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第2007話 ブラック? ホワイト?
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ゲートを作成や破棄できるのは俺だけなので、夜に行われる作戦に携わる必要がありそうだな。街の外に出ると言っているから、街の外の適当なところにゲートを作って破棄するという仕事があるんだよな。グリエルたちに話に行ったら、少し寝るかな。
時間が惜しいので今回はゲートを使うかな。
「おや? シュウ様じゃないですか。帰られたんじゃないですか?」
「ちょっと気になった事があって、急ぎできたんだよ」
「急ぎですか!? 何か問題があったのですか!?」
「問題と言えば問題なんだけど……グリエル、1つ聞いていいかな? 労働時間に関して、ちょっとね。最近働きすぎてない?」
「働きすぎですか? むしろ、働く時間が短くなっているので、これでいいのか悩んでいるくらいですよ。先月の労働時間は、確か……180時間くらいですね。シュウ様に言われた通り、仕事が早く終わって帰ったときでもフルタイムで付けているので、実質の時間で言えば160時間に届かない位ですよ」
グリエルとガリアには、忙しくないときはどちらかが残っている形であれば、早く帰るように言っている。これは業務命令でもあるので、早く帰った日も残りは労働時間としてみなしている。俺がルールだからこそできる無茶である。
「シュウ様たちが捜査している事で、ここ1週間はバタバタしていますが、日常業務としては特に問題ないので、ガリアは半日で帰ってますよ。何かあれば呼び出されるのは分かっていると思いますが、奥さんとのんびりしているんじゃないですかね?」
ガリアがいないのは、そう言う理由だったのか。何処かに出ているのかと思ったけど、仕事が終わって帰っただけか。月末や年末の決算で残業を強いることがあるけど、普段の仕事は部下も増え妻たちが仕分けをしてくれるので、かなり余裕を持っているみたいだな。
「いえいえ、シュウ様、月末は自分たち大したことしてませんよ。その書類は、全部シュウ様が処理してくださっているじゃないですか。書類を作るのは代行の皆さんですし、自分たちはチェックするだけですからね。間違えないように注意するくらいですよ」
おや? 普通に心の声を聞かれてしまったようだな。分かりやすい顔なんてしてないと思うんだけど、そんなにわかりやすいか?
「分かりやすいですよ。さすがに年末の決算は情報量が多いですし、おかしな点がないか精査する必要があるので、大変ですけどね。それでもたまに、こんなに早く帰っていいのか、悩んでしまいますよ」
「分かりやすいのか……お前たちってずっと働いているイメージあるけど、最近はしっかり休めているようでよかったよ。そう言えば気になったんだけど、領主って俺みたいにあまり働かないもんなのか?」
「そうですね……ピンキリだと思いますが、聞いた話を総合すると、領主の働く時間が長いほど腐敗が少ないイメージですね。あくまでイメージですがね。酷い所になると税金の事だけ口出して、後は全部人任せみたいなところもあるそうですよ」
「まじか~、最後のって俺みたいだな。ダメ領主っぽい……」
「私が言ったのは、重税をかけて金を集めて贅沢するクソ貴族ですよ。シュウ様は、私たちが仕事を代行する形でもいいから、領主でいてくださいとお願いしていますからね。比べたらダメです。領主としての必要最低限をしてくださるだけで、本当に助かりますからね」
「その割には、たまにフェイク報告書がまだあるよね。あれ、微妙に時間がかかるんだけど、何とかならないの?」
「止めてもいいですが……シュウ様が各方面に顔を出す口実になるので、便利だったりするんですよね。見学してくださるだけでも、働いている人たちの意欲も上がりますしね」
「……見学だけで? 嘘も大概にしろよ。俺が見学行っても、邪魔なだけだろうに……仕事の手が止まるし、挨拶しなきゃって流れも悪くなるだろ?」
「そんなこと無いですって。クソ貴族だったらヤル気も萎えるかもしれませんが、シュウ様であればみんな喜びますよ」
「ん~、俺には分からん。まぁいいや。もし見学に行った方がいいなら、フェイク書類無くても行くぞ。どうせ時間は余ってるし、子どもたちも行きたいと言えば一緒に見学に行ってもいいかな」
「ふむ……お子様たちも一緒ですか……悪くないですね。少し検討してみますね」
おや? 本当に見学に行く形かな? 午後は基本的に自由な時間が多いから、見学に回っても問題ないからいいか。
「っと、今日の夜に勇者の件で動くと思う。明日の朝には結果が出ているから、出勤してきたら確認しといてね。ガリアにも伝言よろしく」
「私たちは、何もしなくてもいいのですか?」
「今回に関しては、バザールが主導で暗部が動くことになってるから、サポート役に俺が入って終わりだね。勇者は軟禁されていると判断したから、連れてくる形だね。どんな能力を持っているか分からないけど、今回の事件について進展するはずだ」
「了解しました。何かありましたら、呼び出してください」
こうして、グリエルとの話は終わった。この街ができた当初は、かなり無茶させてたけど、最近はしっかりと休みがとれているようでうれしいね。
ダンジョン農園を経由して家に帰ると、シンラたちはまだウッドデッキの椅子でクッションに埋もれていた。俺が出発するときは寝てたけど、今は起きてなにやらはしゃいでいる。プラムとシオンと一緒に手足をバタバタさせているな……何してるんだ?
この子らの行動に特に意味は無かった。ただ目覚めてクッションに埋もれていたから、起きるに起きられず手足をバタバタさせていただけだった。スライムたちも分かっていて、放置していたみたいだ。その様子が可愛かったようで、ニコが動画をとっていたよ。いつの間に使えるようになったのやら……
シンラが目で必死に訴えてくるので、仕方がなく救出することにした。できれば、助けての一言が欲しかったな。多分可愛いワンシーンになっただろうに。シンラを助ければ必然的にプラムたちも助ける必要が出てくる。
シンラをウッドデッキに降ろして、プラムとシオンもウッドデッキに降ろしてあげる。
3人とも、助けてもらったお礼も言わずに、子ども部屋に戻っていったよ。本当にこいつらときたら……
時間が惜しいので今回はゲートを使うかな。
「おや? シュウ様じゃないですか。帰られたんじゃないですか?」
「ちょっと気になった事があって、急ぎできたんだよ」
「急ぎですか!? 何か問題があったのですか!?」
「問題と言えば問題なんだけど……グリエル、1つ聞いていいかな? 労働時間に関して、ちょっとね。最近働きすぎてない?」
「働きすぎですか? むしろ、働く時間が短くなっているので、これでいいのか悩んでいるくらいですよ。先月の労働時間は、確か……180時間くらいですね。シュウ様に言われた通り、仕事が早く終わって帰ったときでもフルタイムで付けているので、実質の時間で言えば160時間に届かない位ですよ」
グリエルとガリアには、忙しくないときはどちらかが残っている形であれば、早く帰るように言っている。これは業務命令でもあるので、早く帰った日も残りは労働時間としてみなしている。俺がルールだからこそできる無茶である。
「シュウ様たちが捜査している事で、ここ1週間はバタバタしていますが、日常業務としては特に問題ないので、ガリアは半日で帰ってますよ。何かあれば呼び出されるのは分かっていると思いますが、奥さんとのんびりしているんじゃないですかね?」
ガリアがいないのは、そう言う理由だったのか。何処かに出ているのかと思ったけど、仕事が終わって帰っただけか。月末や年末の決算で残業を強いることがあるけど、普段の仕事は部下も増え妻たちが仕分けをしてくれるので、かなり余裕を持っているみたいだな。
「いえいえ、シュウ様、月末は自分たち大したことしてませんよ。その書類は、全部シュウ様が処理してくださっているじゃないですか。書類を作るのは代行の皆さんですし、自分たちはチェックするだけですからね。間違えないように注意するくらいですよ」
おや? 普通に心の声を聞かれてしまったようだな。分かりやすい顔なんてしてないと思うんだけど、そんなにわかりやすいか?
「分かりやすいですよ。さすがに年末の決算は情報量が多いですし、おかしな点がないか精査する必要があるので、大変ですけどね。それでもたまに、こんなに早く帰っていいのか、悩んでしまいますよ」
「分かりやすいのか……お前たちってずっと働いているイメージあるけど、最近はしっかり休めているようでよかったよ。そう言えば気になったんだけど、領主って俺みたいにあまり働かないもんなのか?」
「そうですね……ピンキリだと思いますが、聞いた話を総合すると、領主の働く時間が長いほど腐敗が少ないイメージですね。あくまでイメージですがね。酷い所になると税金の事だけ口出して、後は全部人任せみたいなところもあるそうですよ」
「まじか~、最後のって俺みたいだな。ダメ領主っぽい……」
「私が言ったのは、重税をかけて金を集めて贅沢するクソ貴族ですよ。シュウ様は、私たちが仕事を代行する形でもいいから、領主でいてくださいとお願いしていますからね。比べたらダメです。領主としての必要最低限をしてくださるだけで、本当に助かりますからね」
「その割には、たまにフェイク報告書がまだあるよね。あれ、微妙に時間がかかるんだけど、何とかならないの?」
「止めてもいいですが……シュウ様が各方面に顔を出す口実になるので、便利だったりするんですよね。見学してくださるだけでも、働いている人たちの意欲も上がりますしね」
「……見学だけで? 嘘も大概にしろよ。俺が見学行っても、邪魔なだけだろうに……仕事の手が止まるし、挨拶しなきゃって流れも悪くなるだろ?」
「そんなこと無いですって。クソ貴族だったらヤル気も萎えるかもしれませんが、シュウ様であればみんな喜びますよ」
「ん~、俺には分からん。まぁいいや。もし見学に行った方がいいなら、フェイク書類無くても行くぞ。どうせ時間は余ってるし、子どもたちも行きたいと言えば一緒に見学に行ってもいいかな」
「ふむ……お子様たちも一緒ですか……悪くないですね。少し検討してみますね」
おや? 本当に見学に行く形かな? 午後は基本的に自由な時間が多いから、見学に回っても問題ないからいいか。
「っと、今日の夜に勇者の件で動くと思う。明日の朝には結果が出ているから、出勤してきたら確認しといてね。ガリアにも伝言よろしく」
「私たちは、何もしなくてもいいのですか?」
「今回に関しては、バザールが主導で暗部が動くことになってるから、サポート役に俺が入って終わりだね。勇者は軟禁されていると判断したから、連れてくる形だね。どんな能力を持っているか分からないけど、今回の事件について進展するはずだ」
「了解しました。何かありましたら、呼び出してください」
こうして、グリエルとの話は終わった。この街ができた当初は、かなり無茶させてたけど、最近はしっかりと休みがとれているようでうれしいね。
ダンジョン農園を経由して家に帰ると、シンラたちはまだウッドデッキの椅子でクッションに埋もれていた。俺が出発するときは寝てたけど、今は起きてなにやらはしゃいでいる。プラムとシオンと一緒に手足をバタバタさせているな……何してるんだ?
この子らの行動に特に意味は無かった。ただ目覚めてクッションに埋もれていたから、起きるに起きられず手足をバタバタさせていただけだった。スライムたちも分かっていて、放置していたみたいだ。その様子が可愛かったようで、ニコが動画をとっていたよ。いつの間に使えるようになったのやら……
シンラが目で必死に訴えてくるので、仕方がなく救出することにした。できれば、助けての一言が欲しかったな。多分可愛いワンシーンになっただろうに。シンラを助ければ必然的にプラムたちも助ける必要が出てくる。
シンラをウッドデッキに降ろして、プラムとシオンもウッドデッキに降ろしてあげる。
3人とも、助けてもらったお礼も言わずに、子ども部屋に戻っていったよ。本当にこいつらときたら……
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