ。魔石になった時に結晶化するか、結晶化しなかった時は周囲に溶け込むのよ。
だから今持ってるそれ、間違っても飲んじゃだめよ。あ、隣の骨人間なら問題ないかもね。じゃあね~』
「……まじか~、今チビ神から連絡があって……」
チビ神から連絡があった内容を、簡単に教えた。
「危なかったわね、でも確かにあんたは魔物なんだから、魔素を取り込んでも問題ないけど、血液をそのまま口から飲んでも、骨だからこぼれるわね」
「いくら体が魔物に変化したとはいっても、さすがに魔物の血をそのままは飲みたくないでござるよ」
くだらない雑談をしてから解散となった。
「せっかく無理行って採取してもらったのに、そもそも加工自体無理だったなんてな。その可能性はあると考えていたけど、実際に直接言われるとへこむもんだな。今までが結構順調にいってただけにへこむな」
愚痴りながら自分の部屋に戻って、本でも読んでリフレッシュでもしようと考えて、ダンジョン農園にある工房を後にした。
お昼まで新作の本を読んでいたが、食事の準備ができたと、ブラウニーの一人が呼びに来たので食堂へ向かう。食堂に入るといつもと様子が違うと感じて、首をかしげる。
違和感はすぐにわかった。年少組と土木組がいつも食べている場所に、いないための違和感だったようだ。どうしたのか聞くと、一週間くらいは年少組の子たちと、お昼はダンジョンの中で食べるとの事だった。
ダンジョンと言っても、昨日鬼ごっこをしたような危険のないダンジョンで、訓練を兼ねた遊びをするのだと言って、昼食は朝の残りを包んでもらっているようだ。
しっかり遊んでるようで、うれしい限りだ。ダンジョンの中で遊ぶって、どういう事だろうな? 来週になったら聞いてみるか? せっかくみんなが楽しんでるのに、俺が色々聞いて台無しにするのも良くないので、危険もないから放置することにした。
昼食を食べて、することがなかったので身体でも動かそうと、街の中に作っていたグランドへ足を運ぶ。簡単に言えば、陸上競技場のようなものだ。四〇〇メートルのレーンが準備されており、内側の芝生の所はサッカーができるようになっている。
こっちは利用者が多いのだが、これとは別に野球場をつくっているが、そちらの方はあまり利用がない。理由はよくわからないが、初めに教えたスポーツがサッカーだったからだろうか? ただ走るトラックはそれはそれで人気があり、今も四十人程の人が走っている。
俺はサッカーは上手くないので、ストレッチをしてから軽く走ろうとしていた。が、街内放送で俺の事を呼ぶグリエルの声が聞こえた。
『シュウ様、大事な用事があるので、至急連絡してください!』
大事な用事ね。俺小型魔導無線持ってるのに、何でそれに……って収納の腕輪の中じゃ、鳴ったかなんてわかるわけないよな。イカンイカン、携帯電話を携帯しない人と同じになってしまうな。
魔導無線機でグリエルに連絡を入れると、大至急グリエルの執務室まで来てほしいとの事だった。
ちなみに今日の俺のお供は、スライムたちである。足元をカラフルなスライムたちが、コロコロ転がっている。
グリエルに呼びだしをくらったので、急いでグリエルの執務室へ向かった。
「あぁっ! シュウ様! よかったです。早速報告させていただきます。ミューズの門に配置していたリビングドールが、撃破されました」
「えっ?」
あのリビングドールは、並のSランク冒険者でもそう簡単にやられないはずなんだけど……
「相手は何人だ?」
「一人です。門番達の目撃情報を聞く限り、おそらく聖国所属のトリプル冒険者だと思います」
「聖国の差し金か?」
「そこはわかりませんが、教皇の判断という事はおそらく無いと思います。あれだけボコボコにされたのですから、またああいう風にされたがるわけないですよ。
ミューズで起こった事をはじめとして、上層部の徹底抗戦論を教皇も抑えきれなくなったか、教皇の知らない所で派遣されたか、その冒険者が独自の判断で攻めてきたかの、どれかではないでしょうか?」
「多分そうだよな。確認しておかないとな……勇者ではないけど、ちょっとレベル高すぎじゃねえか?
六九七ってさ。俺のレベルが今五ニ一なのに、一七〇以上高いし、こいつのスキル軒並みLv十なんですけど……トリプルの冒険者って、明らかに強さの桁が違うんだが。どうするか……」
「それを決めるために、シュウ様に来てもらったんです」
「だよな、スキルを見る限り、シュリを中心として戦えば問題ないと思うけど、いきなり戦うのはリスクが高いしな。ダンジョンに入ってもらって、DPで強化した魔物をあててみるか」
そういって準備を始める。
俺の妻たちも俺に染まって、休む時はしっかり休むし、遊ぶ時は遊ぶ、仕事する時は仕事をすると、メリハリをつけてくれているので、これがディストピアに広まってくれるといいなと思う。
日が明けてメギドから、採取された地竜モドキの血が届いたので、さっそく魔法薬に加工する。その情報をどこから聞きつけたのか、バザールと綾乃が見学に来た。
「ニ人も気になるのか?」
「そうでござるよ! 今までドロップ品以外の加工を、しようとした文献は無いでござるから、気になるでござるよ!」
「私の能力でも、ドロップ品基準の物しか生み出せないから、まだ生きている魔物の素材加工は気になる所だよ」
「よし、とりあえず魔法薬を作ってみるか!」
何度も作った回復ポーションを、同じように作っていく。
一時間後……
「本当にできないな……」
「本当にできないね……」
「できないでござるな……」
俺が作っても綾乃が作っても成功しないのだ。不純物の所為かとも考えてこしてみたりしたが、それでもできないのだ。
「簡単に考えられる事として、純粋にドロップ品の血と直接抜き出した血は、何かしらの成分が違うとか、ドロップ品じゃないとレシピに適合しないとか、そもそも作る事も出来ないって感じか?
DPがあったり魔物の領域があれば、いくらでも増え続ける魔物から、直接取った素材で薬とかが作れたら、もう誰かが実験してるよな……今回の実験は失敗だな」
『あんた、変な事してるわね。魔物から直接とった血を、加工しようとしてるの? 馬鹿なことするわね。魔物って基本的に毒があるのよ。いえ違うわね、魔素とでも呼べばいいのかな?
魔物でないモノたちにとっては毒なのよ。ランクが高くなればなるほど、魔素が多くなるから危ないわよ。でもドロップ品には魔素は無いわ。魔石になった時に結晶化するか、結晶化しなかった時は周囲に溶け込むのよ。
だから今持ってるそれ、間違っても飲んじゃだめよ。あ、隣の骨人間なら問題ないかもね。じゃあね~』
「……まじか~、今チビ神から連絡があって……」
チビ神から連絡があった内容を、簡単に教えた。
「危なかったわね、でも確かにあんたは魔物なんだから、魔素を取り込んでも問題ないけど、血液をそのまま口から飲んでも、骨だからこぼれるわね」
「いくら体が魔物に変化したとはいっても、さすがに魔物の血をそのままは飲みたくないでござるよ」
くだらない雑談をしてから解散となった。
「せっかく無理行って採取してもらったのに、そもそも加工自体無理だったなんてな。その可能性はあると考えていたけど、実際に直接言われるとへこむもんだな。今までが結構順調にいってただけにへこむな」
愚痴りながら自分の部屋に戻って、本でも読んでリフレッシュでもしようと考えて、ダンジョン農園にある工房を後にした。
お昼まで新作の本を読んでいたが、食事の準備ができたと、ブラウニーの一人が呼びに来たので食堂へ向かう。食堂に入るといつもと様子が違うと感じて、首をかしげる。
違和感はすぐにわかった。年少組と土木組がいつも食べている場所に、いないための違和感だったようだ。どうしたのか聞くと、一週間くらいは年少組の子たちと、お昼はダンジョンの中で食べるとの事だった。
ダンジョンと言っても、昨日鬼ごっこをしたような危険のないダンジョンで、訓練を兼ねた遊びをするのだと言って、昼食は朝の残りを包んでもらっているようだ。
しっかり遊んでるようで、うれしい限りだ。ダンジョンの中で遊ぶって、どういう事だろうな? 来週になったら聞いてみるか? せっかくみんなが楽しんでるのに、俺が色々聞いて台無しにするのも良くないので、危険もないから放置することにした。
昼食を食べて、することがなかったので身体でも動かそうと、街の中に作っていたグランドへ足を運ぶ。簡単に言えば、陸上競技場のようなものだ。四〇〇メートルのレーンが準備されており、内側の芝生の所はサッカーができるようになっている。
こっちは利用者が多いのだが、これとは別に野球場をつくっているが、そちらの方はあまり利用がない。理由はよくわからないが、初めに教えたスポーツがサッカーだったからだろうか? ただ走るトラックはそれはそれで人気があり、今も四十人程の人が走っている。
俺はサッカーは上手くないので、ストレッチをしてから軽く走ろうとしていた。が、街内放送で俺の事を呼ぶグリエルの声が聞こえた。
『シュウ様、大事な用事があるので、至急連絡してください!』
大事な用事ね。俺小型魔導無線持ってるのに、何でそれに……って収納の腕輪の中じゃ、鳴ったかなんてわかるわけないよな。イカンイカン、携帯電話を携帯しない人と同じになってしまうな。
魔導無線機でグリエルに連絡を入れると、大至急グリエルの執務室まで来てほしいとの事だった。
ちなみに今日の俺のお供は、スライムたちである。足元をカラフルなスライムたちが、コロコロ転がっている。
グリエルに呼びだしをくらったので、急いでグリエルの執務室へ向かった。
「あぁっ! シュウ様! よかったです。早速報告させていただきます。ミューズの門に配置していたリビングドールが、撃破されました」
「えっ?」
あのリビングドールは、並のSランク冒険者でもそう簡単にやられないはずなんだけど……
「相手は何人だ?」
「一人です。門番達の目撃情報を聞く限り、おそらく聖国所属のトリプル冒険者だと思います」
「聖国の差し金か?」
「そこはわかりませんが、教皇の判断という事はおそらく無いと思います。あれだけボコボコにされたのですから、またああいう風にされたがるわけないですよ。
ミューズで起こった事をはじめとして、上層部の徹底抗戦論を教皇も抑えきれなくなったか、教皇の知らない所で派遣されたか、その冒険者が独自の判断で攻めてきたかの、どれかではないでしょうか?」
「多分そうだよな。確認しておかないとな……勇者ではないけど、ちょっとレベル高すぎじゃねえか?
六九七ってさ。俺のレベルが今五ニ一なのに、一七〇以上高いし、こいつのスキル軒並みLv十なんですけど……トリプルの冒険者って、明らかに強さの桁が違うんだが。どうするか……」
「それを決めるために、シュウ様に来てもらったんです」
「だよな、スキルを見る限り、シュリを中心として戦えば問題ないと思うけど、いきなり戦うのはリスクが高いしな。ダンジョンに入ってもらって、DPで強化した魔物をあててみるか」
そういって準備を始める。
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