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第1175話 のんびりした日
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サクッと鳥型人造ゴーレムを作ってしまった次の日、する事は無いとはいえゴーストタウンの工房に顔を出しに行こうと着替えていると、扉をノックする音が聞こえた。ん? 食事も食べ終わったこの時間に部屋をノックする用事?
何か急ぎかな? 慌てて服を着てから、扉を開けても問題ない事を伝える。
「失礼します。ご主人様……何故着替えているのですか?」
そう言って入ってきたのは、スカーレットだった。てっきり嫁の誰かが伝言に来たかと思っていたのだが、俺の予想は大外れだった。
着替えた理由を聞かれたので、ゴーストタウンの工房に行く事を伝えると、
「ご主人様、今日と明日は休日ですよ? カレンダーをしっかり見てますか?」
正直カレンダーがあっても、デジタル時計みたいに日付を知る方法が少ないので、良く忘れてしまうのは、しょうがないと思うんだ! あっ、すいません。スカーレットさんそんなに怖い目でこっちを見ないでください。
「本当にご主人様は……まぁいいです。その格好は微妙ですので、動きやすくてちょっとオシャレな服に着替え直してください」
動きやすいは良いんだけど、オシャレだと……俺にそんなセンス無いのにどうすればいいんだ!
「はぁ、どんな服を着ていいか分からない感じですね。私が出しておきますので、それに着替えてください。何をするんですか? みたいな顔をしないでください。ミリーさんたちが散歩に行くから、ご主人様を呼んできてほしいと言われたのです」
散歩? 散歩だけで俺を呼ぶのか? と首をひねっていたら「娘さんと一緒にですよ」とスカーレットが……ぬ! それはいかねばならん! 早く服を準備してくれ!
スカーレットを急かして服を着替えて娘たちの下へ!
「あ、シュウ。やっときたね。ブルムたちも早く散歩に行きたいって、はしゃいでいるわよ」
そこには、おめかしをしたスミレ・ミーシャ・ブルムがベビーカーに乗っていた。そういえば最近、ディストピアではベビーカーが流行している……ん? 流行と言っていいのかな?
抱っこやおんぶをして移動すると親の負担が大きいので、赤ちゃんが増え始めた時期からベビーカーを売りに出していたのだが、領主の赤ちゃんが使っているという事が知られてから、便利な物なのだと理解され使う人が増えてきている。
ディストピアとゴーストタウン以外では使える物ではないが、しっかりと道が整備されているこの街では、赤ちゃんにはベビーカーがスタンダードになってきている。
特にディストピアでは、赤ちゃんを連れて職場へ行き面倒を見ながら仕事をしても問題ないので、様子を見やすく赤ちゃんに負担の少ないベビーカーは、かなり重宝されている。
あっ、本当は賃金の補償をするので育休をとってもらいたかったのだが、どうしても赤ちゃんの面倒を見ながらでも仕事をしたい! という訴えが多かったため、こういうシステムが導入されている。
ただ、職場環境によっては、母親と一緒にいると赤ちゃんに悪影響のある職場もあるので、そういった職場には託児所とは違うが、赤ちゃんを集められる部屋を作り、最低でも1人は待機する形をとって何とかしている。
どこの職場も協力的なので、今の所特に大きなトラブルは無い。むしろ、休憩中に面倒を見てくれる同僚が大半なので、安心して育児ができる環境が喜ばれている。
場所が変われば人の考えも違うよね。日本なんか託児所に子供を預けられなくて困っているとか、お金が……とかよく聞いてたけど、赤ちゃんが原因でって事では無い事が多かった気がする。
そういう事を言う人って、多くの場合は計画が無かったり、することをして結果できちゃった感じの人な気がするんだよね。
確かに計画的に、望んで出来た子どもの場合は、託児所に預けられなくて困っている事もあるだろうけど、子どものため! みたいな感じで、その努力も子育ての大変さとして受け止めている印象が強い。
偏見はあるけど、きちんと親になる覚悟があるか、親になった後に間違った選択をしないかが、育児には重要になるのだと思う。
その点、俺は何の覚悟も無い状態で娘たちが出来てしまったけど、周りの協力もあり今の所問題なく父親をできているとは思う。
少なくとも、生活環境面と金銭面については、特に問題はないはずだ。
俺は父親として大丈夫なのだろうか?
っと話がそれたな。
そういえば、娘たちはベビーカーに乗っているが、母親や俺に抱っこを求めてくるんだよね。やっぱり、スキンシップをしたくなる事もあるのかな? ただ、俺に誰かが抱っこされていると、他の2人も抱っこしてもらいたがるのは勘弁してくれ。
片腕に1人ずつなら問題ないけど、3人目は、上手く抱っこができないからな……そうなったら、近くのベンチに座って両腕と膝の上に乗せて、満足するまでかまってからまた移動となった。
俺たち4人は、特にディストピアでは有名なので、いろんな人に声を掛けられる。娘たちはぐずる事も無く愛想よく、みんなに笑顔を見せてくれるので、人気者である。
これは親バカな発言だが、赤ちゃんは何処に行っても可愛いと、ちやほやされるのは当たり前なので、人気者というのは間違いないと思う。
赤ちゃんができても働いている人がほとんどだが、休日を返上してまで働く事は認めていないので、散歩している親子は結構いる。なので、散歩の途中に挨拶するような感じで近付けると、手を叩き合ったりする可愛い姿が見られた。
他の赤ちゃんも可愛いけど、やっぱりうちの娘たちは次元が違うよな!
そういえば、ディストピアの農家も基本的に週休二日である。システム的には、普通の企業と同じである。俺が……この場合は、ディストピアの政府というべきかな? 農家を雇って、固定給+出来高払いという形で契約しているので、週休二日のシステムでも何とかなっている。
一番大きいのは、ドリアードたち精霊の存在だろうな。甘酒とミード狂いになっているけど、植物関係は誰よりも判断が適格という事もあるが、情報共有もしっかりしており、みんなの畑だという意識が強いため、成り立っているのがディストピアである。
そういえば、ペットを飼うようになった人たちがちらほらいるんだよね。
犬や猫なのだが、街の環境維持のために、犬の場合は散歩中の糞は家に持って帰って自分の家のトイレへ、おしっこの場合は水筒を持って行き、した所に水を流すように指導している。
猫に関しては、自分の家の敷地の外に出さないように指導している。出す際は必ず犬のようにリードをするようにしている。猫には自由に生活してもらいたいと思うが、ペット問題は根が深くなるのでトラブルになる部分は、出来る限り排除している。
今日は平和だな。
何か急ぎかな? 慌てて服を着てから、扉を開けても問題ない事を伝える。
「失礼します。ご主人様……何故着替えているのですか?」
そう言って入ってきたのは、スカーレットだった。てっきり嫁の誰かが伝言に来たかと思っていたのだが、俺の予想は大外れだった。
着替えた理由を聞かれたので、ゴーストタウンの工房に行く事を伝えると、
「ご主人様、今日と明日は休日ですよ? カレンダーをしっかり見てますか?」
正直カレンダーがあっても、デジタル時計みたいに日付を知る方法が少ないので、良く忘れてしまうのは、しょうがないと思うんだ! あっ、すいません。スカーレットさんそんなに怖い目でこっちを見ないでください。
「本当にご主人様は……まぁいいです。その格好は微妙ですので、動きやすくてちょっとオシャレな服に着替え直してください」
動きやすいは良いんだけど、オシャレだと……俺にそんなセンス無いのにどうすればいいんだ!
「はぁ、どんな服を着ていいか分からない感じですね。私が出しておきますので、それに着替えてください。何をするんですか? みたいな顔をしないでください。ミリーさんたちが散歩に行くから、ご主人様を呼んできてほしいと言われたのです」
散歩? 散歩だけで俺を呼ぶのか? と首をひねっていたら「娘さんと一緒にですよ」とスカーレットが……ぬ! それはいかねばならん! 早く服を準備してくれ!
スカーレットを急かして服を着替えて娘たちの下へ!
「あ、シュウ。やっときたね。ブルムたちも早く散歩に行きたいって、はしゃいでいるわよ」
そこには、おめかしをしたスミレ・ミーシャ・ブルムがベビーカーに乗っていた。そういえば最近、ディストピアではベビーカーが流行している……ん? 流行と言っていいのかな?
抱っこやおんぶをして移動すると親の負担が大きいので、赤ちゃんが増え始めた時期からベビーカーを売りに出していたのだが、領主の赤ちゃんが使っているという事が知られてから、便利な物なのだと理解され使う人が増えてきている。
ディストピアとゴーストタウン以外では使える物ではないが、しっかりと道が整備されているこの街では、赤ちゃんにはベビーカーがスタンダードになってきている。
特にディストピアでは、赤ちゃんを連れて職場へ行き面倒を見ながら仕事をしても問題ないので、様子を見やすく赤ちゃんに負担の少ないベビーカーは、かなり重宝されている。
あっ、本当は賃金の補償をするので育休をとってもらいたかったのだが、どうしても赤ちゃんの面倒を見ながらでも仕事をしたい! という訴えが多かったため、こういうシステムが導入されている。
ただ、職場環境によっては、母親と一緒にいると赤ちゃんに悪影響のある職場もあるので、そういった職場には託児所とは違うが、赤ちゃんを集められる部屋を作り、最低でも1人は待機する形をとって何とかしている。
どこの職場も協力的なので、今の所特に大きなトラブルは無い。むしろ、休憩中に面倒を見てくれる同僚が大半なので、安心して育児ができる環境が喜ばれている。
場所が変われば人の考えも違うよね。日本なんか託児所に子供を預けられなくて困っているとか、お金が……とかよく聞いてたけど、赤ちゃんが原因でって事では無い事が多かった気がする。
そういう事を言う人って、多くの場合は計画が無かったり、することをして結果できちゃった感じの人な気がするんだよね。
確かに計画的に、望んで出来た子どもの場合は、託児所に預けられなくて困っている事もあるだろうけど、子どものため! みたいな感じで、その努力も子育ての大変さとして受け止めている印象が強い。
偏見はあるけど、きちんと親になる覚悟があるか、親になった後に間違った選択をしないかが、育児には重要になるのだと思う。
その点、俺は何の覚悟も無い状態で娘たちが出来てしまったけど、周りの協力もあり今の所問題なく父親をできているとは思う。
少なくとも、生活環境面と金銭面については、特に問題はないはずだ。
俺は父親として大丈夫なのだろうか?
っと話がそれたな。
そういえば、娘たちはベビーカーに乗っているが、母親や俺に抱っこを求めてくるんだよね。やっぱり、スキンシップをしたくなる事もあるのかな? ただ、俺に誰かが抱っこされていると、他の2人も抱っこしてもらいたがるのは勘弁してくれ。
片腕に1人ずつなら問題ないけど、3人目は、上手く抱っこができないからな……そうなったら、近くのベンチに座って両腕と膝の上に乗せて、満足するまでかまってからまた移動となった。
俺たち4人は、特にディストピアでは有名なので、いろんな人に声を掛けられる。娘たちはぐずる事も無く愛想よく、みんなに笑顔を見せてくれるので、人気者である。
これは親バカな発言だが、赤ちゃんは何処に行っても可愛いと、ちやほやされるのは当たり前なので、人気者というのは間違いないと思う。
赤ちゃんができても働いている人がほとんどだが、休日を返上してまで働く事は認めていないので、散歩している親子は結構いる。なので、散歩の途中に挨拶するような感じで近付けると、手を叩き合ったりする可愛い姿が見られた。
他の赤ちゃんも可愛いけど、やっぱりうちの娘たちは次元が違うよな!
そういえば、ディストピアの農家も基本的に週休二日である。システム的には、普通の企業と同じである。俺が……この場合は、ディストピアの政府というべきかな? 農家を雇って、固定給+出来高払いという形で契約しているので、週休二日のシステムでも何とかなっている。
一番大きいのは、ドリアードたち精霊の存在だろうな。甘酒とミード狂いになっているけど、植物関係は誰よりも判断が適格という事もあるが、情報共有もしっかりしており、みんなの畑だという意識が強いため、成り立っているのがディストピアである。
そういえば、ペットを飼うようになった人たちがちらほらいるんだよね。
犬や猫なのだが、街の環境維持のために、犬の場合は散歩中の糞は家に持って帰って自分の家のトイレへ、おしっこの場合は水筒を持って行き、した所に水を流すように指導している。
猫に関しては、自分の家の敷地の外に出さないように指導している。出す際は必ず犬のようにリードをするようにしている。猫には自由に生活してもらいたいと思うが、ペット問題は根が深くなるのでトラブルになる部分は、出来る限り排除している。
今日は平和だな。
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