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第1828話 実力は?
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青龍のレオンが従魔に加わり、これで聖獣が4匹そろった。この世界では聖獣と呼ばれているが、地球では四神とか呼ばれてるんだっけ? それを使った結界術があるとかないとか?
そんなことを考えながら、4匹を見る……
白虎のダマは、白いモフモフの毛玉。玄武のシエルは、チビガメに蛇頭と蛇尻尾。朱雀のグレンは、鶏より少し小さい火の鳥。青龍のレオンは、日本神話の龍を小さくした青い感じの蛇だ。
これが名高い四神か……と言われると、正直困るな。こいつらを見ても、微塵もそんなことは思えない。
何というか、シルキーに餌付けされている4匹を見ると、ただのペットにしか見えない。大分本質とは違うが、猫、亀、鳥、蛇だもんな。本当にペットにしか見えん。
アマレロが4匹の前に立って、ごはんを左右に動かすと4匹の顔がそのご飯を追う……動画サイトで見たことあるような光景だ。
こいつらのことは、放っておいても問題ないだろう。可愛さと言えば、テト、ライ、ランの猫トリオの方がビジュアル的には上だな。ダマも悪くないのだが、他のメンツがな。
何て言うかね、先輩猫たちに怒られている姿はシュールだったぞ。自分より小さな猫に、ニャーニャー言われて頭を下げてるんだからな……
ダマもそうだが、ガチンコで戦えば確実に猫トリオの方が強いのに、上下関係が生まれるんだから不思議だよな。特にランは暖かいから、猫たちがお腹の下に潜って寝ているんだよな。布団にもぐるみたいに、腹の下にね。先輩猫が起きないと、動くに動けなくて度々困っている姿を見るしな。
猫トリオがペット枠になっているから、俺がディストピアで行動するときは、聖獣のこいつらと順々に俺の護衛兼監視をするんだろうな。特に、青龍が入ったから、クロたちに色々押し付けられるんだろうな。
アマレロに遊ばれている4匹を見ていると、俺の隣にぬっと影ができる。噂はしてないけど、お前のことを考えてたんだったな。
横を向くとランがいて、俺の椅子に沿うように体を落ち着かせていた。その背中には何故かニコがたたずんでいた。お前って、本当にどこにでもいるよな。
テトとライの姿は……ないな。一緒に行動していたわけじゃないのな。
おっと、ハクが羽ばたいている音が聞こえる。見回すと、食堂の入り口からこちらに向かって飛んでくる。俺の所に来るかと思ったら軌道が変わり、ランの背中にいるニコを捕まえてから食堂を出ていった。
またまた意味不明な行動だな。仲がいいのは分かっているけど、あの2匹って特に謎行動が多いからリアクションに困るんだよな。あいつらのことは放っておこう。それよりランよ。舌が痛いから舐めないでくれ。
よし、確認しなきゃいけないことがあるから、そろそろ行動するか。
「アマレロ、遊ぶのはそのくらいにしてくれ。ちょっと確認することがあるから、こいつら連れてくぞ」
アマレロから了解を貰い、聖獣4匹を連れてダンジョン農園へ向かう。ランも暇なようで、後ろからついてきている。
『主殿、確認したいことって、何ですか?』
「そりゃ、レオンの強さだよ。戦っている姿を見たわけでもないし、どういう戦い方をするかも知らないからな。ということで、ひとまず元の大きさに戻ってくれ」
そうするとレオンが、元の大きさに戻る。ますます日本神話の龍っぽい細長いフォルムだな。
「お前の得意な戦い方って、どんな感じなんだ?」
『そうですね。空中からの風魔法と、風魔法でアシストした高速移動からの巻き付きでしょうか?』
「噛み付いたり、ブレスを吐いたりしないのか?」
『噛みつきはともかく、本物の龍ではないのでブレスは無理ですよ。魔法で再現できますが、無駄が多いので普通に魔法を使った方が、節約になります』
「そう言うもんか。体が大きいから、それを使った攻撃とかもあるかと思ってたわ」
『主殿、私たちの中で物理系なのは、自分とシエルですぞ。グレンとレオンは、どちらかというと支援系で魔法攻撃を得意としているのです』
ここにきて意外な事実が判明。聖獣の中で一番体の大きなレオンが、実は魔法で支援するタイプのようだ。
「リバイアサンの属性が、風になった感じか?」
『いえいえ、ただ援護できるだけで、あの方たちみたいに天候を支配できるレベルには達していません。比べるのもおこがましいくらいの差があります』
レオンは卑屈なのかね?
「俺たちって、あんまり風魔法を多用しないから、そんなに詳しくないんだよね。物理的なダメージは、土の方が圧倒的に上だからね」
『主殿たちの風魔法は、どこか使い方というか発想が変ですからな……』
「そうか?」
『普通風魔法と言えば、見えない刃のウィンドカッターとか、風を圧縮してぶつけたりするのが基本ですが、主たちは……大きな音をたてるために、風魔法を使ったりするじゃないですか』
「だってさ、風の音爆弾って便利じゃん。不意打ちで使えば、大抵の相手が目を回すんだもん」
そんなことを言っていると、4匹が呆れたとでもいう風にため息を吐いている。本当にお前らは器用に表情を作るな……
その後は、同じ属性ということでランも加わり、レオンと一緒になって風魔法を披露してくれた。
やっぱり目につくのは、風の刃と小さな台風だな。風の刃はそのままだな。見えない刃が的を切り裂く。で、小さな台風は、ドタバタ忍者の漫画に出てくる、なんちゃら丸と同じような見た目だろう。圧縮されて渦巻く小さな台風が、的に当たると弾けて全周囲に風の刃を生み出す、結構えげつない魔法だった。
風魔法は、威力的には全属性の中で一番下だけど、見えないというアドバンテージはかなり大きいんじゃないかな。
ランは風を自分の補助に使って、爪に風を纏わせたり……と直接的な攻撃力にしている。それに対しレオンの方は、自分じゃなくて他者をアシストすることに長けている印象だ。グレンと組んで火の魔法を強化したり、尻尾で弾いた石を風で誘導したりと、アシストをしているような感じだ。
魔法の使い方が上手いんだろうな。まぁ分かったことは、レオン単体だと、聖獣の中では一番弱いと言うことだな。その代わり組ませると、1+1が3にも4にもなるタイプだ。
今後は、組み合わせも考える必要がありそうだ。
そんなことを考えながら、4匹を見る……
白虎のダマは、白いモフモフの毛玉。玄武のシエルは、チビガメに蛇頭と蛇尻尾。朱雀のグレンは、鶏より少し小さい火の鳥。青龍のレオンは、日本神話の龍を小さくした青い感じの蛇だ。
これが名高い四神か……と言われると、正直困るな。こいつらを見ても、微塵もそんなことは思えない。
何というか、シルキーに餌付けされている4匹を見ると、ただのペットにしか見えない。大分本質とは違うが、猫、亀、鳥、蛇だもんな。本当にペットにしか見えん。
アマレロが4匹の前に立って、ごはんを左右に動かすと4匹の顔がそのご飯を追う……動画サイトで見たことあるような光景だ。
こいつらのことは、放っておいても問題ないだろう。可愛さと言えば、テト、ライ、ランの猫トリオの方がビジュアル的には上だな。ダマも悪くないのだが、他のメンツがな。
何て言うかね、先輩猫たちに怒られている姿はシュールだったぞ。自分より小さな猫に、ニャーニャー言われて頭を下げてるんだからな……
ダマもそうだが、ガチンコで戦えば確実に猫トリオの方が強いのに、上下関係が生まれるんだから不思議だよな。特にランは暖かいから、猫たちがお腹の下に潜って寝ているんだよな。布団にもぐるみたいに、腹の下にね。先輩猫が起きないと、動くに動けなくて度々困っている姿を見るしな。
猫トリオがペット枠になっているから、俺がディストピアで行動するときは、聖獣のこいつらと順々に俺の護衛兼監視をするんだろうな。特に、青龍が入ったから、クロたちに色々押し付けられるんだろうな。
アマレロに遊ばれている4匹を見ていると、俺の隣にぬっと影ができる。噂はしてないけど、お前のことを考えてたんだったな。
横を向くとランがいて、俺の椅子に沿うように体を落ち着かせていた。その背中には何故かニコがたたずんでいた。お前って、本当にどこにでもいるよな。
テトとライの姿は……ないな。一緒に行動していたわけじゃないのな。
おっと、ハクが羽ばたいている音が聞こえる。見回すと、食堂の入り口からこちらに向かって飛んでくる。俺の所に来るかと思ったら軌道が変わり、ランの背中にいるニコを捕まえてから食堂を出ていった。
またまた意味不明な行動だな。仲がいいのは分かっているけど、あの2匹って特に謎行動が多いからリアクションに困るんだよな。あいつらのことは放っておこう。それよりランよ。舌が痛いから舐めないでくれ。
よし、確認しなきゃいけないことがあるから、そろそろ行動するか。
「アマレロ、遊ぶのはそのくらいにしてくれ。ちょっと確認することがあるから、こいつら連れてくぞ」
アマレロから了解を貰い、聖獣4匹を連れてダンジョン農園へ向かう。ランも暇なようで、後ろからついてきている。
『主殿、確認したいことって、何ですか?』
「そりゃ、レオンの強さだよ。戦っている姿を見たわけでもないし、どういう戦い方をするかも知らないからな。ということで、ひとまず元の大きさに戻ってくれ」
そうするとレオンが、元の大きさに戻る。ますます日本神話の龍っぽい細長いフォルムだな。
「お前の得意な戦い方って、どんな感じなんだ?」
『そうですね。空中からの風魔法と、風魔法でアシストした高速移動からの巻き付きでしょうか?』
「噛み付いたり、ブレスを吐いたりしないのか?」
『噛みつきはともかく、本物の龍ではないのでブレスは無理ですよ。魔法で再現できますが、無駄が多いので普通に魔法を使った方が、節約になります』
「そう言うもんか。体が大きいから、それを使った攻撃とかもあるかと思ってたわ」
『主殿、私たちの中で物理系なのは、自分とシエルですぞ。グレンとレオンは、どちらかというと支援系で魔法攻撃を得意としているのです』
ここにきて意外な事実が判明。聖獣の中で一番体の大きなレオンが、実は魔法で支援するタイプのようだ。
「リバイアサンの属性が、風になった感じか?」
『いえいえ、ただ援護できるだけで、あの方たちみたいに天候を支配できるレベルには達していません。比べるのもおこがましいくらいの差があります』
レオンは卑屈なのかね?
「俺たちって、あんまり風魔法を多用しないから、そんなに詳しくないんだよね。物理的なダメージは、土の方が圧倒的に上だからね」
『主殿たちの風魔法は、どこか使い方というか発想が変ですからな……』
「そうか?」
『普通風魔法と言えば、見えない刃のウィンドカッターとか、風を圧縮してぶつけたりするのが基本ですが、主たちは……大きな音をたてるために、風魔法を使ったりするじゃないですか』
「だってさ、風の音爆弾って便利じゃん。不意打ちで使えば、大抵の相手が目を回すんだもん」
そんなことを言っていると、4匹が呆れたとでもいう風にため息を吐いている。本当にお前らは器用に表情を作るな……
その後は、同じ属性ということでランも加わり、レオンと一緒になって風魔法を披露してくれた。
やっぱり目につくのは、風の刃と小さな台風だな。風の刃はそのままだな。見えない刃が的を切り裂く。で、小さな台風は、ドタバタ忍者の漫画に出てくる、なんちゃら丸と同じような見た目だろう。圧縮されて渦巻く小さな台風が、的に当たると弾けて全周囲に風の刃を生み出す、結構えげつない魔法だった。
風魔法は、威力的には全属性の中で一番下だけど、見えないというアドバンテージはかなり大きいんじゃないかな。
ランは風を自分の補助に使って、爪に風を纏わせたり……と直接的な攻撃力にしている。それに対しレオンの方は、自分じゃなくて他者をアシストすることに長けている印象だ。グレンと組んで火の魔法を強化したり、尻尾で弾いた石を風で誘導したりと、アシストをしているような感じだ。
魔法の使い方が上手いんだろうな。まぁ分かったことは、レオン単体だと、聖獣の中では一番弱いと言うことだな。その代わり組ませると、1+1が3にも4にもなるタイプだ。
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