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第981話 天変地異
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阿鼻叫喚地獄になりつつある敵軍の野営地を見て思う。
「ちょっとやりすぎた……」
本当は、体調不良で進軍できなくなり、最低でも近くの街まで引き返してもらう予定だったのだが、あまりに効果がでてしまい、撤退も出来ない状況になってしまったのだ。
「ご主人様、どうするの?」
「これだと拙いよな。せっかく引いてもらおうと思ったのに、これじゃあ、4~5日後に合流しちゃうな」
「2日は余分に稼げたんでしよ? それはそれで十分じゃないの?」
イリアのセリフを聞いて、2日も余裕ができたと思えば悪くないか?
「ご主人様! これはこれでありだと思います。これから略奪軍……違うな~これは戦争の体をなしていないから、盗賊軍隊ですか? そいつ等が私たちに負け帰ったときに、この軍がこの状態なら面白くないですか?」
おぉう、ネルが、ブラックピーチみたいな事を言い始めたぞ。同じヒーラーとは言っても、そこまでは似てほしくないんだけどな。
とりあえず、稼いだ時間を有効に活用しないとな。
「3人共いったん戻るよ。っとその前に、監視用に人造ゴーレムを置いてくか」
普通のゴーレムや魔獣にしないのは、戦闘能力はある程度あるに越したことはないが、それ以上にカメラを動かさないようにできて、細かい調整が出来ないといけないからな。
腕輪から人造ゴーレムを取り出して、魔導具に改造したカメラと、魔導無線を身に着けさせ遠くから監視するように指示しておく。
戻ったらまずは、誰かにカメラから送られてくる映像を見ててもらわないとな。
「じゃあ、頼んだぞ!」
人造ゴーレムに指示を出して、ダンジョン地下通路に戻る。
「みんな、これをみといてくれ。これで時間は稼げたから、今度は盗賊軍隊をどうにかしないとな。俺はちょっとシャワーを浴びてくるから準備をしておいてくれ」
阿鼻叫喚地獄のようなあの光景を見てしまったので、いやな気分を払拭するためにシャワーを浴びることにした。
俺たちが使う地下通路のデフォルトで、全員で余裕を持って寝られるスペースと、シャワー室を標準装備している。
「ふ~さっぱりした。みんな、状況を理解してくれたかな?」
『クダスンデス改』がもたらした光景を見て、みんなの顔が若干ひきつっている。まぁあれだもんな。
様子を一緒に見に行ったガロウだって、余り近づこうとしなかったくらいには、臭いがきつかったようだ。風下って事もあったが、2キロメートル離れていた場所でも、地面にうずくまって鼻を押さえていたからな。
みんなも状況は理解してくれたようだ。
「でも、ご主人様。状況は分かりましたが、多くみつもっても合流するまでに5日程しか無いと思いますが」
「そうなんだよね、残り5日で盗賊軍隊1万人に連れられている6万人の一般市民をどうするか。合計7万人規模の移動だから、範囲もかなり広いだろうしね」
「先頭から襲うと後ろに行くに連れて、守るべき人達が盗賊軍隊の進行方向にふえるので、ここは列の後ろから襲うべきじゃないですか?」
アリスからの意見は確かにその通りだとおもう。後ろから襲えば、助けた人間を自分の国側に移動させればいいからな。
「アリスの意見を採用! 俺たちは盗賊軍隊の後方から、ゲリラ的に随時襲っていこう。襲う時間帯は、夕方から朝にかけて持続的に行おうか。それと、従魔たちの部隊を作って、先頭でも半ばでもいいから同じタイミングで攻撃させるのはどうかな?」
俺がそう提案すると、従魔たちだとやりすぎないか心配だと言い始めた。確かに手加減は苦手だからな、普通の魔物をけしかければ、一般市民にも被害がでるからな。むしろ自分たちが死なないために壁にされかねない。
「何かいい案ないかな?」
地下通路を馬車で移動しながら考えること30分ほど。
「少しでも時間が稼ぎたいのであれば、進行方向に細工してはどうですか? 例えば地面を割って遠回りさせるとか?」
シュリから提案された事を検討してみる。
魔法で地割れを起こすのはかなり大変だけど、ダンマスのスキルであれば何の問題もない。聖国はいつもろくなことしないから、ついでに国土を隣国に切り取ってもらうか?
思いついたことをみんなに説明する。
みんなも、それなら時間も稼げるし、効果も高いと了解がえられた。始めからこの方法を思い付いていたら、援軍は阿鼻叫喚地獄を見なくて済んだのにな、どんまい!
計画通りダンマスのスキルをつかって、聖国と王国の緩衝地帯で聖国の街に近い位置に分断するようにいくつも地割れを起こす。
その時にピーチの案を取り入れて、各国に攻めいるためには、一本の通路しかないように作っている。
後で聖国の暴力に脅えている国々に伝言をしておこう。おっと、ただ伝えるだけだと変なので、ダンマスのスキルで地面を揺らしておこう。
なんで、そんなスキルがあるのかよくわからないが、地震の後に地面が割れたとなれば、多少不自然でも納得しやすいでしょ!
と言うことで、馬車を止めて掌握している広範囲のエリアで、地震を起こす。震度5位のちょっと強めの地震だ。
俺が今いるエリアは、震源から離れているが結構な揺れが襲ってきた。
この世界の大地が地球みたいに、プレートの上に乗っているかは分からないが、近くの場所は揺れるものなんだな。
周りを見ると俺以外が、ビクビクしている。それでも俺を守ろうと武器を構えている。
なにと戦うつもりだよ? と無粋なことを言うのはなしか?
そういえば、日本って地震大国だから余り気にしてなかったけど、場所によってはこの世の終わりだと言われるところもあるとか無いとか?
「ご主人様! 何かが起こっています! 任務を放棄してでもディストピアへ帰りましょう!」
ピーチまで慌てて俺にディストピアへ帰ろうと言い出した。地震を起こす前にきちんと説明しておくべきだったな。
みんなを落ち着かせて、俺がしたことを一から説明した。
それでもどこかビクビクしているのは、初めての地震だったためだろう……本当にすまん。
「ちょっとやりすぎた……」
本当は、体調不良で進軍できなくなり、最低でも近くの街まで引き返してもらう予定だったのだが、あまりに効果がでてしまい、撤退も出来ない状況になってしまったのだ。
「ご主人様、どうするの?」
「これだと拙いよな。せっかく引いてもらおうと思ったのに、これじゃあ、4~5日後に合流しちゃうな」
「2日は余分に稼げたんでしよ? それはそれで十分じゃないの?」
イリアのセリフを聞いて、2日も余裕ができたと思えば悪くないか?
「ご主人様! これはこれでありだと思います。これから略奪軍……違うな~これは戦争の体をなしていないから、盗賊軍隊ですか? そいつ等が私たちに負け帰ったときに、この軍がこの状態なら面白くないですか?」
おぉう、ネルが、ブラックピーチみたいな事を言い始めたぞ。同じヒーラーとは言っても、そこまでは似てほしくないんだけどな。
とりあえず、稼いだ時間を有効に活用しないとな。
「3人共いったん戻るよ。っとその前に、監視用に人造ゴーレムを置いてくか」
普通のゴーレムや魔獣にしないのは、戦闘能力はある程度あるに越したことはないが、それ以上にカメラを動かさないようにできて、細かい調整が出来ないといけないからな。
腕輪から人造ゴーレムを取り出して、魔導具に改造したカメラと、魔導無線を身に着けさせ遠くから監視するように指示しておく。
戻ったらまずは、誰かにカメラから送られてくる映像を見ててもらわないとな。
「じゃあ、頼んだぞ!」
人造ゴーレムに指示を出して、ダンジョン地下通路に戻る。
「みんな、これをみといてくれ。これで時間は稼げたから、今度は盗賊軍隊をどうにかしないとな。俺はちょっとシャワーを浴びてくるから準備をしておいてくれ」
阿鼻叫喚地獄のようなあの光景を見てしまったので、いやな気分を払拭するためにシャワーを浴びることにした。
俺たちが使う地下通路のデフォルトで、全員で余裕を持って寝られるスペースと、シャワー室を標準装備している。
「ふ~さっぱりした。みんな、状況を理解してくれたかな?」
『クダスンデス改』がもたらした光景を見て、みんなの顔が若干ひきつっている。まぁあれだもんな。
様子を一緒に見に行ったガロウだって、余り近づこうとしなかったくらいには、臭いがきつかったようだ。風下って事もあったが、2キロメートル離れていた場所でも、地面にうずくまって鼻を押さえていたからな。
みんなも状況は理解してくれたようだ。
「でも、ご主人様。状況は分かりましたが、多くみつもっても合流するまでに5日程しか無いと思いますが」
「そうなんだよね、残り5日で盗賊軍隊1万人に連れられている6万人の一般市民をどうするか。合計7万人規模の移動だから、範囲もかなり広いだろうしね」
「先頭から襲うと後ろに行くに連れて、守るべき人達が盗賊軍隊の進行方向にふえるので、ここは列の後ろから襲うべきじゃないですか?」
アリスからの意見は確かにその通りだとおもう。後ろから襲えば、助けた人間を自分の国側に移動させればいいからな。
「アリスの意見を採用! 俺たちは盗賊軍隊の後方から、ゲリラ的に随時襲っていこう。襲う時間帯は、夕方から朝にかけて持続的に行おうか。それと、従魔たちの部隊を作って、先頭でも半ばでもいいから同じタイミングで攻撃させるのはどうかな?」
俺がそう提案すると、従魔たちだとやりすぎないか心配だと言い始めた。確かに手加減は苦手だからな、普通の魔物をけしかければ、一般市民にも被害がでるからな。むしろ自分たちが死なないために壁にされかねない。
「何かいい案ないかな?」
地下通路を馬車で移動しながら考えること30分ほど。
「少しでも時間が稼ぎたいのであれば、進行方向に細工してはどうですか? 例えば地面を割って遠回りさせるとか?」
シュリから提案された事を検討してみる。
魔法で地割れを起こすのはかなり大変だけど、ダンマスのスキルであれば何の問題もない。聖国はいつもろくなことしないから、ついでに国土を隣国に切り取ってもらうか?
思いついたことをみんなに説明する。
みんなも、それなら時間も稼げるし、効果も高いと了解がえられた。始めからこの方法を思い付いていたら、援軍は阿鼻叫喚地獄を見なくて済んだのにな、どんまい!
計画通りダンマスのスキルをつかって、聖国と王国の緩衝地帯で聖国の街に近い位置に分断するようにいくつも地割れを起こす。
その時にピーチの案を取り入れて、各国に攻めいるためには、一本の通路しかないように作っている。
後で聖国の暴力に脅えている国々に伝言をしておこう。おっと、ただ伝えるだけだと変なので、ダンマスのスキルで地面を揺らしておこう。
なんで、そんなスキルがあるのかよくわからないが、地震の後に地面が割れたとなれば、多少不自然でも納得しやすいでしょ!
と言うことで、馬車を止めて掌握している広範囲のエリアで、地震を起こす。震度5位のちょっと強めの地震だ。
俺が今いるエリアは、震源から離れているが結構な揺れが襲ってきた。
この世界の大地が地球みたいに、プレートの上に乗っているかは分からないが、近くの場所は揺れるものなんだな。
周りを見ると俺以外が、ビクビクしている。それでも俺を守ろうと武器を構えている。
なにと戦うつもりだよ? と無粋なことを言うのはなしか?
そういえば、日本って地震大国だから余り気にしてなかったけど、場所によってはこの世の終わりだと言われるところもあるとか無いとか?
「ご主人様! 何かが起こっています! 任務を放棄してでもディストピアへ帰りましょう!」
ピーチまで慌てて俺にディストピアへ帰ろうと言い出した。地震を起こす前にきちんと説明しておくべきだったな。
みんなを落ち着かせて、俺がしたことを一から説明した。
それでもどこかビクビクしているのは、初めての地震だったためだろう……本当にすまん。
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