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第1871話 知恵と我慢比べ
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俺、綾乃、バザールは、自分たちのなすべきことをして、監視室へ戻ってきている。
「ってかさ、ここまで準備したけど、6階までたどり着けるのかしら?」
綾乃は、4階でひーこらいっている魔物たちの様子を見て、そんなことをつぶやいた。
「そうでござるな。特に、狭い通路の罠に見せかけたシャドウアサシンは、やばいでござるな。死角からの不意打ちと、複数体で同時に同じ場所への攻撃は、やばいでござるね。いくらLvがカンストしていようと、弱点に同時攻撃を受ければ……上位個体でもない限り、死ぬでござる」
綾乃とバザールが言っているのは、体の大きい人が四つん這いになって通れるくらいの通路で、シャドウアサシンたちに影から襲わせているのだ。
隠密に特化しているので、不意打ちの一撃はそこそこ強力なシャドウアサシンだけど、1匹でLvをカンストさせた魔物を倒せる程の攻撃力は無い。だから俺は、影から攻撃できる特性をフルに使って、同じ場所に同時攻撃を仕掛けさせているのだ。
そして、この通路には簡単に通れるレベルの飛び出す刃のトラップがあるのだが、それに紛れて不意に強い個体を殺しているのだ。上2つで散々トラップを仕掛けてもらったのは、このトラップも何か特殊な仕掛けがあり、条件を満たすともう1つのトラップが発動する……みたいな感じに思わせているのだ。
「条件なんて無いのに、中に入れる数を変えてみたり、進む速度を変えてみたりって……涙ぐましい努力をしているわよね。それに抜けた先ですぐに戦闘が始まると言う、なんて鬼畜仕様なのかしらね」
うむ。狭い通路を抜けると、魔物がいる部屋に入るのだが、同時に複数体の魔物が入ることができないため、出口付近で待機している俺の魔物が、突破してきた魔物をフルボッコ状態なのだ。
『これは何と卑怯な戦法だ! 1体ずつしか抜けられない先に、魔物を大量に配置して、抜けてきた相手を容赦なくボコボコにしているぞ! このダンジョンを作った奴には、人間の心は無いのか!?』
って実況者が言ってて、少し切れそうになったわ。
召喚コストが100分の1になって、複数……100を超えるダンジョンマスターが、同時に侵攻してきているのに、卑怯もクソもねえだろ! しっかりと迂回路もあるし、1つの考えに囚われず攻略をすればいいんだよ!
「……とか思っている顔でござるな。もし迂回路を使えば、通称ヴェノムトラップでござるからな。普通は通れないでござるよ。毒耐性が強くても、あのエリアは魔法生物系しか通れないでござる」
あそこに配置したのは、ダンジョンでも最も強力な毒のトラップと、バザールが召喚できるデッドリーポイズンゾンビって言う、やばい毒を撒き散らすアンデッドが配置されているのだ。
デッドリーポイズンゾンビは、戦闘力はほぼ皆無なのだが、Lvによって発生する毒の効果が高くなるのだ。遠距離からであれば、簡単に倒せる魔物であるが……倒すと爆散して、生きているときより強力な毒を撒き散らして死ぬのだ。ただただ質の悪い魔物だ。
正直、アンデッドやゴーレムの様な、魔物でも魔法生命体であれば毒は効かないので、簡単に通ることができるのだ。ちなみに、人でもきちんと対策をしていれば、簡単に進むことができるエリアだ。
それなりの装備をして、ちょっと高級な魔道具のガスマスクを装備すれば、あら不思議。簡単に通れてしまうのだ。毒のトラップもデッドリーポイズンゾンビも、呼吸して体内に入ることで効果を発揮する特殊な毒なので、何故か傷口から入っても問題ないのだ。理由は分からん!
「人間にはそこそこ優しいダンジョンを作ってるんだから、ダンジョンの定義ははみ出してないぞ」
「魔物のLvをのぞけば、人間には優しいダンジョンなのよね……それだけにたちが悪いわね。おっと、迂回路に気付いたみたいよ」
俺たちがのんびり話していたら、隠し通路を発見して迂回路を進む一団が増えたが……ヴェノムトラップに引っかかって、次々に死んでいく。
『今度は毒か!? このダンジョンマスターは、恥を知らないのか! 正々堂々と戦わないこのダンジョンマスターは、本当に人間なのか!?』
よし、チビ神! その実況者黙らせろ! メッチャ不快なんだけど、ルールにのっとったダンジョンを作って、こんなこと言われる筋合いないのだが……そこらへんどうなの?
そんな念を込めて送ったら、実況者の声が途切れた。チビ神がBL系の本をあげた女神たちに頼んで、物理的に黙らせてくれたようだ。他にも美容液とかにエリクサーを混ぜて送っているから、チビ神を疎ましく思っている陣営以外からは、かなりの支持を受けてるんだってさ。
それもこれも俺の貢物のおかげってことだな。
それはいいとして、ヴェノムトラップの詳細が判明するとすぐに、魔法生物系を送ってきているあたり、上位ランカーは本当にダンジョンバトルを熟知してるんだろうな。あそこを突破されれば、狭い通路の先の部屋はすぐに片付いてしまうからな……次のエリアに期待かな?
そんなこんなで、4階を突破するのに敵側は2日の時間を要した。
4階最後の関門、2匹のレッドドラゴンだが、誰かが持ち込んだドラゴンキラー付きの武器を、到着した魔物たちが使っては死に、使っては死に……ゾンビアタックみたいな感じで、レッドドラゴンの体力を削り、倒しきってしまったのだ。
Lv差はあったけど、ドラゴンキラーの効果の付いた武器は、レッドドラゴンに与えるダメージがデカすぎたな。正直、格下のゴブリンキングやロードたちが、レッドドラゴンに簡単に傷を負わせてたからな。
最終的に数えたら、持ち込まれたドラゴンキラーは12個でレッドドラゴンと対峙した魔物の数は、321匹だった。ここまで到着できた魔物をこれだけ倒してくれれば、十分だろう。
今も突入してきている魔物たちだが、突入できる数の上限があるのか召喚できる数に上限があるのか分からないが、逐次投入みたいな形になっているんだよね。4階の初めで通れなかった魔物たちは、3階に戻って自殺したしね。
120時間……5日間が終わり、残り2日で5階を突破して、6階のボス部屋も突破できるのだろうか。
「ってかさ、ここまで準備したけど、6階までたどり着けるのかしら?」
綾乃は、4階でひーこらいっている魔物たちの様子を見て、そんなことをつぶやいた。
「そうでござるな。特に、狭い通路の罠に見せかけたシャドウアサシンは、やばいでござるな。死角からの不意打ちと、複数体で同時に同じ場所への攻撃は、やばいでござるね。いくらLvがカンストしていようと、弱点に同時攻撃を受ければ……上位個体でもない限り、死ぬでござる」
綾乃とバザールが言っているのは、体の大きい人が四つん這いになって通れるくらいの通路で、シャドウアサシンたちに影から襲わせているのだ。
隠密に特化しているので、不意打ちの一撃はそこそこ強力なシャドウアサシンだけど、1匹でLvをカンストさせた魔物を倒せる程の攻撃力は無い。だから俺は、影から攻撃できる特性をフルに使って、同じ場所に同時攻撃を仕掛けさせているのだ。
そして、この通路には簡単に通れるレベルの飛び出す刃のトラップがあるのだが、それに紛れて不意に強い個体を殺しているのだ。上2つで散々トラップを仕掛けてもらったのは、このトラップも何か特殊な仕掛けがあり、条件を満たすともう1つのトラップが発動する……みたいな感じに思わせているのだ。
「条件なんて無いのに、中に入れる数を変えてみたり、進む速度を変えてみたりって……涙ぐましい努力をしているわよね。それに抜けた先ですぐに戦闘が始まると言う、なんて鬼畜仕様なのかしらね」
うむ。狭い通路を抜けると、魔物がいる部屋に入るのだが、同時に複数体の魔物が入ることができないため、出口付近で待機している俺の魔物が、突破してきた魔物をフルボッコ状態なのだ。
『これは何と卑怯な戦法だ! 1体ずつしか抜けられない先に、魔物を大量に配置して、抜けてきた相手を容赦なくボコボコにしているぞ! このダンジョンを作った奴には、人間の心は無いのか!?』
って実況者が言ってて、少し切れそうになったわ。
召喚コストが100分の1になって、複数……100を超えるダンジョンマスターが、同時に侵攻してきているのに、卑怯もクソもねえだろ! しっかりと迂回路もあるし、1つの考えに囚われず攻略をすればいいんだよ!
「……とか思っている顔でござるな。もし迂回路を使えば、通称ヴェノムトラップでござるからな。普通は通れないでござるよ。毒耐性が強くても、あのエリアは魔法生物系しか通れないでござる」
あそこに配置したのは、ダンジョンでも最も強力な毒のトラップと、バザールが召喚できるデッドリーポイズンゾンビって言う、やばい毒を撒き散らすアンデッドが配置されているのだ。
デッドリーポイズンゾンビは、戦闘力はほぼ皆無なのだが、Lvによって発生する毒の効果が高くなるのだ。遠距離からであれば、簡単に倒せる魔物であるが……倒すと爆散して、生きているときより強力な毒を撒き散らして死ぬのだ。ただただ質の悪い魔物だ。
正直、アンデッドやゴーレムの様な、魔物でも魔法生命体であれば毒は効かないので、簡単に通ることができるのだ。ちなみに、人でもきちんと対策をしていれば、簡単に進むことができるエリアだ。
それなりの装備をして、ちょっと高級な魔道具のガスマスクを装備すれば、あら不思議。簡単に通れてしまうのだ。毒のトラップもデッドリーポイズンゾンビも、呼吸して体内に入ることで効果を発揮する特殊な毒なので、何故か傷口から入っても問題ないのだ。理由は分からん!
「人間にはそこそこ優しいダンジョンを作ってるんだから、ダンジョンの定義ははみ出してないぞ」
「魔物のLvをのぞけば、人間には優しいダンジョンなのよね……それだけにたちが悪いわね。おっと、迂回路に気付いたみたいよ」
俺たちがのんびり話していたら、隠し通路を発見して迂回路を進む一団が増えたが……ヴェノムトラップに引っかかって、次々に死んでいく。
『今度は毒か!? このダンジョンマスターは、恥を知らないのか! 正々堂々と戦わないこのダンジョンマスターは、本当に人間なのか!?』
よし、チビ神! その実況者黙らせろ! メッチャ不快なんだけど、ルールにのっとったダンジョンを作って、こんなこと言われる筋合いないのだが……そこらへんどうなの?
そんな念を込めて送ったら、実況者の声が途切れた。チビ神がBL系の本をあげた女神たちに頼んで、物理的に黙らせてくれたようだ。他にも美容液とかにエリクサーを混ぜて送っているから、チビ神を疎ましく思っている陣営以外からは、かなりの支持を受けてるんだってさ。
それもこれも俺の貢物のおかげってことだな。
それはいいとして、ヴェノムトラップの詳細が判明するとすぐに、魔法生物系を送ってきているあたり、上位ランカーは本当にダンジョンバトルを熟知してるんだろうな。あそこを突破されれば、狭い通路の先の部屋はすぐに片付いてしまうからな……次のエリアに期待かな?
そんなこんなで、4階を突破するのに敵側は2日の時間を要した。
4階最後の関門、2匹のレッドドラゴンだが、誰かが持ち込んだドラゴンキラー付きの武器を、到着した魔物たちが使っては死に、使っては死に……ゾンビアタックみたいな感じで、レッドドラゴンの体力を削り、倒しきってしまったのだ。
Lv差はあったけど、ドラゴンキラーの効果の付いた武器は、レッドドラゴンに与えるダメージがデカすぎたな。正直、格下のゴブリンキングやロードたちが、レッドドラゴンに簡単に傷を負わせてたからな。
最終的に数えたら、持ち込まれたドラゴンキラーは12個でレッドドラゴンと対峙した魔物の数は、321匹だった。ここまで到着できた魔物をこれだけ倒してくれれば、十分だろう。
今も突入してきている魔物たちだが、突入できる数の上限があるのか召喚できる数に上限があるのか分からないが、逐次投入みたいな形になっているんだよね。4階の初めで通れなかった魔物たちは、3階に戻って自殺したしね。
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