1,280 / 2,518
第1280話 ポツリ……
しおりを挟む
『ご主人様。この大陸にはミリーさんたちがいるとは思えないです。この大陸の平均レベルで呼び出されて既に3日が経っているのに、掌握できる範囲にいないというのは不自然です。掌握できない場所は、ダンジョンと召喚の間なんですよね? 早く次の大陸へ行きましょう』
キリエはそう判断したようだ。
俺たちも同じ判断なのだが、1つだけ気になる事がある。神が作ったとはいえ、大陸によってこんなに情勢が変わる物なのだろうか? それとも、この情勢の違いすら神の遊戯の一部でしかないのか?
「とりあえず、この大陸の監視は綾乃とスプリガンの皆に任せる。もし誰かの反応があったらすぐに戻ってこよう。そっちは出発の準備をしておいてくれ」
『監視の方は任せておいて、個別に街も掌握もしておくから任せなさい。それより、そろそろシュウは休んだ方がいいわよ。あまり寝てないんでしょ?』
休まずにいざって時に何も出来なかったらと考えると、休まないとと思うのだが、体が休息を取りたがらないんだよな。無駄にスペックが高いせいで、休まなくても行動できるだけに質が悪い。
『横になるだけでもいいから休みなさい。キリエちゃんたちもシュウが休めるように手伝ってあげて』
『もちろんです。既に出発できる準備は整っているので、後はご主人様が戻ってくるのを待つだけです。お風呂もベッドも準備してあるので、休む場所の問題はありません』
船に戻ったら、風呂入って横になるしかないか? 寝れるかな?
帰りのグレンは、到着と同時に動けなくなっても問題ないとの事で、本当に全力で飛んで帰った。どれくらいのスピードで移動していたか分からないが、魔法で俺たちの慣性まで制御していたはずなのに、俺たちの体にGがかなりかかる程のスピードだった。
到着し風呂へつかり、ベッドへと誘導された。
「ご主人様、暖かい飲み物でも飲んで落ち着いてください」
ベッドに横になる前に準備されたホットミルクを口にする。お風呂に入ったから、若干火照っているので冷たい飲み物の方が良かったんだけど……せっかく準備してくれたし、熱いのが分かっててこの部屋は結構涼しくしているみたいだから、暖かい物でも問題ないか。
ホットミルクを受け取り、まず牛乳のにおいを堪能した。
「あれ? 少しお酒の臭いがする?」
「はい、数滴程度ですが、ブランデーを入れてあります。ご主人様はお酒を飲まれないですが、少量の酒精は寝つきが良くなると聞いたので、数滴だけ入れてあります」
心配されているんだな、そりゃそうか。家族が連れ去られたとはいえ、目の前で俺が無茶してれば心配だってするよな。気持ちに感謝して、飲もう。
5分程かけて飲み干した。
「少しは落ち着かれましたか? ご主人様だけが頑張らなくても大丈夫です。ご主人様を支えるために私たちがいるんです。私たちは交代で休んでいるので、ご主人様はお休みください。何かあったら御呼びしますので」
そう言ってベッドルームからキリエが出て行った。
暗くなった部屋で天井を見て、ボーっとしていた。視界がフワフワしてきて、そのまま眠りについた。
『あ……まからもらっ……すりです……く効くみたいで……うやくお眠りに……した』
朦朧とした意識の中で、扉の外からそんな声が聞こえて来たが、意味を理解できるだけの思考力は残っていなかった。
寝すぎたという事も無く、すっきりとした気分で目が覚めた。時計を見ると、午前6時、5時間から6時間は寝れたのかな? みんなには感謝しないとな。
軽く体をほぐしてから、食堂へ足を運ぶ。みんなも来ているが、何人かいない妻もいるな。
「おはようございます、ご主人様。今姿の見えない、キリエ・リリー・ソフィー・レミーは、夜中の監視を担当していたので、今は休まれています。夜中にあった事は報告を受けていますので、食事を食べたら報告させていただきます」
そう言ってきたのは、チェルシーだ。普段は剣を2本持ち、最前線で相手の動きを阻害する物理デバッファーで、指揮をとる事は無いのだが、年中組を率いているリリーとキリエが2人共休んでいるみたいなので、対応に出てきたのかな?
俺が起こされなかったって事は、そこまで大した情報は無かったという事だろう。しっかりと食べる物は食べて、夜の話を聞く事にした。
簡単に言えば、バザールが新しい大陸に到着した。そこにはダンジョンも召喚の間も他の大陸同様に存在したが、召喚の間は使われている形跡がないとの事だ。
その証拠に、この大陸には勇者が全くいないのだ。それだけでは無く、この大陸の人口の99%以上が人間以外の種族が占めており、その中でも一番多いのが全体の半分ほどを占めている獣人だろう。
他にもドワーフやエルフ等の人口も俺達の大陸に比べるとはるかに多い。
この大陸では国同士の争いは、1000年以上も前の話らしい。獣人は元々温厚で、他種族との交流も問題ない。ドワーフやエルフも、欲深い人間がいつまでも年を取らない種族を羨み、殺したり奴隷にしたりしているだけだったとか。
余りにも自分勝手な人間を、その他の種族が結束し滅ぼしたのだとか。
実際に1000年以上も問題なくこの大陸は回っているのだ、細かい衝突はあったとしても、大きな戦争は人間を排除した事で起こらなくなった。全部人間が悪いじゃん。
それにしても、バザールは人間フォームにしかなれなかったはずなのに、どうやって情報を集めたのかと思ったが、魔力体なので、耳を生やす位などは簡単にできてしまうのだとか……バザールの獣人の姿、ないわ。
その情報を聞いて、この大陸にはいないと綾乃もバザールも判断して、俺が向かっているのとは別の大陸に向かっているようだ。
夜あった事は、そんな物らしい。
甲板に出て海でも眺めるか。
そこには、仲良く泳いでいるリバイアサンが2匹。どっちがどっちか分からん。ただ言えるのは、昨日は気付かなかったが、明らかに一方が一回り程大きく見える。
そして、昨日までの速度とは比にならない程の速度で移動しているのが分かる。2匹で協力しているためか、正直俺でもビビるくらいの速度が出ている。
音速でもかなり早く感じた。だけど、周りが変わり映えの無い大海原だったため気にならなかっただけで、もし地上であの速度だったら腰を抜かすかもしれないな。
リニア新幹線の試乗映像で窓の外を流れる景色を見た事はある。映像でも、正直ビビるくらい早かった。その速度の倍以上は出てたのに落ち着いていられた事の方が不思議かもしれんな。
だけど、今は変わり映えの無い大海原を移動しているのに、足がすくむくらいのスピードが出ているのが分かる。
リバイアサンが気付いたようで話しをしてくれたのだが、大きい方が元々のリバイアサンだったようだ。体のサイズに違いがあるのは、お互い同族を見たのが初めてなので理由は分からないが、元々のリバイアサンがメスで、新しい方はオスらしい。
ってか、お前らに性別があったんだな! しかもお前、メスだったのか?
そんな衝撃を受けていると、次の大陸が見えて来た。
そして、船が急に止まった……けど、リバイアサン2匹はそのまま泳いで行ってしまった。どうして置いてかれた?
キリエはそう判断したようだ。
俺たちも同じ判断なのだが、1つだけ気になる事がある。神が作ったとはいえ、大陸によってこんなに情勢が変わる物なのだろうか? それとも、この情勢の違いすら神の遊戯の一部でしかないのか?
「とりあえず、この大陸の監視は綾乃とスプリガンの皆に任せる。もし誰かの反応があったらすぐに戻ってこよう。そっちは出発の準備をしておいてくれ」
『監視の方は任せておいて、個別に街も掌握もしておくから任せなさい。それより、そろそろシュウは休んだ方がいいわよ。あまり寝てないんでしょ?』
休まずにいざって時に何も出来なかったらと考えると、休まないとと思うのだが、体が休息を取りたがらないんだよな。無駄にスペックが高いせいで、休まなくても行動できるだけに質が悪い。
『横になるだけでもいいから休みなさい。キリエちゃんたちもシュウが休めるように手伝ってあげて』
『もちろんです。既に出発できる準備は整っているので、後はご主人様が戻ってくるのを待つだけです。お風呂もベッドも準備してあるので、休む場所の問題はありません』
船に戻ったら、風呂入って横になるしかないか? 寝れるかな?
帰りのグレンは、到着と同時に動けなくなっても問題ないとの事で、本当に全力で飛んで帰った。どれくらいのスピードで移動していたか分からないが、魔法で俺たちの慣性まで制御していたはずなのに、俺たちの体にGがかなりかかる程のスピードだった。
到着し風呂へつかり、ベッドへと誘導された。
「ご主人様、暖かい飲み物でも飲んで落ち着いてください」
ベッドに横になる前に準備されたホットミルクを口にする。お風呂に入ったから、若干火照っているので冷たい飲み物の方が良かったんだけど……せっかく準備してくれたし、熱いのが分かっててこの部屋は結構涼しくしているみたいだから、暖かい物でも問題ないか。
ホットミルクを受け取り、まず牛乳のにおいを堪能した。
「あれ? 少しお酒の臭いがする?」
「はい、数滴程度ですが、ブランデーを入れてあります。ご主人様はお酒を飲まれないですが、少量の酒精は寝つきが良くなると聞いたので、数滴だけ入れてあります」
心配されているんだな、そりゃそうか。家族が連れ去られたとはいえ、目の前で俺が無茶してれば心配だってするよな。気持ちに感謝して、飲もう。
5分程かけて飲み干した。
「少しは落ち着かれましたか? ご主人様だけが頑張らなくても大丈夫です。ご主人様を支えるために私たちがいるんです。私たちは交代で休んでいるので、ご主人様はお休みください。何かあったら御呼びしますので」
そう言ってベッドルームからキリエが出て行った。
暗くなった部屋で天井を見て、ボーっとしていた。視界がフワフワしてきて、そのまま眠りについた。
『あ……まからもらっ……すりです……く効くみたいで……うやくお眠りに……した』
朦朧とした意識の中で、扉の外からそんな声が聞こえて来たが、意味を理解できるだけの思考力は残っていなかった。
寝すぎたという事も無く、すっきりとした気分で目が覚めた。時計を見ると、午前6時、5時間から6時間は寝れたのかな? みんなには感謝しないとな。
軽く体をほぐしてから、食堂へ足を運ぶ。みんなも来ているが、何人かいない妻もいるな。
「おはようございます、ご主人様。今姿の見えない、キリエ・リリー・ソフィー・レミーは、夜中の監視を担当していたので、今は休まれています。夜中にあった事は報告を受けていますので、食事を食べたら報告させていただきます」
そう言ってきたのは、チェルシーだ。普段は剣を2本持ち、最前線で相手の動きを阻害する物理デバッファーで、指揮をとる事は無いのだが、年中組を率いているリリーとキリエが2人共休んでいるみたいなので、対応に出てきたのかな?
俺が起こされなかったって事は、そこまで大した情報は無かったという事だろう。しっかりと食べる物は食べて、夜の話を聞く事にした。
簡単に言えば、バザールが新しい大陸に到着した。そこにはダンジョンも召喚の間も他の大陸同様に存在したが、召喚の間は使われている形跡がないとの事だ。
その証拠に、この大陸には勇者が全くいないのだ。それだけでは無く、この大陸の人口の99%以上が人間以外の種族が占めており、その中でも一番多いのが全体の半分ほどを占めている獣人だろう。
他にもドワーフやエルフ等の人口も俺達の大陸に比べるとはるかに多い。
この大陸では国同士の争いは、1000年以上も前の話らしい。獣人は元々温厚で、他種族との交流も問題ない。ドワーフやエルフも、欲深い人間がいつまでも年を取らない種族を羨み、殺したり奴隷にしたりしているだけだったとか。
余りにも自分勝手な人間を、その他の種族が結束し滅ぼしたのだとか。
実際に1000年以上も問題なくこの大陸は回っているのだ、細かい衝突はあったとしても、大きな戦争は人間を排除した事で起こらなくなった。全部人間が悪いじゃん。
それにしても、バザールは人間フォームにしかなれなかったはずなのに、どうやって情報を集めたのかと思ったが、魔力体なので、耳を生やす位などは簡単にできてしまうのだとか……バザールの獣人の姿、ないわ。
その情報を聞いて、この大陸にはいないと綾乃もバザールも判断して、俺が向かっているのとは別の大陸に向かっているようだ。
夜あった事は、そんな物らしい。
甲板に出て海でも眺めるか。
そこには、仲良く泳いでいるリバイアサンが2匹。どっちがどっちか分からん。ただ言えるのは、昨日は気付かなかったが、明らかに一方が一回り程大きく見える。
そして、昨日までの速度とは比にならない程の速度で移動しているのが分かる。2匹で協力しているためか、正直俺でもビビるくらいの速度が出ている。
音速でもかなり早く感じた。だけど、周りが変わり映えの無い大海原だったため気にならなかっただけで、もし地上であの速度だったら腰を抜かすかもしれないな。
リニア新幹線の試乗映像で窓の外を流れる景色を見た事はある。映像でも、正直ビビるくらい早かった。その速度の倍以上は出てたのに落ち着いていられた事の方が不思議かもしれんな。
だけど、今は変わり映えの無い大海原を移動しているのに、足がすくむくらいのスピードが出ているのが分かる。
リバイアサンが気付いたようで話しをしてくれたのだが、大きい方が元々のリバイアサンだったようだ。体のサイズに違いがあるのは、お互い同族を見たのが初めてなので理由は分からないが、元々のリバイアサンがメスで、新しい方はオスらしい。
ってか、お前らに性別があったんだな! しかもお前、メスだったのか?
そんな衝撃を受けていると、次の大陸が見えて来た。
そして、船が急に止まった……けど、リバイアサン2匹はそのまま泳いで行ってしまった。どうして置いてかれた?
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ダンジョン作成から始まる最強クラン
山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。
そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。
極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。
そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。
ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。
ただそのダンジョンは特別性であった。
ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる