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第729話 危機一髪
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俺が防御態勢に入る頃には、他のメンバーも防御態勢に入っていた。後で怒られるだろうな。ステータスを向上させて、それでも少し余っている魔力を使わないのはもったいない。それなら、堕天使の真似をして魔力障壁を張るか? 確か、魔力を放出して、薄い膜状に圧縮する感じだったな。
自分の身の危険を感じた事により、思考が加速していた。今ならどんな難しい魔法も制御できそうだ。
全部で魔力を9割近く消費した頃に、堕天使の体から発せられる光が一段と強くなった。次の瞬間、目を焼くほどの閃光と同時に、ありえないほどの衝撃が空間を襲った。
俺はてっきり、自爆による爆発系の何かかと思っていたのに、魔法ではなく圧縮された魔力を純粋な破壊力として解き放った感じだった。
その解き放たれた破壊力は、凄まじいの一言しか出てこなかった。四角い部屋が、丸くなっていたのだ。削られたダンジョンの壁や床がどうなったか分からないが、何とかしのぐことができた。
全員で防御態勢に入っていた妻たちは、特に問題なく無傷でしのいだように見える。7人で張っていた結界が全部突破された事にはビックリしたが、タンク陣の【フォートレス】によって防いだようだ。
後で聞いて知ったのだが、タンク陣はあの衝撃で体の芯にダメージをくらったようで、ヒーラーが慌てて回復したそうだ。【フォートレス】って攻撃を防ぐけど、衝撃なんかはダイレクトに体に伝わるんだよな。
俺がなんで後で知ったかといえば、簡単な話だ。全力で防御したが、俺の防御力を突破して体にダメージが入り、天井に吹き飛ばされそこで体を強打。追い打ちをかけるように、そのまま床に落ちて体を強打。天井に吹き飛ばされてぶつかった時点で、俺の意識は途絶えていたのだ。
床に落ちた時は無防備であったため、体にダメージがかなり入ってしまったようだ。骨折こそなかったものの、全身打撲で回復してもらわなかったら、今頃全身筋肉痛みたいな感じでもがいていただろうな。
妻たちは複数で何とかしのいだのに、単独で防げるわけがなかった。そして、目を覚ました後、俺の体の様子を確認してから、長い説教を妻たちにされてしまった。無茶をしたのは悪かったが、あそこで追撃していなかったら、全員が瀕死に近いダメージを負った可能性があったからな。
俺はあの攻撃は、自爆で間違いないと思うが、本来の攻撃力には届いていないと思っている。魔力を圧縮したことによって、破壊力を増大させた自爆攻撃と考えると、自分の体が死ぬ事によって、魔力の制御が自分から離れて、暴発したと考えているからだ。
あの堕天使が本当に魔力が無限にあるのだとして、本当に自爆をするのであれば、体が許す限り、制御が許す限り、限界まで魔力を圧縮し続けたはずなのだ。それを俺の【岩砲】と【メテオインパクト】で体を先に壊したため、あの威力で助かったと考えている。
俺がこんなことをのんびりと考えているのには理由がある。
俺が無茶をしてボロボロになったのを見た妻たちが、説教をした後に全員が大泣きをしてしまい、今はみんな疲れて寝ているためだ。
馬車に残っていたブラウニーに、通路を塞ぐような形でコンテナを出してもらい、野営の準備をしてもらった。そして1人ずつお姫様抱っこをしてベッドに運んで、俺はベッドの横でみんなの様子を見ながら、あの爆発について考察していたのだ。
一番体がボロボロで本当は休みたかったのだが、妻たちに泣かれて寝てしまったのを見てしまうと、俺も一緒になって寝るわけにはいかないと思い、必死に起きている状態だ。目を覚ますために濃いめに入れてもらった、ハーブティーと一緒に出てきた王蜜を使ったお菓子を楽しむ事は許してくれ。
2時間ほど経った頃に、みんなが目を覚まし始めた。起きたみんなに「おはよう」と一言いうと、安心したようでいつも通りの対応に戻ってくれた。みんなが起きた所で、俺の意識が限界に達して、みんなと交換するようにベッドにもぐりこみ眠りについた。
どのくらい経ったか分からないが、気付くと体に何かがのしかかっているのが分かり目が覚めた。俺の腹の上でとどまっている事を考えると、スライムか狐の誰かだろうと思い手を伸ばして掴む……あれ? いつもと違う感触だと思い、視線を腹の上に向けると、そこにはダマがいた。
何でここにいるかと思ったが、心配で様子を見てたら眠くなったので一緒に寝てしまった、との事だった。何をやってるんだか。ちなみにスライムも心配していたようで、俺の頭の近くで団子になってプルプルしてた。
みんなをなでてから、起き上がり部屋を移動する。隣は食堂兼会議室になっていたようで、妻たちはみんなそこにいた。どうやら、何かを話し合っていたようだ。
俺は、話し合っていた内容を聞いて納得した。確かに俺も話題にしようと思っていた事だ。
このダンジョンの攻略をするか、それともここで諦めて帰るのか、の話し合いをしていたそうだ。俺はそのまま、みんなの意見に耳を傾けて、どんなことを考えているのかを把握していく。
全体的にこれ以上、俺が傷付く様子を見たくないとの事だ。だが、そのまま引き返すか進むかは、みんなで悩んでいる状態だ。堕天使もしっかり対策をすれば、倒せない事はないのだ。だから安易に戻るという選択肢が出てこず、どうやって進むかや撤退の基準を話し合っているような状態だ。
俺は膠着状態の話し合いの助けとなればいいと思い、みんなが寝ている時に考察した、大きい堕天使の能力と最後の爆発について話した。
大きな堕天使に対して対策が立てられるのであれば、もう1戦してみてから決めるのがいいのでは? という流れになった。後は、最後の爆発に対してはどうするべきかという話になった。
その中でもちょっとおもしろかったのは、腹に打ち込んだ【岩砲】を叩きこむ前に、叩き込む人間にチェインをつけておいて、叩き込んだ後すぐに引っ張ってみてはどうか? という意見には笑ってしまった。
話し合いの結果、次の大きな堕天使への止めは、接近してスキルで叩き込むのではなく、遠距離から打ち込む事になった。手順は、俺が【岩砲】を撃った後に同じ場所に、ユニゾンマジックでハンマー代わりになる岩石を打ち込む事になった。
どれくらいの威力が必要なのか分からないので、魔法組の4人で協力して行う事になった。1人が岩石を圧縮して【岩砲】の弾とは違い円柱状の弾を作り、1人が風除けの魔法と弾の回転を行い、残りの2人で魔力を圧縮して打ち出す形になった。
全員の魔力を全部消費するわけにはいかないので、7割程までの消費でおさめることになった。
自分の身の危険を感じた事により、思考が加速していた。今ならどんな難しい魔法も制御できそうだ。
全部で魔力を9割近く消費した頃に、堕天使の体から発せられる光が一段と強くなった。次の瞬間、目を焼くほどの閃光と同時に、ありえないほどの衝撃が空間を襲った。
俺はてっきり、自爆による爆発系の何かかと思っていたのに、魔法ではなく圧縮された魔力を純粋な破壊力として解き放った感じだった。
その解き放たれた破壊力は、凄まじいの一言しか出てこなかった。四角い部屋が、丸くなっていたのだ。削られたダンジョンの壁や床がどうなったか分からないが、何とかしのぐことができた。
全員で防御態勢に入っていた妻たちは、特に問題なく無傷でしのいだように見える。7人で張っていた結界が全部突破された事にはビックリしたが、タンク陣の【フォートレス】によって防いだようだ。
後で聞いて知ったのだが、タンク陣はあの衝撃で体の芯にダメージをくらったようで、ヒーラーが慌てて回復したそうだ。【フォートレス】って攻撃を防ぐけど、衝撃なんかはダイレクトに体に伝わるんだよな。
俺がなんで後で知ったかといえば、簡単な話だ。全力で防御したが、俺の防御力を突破して体にダメージが入り、天井に吹き飛ばされそこで体を強打。追い打ちをかけるように、そのまま床に落ちて体を強打。天井に吹き飛ばされてぶつかった時点で、俺の意識は途絶えていたのだ。
床に落ちた時は無防備であったため、体にダメージがかなり入ってしまったようだ。骨折こそなかったものの、全身打撲で回復してもらわなかったら、今頃全身筋肉痛みたいな感じでもがいていただろうな。
妻たちは複数で何とかしのいだのに、単独で防げるわけがなかった。そして、目を覚ました後、俺の体の様子を確認してから、長い説教を妻たちにされてしまった。無茶をしたのは悪かったが、あそこで追撃していなかったら、全員が瀕死に近いダメージを負った可能性があったからな。
俺はあの攻撃は、自爆で間違いないと思うが、本来の攻撃力には届いていないと思っている。魔力を圧縮したことによって、破壊力を増大させた自爆攻撃と考えると、自分の体が死ぬ事によって、魔力の制御が自分から離れて、暴発したと考えているからだ。
あの堕天使が本当に魔力が無限にあるのだとして、本当に自爆をするのであれば、体が許す限り、制御が許す限り、限界まで魔力を圧縮し続けたはずなのだ。それを俺の【岩砲】と【メテオインパクト】で体を先に壊したため、あの威力で助かったと考えている。
俺がこんなことをのんびりと考えているのには理由がある。
俺が無茶をしてボロボロになったのを見た妻たちが、説教をした後に全員が大泣きをしてしまい、今はみんな疲れて寝ているためだ。
馬車に残っていたブラウニーに、通路を塞ぐような形でコンテナを出してもらい、野営の準備をしてもらった。そして1人ずつお姫様抱っこをしてベッドに運んで、俺はベッドの横でみんなの様子を見ながら、あの爆発について考察していたのだ。
一番体がボロボロで本当は休みたかったのだが、妻たちに泣かれて寝てしまったのを見てしまうと、俺も一緒になって寝るわけにはいかないと思い、必死に起きている状態だ。目を覚ますために濃いめに入れてもらった、ハーブティーと一緒に出てきた王蜜を使ったお菓子を楽しむ事は許してくれ。
2時間ほど経った頃に、みんなが目を覚まし始めた。起きたみんなに「おはよう」と一言いうと、安心したようでいつも通りの対応に戻ってくれた。みんなが起きた所で、俺の意識が限界に達して、みんなと交換するようにベッドにもぐりこみ眠りについた。
どのくらい経ったか分からないが、気付くと体に何かがのしかかっているのが分かり目が覚めた。俺の腹の上でとどまっている事を考えると、スライムか狐の誰かだろうと思い手を伸ばして掴む……あれ? いつもと違う感触だと思い、視線を腹の上に向けると、そこにはダマがいた。
何でここにいるかと思ったが、心配で様子を見てたら眠くなったので一緒に寝てしまった、との事だった。何をやってるんだか。ちなみにスライムも心配していたようで、俺の頭の近くで団子になってプルプルしてた。
みんなをなでてから、起き上がり部屋を移動する。隣は食堂兼会議室になっていたようで、妻たちはみんなそこにいた。どうやら、何かを話し合っていたようだ。
俺は、話し合っていた内容を聞いて納得した。確かに俺も話題にしようと思っていた事だ。
このダンジョンの攻略をするか、それともここで諦めて帰るのか、の話し合いをしていたそうだ。俺はそのまま、みんなの意見に耳を傾けて、どんなことを考えているのかを把握していく。
全体的にこれ以上、俺が傷付く様子を見たくないとの事だ。だが、そのまま引き返すか進むかは、みんなで悩んでいる状態だ。堕天使もしっかり対策をすれば、倒せない事はないのだ。だから安易に戻るという選択肢が出てこず、どうやって進むかや撤退の基準を話し合っているような状態だ。
俺は膠着状態の話し合いの助けとなればいいと思い、みんなが寝ている時に考察した、大きい堕天使の能力と最後の爆発について話した。
大きな堕天使に対して対策が立てられるのであれば、もう1戦してみてから決めるのがいいのでは? という流れになった。後は、最後の爆発に対してはどうするべきかという話になった。
その中でもちょっとおもしろかったのは、腹に打ち込んだ【岩砲】を叩きこむ前に、叩き込む人間にチェインをつけておいて、叩き込んだ後すぐに引っ張ってみてはどうか? という意見には笑ってしまった。
話し合いの結果、次の大きな堕天使への止めは、接近してスキルで叩き込むのではなく、遠距離から打ち込む事になった。手順は、俺が【岩砲】を撃った後に同じ場所に、ユニゾンマジックでハンマー代わりになる岩石を打ち込む事になった。
どれくらいの威力が必要なのか分からないので、魔法組の4人で協力して行う事になった。1人が岩石を圧縮して【岩砲】の弾とは違い円柱状の弾を作り、1人が風除けの魔法と弾の回転を行い、残りの2人で魔力を圧縮して打ち出す形になった。
全員の魔力を全部消費するわけにはいかないので、7割程までの消費でおさめることになった。
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