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第1563話 食事は美味かった
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うむ、外に出て最初に思ったことは、俺たちの街に比べれば汚れが目立つが、三大国の首都よりはきれいだな。そういう首都も場所によっては……いや、どの街でもスラムに近いところは不衛生だが、ここら辺は街の真ん中らへんという場所なので、そういう意味で比べれば綺麗と言っていいだろう。
世界が違っても普通に言語がわかるのは、スキルのおかげだろう。それに、この世界って統一言語が存在して、暗号みたいに独自の言語もあったりするのだが、俺には全部わかったりするのだ。
っと、そんなことはどうでもいいか。
とりあえず、食事をしてみよう。食事で文化のレベルがわかる! と、俺は勝手に思っている。地球にはその理屈が通じない先進国もあるそうだが、俺は言ったことがないので、ノーコメントだ!
露店は、まぁ普通だな。飲食店に関しては、小奇麗なようだな。どうするべか?
「どこに行ってみる? 露店で買い食い? そこの飲食店で食べるか?」
「私は、ゆっくり食べれる飲食店がいいな」
「某もゆっくり食べたいでござる。露店のモノが食べたいのでござるなら、帰りに買っていけばいいのではござらんか?」
確かに! バザールの言う通りだな。露店の味を確かめたいなら帰りに買えばいいだけか。こっそりと収納の腕輪にしまえばいいか。
「オーケー、気になる店を指さしてくれ」
俺以外の4人が違う場所を指さしていた。
見える範囲に飲食店が5つしかないのに、しかも、余っている1つは俺が行ってみたいと思っていた場所だ。ということは、5人が5つしかない飲食店をそれぞれに行きたいと言っているのだ。
「俺は、あそこに行ってみたかったのだが、見事にここまできれいに分かれるとはね。サイコロでも振って決めるか。1~5が俺・バザール・綾乃・ライム・メアリーの順な。6が出たらもう1度。じゃぁ俺が投げるぞ」
コロコロコロ……
「6かよ! 次、バザールな」
バザールにサイコロを渡して、お前も6か! 綾乃もライムも6だった……最後のメアリーが自分の数字である5を出して、一件落着した。
メアリーが選んだ店は、古民家カフェのような見た目のお店で少しお高いイメージのお店だ。
メニューを見る感じだと、ん~パスタ系が多いかな? 他には、手の込んだ料理が多い気がするな。なんというか、フランス料理みたいな物だろか?
全体的に俺がいる世界より、食は進んでいるようだな。香辛料も調味料もしっかりと使われているようだ。ディストピアに似ている感じかな? ダンジョンからの恵みでって、俺と同じようなことを考えたダンジョンマスターの作った街ってことかな?
食事の面は悪くないな。だけど1つ気になるのは、お肉系が少し高いかな? ダンジョンでとれる肉が少ないのかな? それとも冒険者の数が少ないのかね?
運ばれてきた食事をみんなで分けながら食べてみた。
「おぉ、満腹亭の食事より美味いな。あのおばちゃんのところも美味かったけど、やっぱりしっかりと香辛料と調味料を使っていると、味わいが違うよな」
「満腹亭? って、シュウが初めて泊まった宿だっけ?」
「そうそう、初めて泊まった宿だな。屋台とかで食べたのも、まぁ不味くはなかったけど美味いとも言い難いものも多かったからな」
「シュウは恵まれている方よ。私なんて、パッサパサのパンに少し塩味のする野菜屑のスープだけしか、食べさせてもらえてなかったのよ。シュウのところで食べさせてもらった夜は、涙で枕を濡らしたわね」
思い出すように語っているけど、
「枕を濡らしたのは涙じゃなくて、涎の間違いだろ!」
と、まぁこんな感じだ。
こいつ、確かに美味しくて涙を流していたけど、その夜は久々にグッスリ寝て枕に涎垂らしてたんだよな。懐かしいな。
「涙も涎も、顔から出る水分だから一緒でしょ!」
無理がありすぎるぞ。
「しかし、美味いでござるな。ディストピア程ではないでござるが、他の街で食べた食事より美味いでござる!」
ん? 他の街で食べたって……お前、そんなにいろんなところ行ってたっけ? って思ったが、ドッペルをいろんなところに派遣して、味覚を共有していたようだ。
「やっぱり、ダンジョンマスターが主導して作った街ってことかな? そうしないと、食事がここまで豊かになるとは思えないしな」
「そうなるとでござると、今ダンジョンで頑張っているあれは、何歳でござるか?」
ダンジョンマスターの能力で映像を見てみたのだが、少なく見積もっても20代後半ってところだろう。外国人っぽいので、日本人よりよくわからないが、多分そんなものである。
ダンジョンマスターの能力を使えば、数年で街は作れるがDPだけではなく、人の移動にも時間がかかるし、何よりこの街の建物を見ると、どう考えても長年改修を続けて使っている印象を受ける。
少なくとも、100年は経ってたりするんじゃないか?
追加で料理を頼んだ際に、この街ができてからどのくらいが経ったのか聞いてみると、300年以上は経っているらしい。
あのダンジョンマスターは、300歳を超えているってことか?
ダンジョンマスターの能力って受け継げるのか? それとも寿命を延ばす薬を手に入れられるような稼ぎなのか?
食べながら調べてみると、どう考えても毎年買えるほどのDPは無いな。ダンジョンバトルで勝っているとしても、300年を生き抜いたとは思えない、何かカラクリがあるのだろうか?
「シュウ、あいつが何歳なんて考えなくてもいいんじゃない。とりあえず、あいつがこの街でどういう存在なのかを確認して、生きてて邪魔になるなら殺せばいいでしょ? どんなに頑張ったってダンジョンは取り返せないし、新しくも作れないんだからね」
その通りである。ダンジョンを新しく作れないのは、俺が今他のダンジョンマスターの支配領域以外をすべて掌握したので、作ることが不可能なのだ。
ダンジョンコアは、建物の地下に設置した金庫に入れていたが、なんとなく樹海の中心にある山の頂上に入り口を作り、501階にダンジョンコアを設置している。山全体をダンジョンにしただけでなく、その地下深くにも根付かせた、極悪なダンジョンだ。
このダンジョンの中では、食料になるものが一切ドロップせず、ずっと見た目の変わらない通路タイプのダンジョンが続くように作っている。休憩ポイントも作っていないので、おそらくダンジョンマスターでもない限り、先に食料が尽きる。そんな設計で作られたダンジョンである。
「それもそうだな。飯は美味かったな。次はどこに行くか?」
「シュウ様、それでしたら、図書館があるようですので、そちらへ行ってみませんか? 情報を得られるかもしれませんよ?」
ライムの提案を受けて、俺たちは図書館へ向かうことにした。
世界が違っても普通に言語がわかるのは、スキルのおかげだろう。それに、この世界って統一言語が存在して、暗号みたいに独自の言語もあったりするのだが、俺には全部わかったりするのだ。
っと、そんなことはどうでもいいか。
とりあえず、食事をしてみよう。食事で文化のレベルがわかる! と、俺は勝手に思っている。地球にはその理屈が通じない先進国もあるそうだが、俺は言ったことがないので、ノーコメントだ!
露店は、まぁ普通だな。飲食店に関しては、小奇麗なようだな。どうするべか?
「どこに行ってみる? 露店で買い食い? そこの飲食店で食べるか?」
「私は、ゆっくり食べれる飲食店がいいな」
「某もゆっくり食べたいでござる。露店のモノが食べたいのでござるなら、帰りに買っていけばいいのではござらんか?」
確かに! バザールの言う通りだな。露店の味を確かめたいなら帰りに買えばいいだけか。こっそりと収納の腕輪にしまえばいいか。
「オーケー、気になる店を指さしてくれ」
俺以外の4人が違う場所を指さしていた。
見える範囲に飲食店が5つしかないのに、しかも、余っている1つは俺が行ってみたいと思っていた場所だ。ということは、5人が5つしかない飲食店をそれぞれに行きたいと言っているのだ。
「俺は、あそこに行ってみたかったのだが、見事にここまできれいに分かれるとはね。サイコロでも振って決めるか。1~5が俺・バザール・綾乃・ライム・メアリーの順な。6が出たらもう1度。じゃぁ俺が投げるぞ」
コロコロコロ……
「6かよ! 次、バザールな」
バザールにサイコロを渡して、お前も6か! 綾乃もライムも6だった……最後のメアリーが自分の数字である5を出して、一件落着した。
メアリーが選んだ店は、古民家カフェのような見た目のお店で少しお高いイメージのお店だ。
メニューを見る感じだと、ん~パスタ系が多いかな? 他には、手の込んだ料理が多い気がするな。なんというか、フランス料理みたいな物だろか?
全体的に俺がいる世界より、食は進んでいるようだな。香辛料も調味料もしっかりと使われているようだ。ディストピアに似ている感じかな? ダンジョンからの恵みでって、俺と同じようなことを考えたダンジョンマスターの作った街ってことかな?
食事の面は悪くないな。だけど1つ気になるのは、お肉系が少し高いかな? ダンジョンでとれる肉が少ないのかな? それとも冒険者の数が少ないのかね?
運ばれてきた食事をみんなで分けながら食べてみた。
「おぉ、満腹亭の食事より美味いな。あのおばちゃんのところも美味かったけど、やっぱりしっかりと香辛料と調味料を使っていると、味わいが違うよな」
「満腹亭? って、シュウが初めて泊まった宿だっけ?」
「そうそう、初めて泊まった宿だな。屋台とかで食べたのも、まぁ不味くはなかったけど美味いとも言い難いものも多かったからな」
「シュウは恵まれている方よ。私なんて、パッサパサのパンに少し塩味のする野菜屑のスープだけしか、食べさせてもらえてなかったのよ。シュウのところで食べさせてもらった夜は、涙で枕を濡らしたわね」
思い出すように語っているけど、
「枕を濡らしたのは涙じゃなくて、涎の間違いだろ!」
と、まぁこんな感じだ。
こいつ、確かに美味しくて涙を流していたけど、その夜は久々にグッスリ寝て枕に涎垂らしてたんだよな。懐かしいな。
「涙も涎も、顔から出る水分だから一緒でしょ!」
無理がありすぎるぞ。
「しかし、美味いでござるな。ディストピア程ではないでござるが、他の街で食べた食事より美味いでござる!」
ん? 他の街で食べたって……お前、そんなにいろんなところ行ってたっけ? って思ったが、ドッペルをいろんなところに派遣して、味覚を共有していたようだ。
「やっぱり、ダンジョンマスターが主導して作った街ってことかな? そうしないと、食事がここまで豊かになるとは思えないしな」
「そうなるとでござると、今ダンジョンで頑張っているあれは、何歳でござるか?」
ダンジョンマスターの能力で映像を見てみたのだが、少なく見積もっても20代後半ってところだろう。外国人っぽいので、日本人よりよくわからないが、多分そんなものである。
ダンジョンマスターの能力を使えば、数年で街は作れるがDPだけではなく、人の移動にも時間がかかるし、何よりこの街の建物を見ると、どう考えても長年改修を続けて使っている印象を受ける。
少なくとも、100年は経ってたりするんじゃないか?
追加で料理を頼んだ際に、この街ができてからどのくらいが経ったのか聞いてみると、300年以上は経っているらしい。
あのダンジョンマスターは、300歳を超えているってことか?
ダンジョンマスターの能力って受け継げるのか? それとも寿命を延ばす薬を手に入れられるような稼ぎなのか?
食べながら調べてみると、どう考えても毎年買えるほどのDPは無いな。ダンジョンバトルで勝っているとしても、300年を生き抜いたとは思えない、何かカラクリがあるのだろうか?
「シュウ、あいつが何歳なんて考えなくてもいいんじゃない。とりあえず、あいつがこの街でどういう存在なのかを確認して、生きてて邪魔になるなら殺せばいいでしょ? どんなに頑張ったってダンジョンは取り返せないし、新しくも作れないんだからね」
その通りである。ダンジョンを新しく作れないのは、俺が今他のダンジョンマスターの支配領域以外をすべて掌握したので、作ることが不可能なのだ。
ダンジョンコアは、建物の地下に設置した金庫に入れていたが、なんとなく樹海の中心にある山の頂上に入り口を作り、501階にダンジョンコアを設置している。山全体をダンジョンにしただけでなく、その地下深くにも根付かせた、極悪なダンジョンだ。
このダンジョンの中では、食料になるものが一切ドロップせず、ずっと見た目の変わらない通路タイプのダンジョンが続くように作っている。休憩ポイントも作っていないので、おそらくダンジョンマスターでもない限り、先に食料が尽きる。そんな設計で作られたダンジョンである。
「それもそうだな。飯は美味かったな。次はどこに行くか?」
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