ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第730話 突然現る謎

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 話し合いも終わり、今日はこのまま休養する事になったので、今回もサウナのコンテナを用意してもらいみんなで入る事にした。

 俺を1人にしておきたくない妻たちが、一緒に入ると言ったので、体を洗うのにそこまで苦労しないビキニタイプの水着を着るなら、一緒に入ると駄々をこねたらそれでもいいと言ってくれたのだ。

 なんで水着を着るように言ったかって? 決まってるだろうが! 生死を彷徨うような戦闘を行った後に、大好きな妻たちが裸で目の前にいたら、息子が元気になっちまうだろうが!

 それでも、姉御組と年長組だけならまだいい……でもな、年少組がいる空間で、もしおっきしてみろ! それこそ、精神的に俺の中の何かが壊れてしまうだろうが!

 入浴やサウナに関しては、特に問題なく入れた。ポロリ等というハプニングもなく、俺の息子もおっきせずに我慢してくれた。入浴後にカエデから「ダンジョンから出たら2日は寝れないと思いなさい。年長組もそれで納得したんだからね」と言われた。

 これは、ダンジョンから出たらベッドに縛り付けられると、思っていいのだろうか? する事は嫌いじゃないよ? むしろ好きだけど、物理的に消耗するから何回も搾り取るのはやめてほしい……

 っと、思考がピンク色になってしまった。イカンイカン。

 といっても、今からする事はないので、夕食までまだ時間がある。最近やっていなかったポータブルゲーム機を取り出して、のんびりできるゲームを始めてみた。ブッ君で小説を読むと、際限がなくなってしまうと思い、緩くできるゲームにしてみたのだ。

 そんな時間つぶしにゲームをしていると、ブラウニーがご飯の準備ができたと呼びに来てくれた。相変わらず食事は美味く、栄養バランスも最高である。今更だけど、ダンジョンや冒険中でこんなに美味い飯が食えるのって、本当に精神衛生上良い事だよな。

 もしこれで食事が硬いパンに干し肉、乾燥野菜のスープだけだったら、心が病んでたと思う。シルキーやブラウニー達は、本当によくやってくれているな。感謝しないとな。

 夕食も済んで、本格的にすることが無くなってしまった。寝るのにはまだ早いからな……食堂でくつろいでいたら、シェリルが近くに来て、

「ご主人様? 暇なの?」

 直球で質問されてしまった。確かに暇だけど、暇と言いたくないこの気持ちは何なんだろうか? といっても、嘘をつく意味もないので素直に答えると、

「じゃぁ、一緒にストレッチしよ! 激しく動くのは体に良くないから、みんなでストレッチをしようって話になって、ご主人様も誘いに来たの!」

 体をほぐすのか? うん、悪くないな。シェリルに誘ってくれたお礼を言って頭をなでる。ベッドのあったコンテナと食堂の反対側にある、コンテナがいくつか繋がっており、かなりの広さになっていた。そこに思い思いにストレッチマットを置いて、ストレッチの準備をしている。

 誰が声をかけるわけでもなく、みんなが揃ったので同じ動きのストレッチを始めていく。

 1時間ほどゆったりとストレッチをしていた。それでも、1時間もみっちりとストレッチをすると、かなりの汗をかいてしまった。汗を流さないまま寝る事も出来ないが、もう一度お風呂に入るのも……

 シャワー位は浴びておいた方がいいよな。普通の冒険者なら、水によほどの余裕があるか、川が近くにない限りは水浴びすらできないのに、なんという贅沢だろう。

 さっぱりとしたので、寝る時間には早いがダンジョンの中だと考えれば、そこまで時間にこだわる必要は無いと思い直し、寝る事にした。今日のお供は、ニコたちスライムだ。お供というよりは、まとわりつかれていると表現する状態だけどな。

 俺の体が負担にならない様に、自分たちの体をベッドと俺の隙間に埋め込んでくれているようだ。でもな、そういう風にやられると寝返りがうてないんだよ。こいつらの優しさだと思って今日はあきらめるか。

 朝起きると、昨日寝たままの状態で目が覚めた。ニコは俺の顔の上にいつの間にか移動してきており、苦しさのあまり目を覚ました形だ。ニコはわざと俺の顔の上に乗ったのだろうか? スライムなのに寝る不思議な奴だから、寝相が悪い可能性もあるな。考えるだけ無駄か。

 準備も終わり出発することになった。

「みんな、昨日話し合った通りに、まずはこの階でもう1戦してから進退を決めるのは問題ないね?それと、余裕をもって行動をしたいので、今回は先にウィスプを進路上に飛ばして、視覚共有で様子を確認してから進もうと思う。その分時間がかかるけどわかってほしい」

 それを聞いていたネルが疑問を投げかけてきた。

「ご主人様。今まで同じ階層で別の魔物が出てきてないのに、そんなことする必要があるの?」

「必要があるか無いかでいえば、無いかもしれないね。でも、それは油断につながるんだよ。だから、油断しないためにも、まずは情報収集を怠らない様にするんだよ。そういう気構えでいれば、油断をする気持ちが減ると思うんだ」

「そうなんだ。ネルもしっかり警戒する! 油断はしないの!」

 そう宣言したネルの頭をなでながら、先行させたウィスプと視覚共有を行う。

「あれ? 次の部屋に堕天使たちがいないんだけど……みんなの視覚共有してるウィスプはどう?」

 俺の質問に対して、堕天使……魔物たちが確認できたメンバーはいなかった。

「どういう事だろうな? 確か上の方では、エリアが移動すると同時に魔物も移動していた気がするけど、ここに今いないって事は、次の部屋には魔物がいない? それとも、俺らが移動すると沸いて出たりするのか?」

 分からない事が多くなってしまった。でも、もう1度は戦う予定なので、進むしかないのだが魔物がいない事が、不気味でしょうがない。

「みんな、まずは1つ先の部屋まで進もう。堕天使がいる前提で進もう!」

 全員で最大限警戒をしながら進んでいく。
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