ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
2,179 / 2,518

第2179話 ついつい余計なことをしてしまう

しおりを挟む
 今日は何するのかを考えていると、スカーレットが近くへやって来て、

「ご主人様、今日はお休みです。仕事はしないで1日ゆっくりしていてください。10時のおやつもありますので、いる場所をしっかりと報告お願いします」

 そう言って、俺の側を離れていった。

 俺の行動を監視するような感じだな。休みの日に仕事をしようとすると、メチャクチャ怒られるので間違いなく従っておかないと、後が本当に大変になるので大人しく従おう。

 仕事をするつもりでいたが、急遽なくなったので予定が宙ぶらりんになってしまった。

 近くにいた妻たちは、休みもなく働いていると下の人たちが休めないから、注意した方がいいといってきた。ここがディストピアならまだいいのだが、こういう駐屯地……普段と違う場所では特に注意が必要らしい。

 特にここの駐屯地のように、準戦時体制になっている場所では、しっかりとした休みは取れないが、常に気を張っている状態も望ましくない。その状況でトップの俺が休まなければ、下の者たちは休みづらくなってしまうので、スカーレットに休めと言われた感じだな。

 では、何をするかと言われると……することがないんだよな。

 何かをしなければならないということも無いので、のんびりすることにした。何かしてほしいといわれたら、お願いされたことをすればいいか。

「えっと……スカーレット、俺は庭にいるから冷たい飲み物、ミルクティーあたりを持って来てもらっていいかな? 今日は少し甘くしてもらえると嬉しい。庭で本でも読んでるから、よろしく」

 スカーレットに行く場所を報告して、庭へ向かう。

「ん~、どこでのんびりしようかな?」

 庭に出てきたのはいいが、太陽の光がサンサンと降り注いでいる中で、ブッ君は読みにくいからな。紙の本だったとしても、太陽の下で見るのは目が痛くなるんだよな。

 となればタープでも張って、日影を作り出す方がいいかもな。

 どうやってタープを張ろうか考えたが、後々の事を考えるとタープより屋根だけのスペースを作ってもいいな。きちんとすれば、雨の日だって使えるし、バーベキューだってしやすくなる! 後者は俺の趣味みたいなものだけどな。

 庭はかなり広く作られているので、中心にドカンと大きな屋根だけの建物、東屋を作ってしまおう。机はコの字になるようにして、中で調理ができるように広めにとっておこう。外側にも広く幅をとり、のんびりできるようにスペースを確保するようにしよう。

 長方形に作るので、縦に支柱を4本、横に支柱を6本を等間隔に設置できるように礎石を配置する。

 1人で出来るか考えてみたが、クリエイトゴーレムで角を含む3本の支柱を立てれば、支え無しで柱は経つので……木材を準備して、魔法で一気に加工する。

 地球だったら絶対にこんな建て方はしないだろうが、魔法のある世界ではこんなことも簡単にできてしまう。後は、このまま礎石を軸に支柱を繋げていけば問題ないので、サクッとやってしまおう。

 クリエイトゴーレムは、柱や梁も全て一体化できるので、釘などを使う必要がない。低級の魔核でも、修復機能をつけておけば、魔核が壊れない限り倒壊することは無いだろう。

 屋根は……天然ストレートという物を選んでみた。屋根の素材は良く分からないけど、検索して出てきた物の中で、高めの素材を選んだ。板を張った上に防水シートを張り、その上に天然ストレートを配置する。

 魔法で一気に加工できるため、屋根の板張りと防水シートを張るのに30分もかからなかった。思ったより簡単にできて、面白かった。

 東屋の中は机だけ簡単に作って、俺は本を読むためにくつろげるスペースに、リクライニングチェアーを配置し、ブッ君で小説を読み始める。

 最近まとめて読む時間がなかったので、新刊をほとんど読んでいなかったので、ローファンタジー系の新刊をいくつか購入していたのでそれを読むことにした。

 そう言えば、ファンタジーの中にも大きく分けるとハイファンタジーとローファンタジーに分けられるらしい。人によっては、サイエンスフィクション……SFをファンタジーと含める人もいるようだ。

 きちんとした定義が定まっていないらしく、小説サイトでもローだと思っていてもハイだったり、その逆もあったりする。

 個人的な意見として、現実世界の中に異質な原理が入ってくる物語をローと考えている。現実世界か異世界かでローとハイを分けてはどうかと思っている。現実世界でもファンタジー要素が無ければ、文芸の一種でいいのではないだろうか?

 これを議論し始めたら、キノ〇タケノ〇戦争と同じくらい無意味な争いが起こるので、あくまで俺の主観としてのローファンタジーを読んでいる。

 俺の好きなローファンタジーと言えば、優等生の妹と劣等生の兄という対照的な評価を受けているあの小説だ。機械の補助で魔法を早く使っていたりするが、現実世界では証明できないものなので、ローファンタジーと俺は考えている。

 他にローファンタジーの代表作と言えば、ゲームの世界に取り込まれてしまうあれだろう。多くの人はゲーム内でデスゲームに巻き込まれるあの小説だろう。

 俺が思い出すのはもう1つあって、天才プログラマーが愛した詩人が不慮の事故で無くなってしまい、恋が成就しなかった。そこで、プログラマーは詩人の小説を元にした世界観のゲームの原型を作り、それがMMORPGとして公開された物語の方だな。

 ゲームの中で死んだ詩人を子どもを作るためにゲームを開発したという、かなりぶっ飛んだ思考の持ち主だ。そこで生まれたのが、自己進化をするAIだったのだが、プログラマーが失踪してAIは秘密の存在となったんだったかな?

 ゲームもアニメも小説も色々出ている、メディアミックスプロジェクトだ。その中でも、ゲームを中心とする方針は、他のメディアミックスプロジェクトと違っていたようだ。

 っと、それ以外も読んでみようと思って探したのが今回の、ダンジョンが現実世界にできた話で、そこから3年経ったところから話が始まる小説だ。

 のんびりと読んでいると、チクチクと刺さる視線がこちらに……

「ご主人様……休むように言ったのに、これは何ですか?」

 食事を食べた後なので、少し時間をおいて飲み物を持って来てくれたアマレロが、笑顔のまま怒っていた。

 外で本を読もうとしたけど、ディストピア見たいに木陰がなかったから、のんびりできるように作った事を必死に説明し、何とか許しを得ることができた。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...