ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
2,379 / 2,518

第2379話 くつろぎの時間

しおりを挟む
 夕食が終わり妻たちから集めた意見を、まとめて置く。連結式と外が見えるように、というのが改造するうえで考えるべき点だろう。他の細かい部分は、外見に影響のある改造は必要なさそうだからな。

 大きさは変えずに連渇できるようにするというのは、規格化という意味ではかなり有用だが、小回りが利かなくなるというデメリットもある。連結はいわば、電車の車両を繋げるような物だからな。いくら小回りが利くように馬車が作られていても、曲がる時に箱と箱がぶつかってしまう。

 ぶつからないように箱と箱の距離を伸ばしても、曲がることができるようになるだけで、バランスが悪くなってしまう可能性が高い。

 っと、今日はもう考えるのは止めようか。仕事ではないけど、こんなことをしていると妻たちに怒られるからな。今は趣味でやって楽しんでいるだけだけど、グリエルたちには仕事をするなって厳命されているから、度が過ぎると報告されてしまうので注意が必要だな。

 昼間にグリエルたちに連絡した時は、俺たち3人が集まっているからどうせ遊んでいるのだろうと思われていたので、注意は受けなかったが、あまりやりすぎると家から出る事すら禁止されそうだな。

 今日は、前に作った温泉へ行くことにした。空が見える露天風呂だ。解放感がすごく、家族しかい亜無いと確信できていなければ、絶対にはいらないだろうお風呂だな。それは、クルーザーの上に作った露天風呂も一緒だな。

 お風呂へ入りに行こうとすると、シンラが連れていけ! と訴えるので、小脇に抱えてやると、楽しそうにはしゃぎながら手足をバタバタさせている。昔ミーシャたちもこうやって抱えた時に、手足をバタバタさせてたっけな? 血が繋がっているって感じるな。

 こうしていると……ほら来た。俺の足に突撃してくる2つの影。シンラを助けるという意味で行動しているのだろうが、シンラは楽しんでるんだけどな。

 まぁいい。お風呂に行くから、プラムたちもついてきなさい。俺の足への攻撃を止めないのを見て、ミーシャたちが2人を回収してくれた。昨日に引き続き子どもたちと一緒にお風呂にはいれるようだ。

 ちょっと風があるせいか、体が濡れていると寒いかもしれないな。風を引かれても困るので、温泉の周囲に結界を張って少し温度を上げておいた。

 ここのお風呂は、始めは小さかったけど、家族全員で入ることもあったので、かなり広くなっている。テレビで体育館一面分くらいありそうな白く濁った温泉みたいにかなり広い。あの温泉ってもっと広いのかな? 実物を知らないので、判断できないが……とにかく大きい。

 子どもたちが溺れないように浅めにしてあるので、深いところで座っても鳩尾付近くらいまでしかお湯がない。スライムたちも一緒に入るので、溺れるようなことはまずありえないが、お風呂に入るのに頼りきりにならないように、たまには自分で入らせないとな。

 特にシンラは、スライムに湯舟替わりや浮き輪代わりにさせてお風呂へ入るので、自分一人で入れなくなるのでは? と思ってしまうことがある。

 いつものように俺の前に陣取ったシンラは、はよ洗えと言わんばかりの表情で俺を見上げてくる。体を洗うスポンジを泡立たせてからシンラに渡す。渋々だが受け取り体を洗い始めるので、俺はシンラの髪を洗うために手で泡立たせてから、指の平で軽く押しつけて洗い始める。

 既にシャンプーハットをつけていたので、気にせず洗うことができた。プラムたちは昨日と同じように、ミーシャたちに洗ってもらっている。

 体を洗い終り石けんを流し終えると、すたこらさっさと露天風呂へ入ってしまった。一応目の届く範囲から出ないようにスライムたちに指示して、ある程度の広さはあるが遠くまで行かないように囲ってくれた。

 俺の髪の毛は、ファンション坊主がちょっと伸びた感じなので、簡単に洗うことができる。髪の毛は自然乾燥でも問題ないレベルですぐ乾くので、便利な長さだ。

 目を離すのも、シャンプーを洗い流す時くらいなので、心配するほどの事もないだろう。

 ミーシャたちが洗い終わっていればここまで気を回さないけど、男と女では髪の毛を洗う時間が違うからな。

 ササッと洗い終えて俺も露天風呂へ……

 シンラがメッチャ泳いでる。スライムを浮き輪代わりにしてバタ足で、広い温泉をすいすいと泳いでいる。洗っている時から分かっていたけど、さすがに……って、プライベート温泉だから厳しく言う必要もないか。

 問題があれば、先にスライムが止めるしな。でも一応、

「シンラ、家族しか入らないお風呂だからいいけど、家族以外の人が入るお風呂では、泳いじゃ駄目だぞ」

 俺の言っていることを理解して返事をしてくれた。

 俺が来たことでスライムたちの囲いが無くなり、シンラは遠くへ泳いで行ってしまった。追いかけるべきか……悩むが、目の届く範囲にいるならいいか。

 温泉が見渡せる場所で体を倒し、風呂の縁に頭を置いて体の力を抜いて浸かることにした。

 キャッキャと娘たちが楽しそうにしている。シンラはシンラで泳いで楽しんでいる。温泉って、くつろぐところで楽しむ場所だったっけ? そんなことはどうでもいいか。

 しばらくすると、シンラが戻って来て疲れたのか、いつものだらけた姿勢で俺の横に並んだ。スライムを使わせないつもりだったが、疲れている時に自力でって言うのもシンラに酷なので、スライムたちには視線で許可を出しておく。

 プラムとシオンは、洗い終わってもシンラの近くには来ずに、ミーシャたちと一緒にお風呂に浸かっている。シンラものんびりできる時間ができて良かったな。おっと、のぼせると拙いから、シンラの周りだけ少し温泉の温度を下げておく。

 シンラが上がればいいのだが、俺に似てしまったのか、長めに浸かりたいようで、無理にあげると怒るから、こういう対応にしているんだよな。地球にいれば、強制的にお風呂から出すけど、この世界だから希望をかなえてあげれている感じだな。

 温泉に満足してお風呂からあがろうとしたので、ブラウニーに妻を呼んできてほしいとお願いして、シンラの着替えをすることにした。ちょっと前までは着させろと圧力をかけてきていた気がするが、自分で頑張って着るようになっている。

 頑張っても難しいところは手伝ってあげる必要があるんだけどな。

 着替え終わったら、お風呂上がりの一杯。コーヒー牛乳を飲んだ。両手で持って、一生懸命飲んでいる姿はなんだか可愛いな。いつもこんなだったらいいのにな。

 飲み終わりゲップをしたあたりで、ライラが迎えに来た。

 他の妻たちは、もう少ししたら温泉に入りに来るとのことだ。

 俺は、もう一度温まりなおすために温泉に入った。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。 絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。 一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。 無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

処理中です...