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第1113話 不思議繊維
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冒険者ギルドに着いた俺は、繊維素材の多くでるダンジョンの情報を集めた。
自分のダンジョンなのにと思うだろうが、正直な所作っただけでどんな魔物がいるかまでは分かるのだが、どんなドロップ品があるかまでは分からないのだ。
「どうも! ちょっと調べに来たんだけど、今の時間って忙しかったりする?」
「えっと……この時間は冒険者の方々も少ないので、忙しくはないのですが」
何やら変な目で見られている気がするけど、何なんだ? 冒険者の対応は忙しくないけど、事務作業が多いから邪魔するな? みたいな感じか?
「あ~すみません。手が空いてないのでしたら、また来ます」
ホッとした様子を見せた受付嬢を見て、失敗したなぁ、と思いながら冒険者ギルドを後にする。
冒険者ギルドの中からバタバタと走る音が聞こえ、何か緊急の事件でもあったのかと思い、邪魔にならないように道の端によって様子を見ていた。
あ~あの人見覚えがある職員だな。結構上の人だったはずなのに、あの人が走ってまでしなきゃいけない仕事って何だろうな?
何か探してるのかな? 人探し? まさか俺じゃないよな? 今日ここに来たのはたまたまだしな。
ん~、素材を探しに来たのに困ったな。
今日も護衛で俺の近くをトコトコと小さい姿で歩いているダマの前に座り込み、
「どうしよっか?」
と言いながら、顔をわしゃわしゃしたり背中を撫でたりしてみる。
『気分晴らしに屋台で、買い食いをしてみてはどうですかにゃ?』
少し考えて、それもありかなと思い、ダマを左腕で抱え込むように抱っこをして、屋台エリアへ向かった。
「ダマは何が食いたい?」
ダマは小さいサイズだとあまり食べないでも平気なのだが、食べても問題はないのでダマが食べたい物を、いくつか分けてもらおうと考えたのだ。
『甘い物がいい、最近出来たと噂のクレープとかはどうですかにゃ?』
「いいね! どんなトッピングがあるか楽しみだ」
人に聞きながらクレープ屋さんを探し出しメニュー表を見る。
ゴーストタウンでは文字が読めない人もいるので、メニュー表は絵が基本だ。肉串とかなら話は別だが、いろんな種類がある物は、特にこのメニュー表が大事になってくる。
俺はその中で、ベリー系を混ぜた生クリームのクレープが気になった。ダマはオーソドックスなチョコバナナを希望したので2つを注文する。
ゴーストタウンは、バザールが中心となっている酪農が盛んなので、最近はこういった嗜好品も多くなってきている。
それもこれも、ゴーストタウン自体が景気がいいので買う人間も多いのだ。
市場に供給する分はしっかりと計算されており、気持ち少ない程度の流通である。
いくら生産が過剰と言っても、ここは飽食の国ではないのだ。廃棄される食材は基本的に最低限に調整されている。
それだと余ってしまう分が必ずデルが、穀物などはダンジョンの機能で、腐敗防止をしている部屋で保存して小出しにしたり、本当の余剰分は外に売り出している。
他の物で言うと、肉なんかは魔物の肉もあるので、酪農で育てている肉は多くの場合加工品になっている。ここはディストピアとは違う点だ。
後、乳に関しては余剰分はすべてチーズに加工されるらしい。最近は生クリームの需要も高くなり、チーズの生産量が落ちてるとか。
そんなこんなで、贅沢品が増えてきているゴーストタウンである。
「おぉ、シルキーのには遠く及ばないけど、クリームを甘くしてベリー系の酸っぱさを引き立たせてるな。てっきり、ベリー系も甘くしてるのかと思ったよ」
そんな事を言ってると、膝の上に乗せてチョコバナナのクレープを食べさせていたダマが、クルリとこっちを向いた。
『それも食べたいにゃ』
そう言って胸のあたりに肉球を当ててきた。俺は3口程食べて満足したので、残りはダマにあげた。
小柄な従魔が可愛いのか、クレープを食べている姿を見て、黄色い声をあげている娘達がいるな。
ダマが食べ終わるのを待っていたら、聞き覚えのある走っている足音が聞こえた。
「やっと見つけました!!」
冒険者ギルドから走って出てきた見覚えのある職員が、俺のことをみていた。
どうやら、俺が探している相手だったらしい。
ダマが食べ終わったのを確認して、移動を開始した。
何で慌てて探しにでたのか気になったので聞いてみた。
どうやら、受付嬢は冒険者がよくナンパをしてくるので、それの類かと思い警戒してあんな顔をしていたらしい。
で俺が帰ろうとした後ろ姿を見て、目の前の職員の人が似てるなと思って受付嬢に話を聞いたところ、俺だと言うことが分かったから、慌てて探しに出てきたらしい。
何で俺だと分かったのかと言えば、ダマの存在だろう。大体近くにいて特徴的な従魔はこいつ以外いないからな……言葉で説明しようとすると俺ってあまり特徴がない?
若干へこんでいると、冒険者ギルドに着いた。
別室に誘導されると、そこには俺の対応をしてくれた受付嬢が、土下座をして待っていたのだ。
引くくらいに謝られたので、別に気にしていないことを伝えて、それ以上謝られると困るから帰ると言ったらやっと立ってくれた。
気を取り直して、素材の確認を始める。
「水をよく吸収する素材ですか」
オレを探しに来てくれた職員が悩んでいると、
「あの……以前に水をよく吸収するからタオルにしてみた、あの繊維はどうですか?」
「あぁ、あまりにも吸収し過ぎて、しぼりにくいあの繊維ですか? それなら、シュウ様の希望には一応あってますね」
吸収するけどしぼりにくいってどういう事だ? 疑問に思っていたら、
「水をとにかく吸収するのですが、普通のタオルのようにしぼっても水が出ないんですよ。理由は分かりませんが、どこかに吊しておくと半日くらいでキレイに乾くんです」
よく分からない繊維ですよね。と言っていた。確かによく分からんな。
とりあえず、使ってみたいと分からないから、抱えている在庫を買い取ることにした。
繊維としてはかなり頑丈で腐りにくいので、ロープに使われたり、水路の隙間埋めに使われたりしているらしい。
だから、予想より在庫があったので半分程の購入をした。
色々試作してから、ケモミミのに妻たちに試してもらうか。
自分のダンジョンなのにと思うだろうが、正直な所作っただけでどんな魔物がいるかまでは分かるのだが、どんなドロップ品があるかまでは分からないのだ。
「どうも! ちょっと調べに来たんだけど、今の時間って忙しかったりする?」
「えっと……この時間は冒険者の方々も少ないので、忙しくはないのですが」
何やら変な目で見られている気がするけど、何なんだ? 冒険者の対応は忙しくないけど、事務作業が多いから邪魔するな? みたいな感じか?
「あ~すみません。手が空いてないのでしたら、また来ます」
ホッとした様子を見せた受付嬢を見て、失敗したなぁ、と思いながら冒険者ギルドを後にする。
冒険者ギルドの中からバタバタと走る音が聞こえ、何か緊急の事件でもあったのかと思い、邪魔にならないように道の端によって様子を見ていた。
あ~あの人見覚えがある職員だな。結構上の人だったはずなのに、あの人が走ってまでしなきゃいけない仕事って何だろうな?
何か探してるのかな? 人探し? まさか俺じゃないよな? 今日ここに来たのはたまたまだしな。
ん~、素材を探しに来たのに困ったな。
今日も護衛で俺の近くをトコトコと小さい姿で歩いているダマの前に座り込み、
「どうしよっか?」
と言いながら、顔をわしゃわしゃしたり背中を撫でたりしてみる。
『気分晴らしに屋台で、買い食いをしてみてはどうですかにゃ?』
少し考えて、それもありかなと思い、ダマを左腕で抱え込むように抱っこをして、屋台エリアへ向かった。
「ダマは何が食いたい?」
ダマは小さいサイズだとあまり食べないでも平気なのだが、食べても問題はないのでダマが食べたい物を、いくつか分けてもらおうと考えたのだ。
『甘い物がいい、最近出来たと噂のクレープとかはどうですかにゃ?』
「いいね! どんなトッピングがあるか楽しみだ」
人に聞きながらクレープ屋さんを探し出しメニュー表を見る。
ゴーストタウンでは文字が読めない人もいるので、メニュー表は絵が基本だ。肉串とかなら話は別だが、いろんな種類がある物は、特にこのメニュー表が大事になってくる。
俺はその中で、ベリー系を混ぜた生クリームのクレープが気になった。ダマはオーソドックスなチョコバナナを希望したので2つを注文する。
ゴーストタウンは、バザールが中心となっている酪農が盛んなので、最近はこういった嗜好品も多くなってきている。
それもこれも、ゴーストタウン自体が景気がいいので買う人間も多いのだ。
市場に供給する分はしっかりと計算されており、気持ち少ない程度の流通である。
いくら生産が過剰と言っても、ここは飽食の国ではないのだ。廃棄される食材は基本的に最低限に調整されている。
それだと余ってしまう分が必ずデルが、穀物などはダンジョンの機能で、腐敗防止をしている部屋で保存して小出しにしたり、本当の余剰分は外に売り出している。
他の物で言うと、肉なんかは魔物の肉もあるので、酪農で育てている肉は多くの場合加工品になっている。ここはディストピアとは違う点だ。
後、乳に関しては余剰分はすべてチーズに加工されるらしい。最近は生クリームの需要も高くなり、チーズの生産量が落ちてるとか。
そんなこんなで、贅沢品が増えてきているゴーストタウンである。
「おぉ、シルキーのには遠く及ばないけど、クリームを甘くしてベリー系の酸っぱさを引き立たせてるな。てっきり、ベリー系も甘くしてるのかと思ったよ」
そんな事を言ってると、膝の上に乗せてチョコバナナのクレープを食べさせていたダマが、クルリとこっちを向いた。
『それも食べたいにゃ』
そう言って胸のあたりに肉球を当ててきた。俺は3口程食べて満足したので、残りはダマにあげた。
小柄な従魔が可愛いのか、クレープを食べている姿を見て、黄色い声をあげている娘達がいるな。
ダマが食べ終わるのを待っていたら、聞き覚えのある走っている足音が聞こえた。
「やっと見つけました!!」
冒険者ギルドから走って出てきた見覚えのある職員が、俺のことをみていた。
どうやら、俺が探している相手だったらしい。
ダマが食べ終わったのを確認して、移動を開始した。
何で慌てて探しにでたのか気になったので聞いてみた。
どうやら、受付嬢は冒険者がよくナンパをしてくるので、それの類かと思い警戒してあんな顔をしていたらしい。
で俺が帰ろうとした後ろ姿を見て、目の前の職員の人が似てるなと思って受付嬢に話を聞いたところ、俺だと言うことが分かったから、慌てて探しに出てきたらしい。
何で俺だと分かったのかと言えば、ダマの存在だろう。大体近くにいて特徴的な従魔はこいつ以外いないからな……言葉で説明しようとすると俺ってあまり特徴がない?
若干へこんでいると、冒険者ギルドに着いた。
別室に誘導されると、そこには俺の対応をしてくれた受付嬢が、土下座をして待っていたのだ。
引くくらいに謝られたので、別に気にしていないことを伝えて、それ以上謝られると困るから帰ると言ったらやっと立ってくれた。
気を取り直して、素材の確認を始める。
「水をよく吸収する素材ですか」
オレを探しに来てくれた職員が悩んでいると、
「あの……以前に水をよく吸収するからタオルにしてみた、あの繊維はどうですか?」
「あぁ、あまりにも吸収し過ぎて、しぼりにくいあの繊維ですか? それなら、シュウ様の希望には一応あってますね」
吸収するけどしぼりにくいってどういう事だ? 疑問に思っていたら、
「水をとにかく吸収するのですが、普通のタオルのようにしぼっても水が出ないんですよ。理由は分かりませんが、どこかに吊しておくと半日くらいでキレイに乾くんです」
よく分からない繊維ですよね。と言っていた。確かによく分からんな。
とりあえず、使ってみたいと分からないから、抱えている在庫を買い取ることにした。
繊維としてはかなり頑丈で腐りにくいので、ロープに使われたり、水路の隙間埋めに使われたりしているらしい。
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