ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1157話 オーバータイム

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 プチ冒険も終わり、夜は冒険完遂パーティーを行い、大きなクエストを成功させたような冒険者みたいに騒ぎ倒した。ブラウニーに怒られるまで、という限定的なモノだけどね!

「3週間、短かったようで早かったな……」

 俺がそう言うと、年少組の皆が白けた目でこっちをみる。その中で口を開いたのは、

「短いも早いも同じ意味なのではないですか?」

 ソフィーだった。

「ソフィーちゃん! それは突っ込んだらダメな奴だよ!」

 そう言ったのは、エレノアだ。とどめに

「2人の掛け合いも想定の内だと思う。ご主人様の顔……」

 イリアだ。とどめはとどめでも俺のではなく、突っ込んだ2人対してのとどめだった。俺のボケに突っ込んでしまった哀れな2人を見て、俺は笑ってしまっていたのだろう。

「「あーっ!!!」」

 からかわれていた事に気付き、俺の事をポカポカと叩いてくる。でもね、結構本気で叩いてくるからかなり痛いんだよね。そろそろ止まってくれないかな。

 痛みに耐えながら苦笑していたら、イリアとネルが俺の事を救出してくれた。さりげなく、俺の事ディスるのやめてくれ。ちょっとした茶目っ気じゃないか。

 しょうがないここは……

「からかってごめんってば。そのお詫びに、お昼になったらとっておきのジュースを出してあげるからさ。でも、デザートに近いから最後に出すよ。あんまり食べ過ぎないようにね」

 そう言うとソフィーとエレノアは、ぱぁっと花が咲いたように笑顔になっていた。残りの年少組が、2人ばっかりズルい! と騒ぎ出したので、2人に許可を取って食後に一緒にという事になった。

 俺は準備のためにブラウニーに小声で指示を出しておく。あの飲み物というかデザートは、見た目は綺麗だからな。下手をしなくてもそこら辺のカクテルよりも色が濃いんだよな。

 みんなで談話をしていると、港がすぐそこまで来ていた。ん? 船が動いて俺たちが近付いているんだから、来たっていうのはおかしいか? どうでもいいな。

 ノリのいい湖エリアで働いているおばちゃんたちは、俺たちの帰還に笑顔で手を振ってくれている。妻たちも娘たちも迎えに来てくれていた。驚いた事に、バザールと綾乃までここに来ていたのだ。

 年少組は、プチ冒険で手に入れた、白い真珠と黒い真珠を掲げて桟橋に降り立つ。おばちゃんたちは何か分かっていないが、キレイだと年少組の子をほめていた。

 すべてわかっているぞ! と言わんばかりの顔をした綾乃にはちょっとイラッとしたが、バザールが素直に見つけてくれた事に賞賛を贈っていたので、プラマイゼロという事にしておこう。

 迎えに来てくれた中で一番はしゃいでいたのは、3人の娘たちだろう。分かっているぞ! 俺が帰ってきて嬉しいんだな!

 年少組の後ろを抜け娘たちの所へかけより、抱っこしようとすると……押しのけられた!

 えっ!?

 娘たちの目は、年少組の掲げている真珠に釘付けだったのだ。押しのけられた……俺は邪魔だったのか、ガクリ。

 両手両膝をついた状態になり、悲しみに暮れていると、ニコが背中に乗って来た。何かの遊びだと思ったのか、他のスライムまで集まってきて、すぐにスライムまみれになった。こんなに集まってくっついたらキングになっちまうぞ!

 そんな俺の心の叫びは届かずしばらく……スライムが気が済むまで、スライムまみれの状態が続いた。

 解放されたのは、シルキーが食事の準備が終わったので、昼食にすると声がかかったからだ。スライムは一目散に列を作り食事の配給を待ちに集まった。

 最近俺の扱いがドンドンひどくなっている気がする。あれか? 飼い犬が一家の大黒柱のお父さんを、お世話してくれないから、自分より下に見る感じのあれなのか?

 気を落としていても始まらないので、シルキーの作ってくれた食事で気を取り直そう!

 そして、食事は相変わらず美味かった。俺は船上で、バーベキューとかピザとか、脂っこかったり味が濃いものが多かったためか、今回はシンプルに素材の味を楽しむような物が多く用意されていた。

 食事も終わり、娘たちもまだ元気なので少し遊ぶかな?

「あれ? 3人共なんかいつもと違うな。髪の毛も少し整えられてるし、何かいつもと違う洋服着てるな」

 3人の娘たちが、いつもよりオシャレをしていたのだ。まぁオシャレをさせたのは母親たちだろうけど、オシャレをした娘たちも可愛いな! そう思った瞬間にカメラを取り出して、シャッターをきっていた。

 5分程撮り続けて満足した所で聞いてみたが、特に何もないと返事が帰って来た。まぁ可愛いから何でもありだな。

 俺のテンションが落ち着いたと分かると、3人の娘たちが俺の所に寄ってきて、抱っこしてほしいとお願いしてくるので、3人をまとめて抱きかかえ上げると、3人共嬉しそうに笑ってくれた。

 大きくなってきたから、3人を足の上に乗せるのが難しくなってきたな。いつもなら、胡坐の中と両膝に簡単に収まったのに、今はバランスがとり辛くなっている。

 成長を感じる瞬間だな。

 そんな時間も長くは続かなかった。年少組の食事が終わり例の物を出して! と騒ぎ出したので、ブラウニーに準備をさせていた物を取り出す。

 みんなは取り出された容器の中に入っている液体の色を見て、目を輝かせていた。

 ここは喫茶店風に、製氷機で作る3センチメートル四方の氷を、ガラスのコップに入れて、液体を流し込む。シュワシュワと泡を立てて溢れそうになるが、こぼすほどではない!

 その上にアイスを乗せ、チェリーを添えて完成。

「これが例の物、クリームメロンソーダだ!」

 年少組は、何故か拍手をしていた。8個用意してみんなに配っていく。スプーンとスロトーも全員に配り終えると、ワイワイ言いながら食べ始めた。

 年中組も飲みたそうにしていたので、こっちにはコーラフロートを。

 年長組には、パフェを準備してあげた。

 そうすると、みんなで交換しながら味を楽しみ始めた。

 母親組は、シンプルにバニラアイスを出している。

 ここのおばちゃんたちは、洋菓子より和菓子系の方が好みだと把握しているので、水ようかんを提供している。これに関しては、手作りではなく召喚した物を提供している。理由は単純でブラウニーが完成品を持っていなかったからだ。

 デザートも食べゆっくりしていると、シルキーたちが何か準備を始めたので様子を見ていると、船に乗り込んでいった。なんで? 掃除でもしてるのかな?

 しばらくして戻って来たのは、ミドリだった。何故に1人だけなのだろうか? 俺の前に来て、手を差し出したので手を取ると、船へと誘導された。どういうこと?

 しばらく船の中で待っていてほしいと言われたので、ブッ君で小説を読みながらのんびりと過ごしていた。

 そうすると足音が聞こえてきた。

「シュウ君お待たせ!」

 少し弾んだ声で、ミリーを先頭にカエデとリンドも部屋に入って来た。俺の愛娘たちも一緒だ。

「どういう事?」

「これから1週間私たちとゆっくりしよ!」

 こうして新しく航海が始まった。
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