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第1110話 他種族から見た獣人
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昨日は色々と考えさせられる事が多くあったな。子どもの冒険者関係の話は、お手本になる部分もあるかもしれないが、質のいい冒険者を集められるか未知数なので、違う方法の検討も必要かもしれない。
特に魔法に関してはスキルも大切であるが、それ以上に魔法の習熟度も影響してくるので、その部分についての座学が必要だろうか? 別にスキルと各スキルLvに付属する魔法を使うだけなら、そんな必要は無いのだが応用させるためには、多少なりとも知識が必要だ。
なんて考えてはいるが、グリエルにこそっというだけで後は丸投げの無責任な俺だけど、いざと言う時に責任を取ればいいと思っている。それが部下に任せて遊び呆けている、俺なりの責任だと思う。
どこの世界にも、放置して任せっきりにして時々顔出して的外れな事を言う責任者が、責任を負ったり義務を果たそうとしないという事はよくある話である。命の軽いこの世界では、上司の代わりに物理的に首を飛ばされる人がいるのだ。ディストピアは、そんなブラックな環境では無いなのだ!
とはいえ、俺がグリエルの立場だったら、何回自分の事を殴っているだろうか? 勉強した所で、グリエルやガリアより上手く統治できる気はしないので、やっぱり任せるしかないと思っている。
俺の娘たち……これから生まれてくる子どもたちは、領主の仕事とかに興味を示してくれるだろうか? できる限り好きな事をさせてあげたいと思っているので、そういう部分には深く干渉したくないな。
子どもが興味を示さなければ、俺が居座り続ければいいか? グリエルやガリアに人材を育ててもらって……あ~さすがに、今考えてもしょうがない事ばかりだな! 考えるのはやめよう!
今日は、グリエルに渡された紙をもってゴーストタウンの工房に来ている。渡された紙と言うのは、昨日の話の内容に出てこなかった、各種族なんかの気になる点についてだ。
この内容は、自分たちが苦労している点の他に、どこかの街の領主代行が提案した、他種族を見て大変そうだなって思う点も投稿してもらっているらしい。
それを聞いた時に、何故思いつかなかったと感心したものだ。なので、提案してくれた領主代行には金一封でも送ろうと考えたのだが、グリエルに止められて、その領主代行はお酒好きと言う事だったのでブラウニーが作っているお酒と、地球のお酒各種詰め合わせを送る事になっている。
っと、話がズレた。その領主代行の提案で、思っていた以上に色々な意見が集まっていたのである。
一番興味を持ったのが、毛深い獣人……毛深いっていう表現があっているのか分からないが、獣みたいにフサフサな種族もいるのだ。その種族に対して、人間の女の子が『毛の手入れが大変そう!』という感じで、意見を入れてくれていたのだ。
確かに言われてみれば、全身に櫛を通すのは大変だろうな。なんて考えていたので、昨日家に帰ってみんなに話してみたら、獣人でそこまで全身の毛を梳かしている人たちはいないと言われた。
獣人で身分の高い人間は、帝国の極わずかしかいないのだ。その他はみんなその日生きるのにやっとの人が多いんだって。そう言われれば、獣人って迫害されている所もあったもんな。特に聖国なんて労働力として奴隷にしてたしな。
でも、聖国の獣人奴隷解放を機に色々が変わってきているので、それなりに生活できる獣人が増えているようだ。そんな獣人を見て女の子が思ったんだろうな。
そんな意見をバザールと綾乃に紹介する。
「なるほどね。確かに全身に毛が生えている獣人も、一部……おなか以外に毛が生えてたり、背中全体がフサフサだったりいろんな獣人がいるわよね。今までそういう事に気を使えるだけの余裕が無かったから、毛にダマができたりしているのが普通って可能性もあるもんね」
「毛深いと特に衛生面で問題が出やすい事もあるでござるから、そこら辺は領主として徹底した方がいいかもしれないでござるな」
「お~毛が無いバザールが言うと、衛生面についても重みがある気がする!」
「アンデッドでござるから毛が無いのは事実でござる! ですが、某はゾンビでは無いので、衛生的にはめっちゃきれいでござるよ! しかも高位のスケルトンでござるから、病原菌も寄り付かないでござる!」
バザールをからかってみると、予想通りの反応が帰って来たので綾乃と一緒に笑ってしまった。
「っと、冗談はこの辺にしといて、衛生面や健康面で問題になりそうな所は、街としてと言うか俺から支援してでも、徹底してもらいたい所だな」
「猫たちだってしっかりとブラッシングしてあげないと、皮膚病になりやすいもんね。病気の発生源になったら、獣人がまた迫害をされるかもしれないから、しっかり援助する必要はありそうね」
「猫の世話をしないで怒られた人が何か言っているでござる」
笑われた事への仕返しか、馬鹿にしたような感じで言い放ったバザールの一言が綾乃にクリーンヒットして、綾乃は両手両膝を付いてガックリを表現していた。
「たださ、人間の櫛みたいなのよりは、俺がクロやギンに使っているような動物用の奴の方がいいのかな?」
「ん~そこは、色々つくってみて試してもらうのがいいのではござらんか?」
「私的には、ある程度広い範囲を一度にブラッシングできる物がいいと思うわ!」
「じゃぁ、幅だけじゃなくて大きさも櫛の長さも色々変えた物を作ってみようか?」
「その前にでござる!」
バザールが急に話の流れを止めてきた。
「どういったものが作れるか、ドワーフに確認する方がいいのではござらんか?」
俺と綾乃はバザールの意見に納得して、ドワーフ達のいるエリアへ移動した。
そこで今までの流れを説明して、櫛を作ろうという話になったのだが、ドワーフどんなものが作れるか聞いてみた。
「見本が無いと何とも言えん!」
確かに普通の櫛なら簡単に作れるだろうが、見本も無しに形を説明するのは難しいので、収納の腕輪の中に入れていたクロたち用の物や猫たち用の物を取り出して、色々説明をした。
鋳造で一列ずつ作って木の枠なんかに入れて、列を稼げば作れるだろうとの事。でも、中途半端な技術で作られた精錬の金属を使うと、すぐ折れてしまいそうだと……ある程度技術のある工房でないと難しいだろうだってさ。
工程などを考えるとそこそこの金額になるのだが、衛生面や健康面に直結してくることなので支援金を出す事にした。
そこはゼニスと相談して、俺の商会だけに置いて安い値段で売る方法をとる事になった。転売などの対策のためにリストを作って販売した人の把握をする事になった。質の悪い獣人が出てきたら、処罰する方向で話が進んでいる。
特に魔法に関してはスキルも大切であるが、それ以上に魔法の習熟度も影響してくるので、その部分についての座学が必要だろうか? 別にスキルと各スキルLvに付属する魔法を使うだけなら、そんな必要は無いのだが応用させるためには、多少なりとも知識が必要だ。
なんて考えてはいるが、グリエルにこそっというだけで後は丸投げの無責任な俺だけど、いざと言う時に責任を取ればいいと思っている。それが部下に任せて遊び呆けている、俺なりの責任だと思う。
どこの世界にも、放置して任せっきりにして時々顔出して的外れな事を言う責任者が、責任を負ったり義務を果たそうとしないという事はよくある話である。命の軽いこの世界では、上司の代わりに物理的に首を飛ばされる人がいるのだ。ディストピアは、そんなブラックな環境では無いなのだ!
とはいえ、俺がグリエルの立場だったら、何回自分の事を殴っているだろうか? 勉強した所で、グリエルやガリアより上手く統治できる気はしないので、やっぱり任せるしかないと思っている。
俺の娘たち……これから生まれてくる子どもたちは、領主の仕事とかに興味を示してくれるだろうか? できる限り好きな事をさせてあげたいと思っているので、そういう部分には深く干渉したくないな。
子どもが興味を示さなければ、俺が居座り続ければいいか? グリエルやガリアに人材を育ててもらって……あ~さすがに、今考えてもしょうがない事ばかりだな! 考えるのはやめよう!
今日は、グリエルに渡された紙をもってゴーストタウンの工房に来ている。渡された紙と言うのは、昨日の話の内容に出てこなかった、各種族なんかの気になる点についてだ。
この内容は、自分たちが苦労している点の他に、どこかの街の領主代行が提案した、他種族を見て大変そうだなって思う点も投稿してもらっているらしい。
それを聞いた時に、何故思いつかなかったと感心したものだ。なので、提案してくれた領主代行には金一封でも送ろうと考えたのだが、グリエルに止められて、その領主代行はお酒好きと言う事だったのでブラウニーが作っているお酒と、地球のお酒各種詰め合わせを送る事になっている。
っと、話がズレた。その領主代行の提案で、思っていた以上に色々な意見が集まっていたのである。
一番興味を持ったのが、毛深い獣人……毛深いっていう表現があっているのか分からないが、獣みたいにフサフサな種族もいるのだ。その種族に対して、人間の女の子が『毛の手入れが大変そう!』という感じで、意見を入れてくれていたのだ。
確かに言われてみれば、全身に櫛を通すのは大変だろうな。なんて考えていたので、昨日家に帰ってみんなに話してみたら、獣人でそこまで全身の毛を梳かしている人たちはいないと言われた。
獣人で身分の高い人間は、帝国の極わずかしかいないのだ。その他はみんなその日生きるのにやっとの人が多いんだって。そう言われれば、獣人って迫害されている所もあったもんな。特に聖国なんて労働力として奴隷にしてたしな。
でも、聖国の獣人奴隷解放を機に色々が変わってきているので、それなりに生活できる獣人が増えているようだ。そんな獣人を見て女の子が思ったんだろうな。
そんな意見をバザールと綾乃に紹介する。
「なるほどね。確かに全身に毛が生えている獣人も、一部……おなか以外に毛が生えてたり、背中全体がフサフサだったりいろんな獣人がいるわよね。今までそういう事に気を使えるだけの余裕が無かったから、毛にダマができたりしているのが普通って可能性もあるもんね」
「毛深いと特に衛生面で問題が出やすい事もあるでござるから、そこら辺は領主として徹底した方がいいかもしれないでござるな」
「お~毛が無いバザールが言うと、衛生面についても重みがある気がする!」
「アンデッドでござるから毛が無いのは事実でござる! ですが、某はゾンビでは無いので、衛生的にはめっちゃきれいでござるよ! しかも高位のスケルトンでござるから、病原菌も寄り付かないでござる!」
バザールをからかってみると、予想通りの反応が帰って来たので綾乃と一緒に笑ってしまった。
「っと、冗談はこの辺にしといて、衛生面や健康面で問題になりそうな所は、街としてと言うか俺から支援してでも、徹底してもらいたい所だな」
「猫たちだってしっかりとブラッシングしてあげないと、皮膚病になりやすいもんね。病気の発生源になったら、獣人がまた迫害をされるかもしれないから、しっかり援助する必要はありそうね」
「猫の世話をしないで怒られた人が何か言っているでござる」
笑われた事への仕返しか、馬鹿にしたような感じで言い放ったバザールの一言が綾乃にクリーンヒットして、綾乃は両手両膝を付いてガックリを表現していた。
「たださ、人間の櫛みたいなのよりは、俺がクロやギンに使っているような動物用の奴の方がいいのかな?」
「ん~そこは、色々つくってみて試してもらうのがいいのではござらんか?」
「私的には、ある程度広い範囲を一度にブラッシングできる物がいいと思うわ!」
「じゃぁ、幅だけじゃなくて大きさも櫛の長さも色々変えた物を作ってみようか?」
「その前にでござる!」
バザールが急に話の流れを止めてきた。
「どういったものが作れるか、ドワーフに確認する方がいいのではござらんか?」
俺と綾乃はバザールの意見に納得して、ドワーフ達のいるエリアへ移動した。
そこで今までの流れを説明して、櫛を作ろうという話になったのだが、ドワーフどんなものが作れるか聞いてみた。
「見本が無いと何とも言えん!」
確かに普通の櫛なら簡単に作れるだろうが、見本も無しに形を説明するのは難しいので、収納の腕輪の中に入れていたクロたち用の物や猫たち用の物を取り出して、色々説明をした。
鋳造で一列ずつ作って木の枠なんかに入れて、列を稼げば作れるだろうとの事。でも、中途半端な技術で作られた精錬の金属を使うと、すぐ折れてしまいそうだと……ある程度技術のある工房でないと難しいだろうだってさ。
工程などを考えるとそこそこの金額になるのだが、衛生面や健康面に直結してくることなので支援金を出す事にした。
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