ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第635話 土木組の成長

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 土木組の子たちをパワーレベリングに、連れていく事は決まったので、予定をたてるためには、みんなのスケジュールを聞いておかないとな……レイリーと大分話過ぎてしまったから、二十三時を回っているので、皆は寝ているのだろう。急ぐ事じゃないし、明日の朝にでも話をすれば問題ないか。

 部屋に戻ると、従魔たちが俺の事を待っていた。ってやっぱりスライムが増えてる。同じ色のスライムもいるので、分裂とかしてるんだろうか? ニコから生まれたスライムが分裂? もうよくわからん。

 管理は今の所問題ないからいいか。あまりに数が増えるようなら、増えないようにスライムたちの生態を調べないとな。ある程度なら欲しい身内に一匹ずつつけてもいいな。

 ベッドの上がスライムまみれになっているが、かき分けてベッドに横になる。わらわらと俺の上に乗ってきて居心地の良い所を探しているようだ。お腹の上に来たスライムは勝ち誇ったように胸? をはっているような気がするが、すぐにハクに部屋の隅っこに連れてかれて放置された。

 戻って来たハクは俺の腹の上に着地、みんな居心地の良いところにおさまったようだ。

 朝起きると体が痛い……上に乗られてたせいで、体が動かせなかったからだろう。クロの前足を借りてストレッチをする。

 こらスライム、今俺はストレッチをしているんだ、乗って遊ぶな。ハクに窓を開けてもらい、乗ってきたスライムを全部外に投げ捨てた。

 朝食に呼ばれるまで、スライムとの攻防戦を繰り広げてしまった。

「みんなの予定を聞きたいんだけど、土木組の子たちは予定はあるか?」

「えっと……今の所、なんの予定も無いですね。ゼニスさんからも、特に依頼したい案件はないって聞いてますし、勉強や訓練、魔法の修行ってところでしょうか?」

「特に予定はないっと、他のみんなは?」

「私たちは、抜けても特に問題は無いようになってますので、優先事項があるならそちらを優先できますよ」

「今日から半分だと多いから……八人くらいで、土木組のパワーレベリングを行おうと思うから、みんなでメンバーを選んでくれ。土木組の子たちもいいかな? オオカミたちは、別にしてもらう事があるから、連れてこないでくれよ。

 レイリーも今回のパワーレベリングに同行するからよろしく。準備ができたら、世界樹の所に集合ね」

 二週間ほどパワーレベリングを行うと、土木組のみんなはレベルが三〇〇に到達していた。リーダー格の子と、後二人が三〇〇を超えていたので、規格外に足を突っ込み始めている。

 自分たちの自由になるダンジョンがあると、ここまでレベル上げが簡単なんだな。

 この時、自分たちの技量や魔法の強さなどを、考慮に入れてなかったため気付いていないが、本来自分の自由にできるダンジョンがあったところで、ここまで効率よくレベルを上げられる事は無いのだ。できるとすれば、ダンジョンバトルの上位陣のダンマス位だろう。中盤の奴等ではおそらく無理だと思われる。

 レベルを上げていて一番驚いたのは、俺が教えた、ロックブレッドとロックショットガンをすでに使いこなしていて、土魔法に特化した杖から放たれる魔法は、的確に相手の命を刈り取っていった事だ。

 アニメのあふれる日本から来た人間でもなければ、色々な属性の魔法に手を出すのは、貧乏器用になってしまう可能性が高い。その点、土木組の子たちは土魔法に特化して、全員がいざって時のために回復魔法が使える程度の習熟度合いだ。

 特化するのは悪くない事だとわかった。そういった点では、妻たちの中の魔法組には悪いことしたかな・

 そうこう言っている間に、妻たちが結論を出す日が来た。

 みんなに簡単に話を聞いたが、全員が危険を感じたら引き返す選択肢があるなら、行くだけ行ってみるのがいいという判断だった。何かがあっては拙いので、それなりの準備をしてからというのが前提だった。

 もちろん俺もそこは考えている。全員にできるだけ高いランクのエリクサーを渡し、マナポーションも高品質の物を準備しておく。他にも食事に関しては、シルキーやブラウニーたちを連れていくべきだ、という話も出てきた。

 シルキーやブラウニーたちはさすがに、レベルがまだまだ低いので、ここもパワーレベリングをする必要が出てきた。

 シルキーたちに連れていくメンバーを決めてもらい、そのメンバーのパワーレベリングをしている間は、居残り組は色んな料理を作り置きするように、フル回転で作ってもらうように頑張ってもらう。

 レイリーは、土魔法の有用性が確認できたので、まずは工兵としての土魔法の人材を、育ててみる事を決めたようだ。そこでお願いされたのが、土魔法の宝珠が欲しいと言われたので、今回は十個をレイリーに渡している。自分の判断で渡していい事も伝えたので、後はいいようにしてくれるだろう。

 ディストピアに戦争を仕掛けてくる奴はいないだろうが、周辺の街には仕掛けてくる相手がいるかもしれないから、備えは常に必要だとの事で、工兵を育てるようだ。穴が掘れる、壁が作れる、これだけでも自分たちに有利に、戦闘を運ぶことだ出来るからな。

 俺は何かあったら指示をする立場だから、あまり深くかかわらないでもいいとレイリーに言われたが、そういうものなのだろうか? それに、最大戦力であることは間違いないので、いざっていう時に動いてくれる、強い人間がいるだけでも陣営内のモチベーションが高くなります。

 と言われてしまえば、そういうものだと思うしかない。それに軍の指揮をしてくれ、とか言われても困るしな。俺にそんな知識はない! ということでレイリーに全部丸投げ!

 数日過ぎて土木組の子たちの様子を見に行くと、エルフの街で魔法を使っていた時より、上手く魔法が使えている様子が見られる。何ていうのか、前に比べて無駄が無くなった?というべきかな。

 二週間ほどは戦闘しかしていなかったのに、攻撃で土魔法を使っていたおかげで、熟練度のようなものが上がったのだろうか? 概ね、いい方向に進んでいるのだから、なんの問題も無いな。
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