ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2318話 考えは人それぞれ

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 俺が席について作業を始めると、俺についていたブラウニーたちがシルキーたちと何やら相談を始めた。何かしら報告することでもあったのかな? 最近は慣れてきたけど、これが監視されているようで鬱陶しい時もあったんだよな。

 小説に書かれている王族や上位の貴族たちは、メイドや執事、御付きの人間が四六時中一緒にいるイメージがあるけど、ずっと誰かと一緒にいる俺の状況とある意味似ていると思うんだよな。俺の場合は、悪さをしないかとか、危険がないかとか、色々含めての監視なんだけどね。

 ずっと見られている状況も慣れてきたけど、俺みたいにだらける姿を他に見せられない人たちは、かなり窮屈な思いをしているんだろうな。

 どうでもいい事を頭から振り払い、今日の会議で思いついたことを、思いつくがままに書きなぐっていく。

 自分の中で半分程書きなぐったところで、良い匂いが辺り一面に漂っていた。

 顔をあげ、匂いの元を探すべくあたりを見渡す。匂いの元となる物が何となく想像がついているので、可能性の一番高いオープンキッチンに目をやる。

 匂いは粉物なので、鉄板で何かを焼いているのだろう。

 クンクン

 ソースの匂いなので、何を焼いているかまでは分からないが、粉物でソースの匂いとなるとお好み焼きが候補にあがる。タコ焼きの可能性もあるけど、タコ焼きの場合は鉄板の上ではソースをかけないから、ここまでは匂いが漂ってこないと思う。

 他にもB級グルメで粉物のソースを使う物はあるけど、もしそれだったら俺には想像がつかないので、候補から外すしかなくなる。

 目標物を発見する。

 お好み焼きだな。俺の想像したドンピシャの粉物だな。

 ボリュームはあるけど、脂も使っていないしシンプルにキャベツと小エビの干物で作ったみたいだ。山芋をたっぷり使って、小麦粉はほとんど使っていないから、ヘルシーだって言うけど、そういうモノなのだろうか?

 カロリーを気にする必要がないから、ヘルシーである理由は無いのだが、時間的に食べるならこういうモノにするように! と言われた。

 別にお好み焼きが嫌いって言う訳じゃないけど、ガッツリ食べたい時には向いていないんじゃないだろうか? メッチャ腹減ってるんだよ?

 あ~、すいませんでした。

 メッチャお腹が空いていることも理解してくれていた。1枚だけではなく、他にはシーフードミックスのようなモノが入っていて、3枚すべてが違う味わいで食べれそうだ。

 ……

 俺は無言で準備してくれている、シルキーたちを見る。

 ヘルシーだからって言ってたけど、これだけ食べれば関係なくないか?

 そんな風に思っていたら、

「普通の夕食と同じくらいの量を食べようとすれば、さすがにカロリーの取り過ぎなので、キャベツでお腹を満たしてください。栄養に関しては、昼食やおやつでも補給できているので、野菜だけでも十分です」

 だってさ。

 まぁ、お好み焼き自体は同じような味付けになるけど、少しずつ具材が違うから4枚でも問題なく食べれるだろう。

 2枚目を食べ始めてビビった。

 同じソースなのだが、味わいが全然違ったのだ。違うメーカーが作ったとかそういうレベルではなかった。ソースはソースなのだが、何かが根本的に違って味が全く違うと錯覚してしまうような感じだった。

 へ~、ソースでもここまで違うんだな。

 気付いたら、準備されていた4枚すべてを食べてしまっていた。

 お腹が満たされ眠くなってきてしまった。

 しなければいけないことがあるので、さっさと残りの半分を書きなぐってしまおう。思い出したことは片っ端から書いているので、内容が重複している物もいくつかあった。

 重複している物は見比べて、俺のイメージに近そうな方を元にして、1つの案に書き換える。こんなことをしなくても、グリエルたちが勝手に直してくれるのだから放置でもよかったのだが、たまに俺が意図しない言葉になっていることもあるので、極力イメージに近い案を採用している。

 全部書き終わったころには、眠気がマックスになっており、お風呂に入る気力もなかった。一応、会議の前にシャワーは浴びているので、俺の体が汚れているとかは無いのだが、気持ち的に入りたくなるのは仕方が無いと思う。

 ん~、明日起きてから風呂にはいろう!

 そう決めた俺は、部屋まで急いで戻り就寝する。

 夢を見ることもなかったので、寝てすぐに朝が来たような感覚だ。まだ、朝日も差し込まない時間なので暗いのだが、目が覚めてしまったようだ。

 多分、お風呂に入る! という気持ちの所為で、目が覚めてしまったのだろう。こういう意識をしなければ起きるまで寝続ける俺だが、決めた時間に起きようと思うと、就寝時間が1時間だろうと結構な確率で起きることができる。

 そんな特殊能力を今回も発揮してしまったようだな。寝ぼけていたはずなのに、意識ではしっかりと認識してたんだな。って、寝ぼけていたはずなのに、しっかりと寝ぼけていたって思っているんだから、案外寝ぼけていなかったのかもな。

 朝風呂に行くかな。

 廊下を歩いて浴室へ向かう途中、変なモノを発見した。

 俺の家の中だから知らないモノは無いので、変なモノというのは少し間違っているかもしれない……が、スライムたちが子ども部屋から列をなして動いている姿は、変なモノだと言わざるを得ない。

 こんな奇妙な光景を、寝起きで見ることになるとは……

 こいつらの事は考えても分からないから、奇行だと思て解けばいいだろう。

 俺の向かう先と同じ方向なので、一緒に歩くという奇妙な絵柄になった。

 途中で別れるかと思いきや、目的地まで同じだった。

 こいつらはいつでもお風呂にいる気がするけど、こうやって移動しているところは初めて見た気軽するな。いつも、人のいない時間帯に移動して、ずっとお風呂に居座っているのかね。

 時間を見る限り5時なので、1時間ほどお風呂に入ってから、少し休憩する時間まであるな。寝てても起こしてくれるだろうし、お風呂に入ってすっきりするかな。

 ん? 服を脱いでいて気が付いたが、ブラウニーたちが待機する場所に誰かがいる。この時間は、利用する人がほとんどいないから、待機している人はいないはずなのだが……

 誰がいるのか確認すると、やはりと言っていいのか、ブラウニーたちがお話ししながらお茶を飲んでいた。休憩室でもない待機所でくつろいでいるのは何故だろうか? 誰かが風呂に入ってるのだろうか?

 誰がいるのかは教えてくれなかったが、従魔たちやスライムたちが中にいるので、私たちはここで待機しています……だってさ。誰がいるのかは教えてくれなかった。
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