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第1714話 久々の魔物
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20階に到着した。俺たちはまず、周囲の確認から始める。
水晶の色は変わっておらず、濃い赤で相変わらず見難い。問題は魔物の種類だ。全員が索敵に力を入れ周囲に敵がいないかを確認する。
階段を下りた所には基本的に敵が少ない。今回もその例に違わず感知できる範囲には魔物がいなかった。マップ先生で確認しているが、ウィスプが見つけてマーキングした敵しか表示されないから、新しくわいたり何かしらの方法で、マーキングが解除されたりすると分からなくなるからな。
最短距離で進んでいくと、
「止まって!」
先行偵察をしていたソフィーが、短く鋭い警告を出した。
「分かりにくいですが、この先にいくつか気配がある気がします。ウィスプたちも気配の薄い昆虫や爬虫類に、マーキングできない事が多いです。マーキングできてなかった魔物がいる可能性が高いです」
ウィスプたちがマーキングできていない、昆虫タイプや爬虫類タイプがいる可能性があるとの事だ。
キリエが、
「ソフィーには、何匹くらいいるか感じられる?」
「4~5匹はいるような気がします」
「強くはないと思いますが、場所が判断できないので焼き払いましょうか」
「キリエ、ちょっといいか? ちょっと試したい事があるんだけど、少しだけ指揮をもらっても」
「問題ないです。何するかだけ教えてください」
「前に考えた魔法をちょっと使ってみたいんだよ」
分かりました。と言って、みんなに指示を出していく。俺に怪我をさせないように、フォーメーションを組み始めた。
俺はイメージをする。
魔法はイメージが重要。
索敵できる魔法をイメージしたことがあるが、魔法で索敵をしてみた事があるのだが、思ったより精度が高くなかったんだよね。だから、魔法での索敵はあまり得策ではないと考えた。使えないとは言わないが、ダンジョンで隠密が得意な魔物にはあまり効果が無い。
森の中で隠密が苦手な相手であれば、それなりの精度で発見できるんだけどね。スキルの範囲より広いから、便利といえば便利なんだよな。
隠密、発見できないのは、気配などが察知できないからだと思う。人間でも亜人でも動いていないと、察知できる可能性が低くなる。それに体温や音が加わると、更に察知できる可能性が上下する。
では、俺が今回使おうとしているのは分類にすれば、攻撃魔法の一部だろう。
ただ、攻撃に魔力を使うというより、範囲を拡大する方に魔力を使うタイプだ。近い魔法といえば、風魔法で薄く広くしたストーム系だろう。
魔力を各属性に変換するのも魔力をそこそこ使うので、魔力のまま使うことで魔力の消費量を減らす工夫をしている。魔力でごり押ししてもいいけど、それだと魔法技能が上達しないからな。
錬った魔力を使い切るためには、今から使う魔法がどれだけの魔力を使うかしっかりと認識して、狂いなく魔力を練り上げる必要があるのだ。
ずいぶん前の話だが、イメージした魔法を使う際に勝手に魔力が消費されていると思ったのだが、魔力を追加してブーストできることを考えると、魔法によって固定された魔力が消費される、と言う都合のいいものではないかと考えた。
鑑定を使って、魔法の使える冒険者たちに協力を仰ぎ判明したのが、熟練度の高い人ほど消費が少なかった。魔法技能のスキルLvによっても消費量が変わるが、何度も試してこの事実が判明した。
っと、思考がそれてるな。
これから使うのは、魔力をそのまま使う無属性魔法の応用だ。小さく細かい魔力の球を作り、それを大量に作って周囲に飛ばす。小さくて細かくても当たれば、多少体を動かすだろう。それを索敵スキルで拾ったらどうかと考えたのだ。
半径は索敵スキルの50mに合わせて放出する。
「みんな、索敵に力を入れてくれ」
フレンドリーファイアもあるけど、ダメージはほとんどないので大丈夫だろう。
「ソフィー、何か感じた?」
「はい、先ほどより濃い気配を4つ感じました」
「他の人は?」
全員3~4匹の魔物を索敵スキルで発見している。前衛が走って4匹の魔物を処理する。
今回は、蛇の魔物も出てきたな。しかも、かなり強い毒を蓄えているタイプのようだ。
焼き払ってもいいのだが、進むのに冷やさないといけないので、多少面倒ではあるのだ。斥候を担当しているメンバーに、先ほどの魔法を教えた。消費量が多少増えても問題はないので、常に放出し続けて敵をあぶりだしながら索敵をする方法をとった。
思ったより発見率が高くなり、進むペースが上がった。
だけど、すぐに問題が出てきた。
25階を越えた後だ。
水晶がなくなったのだが洞窟タイプは変わらず、火山エリアによくみられる、溶岩が流れている川のようなものをちらほら見かけるようになった。
亜人の魔物はゴブリンやコボルトはいなくなり、オークやミノタウロス、リザードマンが中心になった。問題は、しばらく進んだ後だ。
それなりの速度を維持して進んでいたのだが、不意に攻撃をくらったのだ。しかも、中心近くで妻たちに守られている俺がだ。
不意打ちに近い攻撃だったが、素手による攻撃だったので何とかガードが間に合った。もし相手が強い武器を持っていたら、それなりの怪我をした可能性が高いだろう。
誰一人気付けなかった魔物は、ゴーレムだった。
こいつらがいることを想定していたが、不意打ちをくらうことなんてないと考えていたのが、拙かったのだろう。実際、見つけにくいけど見逃したことは無かったのだ。
それなのに今回気付けなかったのは、鑑定した結果、擬態というスキルを保有しており、そのスキルを使っていたため、誰一人として認識できなかったのだ。
擬態を持っている奴らは他にもいるのだが、ここまで気配が感じられなかったのは亜人の中でも、魔法生物のタイプの魔物だったからだろう。
もともと、あいつらは動かないと判断しにくいのに、擬態をすると気付けなくなるようだ。
ロックゴーレムは洞窟と同じ見た目なので、擬態されているとどうにもならない事だけが分かった。
ゴーレムには今まで使っていた火魔法が効きにくいんだよね。石なので解ける程高温で焼いてやれば死ぬのだが、無駄に魔力を食うしダンジョンの温度がかなり上がるので、冷やすのに時間も魔力も使ってしまう。
雷魔法でも水魔法でも、威力が弱ければ全く効果が出ないからかなり面倒だ。見つけられるならピンポイントで攻撃すればいいんだけど、ここまで隠れられているとな。広範囲に魔法を使うことを考えると、かなり厄介な相手だ。
水晶の色は変わっておらず、濃い赤で相変わらず見難い。問題は魔物の種類だ。全員が索敵に力を入れ周囲に敵がいないかを確認する。
階段を下りた所には基本的に敵が少ない。今回もその例に違わず感知できる範囲には魔物がいなかった。マップ先生で確認しているが、ウィスプが見つけてマーキングした敵しか表示されないから、新しくわいたり何かしらの方法で、マーキングが解除されたりすると分からなくなるからな。
最短距離で進んでいくと、
「止まって!」
先行偵察をしていたソフィーが、短く鋭い警告を出した。
「分かりにくいですが、この先にいくつか気配がある気がします。ウィスプたちも気配の薄い昆虫や爬虫類に、マーキングできない事が多いです。マーキングできてなかった魔物がいる可能性が高いです」
ウィスプたちがマーキングできていない、昆虫タイプや爬虫類タイプがいる可能性があるとの事だ。
キリエが、
「ソフィーには、何匹くらいいるか感じられる?」
「4~5匹はいるような気がします」
「強くはないと思いますが、場所が判断できないので焼き払いましょうか」
「キリエ、ちょっといいか? ちょっと試したい事があるんだけど、少しだけ指揮をもらっても」
「問題ないです。何するかだけ教えてください」
「前に考えた魔法をちょっと使ってみたいんだよ」
分かりました。と言って、みんなに指示を出していく。俺に怪我をさせないように、フォーメーションを組み始めた。
俺はイメージをする。
魔法はイメージが重要。
索敵できる魔法をイメージしたことがあるが、魔法で索敵をしてみた事があるのだが、思ったより精度が高くなかったんだよね。だから、魔法での索敵はあまり得策ではないと考えた。使えないとは言わないが、ダンジョンで隠密が得意な魔物にはあまり効果が無い。
森の中で隠密が苦手な相手であれば、それなりの精度で発見できるんだけどね。スキルの範囲より広いから、便利といえば便利なんだよな。
隠密、発見できないのは、気配などが察知できないからだと思う。人間でも亜人でも動いていないと、察知できる可能性が低くなる。それに体温や音が加わると、更に察知できる可能性が上下する。
では、俺が今回使おうとしているのは分類にすれば、攻撃魔法の一部だろう。
ただ、攻撃に魔力を使うというより、範囲を拡大する方に魔力を使うタイプだ。近い魔法といえば、風魔法で薄く広くしたストーム系だろう。
魔力を各属性に変換するのも魔力をそこそこ使うので、魔力のまま使うことで魔力の消費量を減らす工夫をしている。魔力でごり押ししてもいいけど、それだと魔法技能が上達しないからな。
錬った魔力を使い切るためには、今から使う魔法がどれだけの魔力を使うかしっかりと認識して、狂いなく魔力を練り上げる必要があるのだ。
ずいぶん前の話だが、イメージした魔法を使う際に勝手に魔力が消費されていると思ったのだが、魔力を追加してブーストできることを考えると、魔法によって固定された魔力が消費される、と言う都合のいいものではないかと考えた。
鑑定を使って、魔法の使える冒険者たちに協力を仰ぎ判明したのが、熟練度の高い人ほど消費が少なかった。魔法技能のスキルLvによっても消費量が変わるが、何度も試してこの事実が判明した。
っと、思考がそれてるな。
これから使うのは、魔力をそのまま使う無属性魔法の応用だ。小さく細かい魔力の球を作り、それを大量に作って周囲に飛ばす。小さくて細かくても当たれば、多少体を動かすだろう。それを索敵スキルで拾ったらどうかと考えたのだ。
半径は索敵スキルの50mに合わせて放出する。
「みんな、索敵に力を入れてくれ」
フレンドリーファイアもあるけど、ダメージはほとんどないので大丈夫だろう。
「ソフィー、何か感じた?」
「はい、先ほどより濃い気配を4つ感じました」
「他の人は?」
全員3~4匹の魔物を索敵スキルで発見している。前衛が走って4匹の魔物を処理する。
今回は、蛇の魔物も出てきたな。しかも、かなり強い毒を蓄えているタイプのようだ。
焼き払ってもいいのだが、進むのに冷やさないといけないので、多少面倒ではあるのだ。斥候を担当しているメンバーに、先ほどの魔法を教えた。消費量が多少増えても問題はないので、常に放出し続けて敵をあぶりだしながら索敵をする方法をとった。
思ったより発見率が高くなり、進むペースが上がった。
だけど、すぐに問題が出てきた。
25階を越えた後だ。
水晶がなくなったのだが洞窟タイプは変わらず、火山エリアによくみられる、溶岩が流れている川のようなものをちらほら見かけるようになった。
亜人の魔物はゴブリンやコボルトはいなくなり、オークやミノタウロス、リザードマンが中心になった。問題は、しばらく進んだ後だ。
それなりの速度を維持して進んでいたのだが、不意に攻撃をくらったのだ。しかも、中心近くで妻たちに守られている俺がだ。
不意打ちに近い攻撃だったが、素手による攻撃だったので何とかガードが間に合った。もし相手が強い武器を持っていたら、それなりの怪我をした可能性が高いだろう。
誰一人気付けなかった魔物は、ゴーレムだった。
こいつらがいることを想定していたが、不意打ちをくらうことなんてないと考えていたのが、拙かったのだろう。実際、見つけにくいけど見逃したことは無かったのだ。
それなのに今回気付けなかったのは、鑑定した結果、擬態というスキルを保有しており、そのスキルを使っていたため、誰一人として認識できなかったのだ。
擬態を持っている奴らは他にもいるのだが、ここまで気配が感じられなかったのは亜人の中でも、魔法生物のタイプの魔物だったからだろう。
もともと、あいつらは動かないと判断しにくいのに、擬態をすると気付けなくなるようだ。
ロックゴーレムは洞窟と同じ見た目なので、擬態されているとどうにもならない事だけが分かった。
ゴーレムには今まで使っていた火魔法が効きにくいんだよね。石なので解ける程高温で焼いてやれば死ぬのだが、無駄に魔力を食うしダンジョンの温度がかなり上がるので、冷やすのに時間も魔力も使ってしまう。
雷魔法でも水魔法でも、威力が弱ければ全く効果が出ないからかなり面倒だ。見つけられるならピンポイントで攻撃すればいいんだけど、ここまで隠れられているとな。広範囲に魔法を使うことを考えると、かなり厄介な相手だ。
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