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第1830話 久しぶりに
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シンラの意外な才能を見たが、ミーシャたちがやってくると従魔たちの隊列は崩れ、ミーシャたちに集まり始めた。シンラもお姉ちゃんの所に行きたいのか、ダマに乗ってミーシャたちの方へ行くように指示を出している。
シンラは、お姉ちゃん子なのだろうか? ちょっと前は、プラムとシオンの壁として使ってた気がするが、今は近寄る理由はないはず……ということは、お姉ちゃんが好きなのだろう。俺を放置して、向こうに行くのはどうかと思うけどな。
のんびりと姉弟のふれあいを見ていると、昼食の時間になった。ブラウニーから声がかかると、今までミーシャたちにすり寄っていた従魔たちが、さっと移動して食堂へ入っていく。入る前に、自分たちで肉球をマットに擦り付けている姿は、なんとも言えなかった。
綺麗にしないと、シルキーたちに怒られるからな……食欲に忠実な奴らだ。ミーシャたちもその様子を見て、苦笑しているぞ。ダマは、最後尾でシンラに乗られている状況は変わらんな。
昼食を食べてすることの無くなった俺は……子どもたちと遊ぼうにも、下の子たちはお昼寝中。上の子たちは勉強を始めてしまった。
ん~工房に行って物を作ると、すぐに禁止令が出るからな……ゴーストタウンに作ったあの工房、最後に行ったのっていつだったっけな? いくつか便利道具を作ったら、生産が追い付かないってすぐに追い出されてから、放置気味だったな。
久しぶりに行ってみるか? 物を作らなければ、追い出されることも無いだろ。
「ということでやってまいりました、久々の工房です」
少し小声で工房の中に入っていく。
「何してるんすか?」
コッソリと入ったつもりが、休憩していた工房の古株メンバーに突っ込まれた。
「いや、最近来てなかったから様子を見に来ただけだよ」
「また物を作らないでくださいっす。やっと落ち着いたところだけど、少し前まで大変だったんすから……」
魂の抜けた表情をしながら、俺にそんなことを言ってきた。その様子で、どれだけ大変だったかが分かってしまう。
「物を作ると怒られるから、本当に見に来ただけだよ。便利道具は街の人には喜ばれるけど、作る工房の人たちからは不人気だからね。それしか作れなくなるって、陳情書がディストピアの庁舎に届いてるもん。最近見なくなったのは、そういう理由だったんだな」
月に4回は陳情が来ていたのが、最近見ていなかったのはそういうことだったんだな。
工房の古株メンバーに話を聞いていると、他の工房でも落ち着いてきたので、俺たちが作って仕事地獄に叩き込んだ便利道具から、色々なアイディアを抜き出して新作を考えているのだとか。
特に家事を短縮できるアイテムは、売れるのでそこら辺を徹底的に洗いなおして、新作を作っているんだってさ。だけど、まだ1つも出来ていないので、先は長いのだとか。
また忙しくなっても嫌なので、のんびりとやっているのが現状なのだとか。落ち着いたと言っても、消耗品の部分もあるので、毎月一定の量は作らないといけないので、そこらへんは新人が担当しているんだってさ。
そのおかげでお金の問題ないようで、新作を考えられているようだ。他にも、オーダーメイドを頼まれたりしているようなので、各工房活気があるそうだ。
じゃぁ、ここの工房は? って思ったが、この工房は新作を考えて、他の工房でも作りやすいように改良するのがメインだった。俺たちが作らなければ……って思ってたけど、こいつらも地球の物を見ることは出来るので、そこからアイディアを引っ張ってこれるので、問題なさそうだ。
ってことは……俺の仕事はここにも無くなってしまった、ということだろう。なんかそう考えると、寂しいよな。俺の工房でもあるんだから、忘れたころにまた何かを作ってやろう。
ゴーストタウンに来たのでついでに、領主館へ寄っていくことにした。
「あのクソ爺ども! どこ行った!」
到着した瞬間に、領主館からそんな怒声が聞こえてきた。老ドワーフの爺様たちが、執務室を逃亡してどこかに行っているのだろう。どうせ酒か、鍛冶場にいるんだろう。
執務室に向かって歩いていると、秘書をしている女性が執務室から出てきた。俺の顔を見ると、みるみると顔を青くしてしまっている。
「あ~気にしなくていいよ、爺たちが悪いから気にしないで。俺が捕まえてくるから、あなたはゆっくりしてていいよ。あなたの苦労は分かるからさ」
そう言うが、秘書の娘は私が私が! といって、頭を下げているので……
「分かった。領主命令だ。俺が探してくるから、あなたは飲み物でも用意しておいてくれ」
そう言うと、渋々だが下がってくれた。
さて、あいつらのいるところは……あれ? 鍛冶場にもいつも酒飲んでる場所にもいねえな。
検索! はぁ? あいつら、逃げるために他の工房に行ってやがるな……
「皆さんすいません。すぐにこのはた迷惑な爺共を連れ帰りますので……後で、ブラウニーたちの食事と飲まれた分の倍くらい酒を持ってきますので、許してください。今度からこいつらが来たら、簀巻きにして追い出してください。領主権限でお願いします。今まで被害にあっている工房の方たちにも伝えておいてください」
逃げ込んでいた工房の人たちに頭をさげ、被害に対する補償もしっかりと明言しておく。4人いる爺の首に紐をかけて、引き摺って行く。
ゴーストタウンの領主代行なのだが、よくこういう姿が見られるので、またか……みたいな、生温かい視線が。
俺はドワーフたちを引き摺りながら、ブラウニーたちに連絡して、迷惑をかけた工房へ謝罪の品を持っていくようにお願いしておく。
領主代行の執務室で4人に正座をさせる。
「じっさまたち、分かってるんだろうな? しっかり仕事をしなかったら……」
「「「「それだけは!」」」」
「だったら、仕事しろ!」
ハリセンで頭をしばき倒す。
「とりあえず、今回の罰は……2ヶ月禁酒な」
そう宣言すると、絶望した顔をしていた。こいつらの監視には、専属のブラウニーをつけるので、誤魔化すことは不可能である。もし酒を飲めば、せっかく手に入れた炉を本当に回収されるからな。
最後に変なオチが着いたが、久しぶりのゴーストタウンは、何となく面白かったな。
シンラは、お姉ちゃん子なのだろうか? ちょっと前は、プラムとシオンの壁として使ってた気がするが、今は近寄る理由はないはず……ということは、お姉ちゃんが好きなのだろう。俺を放置して、向こうに行くのはどうかと思うけどな。
のんびりと姉弟のふれあいを見ていると、昼食の時間になった。ブラウニーから声がかかると、今までミーシャたちにすり寄っていた従魔たちが、さっと移動して食堂へ入っていく。入る前に、自分たちで肉球をマットに擦り付けている姿は、なんとも言えなかった。
綺麗にしないと、シルキーたちに怒られるからな……食欲に忠実な奴らだ。ミーシャたちもその様子を見て、苦笑しているぞ。ダマは、最後尾でシンラに乗られている状況は変わらんな。
昼食を食べてすることの無くなった俺は……子どもたちと遊ぼうにも、下の子たちはお昼寝中。上の子たちは勉強を始めてしまった。
ん~工房に行って物を作ると、すぐに禁止令が出るからな……ゴーストタウンに作ったあの工房、最後に行ったのっていつだったっけな? いくつか便利道具を作ったら、生産が追い付かないってすぐに追い出されてから、放置気味だったな。
久しぶりに行ってみるか? 物を作らなければ、追い出されることも無いだろ。
「ということでやってまいりました、久々の工房です」
少し小声で工房の中に入っていく。
「何してるんすか?」
コッソリと入ったつもりが、休憩していた工房の古株メンバーに突っ込まれた。
「いや、最近来てなかったから様子を見に来ただけだよ」
「また物を作らないでくださいっす。やっと落ち着いたところだけど、少し前まで大変だったんすから……」
魂の抜けた表情をしながら、俺にそんなことを言ってきた。その様子で、どれだけ大変だったかが分かってしまう。
「物を作ると怒られるから、本当に見に来ただけだよ。便利道具は街の人には喜ばれるけど、作る工房の人たちからは不人気だからね。それしか作れなくなるって、陳情書がディストピアの庁舎に届いてるもん。最近見なくなったのは、そういう理由だったんだな」
月に4回は陳情が来ていたのが、最近見ていなかったのはそういうことだったんだな。
工房の古株メンバーに話を聞いていると、他の工房でも落ち着いてきたので、俺たちが作って仕事地獄に叩き込んだ便利道具から、色々なアイディアを抜き出して新作を考えているのだとか。
特に家事を短縮できるアイテムは、売れるのでそこら辺を徹底的に洗いなおして、新作を作っているんだってさ。だけど、まだ1つも出来ていないので、先は長いのだとか。
また忙しくなっても嫌なので、のんびりとやっているのが現状なのだとか。落ち着いたと言っても、消耗品の部分もあるので、毎月一定の量は作らないといけないので、そこらへんは新人が担当しているんだってさ。
そのおかげでお金の問題ないようで、新作を考えられているようだ。他にも、オーダーメイドを頼まれたりしているようなので、各工房活気があるそうだ。
じゃぁ、ここの工房は? って思ったが、この工房は新作を考えて、他の工房でも作りやすいように改良するのがメインだった。俺たちが作らなければ……って思ってたけど、こいつらも地球の物を見ることは出来るので、そこからアイディアを引っ張ってこれるので、問題なさそうだ。
ってことは……俺の仕事はここにも無くなってしまった、ということだろう。なんかそう考えると、寂しいよな。俺の工房でもあるんだから、忘れたころにまた何かを作ってやろう。
ゴーストタウンに来たのでついでに、領主館へ寄っていくことにした。
「あのクソ爺ども! どこ行った!」
到着した瞬間に、領主館からそんな怒声が聞こえてきた。老ドワーフの爺様たちが、執務室を逃亡してどこかに行っているのだろう。どうせ酒か、鍛冶場にいるんだろう。
執務室に向かって歩いていると、秘書をしている女性が執務室から出てきた。俺の顔を見ると、みるみると顔を青くしてしまっている。
「あ~気にしなくていいよ、爺たちが悪いから気にしないで。俺が捕まえてくるから、あなたはゆっくりしてていいよ。あなたの苦労は分かるからさ」
そう言うが、秘書の娘は私が私が! といって、頭を下げているので……
「分かった。領主命令だ。俺が探してくるから、あなたは飲み物でも用意しておいてくれ」
そう言うと、渋々だが下がってくれた。
さて、あいつらのいるところは……あれ? 鍛冶場にもいつも酒飲んでる場所にもいねえな。
検索! はぁ? あいつら、逃げるために他の工房に行ってやがるな……
「皆さんすいません。すぐにこのはた迷惑な爺共を連れ帰りますので……後で、ブラウニーたちの食事と飲まれた分の倍くらい酒を持ってきますので、許してください。今度からこいつらが来たら、簀巻きにして追い出してください。領主権限でお願いします。今まで被害にあっている工房の方たちにも伝えておいてください」
逃げ込んでいた工房の人たちに頭をさげ、被害に対する補償もしっかりと明言しておく。4人いる爺の首に紐をかけて、引き摺って行く。
ゴーストタウンの領主代行なのだが、よくこういう姿が見られるので、またか……みたいな、生温かい視線が。
俺はドワーフたちを引き摺りながら、ブラウニーたちに連絡して、迷惑をかけた工房へ謝罪の品を持っていくようにお願いしておく。
領主代行の執務室で4人に正座をさせる。
「じっさまたち、分かってるんだろうな? しっかり仕事をしなかったら……」
「「「「それだけは!」」」」
「だったら、仕事しろ!」
ハリセンで頭をしばき倒す。
「とりあえず、今回の罰は……2ヶ月禁酒な」
そう宣言すると、絶望した顔をしていた。こいつらの監視には、専属のブラウニーをつけるので、誤魔化すことは不可能である。もし酒を飲めば、せっかく手に入れた炉を本当に回収されるからな。
最後に変なオチが着いたが、久しぶりのゴーストタウンは、何となく面白かったな。
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