ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第621話 今後の対応

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 レベル上げのダンジョンで、レベルを上げ始めて五日が経った。俺のレベルは三十程上がっている。五五〇を超えて、さらに強くなっているという実感がわいている。

 妻たちはその五日間は、お風呂に入るのにも体が痛むくらい痣が複数できており、いつもは一緒にお風呂に入りたがるのに、痣があるので見せたくないからと、時間をずらして入っている。いつも入っているのに、入らなくなるとちょっと寂しいよね。

 週末で明日明後日は休みなので、しっかり休むことになっている。俺はディストピアで進めないといけない仕事を、グリエルに聞いて処理してからの休日だ。

 休みだというのに、相変わらずグリエルは執務室にいる。

「俺が言うのも変だけど、しっかり休みとってるか?」

「シュウ様、お待ちしていました。休みはしっかりとってますよ。私とガリアが処理しなければならない案件がない時は、どっちかが待機してどっちかが休日にしています。

 一週間ずっと忙しい時もあれば、する事が少ない一週間もあるので、そういった時にはしっかり休んでます。それに日曜日は完全にお休みしていますので、ずっと働いているわけじゃないですよ」

「それならいいけど、働きすぎて体を壊さないでくれよ」

「何言ってるんですか、多少体を壊しても回復魔法やポーションがあるんですから、なんの問題もありません」

「マテマテ、回復手段に頼る前提の働き方はやめてくれって、俺の寿命が縮むからさ」

「あれ? 寿命は無くなったって、聞いてますが?」

「物の例えだろ。俺の精神安定上、お前の存在は必須だから頼むよ」

「大丈夫です。息子のモーリスも、ガリアの息子のテオも後継者として、知識は身に着けているので、もう少しディストピアの学校で勉強したら、シュウ様の許可をもらって、どこかの街の領主代理補佐をしてもらおうと思っています」

「あの二人は優秀なんだな。といっても、息子たち以外にも育ててるんだろ?」

「もちろんですよ。これからも街は多くなるでしょうし、大きくなりますからね。今は人手はあって困りません」

「そこらへんは任せるよ。で、話は逸れたけど、今俺が処理しなきゃいけない案件が、あるって聞いたんだけど何?」

「処理と言いますか、どうしたらいいかと悩んでいることがありまして、ゴーストタウンに各国のスパイが入り込んできていまして、犯罪を犯すようなことはしていないので、どう対応したものか対応に困っています。それと、先週のトリプルの冒険者のきた聖国への対応は、どうしますか?」

「スパイか……犯罪は犯さずに、情報を集めてるんだよな? ディストピアの情報は、ほとんどないだろうから、放っておいても問題ないと思うんだけど、そこらへんはどうだ?」

「そうですね、特にとられて困る情報はないので大丈夫なんですが、数が増えてきて少し鬱陶しくなってきたので、相談させていただいた感じです」

「そういう事か、犯罪を犯していないのにスパイだからと言って、捕まえる事はさすがにな……何か法律を作って対処するか? スパイ行為を行う個人、組織はゴーストタウンから追放する。度が過ぎる場合は、拘束して裁判を行う、みたいな感じの法律でも作るか?」

「あまりしたくはありませんが、鬱陶しくなってきたので、警告を出してそれでもだめでしたら、法律も検討させていただきます。といいますか、法律は作ってもよろしいですか?」

「それは問題ないけど、他の人間とも相談して法律は決めてくれよ。後、聖国への対応はどうしようか。正直、それどころじゃなくなって、今の今まで忘れてたよ。聖国からは何か言って来たか?」

「一応話は来ていますが、トリプルの冒険者が独断で攻め入ってしまったため、こちらで止める方法がなかった、と言われています」

「止められなかったというけど、止めようとしたと思うか? それに教皇をどうにかしたい派閥に、派遣された可能性はあるか?」

「正確な情報は無いですが、聖国には派閥は無い様子で、教皇を中心に本当にまとまっているらしいです。少なくとも表面上はですが。ただ派閥は関係なしに、聖国を陥れたシュウ様に対して、恨みを持っている宗教関係者は少なくないと思います。

 なので、教皇はそういっていても、そういう勢力から送り込まれた……というよりは、そそのかされた感じですかね?」

「それはあり得るな。あの言動的に何かを吹き込まれて、自分の考えに沿って俺たちを悪と断じた可能性は、ないとは言えない。本当に止めようとしたのか、調査してみるか?」

「調査もしてみましょう。おそらく他国の事なので不明な所が多いと思いますが、戦闘の形跡があったのか、けが人が出たのか、ミューズに来る前に寄ったであろう街で、住人にも聞いてみましょうか」

「そうだな、街中で戦闘するとは思えないが、一応あいつは有名人なわけだから、誰一人見ていないという事は無いだろう。誰かしら何か見ているわけだろうし、何か出てくるよな?」

「何も出てこなくても、さすがにミューズでの被害を考えると、有耶無耶にできるものではないので、強く出ようと思いますが、よろしいですか?」

「こっちが強く出たら、向こうの切り札的存在のトリプルの冒険者を倒したからって言って、聖国の奴らが何か言ってきたりしてな」

「……ないとは言い切れませんね。それについての賠償を求められる、可能性もあるかもしれません」

「マジで!? あいつの言う通りにしていたら、俺たちの街が蹂躙されるのに止めないわけにはいかんだろうが……それなのに賠償とか馬鹿げてる……もしそうなったら、今度は声をでかくしているお偉方の街を攻めるか?

 俺たちの考えと合わないから滅んでくれ、とか言ってさ。向こうの理論はそういう事だもんな。俺らは自分の身を守るために戦っただけ、っていうのが通じないならそうするしかないと思うけど変か?」

「下手に出るよりは、この街らしくていいと思います。戦力もあり、理不尽な事を言われているのですから、対抗して当たり前かと」

「こんな話をしているけど、実際に話をしてみないと、どうなるか分からないんだよな。こっちからの使者はどうなってる?」

「ガリアがドッペルゲンガーで行くつもりです。護衛には、スカルズの方たちのドッペルに、ついてもらう予定です。装備は予備のを装備させて送り出します」

「身の危険はないってことか、人数が少ないのはわざと?」

「実力的にスカルズのドッペルがいれば問題ないんですけど、相手は分からないですよね。そこらへんはわざとです。一応使者として聖国の人間と会う時は、憑依してもらう予定ですので、対応も大丈夫だと思います」

「そだな、後はスカルズのみんなに、どういった対応をとるべきか、パターン化して覚えてもらえば問題ないかな? 一応、馬はウォーホース二頭、馬車は装甲馬車、念のため馬車の中で待機する人員として、ダマを連れて行ってくれ。

 ダマには、遠征中のおやつは王蜜を使った焼き菓子を出す、とか言っておけば問題ないだろう。スカーレットに大量に準備するように言っておかないとな」

「了解しました。では、そのように対応いたします」
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