ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2155話 訓練の方法は!?

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 拠点に戻ると同時に、レイリーへ遣いを出す。夕食後に時間が空いたら来てほしいという伝言をしてもらう。レイリーの事だから、食事が終わったら過ぎ来そうだな。

 今日の夕食は、シンラたちとウル、シュリ以外は、全員が軽めの食事になっていた。昼食を食べ過ぎたので、夕食を軽くするといったところだろう。軽くても腹持ちのいい物や、野菜多めだったので満足感は大きい。

 シンラたちは、食事の量をしっかり決められているので、いつも通りの食事といった感じだったな。ウルは、食べ過ぎないように注意していたので、普通に食事をしていたな。シュリは……量は関係ないからな。軽い物となると、反対に食べるのが大変になってしまうから、コッテリしたものが並んでたな。

 ミーシャたちは少し物足りなそうだったが、夕食を食べすぎると明日からのおやつが1週間抜きになると言われたら、渋々だがいうことを聞いていたな。シルキーたちが注意するクナイなので、普段よりかなり食べているということだ。

 俺も物足りなくは感じたけど、サラダを多めにしてくれたから、満足はしているぞ。ミーシャたちも、好きなドレッシングをいくつもチョイスして、サラダを食べていたから満腹感は問題なさそうだな。

 それより気になるのが、シンラたちの前に置かれている野菜スティックなのだが……食後にデザートみたいに持ってきたんだけど、あれって何?

 近くにいたブラウニーに聞いてみると、今日のシンラたちはいつも以上に体を動かして、汗もかき水分も出しているので、キュウリの野菜スティックと、3人が好きな味噌マヨネーズをディップできるようにしたんだとさ。

 キュウリで水分、味噌で塩分、マヨネーズでカロリーってところか? 胡麻が濃厚な胡麻ドレッシングも一緒に置かれているな……あれ、めっちゃ美味そう。

 そんなことを考えていると、各机に野菜スティック各種と、ディップできるソースが複数出てきた。多分、シルキーたちも物足りないと感じているのは、分かっていたのだろう。だから、完食しても大丈夫な物を準備してくれたって感じだな。

 ちょっと癖のあるセロリのスティックを手に取って、味噌マヨネーズをディップして口へ……シャキッジュワッ! ん~いつ食べてもこのセロリ、みずみずし過ぎるんだが……

 元々好きでも嫌いでもなかったセロリだが、この世界でドリアードたちが作った最高級のセロリを食べてから、俺は考えが変わったね。好物! って感じではないけど、美味い! って生で言って食べれる野菜になった。

 地球にいた頃だって、好んでは食べなかったけど、今みたいに普通に生で食べることはあった。でもさ、その時に食べたことあるのって、もっと筋張っていて、水分も少なくてセロリの味がギューンッて突き抜けてくるような奴だったんだよな。

 今食べているセロリとは正反対だ。それに、セロリ自体の大きさも全然違うんだよね。こっちの方がはるかに大きい。俺が向こうで食べていたセロリの、倍くらいはあるのではないだろうか? そう思わせるくらい大きかった。

 ドリアードに話を聞いたけど、その時に言っていたのは、セロリは大きくなっても、俺が言っている筋のような物はほとんど増えないので、嫌な感じがしないのではないか? と言っていたっけな。

 実際には良く分からないが、筋のような物が引っかからず食べやすく、みずみずしくてセロリの癖のある味も、バランスよく感じるから美味いのだろう。美味いんだから、なんだっていいよね!

 もしゃもしゃと野菜スティックを食べていると、ガシャガシャと鎧が鳴る音が聞こえた。この時間なのに、鎧は脱いでないんだな。金属製の鎧をつけているから、体が凝りそうだけど大丈夫なのかね?

 そんな心配もしながらレイリーが来るのを待っていた。子どもたちは既に食堂にはおらず、お風呂に入るための準備をしにプライベートエリアに戻っている。俺は、レイリーと話があるので、ここで待機していた。

 レイリーが俺の前に座って、両サイドに副官が座る。夜遅くにすまんね。

 レイリーに帰ってくるときに考えたことを、明日にでも実践できないか確認することにした。

「なるほど、あの訓練をここでやるということですね……悪くないと思います。いつも不意打ちでやっている訓練とはいえ、ディストピアやゴーストタウン等の敷地内か、よくて街の周辺でしか行っていませんでしたので、実戦に近いという意味では、ここで行うのは悪くないと思います」

「あの、不意打ちの訓練は賛成なのですが、兵士じゃない人たちも大勢いますよね? そのあたりはどうするのでしょうか?」

 副官の一人が、兵士たちはともかく一般人を巻き込んでいいのか? という質問をしてきた。

「お前の言うことも分からんでもないが、この不意打ち訓練の想定する場面を想像してみなさい。自分たち兵士だけではなく、それ以外にも人がいる場所で起こることが前提なんじゃないか? 訓練をし過ぎて、本質を見失っては意味が無いぞ」

 レイリーにそう言われた副官は、少し考え納得した様子を見せる。

「初めに言っておくけど、不意打ちとはいっても、兵士たち以外には知らせるつもりだよ。訓練に付き合ってほしいって感じでね。避難訓練だと思って、兵士たちの指示に従うようにって感じで話そうと考えているけど、レイリーはどう思う?」

「なるほど、避難訓練ですか。確かにそれなら、シュウ様の管理されている街の人間なら、受け入れやすいでしょう。そして、緊急時に兵士たちの指示に従うのは、どこの街でも同じですからね。でも問題は、どのようにして訓練をするかですね」

「そうなんだよな。実戦を想定するのであれば、駐屯地の真ん中でいきなり殺気を放つって言うのは、明らかにおかしいよな。だから、方向的にはラディッツの街から拠点に向かって、ある一定の速度で移動をしてくる感じにするのはどうだ?」

「方向はそれでもいいかもしれませんね。守りやすく退路のある島へ避難してもらい、避難指示を出している兵士たち以外は、迎撃態勢ですかね? 守るのも悪くないですが、駐屯地がひらけている場所なので、中にはいられると厄介ですからね」

「ですが、私たちが駐屯地にいる場合は、訓練を知っている私たちが指揮をとる形になりますが、そこらへんはどうしますか?」

「訓練が始まる前に、シュウ様たちの作っている街を見に行ってくる、とでも言って指揮権を渡しておけばいいだろう。おそらく、私たちがいない時点で、訓練だとは気づかれると思うが、それで手を抜くような兵士はここにはおらんだろう」

「言われてみれば、そうですね。指揮権を渡しておけば、問題ない事でした。手を抜く兵士はいないと思いたいですが、こっちへ来てからも通常訓練をしていますので、間延び感がある気がします。何部隊かは、大ポカをしそうで怖いですね」

 俺たちはこのまま、計画を練ることになった。
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