ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2224話 準備が進んでいく

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 食事も終わり、久々にディストピアの家に帰ってきた。ゲートで移動して、少しだけ返ってきてはいるが、それは息を落ち着かせるためではないので、ノーカンでお願いします。

 のんびりとダンジョン農園を歩いて家に向かう途中……ここって、建物なんかが増えたり畑が大きくなったりしているが、あまり大きく変わったように見えなくて落ち着くな。

 農園を抜けて階段を上がり、自分の家を見る。

 何という安心感だろうか。俺にとっては、この家が実家みたいな物なんだよな。地球の家は、もう帰ることは出来ないし、帰ることができても俺がいなかったことになっているみたいだから、戻れたとしても家族は俺の事を分からないみたいだしな。

 DNA鑑定をしたところで、チビ神の話だと俺と家族の血縁関係はおそらくでてこない。何でそんなことが可能なのか、考えたところで意味は無いので受け入れるしかないだろう。

 チビ神のおかげで、妻たちと巡り会えたし、子どもたちにも恵まれている。あのチビ神に色々と思う所はあるが、感謝はしている。

 妻たちは少し休んだら、しばらく顔を出していない職場に顔を出してくるらしく、大半が出かけるようだ。ウルは、遠征期間に大分頑張ったので、スカーレットからゆっくりするように言われていた。

 他の子どもたち……ミーシャたちの姉グループは、近くの子どもたちや孤児院に遊びに行くようだ。この子たちも、勉強頑張ってたしな。久しぶりに友達に会いたいだろうから、ゆっくりと遊んでくるといい。

 シンラたち下の子は、特に変わることなくマイペースに過ごすようだ。家に入って一番初めに始めたのが、追いかけっこだったのを考えると、本当に仲の良い子たちだと思う。昔みたいにシンラがガチで逃げているわけではなく、楽しそうに遊ぶ感じなので微笑ましい。

 この子たちは、大雑把なところは変わってないが、プラムたちの一方的な部分が減ってきている。シンラから離れる時間もちょっとずつ増えているみたいだし、この先どうなるんだろうな。チビ神からあの話を聞いてしまったので、なおさら気になるところではある。

 何で忘れていたのかは分からないが、この世界では問題ないようなので、俺が気にしたところで意味は無い。

 さて、俺は外出と仕事を禁止されているので、マイワールドの調整をしていこう。

 大雑把なところはできているので、エリアごとに分けてある程度時間を過ごせるように工夫をしてみる。

 昼食まではエリアを拡張して、違和感のない程度に川の道を作って、どう見えるかを想像しながらやっている。

 昼食後はエリアの微調整をしてから、イルミネーション以外にも光が楽しめるように、洞窟の中をゆっくりと移動する時に、色々な光を出す苔を散りばめたところを通ったら面白そうだったので、ランダム配置で苔をペタペタと洞窟に貼っていく。

 10種類ほど洞窟を作っているので、各エリアを楽しんだ後にここに来ることも可能だ。

 紅葉のエリアをいじっている時は、本当に懐かしい気持ちになったな。

 実際に行ったことは無い場所なのだが、日本のこういった光景って特徴的だから、なんか落ち着くんだよな。心の奥に刻まれた日本人の何かが、そう思わせてるのではないだろうか。

 なんて馬鹿なの事考えながら、一生懸命頑張っている。

 もう明日には家族旅行……と言っていいのか分からんが、出発することになっているので時間は無い。途中で追加することも出来るし、俺は気の済むまでゆっくりするのが今回の仕事だしな。

 グリエルたちに比べたら、大した仕事なんてしてないのに、周りに心配されるからな。ゆっくりと休まないと、反対に怒られてしまう状況なんだよな。

 あ! ずっと船じゃなくて、途中降りてのんびりできる場所も欲しいな……

 そうなると、イルミネーションは外面を見るだけじゃなくて歩きたくなってくるし、富士山の神秘的な光景を見ながら、湖畔で焚き火もしてみたくなってきた。

 家族旅行なので、妻たちにも子どもたちにも楽しんでもらいたいが、俺も色々楽しみたいと思っている。景色が俺好みの場所が多いので、それだけでも十分だと言われそうだが、とことん楽しみたいと思っているから、思うが儘にマイワールドをいじっていく。

『あなたって、本当にDPを無駄遣いするわよね。あなたの前にトップだったダンジョンマスターでも、そこまで盛大に無駄遣いなんてしてなかったのに……底辺にいるダンジョンマスターなんかが知ったら、発狂しそうだわ』

 俺が作業をしていると、今朝ぶりに念話がきた。

 だってさ、これがDPの収支表だけど、地上を含まないダンジョンの中のDPを見ても、この無駄遣いのDP以上を稼いでいるんだぞ。それに地上分も合わせれば、同じようなマイワールドを10個作ったところでDPは減らないからな。

 避難民たちの街を監視するために、Sランクの魔物のダゴンを呼んだが、それでもちょっと減ったかな? と思ったくらいで、減った分はすぐに補充されちまったからな。

『そのおかげで、私は贅沢できるから助かってるから、文句は無いんだけどね。DPが余ってるなら、少しお願いがあるんだけど、聞いてくれるかしら?』

 内容にもよる。俺が気が向かなかったりしたら聞くつもりは無いし、妻たちと相談が必要だと思ったら、普通に相談して決める。それでもよかったら、話すといい。

『DPの余っているあなたにとって、無茶なことではないわ』

 それを決めるのは俺だから、早く言えって。

『そうね。あなたの作っているマイワールドの一部をコピーして、貢物として送ってほしいの。私も、あなたの作っているそのマイワールドに行ってみたいわけなのよ。できればあなたの持っている船と同じようなやつも欲しいわね』

 ……

 しばらく頭の中で考えてみたが、DP以外に使うことは無いし、誰かが無茶をするわけでもない。ならば、妻たちにも相談してみよう。ってことで、また後で連絡するからこれでも食って待っとけ。

 そう言って、日本のデリバリーピザをいくつも召喚して、チビ神に送り付けておいた。
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