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第2114話 罰と修行……
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痺れた足に鞭を打ちながら食堂へ向かっていると……スライムたちが現れた。俺は嫌な気配を感じて、逃げようとするが足が動かず逃げられない。
アマレロがスライムに向かって指を鳴らした。
そうすると、スライムに目が無いのに目が光った気がした。音をつけるなら、獲物を見つけた時の効果音でキュピーン! といった感じだろうか。怪しい光を発しているような感じがして、じりじりと後ろへ下がるが……後ろにもスライムがいた。
合計で30匹程に囲まれて、伸ばされた触手で足を突かれた。
俺の足の痺れが無くなるまでの10分ほど、スライムたちに遊ばれ続けた。アマレロの命令に従って行動を開始したスライムたちなので、朝食の時間が遅れても怒られることは無かった。
朝食の時間が遅れていたので、ミーシャたちは既に食べ始めており、シンラたちに至っては、俺に何してたんだ? と言わんばかりの表情をして、ため息をしていた。いつもの時間に食べ始めていたので、3人による朝の争奪戦は終わっているようだな。
一番最後に席について、食事が運ばれてきた。
おや? 俺の食事は、どうやら精進料理に近い何かのようだ。精進料理は基本的に、動物性由来の物は使わないのだが、この料理には動物……鳥の肉が使われている気がする。唐揚げがあるので、多分精進料理を元に作られている物だろう。
こうやって見ると、ブラウニーたちが作る精進料理って、なんか豪華だよな。俺の中の精進料理っていうと、質素というかもっと、量が少なく種類も少ないイメージだったけど……
俺の目の前には、10種類ほどの野菜が入っている煮物、胡麻豆腐、野菜の天ぷら、がんもどき、けんちん汁、お新香、お蕎麦、煮豆、五穀米、そして最後に唐揚げがついている。お膳の上には、けんちん汁と五穀米以外が乗っている。おかず、主食、汁物が全部で11種類も出てきた。
ん~、すげえな。これが精進料理なら、娘たちの罰にはならないんじゃないか? そう思ってミーシャたちの方を見るが、全力で首を振っていた。2~3日であれば気にならないけど、それ以上……1ヶ月も続くのは嫌だと言っている。
そんな意思疎通をしていると、ミリーに注意されてしまった。ぶり返すなと怒られた。
目の前に出された料理を食していく。
五穀米って、白米に比べると硬いというか弾力があるというか、顎が疲れるイメージがするな。それにしても、贅沢な気がするな。
「贅沢に感じるかもしれませんが、野菜の種類が変わったりするだけで、基本的に調理方法は変わらないので、食材の味以外では違いがあまりないと思いますよ。作るのも修行ですし、作る側からすると全然違うんですよね」
同じような味付けが続くのか……そういわれると、2~3日はいいかもしれないけど、それ以上続くとなると正直きついかもしれないな。昔の坊さんたちは、この食事を良く続けられたな。今のお坊さんは、良く分からないけどそこまで厳しいイメージがないな。
気になっていた唐揚げ……む? これは鶏肉ではないな。考えてみれば、少し唐揚げが角ばっているな。でもこれの食感ってなんだろな? 豚でも牛でもないし……なんだろな?
「答えは大豆ミートですね。肉も食べたいだろうし、それに近い食感の物を以前の研究で作っていたので、この機会に出してみました。魚にも応用してみたいと考えていますが、そちらは上手くいってませんね」
食材があるのに、代用品を作って調理するのか……ブラウニーたちの職への探求心は凄いな。料理人って、現実的な職業でありながら、研究者だったりするんかね?
量はいつもより少なめだと思ったけど、お腹は何か膨れた気がする。
さて、今日の予定は……リンドは土木組の子たちを指導する必要があるので、昨日の続きをするらしい。本当は、カエデも一緒に行くはずだったのだが、娘たちを抑えるためにミリーと一緒に娘たちと行動を一緒にするそうだ。
俺の予定は、特に何もないな。昨日橋も作ってしまったしな。娘たちと一緒にというのはダメと言われたので、本格的にすることが無くなった。
日課をこなすことにして、庁舎へ向かおうとしたところ……肩をがっしりと掴まれた。小さな手だけど力強い。振り返ると、スカーレットが俺の肩を掴んでいた。
「ご主人様、今日は調理場に来てくださいね。多少料理は出来るのは知っていまうので、今日は私たちと一緒に料理をしていただきます」
精進料理は修行でもある……そういう事だったのか。俺の罰はまだ終わってなかったのか。
朝食の後、少し休憩をはさんで、調理場へ連れてこられた。
「まず初めに、胡麻豆腐から作りたいと思います。精進料理と言えば、胡麻豆腐というくらい大切な食材とのことで、これをご主人様に作っていただきます。材料はくず粉、豆乳、練りゴマになります」
思ったよりシンプルなんだな。これのどこが修行になるんだろうな?
そんなことを思っている俺の前に準備されたのは……すり鉢とすりこ木とゴマ……おい、マジか! さすがにこれを準備されたってことは、自分ですり潰せってことか! 何となく修行という意味が分かった気がする。
俺の中で練りゴマは、完成品を買うか、フードプロセッサーで練りゴマっぽくなるまですり潰す物だと思ってたけど、昔はそんなものもなく自力ですり潰していたんだよな……
ペースト状になるまで、かなりの時間がかかるようだ。
ゴリゴリ擦っていると、胡麻の和え物に使うような形状になった。ここからが長かった……
ずっと擦っていると、胡麻から油が出てきてしっとりとしてくる。そこからさらに擦ることで、ペースト状になるが……めっちゃ時間がかかった。腰が痛い、姿勢が悪かったかもしれないな。
くず粉と練りゴマを鍋に入れ、半量ほどの豆乳を入れ混ぜ合わせる。良く混ざったところで、残りの豆乳を入れて混ぜていく。混ぜ合わせた物を火にかけ、わらび餅みたいな感じに練っていく。
ある程度固まりだしたところで、粗熱を取ってトレイなどに入れて、冷やしていく。固まったら、胡麻豆腐の完成だ。
アマレロがスライムに向かって指を鳴らした。
そうすると、スライムに目が無いのに目が光った気がした。音をつけるなら、獲物を見つけた時の効果音でキュピーン! といった感じだろうか。怪しい光を発しているような感じがして、じりじりと後ろへ下がるが……後ろにもスライムがいた。
合計で30匹程に囲まれて、伸ばされた触手で足を突かれた。
俺の足の痺れが無くなるまでの10分ほど、スライムたちに遊ばれ続けた。アマレロの命令に従って行動を開始したスライムたちなので、朝食の時間が遅れても怒られることは無かった。
朝食の時間が遅れていたので、ミーシャたちは既に食べ始めており、シンラたちに至っては、俺に何してたんだ? と言わんばかりの表情をして、ため息をしていた。いつもの時間に食べ始めていたので、3人による朝の争奪戦は終わっているようだな。
一番最後に席について、食事が運ばれてきた。
おや? 俺の食事は、どうやら精進料理に近い何かのようだ。精進料理は基本的に、動物性由来の物は使わないのだが、この料理には動物……鳥の肉が使われている気がする。唐揚げがあるので、多分精進料理を元に作られている物だろう。
こうやって見ると、ブラウニーたちが作る精進料理って、なんか豪華だよな。俺の中の精進料理っていうと、質素というかもっと、量が少なく種類も少ないイメージだったけど……
俺の目の前には、10種類ほどの野菜が入っている煮物、胡麻豆腐、野菜の天ぷら、がんもどき、けんちん汁、お新香、お蕎麦、煮豆、五穀米、そして最後に唐揚げがついている。お膳の上には、けんちん汁と五穀米以外が乗っている。おかず、主食、汁物が全部で11種類も出てきた。
ん~、すげえな。これが精進料理なら、娘たちの罰にはならないんじゃないか? そう思ってミーシャたちの方を見るが、全力で首を振っていた。2~3日であれば気にならないけど、それ以上……1ヶ月も続くのは嫌だと言っている。
そんな意思疎通をしていると、ミリーに注意されてしまった。ぶり返すなと怒られた。
目の前に出された料理を食していく。
五穀米って、白米に比べると硬いというか弾力があるというか、顎が疲れるイメージがするな。それにしても、贅沢な気がするな。
「贅沢に感じるかもしれませんが、野菜の種類が変わったりするだけで、基本的に調理方法は変わらないので、食材の味以外では違いがあまりないと思いますよ。作るのも修行ですし、作る側からすると全然違うんですよね」
同じような味付けが続くのか……そういわれると、2~3日はいいかもしれないけど、それ以上続くとなると正直きついかもしれないな。昔の坊さんたちは、この食事を良く続けられたな。今のお坊さんは、良く分からないけどそこまで厳しいイメージがないな。
気になっていた唐揚げ……む? これは鶏肉ではないな。考えてみれば、少し唐揚げが角ばっているな。でもこれの食感ってなんだろな? 豚でも牛でもないし……なんだろな?
「答えは大豆ミートですね。肉も食べたいだろうし、それに近い食感の物を以前の研究で作っていたので、この機会に出してみました。魚にも応用してみたいと考えていますが、そちらは上手くいってませんね」
食材があるのに、代用品を作って調理するのか……ブラウニーたちの職への探求心は凄いな。料理人って、現実的な職業でありながら、研究者だったりするんかね?
量はいつもより少なめだと思ったけど、お腹は何か膨れた気がする。
さて、今日の予定は……リンドは土木組の子たちを指導する必要があるので、昨日の続きをするらしい。本当は、カエデも一緒に行くはずだったのだが、娘たちを抑えるためにミリーと一緒に娘たちと行動を一緒にするそうだ。
俺の予定は、特に何もないな。昨日橋も作ってしまったしな。娘たちと一緒にというのはダメと言われたので、本格的にすることが無くなった。
日課をこなすことにして、庁舎へ向かおうとしたところ……肩をがっしりと掴まれた。小さな手だけど力強い。振り返ると、スカーレットが俺の肩を掴んでいた。
「ご主人様、今日は調理場に来てくださいね。多少料理は出来るのは知っていまうので、今日は私たちと一緒に料理をしていただきます」
精進料理は修行でもある……そういう事だったのか。俺の罰はまだ終わってなかったのか。
朝食の後、少し休憩をはさんで、調理場へ連れてこられた。
「まず初めに、胡麻豆腐から作りたいと思います。精進料理と言えば、胡麻豆腐というくらい大切な食材とのことで、これをご主人様に作っていただきます。材料はくず粉、豆乳、練りゴマになります」
思ったよりシンプルなんだな。これのどこが修行になるんだろうな?
そんなことを思っている俺の前に準備されたのは……すり鉢とすりこ木とゴマ……おい、マジか! さすがにこれを準備されたってことは、自分ですり潰せってことか! 何となく修行という意味が分かった気がする。
俺の中で練りゴマは、完成品を買うか、フードプロセッサーで練りゴマっぽくなるまですり潰す物だと思ってたけど、昔はそんなものもなく自力ですり潰していたんだよな……
ペースト状になるまで、かなりの時間がかかるようだ。
ゴリゴリ擦っていると、胡麻の和え物に使うような形状になった。ここからが長かった……
ずっと擦っていると、胡麻から油が出てきてしっとりとしてくる。そこからさらに擦ることで、ペースト状になるが……めっちゃ時間がかかった。腰が痛い、姿勢が悪かったかもしれないな。
くず粉と練りゴマを鍋に入れ、半量ほどの豆乳を入れ混ぜ合わせる。良く混ざったところで、残りの豆乳を入れて混ぜていく。混ぜ合わせた物を火にかけ、わらび餅みたいな感じに練っていく。
ある程度固まりだしたところで、粗熱を取ってトレイなどに入れて、冷やしていく。固まったら、胡麻豆腐の完成だ。
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