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第712話 思ったよりよわかった
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ハイデビルがドロップ品に変わった。よく見るとすぐに攻撃できる位置にシュリとアリスがいた。どうやらすでにバフォメットを倒しており、他のパーティーへ援護しに行こうとした瞬間に、俺が吹っ飛ばされた事を見たのだろう。それで攻撃態勢に入っていたと思う。
それにしても、俺が吹っ飛ばされて一番初めにとった行動が、俺の様子を見に来るんじゃなくて、吹っ飛ばしたハイデビルを倒そうとする所は、シュリやアリスらしいけど……俺の心配もしてくれ、寂しいからな!
と言っても、地上1000メートルから自由落下したのならともかく、殴られて壁まで吹っ飛ばされた程度で、俺が瀕死になる事は無いと分かっているからってね? 寂しいじゃん!
「そんな事考えている場合じゃない! アークデーモンがまだ……終わったな」
何か疲れたので床に座りなおして体を休ませる。大体同じくらいでみんな倒したんだな。そんな風に休んでいると、みんなが俺の近くに寄って来た。
年長組や姉御組からは大丈夫なのかと状態を詰め寄られ、年少組は吹っ飛ばされた俺の体の事を心配して、ペタペタ触って確認してくる。
その頃年中組は、確認は他のメンバーに確認を任せ、自分たちは馬車を移動させたり、人造ゴーレムやスケルトンに指示を出し、馬車の中でよだれを垂らして寝ていたブラウニーを起こして、シルキーに指示を受けて軽食の準備を始めていた。
え? ブラウニーたち……あの戦闘音が聞こえてたはずなのに寝てたのか? 神経が太すぎるだろ!
「それにしても急に魔物の強さが上がったな。なんていうか、あいつらAランクじゃおさまらない強さだったな。王国のダンジョンを考えれば、後25階位はこのままってことだよな。戦闘が面倒になってくるな」
「シュウ君、確かにAランクにはおさまらない強さだったけど、だからと言ってSランクの魔物と比べるとどうかな? 強かったけど、きちんと対処すればそんなに強い魔物じゃないと思うよ。実際、戦闘が始まった時より、倒す前は効率よく動けていましたよ」
外から見ていたミリーの意見を聞いて、戦闘を思い出してみる。確かに戦い始めは様子見をしていたから攻撃自体が微妙だったかもしれないけど、1本目の腕を落としたあたりからトントン拍子だったな。でも何度かやられた記憶しか残ってないけどな。
一応他の魔物の情報も共有する事になった。
シュリたちが倒したバフォメットは、ちっちゃい奴らと同じで特殊能力的な物は全くなく、武器として持っていた死神の鎌のような大鎌を、巧みに使って攻撃してきたようだ。
特殊能力が無かったようで、身体能力や防御力が他のアークデーモンやハイデビルに比べて、圧倒的に高かったように見えたが、対応した相手が悪かったようだ。
2匹の後ろにいたから何かあるかと思ったけど、ただ単に出遅れて後ろにいただけだったようだ。まぁ、高火力のシュリとアリス、ライムの集中攻撃を受けて、奮闘むなしくドロップ品になってしまったようだ。
リリーたちが倒したアークデーモンは、魔法中心の攻撃だったらしい。今までのデーモンたちと違い、ハイデビルと一緒で両手魔法を使っていたとの事だ。
魔法中心で防御魔法を使っていたが、その防御を突破してしまえば雑魚だったようだが、防御魔法と魔法2つをかいくぐり攻撃するのは大変だったようだ。
いくらアークデーモンに対応したのが複数だったとしても、相手の手札が分からない間は攻め辛かったのだ。ある程度慣れてきた所で反撃に転じて、魔法支援をしてもらい倒し切った感じだった。
「ん~、やっぱり話を聞けば聞くほど、Sランクとは言い難い実力だったな。だけどAランクにはおさまらない。A+とかS-みたいな感じで考えるべきだろうか?」
「ご主人様! 無理にランク分けする必要はないと思うの! Sランクじゃないとわかればそれだけで十分!」
シェリルがまだ俺の体をペタペタさわりながらそう答えてきた。
「確かにいちいちランク分けする必要はないか。休憩もここらへんでやめて、もう1つ進んでみようか。そこで出てくる魔物をもっかい調べるか」
荷物を片付けてフロアを進んでいく。正解につながるように調整しながらだが。10分ほど進んでいくと、索敵スキルの効果範囲内に魔物の反応がある。
「みんな、戦闘準備。狭い通路での戦闘になるのはよくないから、さっき言ったメンバーは先に走ってタゲを分散させよう。今回も3匹っぽいから、さっきのメンバーで対応しよう。スケルトンたちも付いてこい!」
そういって俺達は行動を開始する。先行するのは、俺・シュリ・リリー・ピーチ・アリスの5人だ。その後を10匹のスケルトンが、骨と装備品を鳴らしながら走ってついてきている。
スケルトンたちなら1対1でも勝てるだろうが、おそらく戦闘経験が少なく、かなりの苦戦を強いられると考えている。なので、俺たちの戦闘を見てもらい、見取り稽古のような形をとる予定だ。
敵のいる部屋に入ると、先程と同じアークデーモン、ハイデビル、バフォメットの3匹だった。
「このフロアは同じ組み合わせの魔物しか、出てこないのか? 1回や2回は同じ組み合わせがあってもおかしくないか? 今は気にしている場合じゃないな、さっきと同じ魔物を相手にしようか」
そういうと、シュリがバフォメット、リリーがアークデーモン、俺がハイデビルを担当する事になった。
後発組のメンバーも到着して、先ほどの振り分けで戦闘が開始される。俺たちが思っていたように、簡単に倒すことができた。
ゲームにおける人工知能の敵とは違い、自分の意思で攻撃してきているため、先ほどとは違った攻撃パターンもあり、ちょっとてこずった位で倒すことができた。
「初見の魔物だと、攻撃方法がよくわからないから慎重になっちゃうんだね。余裕と思ってバカなことするよりは、よっぽどましだけどね。それであいつらの感触はどうだった?」
2度目の戦闘で感じた事を聞いてみるが、答えは俺と同じで初見の魔物でなければ、ある程度してくる攻撃が分かるから問題が無かったようだ。
俺はハイデビルの使う、魔拳だけが厄介だと感じている。魔法の威力が拳に集中していて、攻撃対象にのみダメージを与えるあの理不尽さ。
おそらく無防備の所にあの攻撃がヒットしたら、俺でもかなりのダメージをくらって、戦線に復帰するのには時間がかかると思う程の攻撃力がある。俺らもつかえるようになるのかな?
それにしても、俺が吹っ飛ばされて一番初めにとった行動が、俺の様子を見に来るんじゃなくて、吹っ飛ばしたハイデビルを倒そうとする所は、シュリやアリスらしいけど……俺の心配もしてくれ、寂しいからな!
と言っても、地上1000メートルから自由落下したのならともかく、殴られて壁まで吹っ飛ばされた程度で、俺が瀕死になる事は無いと分かっているからってね? 寂しいじゃん!
「そんな事考えている場合じゃない! アークデーモンがまだ……終わったな」
何か疲れたので床に座りなおして体を休ませる。大体同じくらいでみんな倒したんだな。そんな風に休んでいると、みんなが俺の近くに寄って来た。
年長組や姉御組からは大丈夫なのかと状態を詰め寄られ、年少組は吹っ飛ばされた俺の体の事を心配して、ペタペタ触って確認してくる。
その頃年中組は、確認は他のメンバーに確認を任せ、自分たちは馬車を移動させたり、人造ゴーレムやスケルトンに指示を出し、馬車の中でよだれを垂らして寝ていたブラウニーを起こして、シルキーに指示を受けて軽食の準備を始めていた。
え? ブラウニーたち……あの戦闘音が聞こえてたはずなのに寝てたのか? 神経が太すぎるだろ!
「それにしても急に魔物の強さが上がったな。なんていうか、あいつらAランクじゃおさまらない強さだったな。王国のダンジョンを考えれば、後25階位はこのままってことだよな。戦闘が面倒になってくるな」
「シュウ君、確かにAランクにはおさまらない強さだったけど、だからと言ってSランクの魔物と比べるとどうかな? 強かったけど、きちんと対処すればそんなに強い魔物じゃないと思うよ。実際、戦闘が始まった時より、倒す前は効率よく動けていましたよ」
外から見ていたミリーの意見を聞いて、戦闘を思い出してみる。確かに戦い始めは様子見をしていたから攻撃自体が微妙だったかもしれないけど、1本目の腕を落としたあたりからトントン拍子だったな。でも何度かやられた記憶しか残ってないけどな。
一応他の魔物の情報も共有する事になった。
シュリたちが倒したバフォメットは、ちっちゃい奴らと同じで特殊能力的な物は全くなく、武器として持っていた死神の鎌のような大鎌を、巧みに使って攻撃してきたようだ。
特殊能力が無かったようで、身体能力や防御力が他のアークデーモンやハイデビルに比べて、圧倒的に高かったように見えたが、対応した相手が悪かったようだ。
2匹の後ろにいたから何かあるかと思ったけど、ただ単に出遅れて後ろにいただけだったようだ。まぁ、高火力のシュリとアリス、ライムの集中攻撃を受けて、奮闘むなしくドロップ品になってしまったようだ。
リリーたちが倒したアークデーモンは、魔法中心の攻撃だったらしい。今までのデーモンたちと違い、ハイデビルと一緒で両手魔法を使っていたとの事だ。
魔法中心で防御魔法を使っていたが、その防御を突破してしまえば雑魚だったようだが、防御魔法と魔法2つをかいくぐり攻撃するのは大変だったようだ。
いくらアークデーモンに対応したのが複数だったとしても、相手の手札が分からない間は攻め辛かったのだ。ある程度慣れてきた所で反撃に転じて、魔法支援をしてもらい倒し切った感じだった。
「ん~、やっぱり話を聞けば聞くほど、Sランクとは言い難い実力だったな。だけどAランクにはおさまらない。A+とかS-みたいな感じで考えるべきだろうか?」
「ご主人様! 無理にランク分けする必要はないと思うの! Sランクじゃないとわかればそれだけで十分!」
シェリルがまだ俺の体をペタペタさわりながらそう答えてきた。
「確かにいちいちランク分けする必要はないか。休憩もここらへんでやめて、もう1つ進んでみようか。そこで出てくる魔物をもっかい調べるか」
荷物を片付けてフロアを進んでいく。正解につながるように調整しながらだが。10分ほど進んでいくと、索敵スキルの効果範囲内に魔物の反応がある。
「みんな、戦闘準備。狭い通路での戦闘になるのはよくないから、さっき言ったメンバーは先に走ってタゲを分散させよう。今回も3匹っぽいから、さっきのメンバーで対応しよう。スケルトンたちも付いてこい!」
そういって俺達は行動を開始する。先行するのは、俺・シュリ・リリー・ピーチ・アリスの5人だ。その後を10匹のスケルトンが、骨と装備品を鳴らしながら走ってついてきている。
スケルトンたちなら1対1でも勝てるだろうが、おそらく戦闘経験が少なく、かなりの苦戦を強いられると考えている。なので、俺たちの戦闘を見てもらい、見取り稽古のような形をとる予定だ。
敵のいる部屋に入ると、先程と同じアークデーモン、ハイデビル、バフォメットの3匹だった。
「このフロアは同じ組み合わせの魔物しか、出てこないのか? 1回や2回は同じ組み合わせがあってもおかしくないか? 今は気にしている場合じゃないな、さっきと同じ魔物を相手にしようか」
そういうと、シュリがバフォメット、リリーがアークデーモン、俺がハイデビルを担当する事になった。
後発組のメンバーも到着して、先ほどの振り分けで戦闘が開始される。俺たちが思っていたように、簡単に倒すことができた。
ゲームにおける人工知能の敵とは違い、自分の意思で攻撃してきているため、先ほどとは違った攻撃パターンもあり、ちょっとてこずった位で倒すことができた。
「初見の魔物だと、攻撃方法がよくわからないから慎重になっちゃうんだね。余裕と思ってバカなことするよりは、よっぽどましだけどね。それであいつらの感触はどうだった?」
2度目の戦闘で感じた事を聞いてみるが、答えは俺と同じで初見の魔物でなければ、ある程度してくる攻撃が分かるから問題が無かったようだ。
俺はハイデビルの使う、魔拳だけが厄介だと感じている。魔法の威力が拳に集中していて、攻撃対象にのみダメージを与えるあの理不尽さ。
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