ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第703話 戦闘開始

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「特殊能力がやばかったけど、それ以外の能力は大したことなかったな。大したことなかったというか、あの蛇の毒とメデューサの石化の視線がやばいだけで、本体自体はそこまで強くはなかったから、蛇の毒をどうにかできれば問題なさそうか?」

「そうですね。毒については私に考えがあります。霧状に拡散していましたが、水魔法で霧を大量に発生させて地面に落としてしまえば、効果も弱まるし問題ないと思われます」

 ライムからの意見を聞いて納得する。確かに、毒霧に水で作った霧を当てて地面に落としてしまえば問題ないってことか。

「よく思いついたな。あの酸みたいな毒は何とかなるな。後はSランクっていうだけあってタフだったから、飽和攻撃で何とかなるか?」

「ご主人様。この下の魔物たちにあるか分からないですけど、スタンピートみたいな暴走状態や、攻撃方法が変わる事も考えて置いた方がいいかもしれないですね」

 ピーチが言っていることに納得して、可能性のある攻撃について検討をしてみた。毒系が中心の魔物なので、霧状ではなく液体状で毒玉みたいに吐き出すような、攻撃があるかもしれないという事になり、みんなで注意しあう事になった。

 もしくらってしまったら、後衛からウォーターボールをぶつけて押し流すことになった。何でも溶かす毒液でも、すぐに死ぬことはないから毒を洗い流して、エリクサーをかければ大丈夫だろう。

 心配だけど、結界もあるから大丈夫。ヒーラーの1人は、結界魔法を待機させておくことも決まったので問題は無いと思う。

 他にもいくつか決まった事がある。空を飛ぶ蛇にダメージが上手い事与えられなかったので、引きずり落とすための道具を準備する事になった。

 羽で飛んでいるわけではなさそうだったので、引きずり下ろすというよりは、アンカーを打ち込んで自由に動けなくするといった感じだろうか? そういう方法をとる事になった。

 1日かけて俺は、アンカーの加工やアダマンコーティングを行っていた。かなりお腹がタプタプになってしまい大変だった。中毒症状がでなくて助かったわ。

 他のメンバーは、アリスとライムが加工の手伝いをしてくれて、他のメンバーは憑依を使って、他に攻撃方法がないかの検証を行っていた。

 初めに戦闘をした時程、ダメージを与えられていないので、ダメージの量によって攻撃パターンが変わるとしたら、確認できなかったが、蛇の体躯では出来る事は限られているので、臨機応変にいこう。

 もし本当に危険だと感じたら、引き返す予定だ。このダンジョンの全部がそうなのか分からないが、この階層は入口は閉まらずに空いたままになっているので、引き返すことができるようだ。倒さないと通れないのか、76階へ行くことはできなかった。

「準備もできたし行こうか。まずはシュリがメデューサを引いて空飛ぶ蛇と離して、ピーチと協力して時間を稼いでくれ。その間に空飛ぶ蛇にアンカーを打ち込んで、ダンジョンに固定しよう。固定し終わったら弓と魔法でけん制してくれ。無理に大きなダメージを与える必要は、ないから気を付けてね。

 残りはメデューサを全力で攻撃して先に倒そう! みんなに渡したAランクの万能薬を飲んだら、倒しに行こうか。どれだけ長い時間戦うか分からないから、時間だけには気をつけよう。3時間は効果が持続するから、余裕をもって2時間30分位で再度服用するように!

 タイムキーパーはキリエに任せる。みんなも時間には注意するように! 一応入口に目覚まし時計を置いておくから、時間になったらなるようにしておくよ。行こうか」

 おれの指示をきいて、みんなが万能薬を服用して階段を下りていく。俺は時間を設定して目覚まし時計を階段の下に設置する。1つだと何かあった時に困るので、3つほど置いておいた。

「手筈通りにいくよ!」

 俺は準備しておいたアンカーを地面に置いていく。用意した50本のアンカーを置き終わると、空飛ぶ蛇を視界に収めて武器を構える。今回の武器はアンカーを打ち込むために、ほとんど使ったことのないハンマーを装備している。それもスキルの補正があるので使い方自体に問題はない。

「まずは何本かあいつに打ち込もう!」

 さすがに飛んでるやつに直接乗り移って打ち込む事はできないので、分銅鎖の要領で高速で回転させ投げつける。ちなみにこれを使うためのスキルは鎖鎌だった。何故か覚えていたため、特に苦労せずに使う事が出来るようになっている。

 蛇まで100メートル以上離れていても、問題なく命中させることができたので、5本ほど刺したところで別かれて鎖を引き固定する。さすがに質量の違いで動きを止める事はできなかったが、遅くすることができたのでもう片方のアンカーを、ダンジョンに打ち込んでいく。

「5本打ち込んだけど、大分動きを制限できるようになったな。まだまだあるからドンドン打ち込んでいくぞ!」

 蛇に打ち込む事ができるのが俺だけだったので、ダンジョンにアンカーを打ち込むのはハンマー使いのリンドに任せる事にした。俺は先と同じ要領でぐるぐると回して蛇に投げていく。もう片方のアンカーをリンドが打ち込んで蛇の動きが大分悪くなってきている。

「2本抜けちゃったけど、しばらくはもつかな? 遠距離組、暴れないようにけん制だけお願い。キリエは結界の準備一応しておいてね。魔法組は毒霧に注意しながらお願い。他のメンバーはメデューサを倒しに行くよ!」

 空飛ぶ蛇は何とかなったので、メデューサに向かって移動をする。

 空飛ぶ蛇がでかくて気付かれていないが、メデューサもかなりでかいのだ。頭から尻尾の先までで大体10メートルくらいあるのだ。空飛ぶ蛇が100メートル弱あるためなかなか気付けないが……

 そのメデューサも、状態異常を解除する万能薬を飲んでいるシュリを前にして、攻めあぐねている感じだな。

 帝国兵のレベルを考えると、こいつらを倒してもっと下の階で戦っていたと思うんだけど……ここまで来てない? 魔導具で石化や毒をどうにかすれば、何とかなりそうだと思うんだけどな。

 王国の奴隷兵だったら確実に進ませていると思うけど、正規の兵士たちが使ってたみたいだから、上の階で時間をかけてあげてたのかな? というか、ダンジョンはいくつもあるから、ここだけで上げたとは限らないか?

 どうでもいい事を考えながら、メデューサの包囲網に加わる。
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