ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1069話 意外な事実

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 休日の2日目をのんびり過ごしている。

 そして今日は、嬉しい事にミーシャを抱く許可が出たのだ。俺が娘たちを抱っこすると危なっかしく見えるようで、ブラウニーたちからやっと許可が出たのだ。

 それでも、首の座ってきたミーシャだけの抱っこなのだが、それでも娘をしっかりと抱っこできるのは嬉しい。柔らかくて潰れてしまいそうなミーシャだけど、俺の中で暴れずにジッとこっちを見たり、ミリーの声のする方向を見ようとしている。

 1つ1つの仕草がいちいち可愛い。しかも、意識してないのだろうが、時々猫耳がピクピク動く姿が可愛い。パクリと食べたくなる衝動に駆られるが、それはダメなのでグッとこらえる。俺に何か修行でも課しているのだろうか?

 20分も抱いていると、眠くなったのかあくびする姿が可愛い。さすがに寝てる所まで抱っこするのは良くないとの事で、ベビーベッドに戻すように言われてしまった。しょんぼりだけど、少しでも抱けてお父ちゃんは嬉しいよ。

 ミーシャをベビーベッドに戻すと、近くで寝ていたブルムが目を覚ました。泣くかと思ったら、あーあーいって手を伸ばしはじめた。

 俺が近付こうとすると、ケットシーに止められた。邪魔すんなし! 俺はブルムの所に行くんだよ!

 ケットシーとそういう思いで睨めっこをしていたら、ブルムの声が聞こえなくなった。何事かと思い様子を見ると、飼い猫の1匹がブルムのお腹の上に頭を置いていた。

 ブルムはその猫の耳をモフモフしている。なん、だ、と……肉球の感触を覚えたミーシャに続いて、モフモフの良さを知ってしまったブルム。スミレは、

 おふ……スミレもモフモフに魅了されているようだ。こっちは猫ではなくケットシーをだが、ギュッと抱きしめて寝ていたのだ。ケットシーの抱き枕だと……見事にモフモフ教に入団してしまったようだ。

 赤子とはいえ、猫はギュっとされると嫌なようで、ケットシーがその役割を担っているみたいだ。でも、みんなの事を好きなのは変わらないので、近くで寝ている様子が見られる。

「ご主人様、そろそろ出ましょう。3人共また寝そうです」

 ここで騒ぐとシルキーたちの雷が落ちるので、退散することにした。このまま隣の部屋に入り浸ると怒られるので、今日は外に出る事にした。外とは言ってもダンジョン農園に足を運ぶだけだがな。

 ダンジョン農園の管理は基本的に、ドリアードが行っている。彼女らの様子を見に行ってみるか? と思い立ったので、移動を開始した。

「あ、シュウ様。今日はどうしたのですか?」

「いや、特に何もないけど、様子を見に来ただけだよ」

「そうなんですか? じゃぁ少しお話よろしいですか?」

「何か相談事か? それなら遠慮しないで話してくれればいいんだけど……なんか問題でも?」

 そうでは無いのですが、と前置きしてドリアードが相談内容を話してくれた。

 ダンジョン農園で管理している家畜が増えて少し困っているとの事だった。それが発覚したのが、一緒に管理している土木組の子たちからだったそうだ。

 それを聞いた時俺は衝撃を受けた。土木組は、ディストピアにいる時はもちろん、土木作業で他の街に移動する魔導列車の中でも勉強をしている。しかも土木魔法で仕事もしているのに、更にダンジョン農園で家畜の飼育までしていたとは、

 俺なんかつい最近まで、1日に少しだけ領主っぽい仕事をしているニートみたいな存在だったのに、この世界の子どもはこれが普通なのか? もっと子供らしくと思うけど、ドリアードの話を聞くと、自分たちの休憩時間や休みの日だけのお手伝いだから、あまり何も言わないでほしいとの事だった。

 それにしても何で家畜が増えすぎたんだ? と思ったので、理由を聞いてみたら、基本的にここの家畜は俺の家や俺の関係者、グリエルやガリア、と言った俺に近しい人達にしか卸していないそうだ。そりゃ家畜が増えるに決まってるわな。

 どうしようか悩んでいると、前々から考えていたのかドリアードがこんな提案をしてきた。

「畑エリアをもう少し広げて、牧場エリアをつくりませんか?」

 との事だ。今でも、ワーム隊が頑張ってくれているので、畑を耕す手間はほとんどないのだそうだ。その上ドリアードも一緒に祝福をしているため、普段の収穫ですら追いついていないそうだ。農家が圧倒的に足りていないらしい。

 なので、とりきれなかった野菜はワームが耕してしまうようだ。その野菜を家畜たちに食べさせてはどうかと言う話だった。

「でも、それだと畜産の人が必要になるんじゃないか?」

「それですが、近く元々畜産業を行っていた村の人がディストピアに移住してくるのです!」

 後ろから声がしてビックリしたが、土木組のメンバーの1人が立っていた。いつの間に!?

 その子の話では、畜産業をしていた村と言う事で、かなり平和な所だったらしい。ある程度街の近くだったため、治安も悪くなかったらしい。領主が変わって、家畜の肉が美味いと知った領主が大量に持って行ってしまったため、生活できなくなってしまった村の人が、俺の商会の支店に話をしたそうだ。

 その話をどこできいたのか、土木組が聞いてディストピアに招いてはどうかと言う話になったそうだ。

 さすがに、土木組の一存で移住が決まるわけでは無いので、ゼニスからグリエルに話が行って、グリエルたちが審査のために人員を派遣して、問題ないとの事で今ちょうど向かっているらしい。後、2週間もすれば到着する予定だとか。

「なので、ここの家畜を一部、新しく作る牧場エリアに連れて行ってもいいですか?」

 さりげなく牧場エリアが出来る前提で話しているあたり、結構賢く生きてるんだなって変な事を考えてしまった。

「って事は、まずは牧場エリアをつくらないといけないわけね。畑で働いている人には話はしてある?」

「そちらは問題ないです。畜産と言っても、全員が世話を四六時中しているわけでは無いので、半数以上は農業もしていたようです。なので、畑エリアの人は歓迎しています。後は、牧場エリアに牧草も作ってほしいので、ワームさんを貸し出してもらえるように話はしてあります」

 もうそこまで話が進んでいるのか。さて、どの位の広さで作ろうか? そこら辺はグリエルやガリア、ゼニスの他に、意見を聞きたいから土木組にも、何人か来てもらって会議でもしようか?
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