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第1241話 怖れていた事が……
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魔法使いとの模擬戦はちょっと不完全燃焼だったけど、思ったより得るものがあったので何となく満足している自分がいる。
特に大きなダメージも無く(シュウの主観では、回復した傷はダメージ判定では無い)終わったので、歩きながらできるストレッチをしながら家に戻っている。
途中、ダマを発見した子どもたちが寄ってきてモフられていたが俺が奇怪な動きをしていたので、それに興味を持ったのか何をしているのか教えてくれ! とせがまれた。
慌てて子どもを回収しようとした親御さんたちをジェスチャーで止めて、何をしていたのか簡単に説明をしてあげると、今度は教えてほしい! と騒ぎ出したので、近くの公園に移動して歩きながらしていた方ではなく、止まって行うストレッチを子どもたちに教えてあげた。
また今度、時間がある時に教えてあげる事を約束して、今日は家に帰るように促す。もうしばらくすれば夕食の時間になるので、早めに帰るように伝える。遅くなると、俺が領主だと知っていても母親は怒ってくるからね。母は強し!
良い感じでストレッチができたのでちょうどよかったと思い帰路に着く。
家に到着すると、俺が出て行った時の様子とは違う落ち着いた感じで、庭に妻たちが集まっていた。娘たち3人も柔らかく作った芝生の上で体を動かしていた。
その中でミーシャが俺が帰って来た事に気付き、駆け出して寄って来た。
「とーたん、おかえり!」
と言って俺に両手を上げて抱っこを要求してきた。娘たちは俺の事を『とーたん』と呼んでいる。きっと『おとーさん』と呼んでくれているのだろう。ブルムとスミレはまだ単語でしか話せないが、ミーシャは少しだけ文章で話すようになっている。
ジャンプをして跳び付いてきたので抱きかかえてやる。
嬉しそうな顔をしていたのに、顔を摺り寄せようとすると両手で全力で止められた。その娘の行動に混乱していると、
「とーたん、くしゃい! おろちて!」
娘に臭いって言われた……しかも降ろしてくれだと……これ以上、娘に嫌われるわけにはいかないので言う通りに降ろしてあげる。
娘に言われたセリフに、この世界に来て一番ダメージを受けた。
反抗期の娘とかに、お父さんの洗濯物と一緒に洗わないでとか、近寄らないでと言われてショックを受ける父親の気持ちが分かってしまった。分かりたくないのに……
でもさすがに1歳になって間もない娘に言われるとは、さすがに早すぎないか?
両手両膝をついてガックリとしていると、ミーシャの動きにつられて寄ってきたブルムとスミレが視界に入る。嬉しそうな顔で寄って来た2人を抱きしめようとしたら、目の前でUターンして母親の元に戻ってしまった。
追撃をされた俺のライフはゼロになり崩れ落ちる。
その様子を見ていたシェリル・イリア・ネルが近寄ってきて、慰めてくれた。だけど、慰めてくれている途中に、
「ご主人様、汗臭いからミーシャちゃんたちに逃げられたと思います」
と言われた。自分で嗅いでみてもよく分からないが、3人が揃って同じ事を言ってくるので汗臭いのは間違いないようだ。
少し離れた所で、娘たちを抱いていた3人の母親が、
「さすがに1歳になったばかりの娘たちが反抗期でシュウ君の事を嫌うなんてないわよ。DPで召喚した漫画のような展開なんてないわよ。それに臭いって言われる前までは、喜んで近付いてきたでしょ? この娘たちはみんなシュウ君の事が好きなのよ」
打ちひしがれていた俺にミリーがそう教えてくれた。ミーシャを抱きかかえて何やらお話をしていたようだ。その中で近付きたくない理由を教えてくれたようだ。
俺は体を洗いにシャワー室へ走る。手抜きをせずに全速力で体を洗う器用な事をしていた。
体を洗って服を着替えた俺は、恐る恐る娘たちのいる場所へ……ゆっくりと近付いてきたミーシャが、大丈夫だと判断したのかしゃがんでいた俺に抱き着いて来てくれた。それを見たブルムとスミレも近付いてきて抱き着いて来てくれた。
本当に良かった! 嫌われなくてよかった……そう思い涙を流していた。
「とーたん、どっかいたいの?」
ミーシャに心配されてしまった。さすがにこの事を言うわけにはいかないので、ごまかしてミーシャに話をする。
そんな様子を見ていた母親3人は、ケラケラと笑っていた。ちくしょう、娘に面と向かって、臭いって言われたんだぞ! 誰だってショックを受けるに決まってるだろ!
娘ができる前から、娘に嫌われたら死ぬ自信がある! と言っていたので、その事を思い出して笑っているのだろう。話した時だって、みんな笑ってたしな。
でも今回、本当に臭くて嫌と言われていたと分かったって、言われた時のショックは消えないからな! 簡単に死ねる体じゃないのに、死ぬかと思ったわ!
「もぅ、そんな事で泣かないでよ。この娘たちがシュウの事嫌うわけないじゃない。いない時だって、とーたんは? って聞いてくるくらい会いたがっているのよ。だから自信を持ってよ。それに、シェリルたちに聞いたけど、かなり汗臭かったみたいよ」
「そんなに臭かったのか?」
そう言ってシェリルたちの方を見てみると、苦笑をした3人が視線を逸らすくらいには臭かったようだ。
「そう言う事よ。本当に臭ければ、この娘たちだって臭いって言うわよ。だからそのくらいで泣かないの。私たちも模擬戦をしてスッキリしたから、明日は久しぶりに娘たちと一緒に何かしましょ。聖国との戦争で忙しくてこの娘たちと遊べてないでしょ? この娘たちも遊びたがってるからね」
「あっ! それなら、畑エリアや家畜エリアに行こうよ! ミーシャちゃんたちにも、普段食べている物がどうやってできているか見せてあげたい! 理解はできないだろうけど、楽しんでもらえると思うの」
そう言ったのはメルフィだ。年少組は、土木組や孤児院の子と畑エリアに自分たちの畑を作っている。土づくり等は、ワームやドリアードに手伝ってもらっているが、他の部分は共同管理だがみんなで作っているようだ。
そこに案内したいのだろう。他にも理由はあるだろうけど、畑エリアも家畜エリアもノーマンとアクアが管理してるから、俺の知らないものが増えてたりするんだよな。たまには見に行かないとな。
娘たちに聞いてみると、いきたい! と騒ぎ出したので、明日の予定は決まった。みんなで畑エリアと家畜エリアに行こう!
特に大きなダメージも無く(シュウの主観では、回復した傷はダメージ判定では無い)終わったので、歩きながらできるストレッチをしながら家に戻っている。
途中、ダマを発見した子どもたちが寄ってきてモフられていたが俺が奇怪な動きをしていたので、それに興味を持ったのか何をしているのか教えてくれ! とせがまれた。
慌てて子どもを回収しようとした親御さんたちをジェスチャーで止めて、何をしていたのか簡単に説明をしてあげると、今度は教えてほしい! と騒ぎ出したので、近くの公園に移動して歩きながらしていた方ではなく、止まって行うストレッチを子どもたちに教えてあげた。
また今度、時間がある時に教えてあげる事を約束して、今日は家に帰るように促す。もうしばらくすれば夕食の時間になるので、早めに帰るように伝える。遅くなると、俺が領主だと知っていても母親は怒ってくるからね。母は強し!
良い感じでストレッチができたのでちょうどよかったと思い帰路に着く。
家に到着すると、俺が出て行った時の様子とは違う落ち着いた感じで、庭に妻たちが集まっていた。娘たち3人も柔らかく作った芝生の上で体を動かしていた。
その中でミーシャが俺が帰って来た事に気付き、駆け出して寄って来た。
「とーたん、おかえり!」
と言って俺に両手を上げて抱っこを要求してきた。娘たちは俺の事を『とーたん』と呼んでいる。きっと『おとーさん』と呼んでくれているのだろう。ブルムとスミレはまだ単語でしか話せないが、ミーシャは少しだけ文章で話すようになっている。
ジャンプをして跳び付いてきたので抱きかかえてやる。
嬉しそうな顔をしていたのに、顔を摺り寄せようとすると両手で全力で止められた。その娘の行動に混乱していると、
「とーたん、くしゃい! おろちて!」
娘に臭いって言われた……しかも降ろしてくれだと……これ以上、娘に嫌われるわけにはいかないので言う通りに降ろしてあげる。
娘に言われたセリフに、この世界に来て一番ダメージを受けた。
反抗期の娘とかに、お父さんの洗濯物と一緒に洗わないでとか、近寄らないでと言われてショックを受ける父親の気持ちが分かってしまった。分かりたくないのに……
でもさすがに1歳になって間もない娘に言われるとは、さすがに早すぎないか?
両手両膝をついてガックリとしていると、ミーシャの動きにつられて寄ってきたブルムとスミレが視界に入る。嬉しそうな顔で寄って来た2人を抱きしめようとしたら、目の前でUターンして母親の元に戻ってしまった。
追撃をされた俺のライフはゼロになり崩れ落ちる。
その様子を見ていたシェリル・イリア・ネルが近寄ってきて、慰めてくれた。だけど、慰めてくれている途中に、
「ご主人様、汗臭いからミーシャちゃんたちに逃げられたと思います」
と言われた。自分で嗅いでみてもよく分からないが、3人が揃って同じ事を言ってくるので汗臭いのは間違いないようだ。
少し離れた所で、娘たちを抱いていた3人の母親が、
「さすがに1歳になったばかりの娘たちが反抗期でシュウ君の事を嫌うなんてないわよ。DPで召喚した漫画のような展開なんてないわよ。それに臭いって言われる前までは、喜んで近付いてきたでしょ? この娘たちはみんなシュウ君の事が好きなのよ」
打ちひしがれていた俺にミリーがそう教えてくれた。ミーシャを抱きかかえて何やらお話をしていたようだ。その中で近付きたくない理由を教えてくれたようだ。
俺は体を洗いにシャワー室へ走る。手抜きをせずに全速力で体を洗う器用な事をしていた。
体を洗って服を着替えた俺は、恐る恐る娘たちのいる場所へ……ゆっくりと近付いてきたミーシャが、大丈夫だと判断したのかしゃがんでいた俺に抱き着いて来てくれた。それを見たブルムとスミレも近付いてきて抱き着いて来てくれた。
本当に良かった! 嫌われなくてよかった……そう思い涙を流していた。
「とーたん、どっかいたいの?」
ミーシャに心配されてしまった。さすがにこの事を言うわけにはいかないので、ごまかしてミーシャに話をする。
そんな様子を見ていた母親3人は、ケラケラと笑っていた。ちくしょう、娘に面と向かって、臭いって言われたんだぞ! 誰だってショックを受けるに決まってるだろ!
娘ができる前から、娘に嫌われたら死ぬ自信がある! と言っていたので、その事を思い出して笑っているのだろう。話した時だって、みんな笑ってたしな。
でも今回、本当に臭くて嫌と言われていたと分かったって、言われた時のショックは消えないからな! 簡単に死ねる体じゃないのに、死ぬかと思ったわ!
「もぅ、そんな事で泣かないでよ。この娘たちがシュウの事嫌うわけないじゃない。いない時だって、とーたんは? って聞いてくるくらい会いたがっているのよ。だから自信を持ってよ。それに、シェリルたちに聞いたけど、かなり汗臭かったみたいよ」
「そんなに臭かったのか?」
そう言ってシェリルたちの方を見てみると、苦笑をした3人が視線を逸らすくらいには臭かったようだ。
「そう言う事よ。本当に臭ければ、この娘たちだって臭いって言うわよ。だからそのくらいで泣かないの。私たちも模擬戦をしてスッキリしたから、明日は久しぶりに娘たちと一緒に何かしましょ。聖国との戦争で忙しくてこの娘たちと遊べてないでしょ? この娘たちも遊びたがってるからね」
「あっ! それなら、畑エリアや家畜エリアに行こうよ! ミーシャちゃんたちにも、普段食べている物がどうやってできているか見せてあげたい! 理解はできないだろうけど、楽しんでもらえると思うの」
そう言ったのはメルフィだ。年少組は、土木組や孤児院の子と畑エリアに自分たちの畑を作っている。土づくり等は、ワームやドリアードに手伝ってもらっているが、他の部分は共同管理だがみんなで作っているようだ。
そこに案内したいのだろう。他にも理由はあるだろうけど、畑エリアも家畜エリアもノーマンとアクアが管理してるから、俺の知らないものが増えてたりするんだよな。たまには見に行かないとな。
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